「パワパフZ出動だワン!」  
 
放課後の研究所に緊張が走る。  
人とモンスターが共存する街、東京シティー。  
カレを倒した後も、モジョやギャングリーン・ギャングを筆頭に、黒い光を浴びたモンスター達が街を脅かす。  
パワパフガールズZは今日も街の平和を守っているのだ。  
 
「モンスターはどこですの?」  
「東京シティータワーの方角です!」  
ケンがモンスター反応を感知した場所を特定した。  
「よ〜し、チャッチャと片付けてやるぜ!」  
「みんな、変身よっ!」  
3人はコンパクトをかざし、白い光を飛び散らせパワパフガールズZに変身する。  
 
「頼んだよ!パワパフガールズZ!」  
「頑張るワン!」  
 
「じゃ、行ってくるわね!」  
3人は研究所から飛び立ち東京シティータワーを目指した。  
 
ブロッサム、バブルス、バターカップ。どんな相手だろうと3人一緒なら負けないわ!  
今日もスーパヒロインとしてのあたしを目一杯、出し切っちゃうからね!  
 
そう自分に言い聞かせ、胸を躍らせるブロッサム。  
だが、これから悪夢のような災難に見舞われる事など、彼女は知る由もなかった……。  
 
 
瞬く間に東京シティータワーに到着した3人。  
「おっ、どうやらアイツらしいぜ?」  
「ブロッサム…どうしたんですの?」  
「あ…あれは……あれはまさか…!」  
 
これまで数々のモンスターを退治してきた3人。  
「あたしの……あたしのフルーツケーキーーーっ!!」  
シマウマの群を見つけたライオンのように、モンスターに突進するブロッサム。  
 
「おいバカ!そいつはモンスターだぞ!?」  
「待ってブロッサム!危ないですわ〜!」  
ガールズの眼前で暴れていたのは、高さ約20m、直径約30m、並みの民家なら一発で押し潰してしまいそうな巨大ケーキモンスターだったのだ。  
 
「なかなか手応えのありそうな奴じゃねえか」  
「早速やっつけてしまいましょう〜」  
「……」  
 
「ブロッサム…ブロッサムどうしたんですの?」  
「おいブロッサム、聞いてんのか?」  
「……」  
 
胸の動悸が治まらない。  
体中の血液が逆流してしまいそうな…まるで探し続けていた理想の恋人にやっと出逢った…ブロッサムはそんな感覚に陥っていた。  
 
 
「あたしの……あたしのフルーツケーキーーーっ!!」  
シマウマの群を見つけたライオンのように、モンスターに突進するブロッサム。  
 
「おいバカ!そいつはモンスターだぞ!?」  
「待ってブロッサム!危ないですわ〜!」  
「小さい頃の夢だったの〜〜!大きいケーキに潜り込んで、モグラのように食べ進む夢が、今叶うの〜〜!」  
 
子供の頃の純粋な夢が目の前に広がる。  
何人も今のブロッサムを止める事は出来ないのだ。  
モンスターは次々と建物をなぎ倒している。  
そんなモンスターの懐にブロッサムは電光石火で入り込み、そのまま『ズボッ』と内部へと潜り込んでしまった。  
 
「ブロッサムの奴、お菓子とモンスターの見境が無くなってる!」  
「早く助けに行きましょう!」  
「でも…モンスターはどうすんだ?」  
「このまま攻撃したら中のブロッサムがどうなるか分かりませんわ。先にブロッサムを助け出しましょう!」  
「よし、分かった。ったく…しょうがねえなぁ、ブロッサムは…」  
 
やれやれ…と、いった表情でバブルスの後に続くバターカップ。  
2人はケーキモンスターの暗黒の中へと入り込んで行った。  
 
ケーキモンスターの内部へ侵入したバブルスとバターカップ。  
明かりの無い薄暗い闇の中だが、目を凝らすと中の様子が、かろうじて見てとれる。  
 
「わぁ〜お、不思議な所ですわ〜」  
「なぁ…この穴って、ブロッサムが食い尽くした跡……じゃあないよな…」  
 
 
内部は2人が飛び回れる位の筒状の空洞が、まるで蟻の巣のように様々に分岐していた。  
勿論この空洞はブロッサムが食べた跡では無く、元々モンスター内部に広がっていたものだ。  
 
「おぉ〜い!ブロッサム〜?どこだぁ〜?」  
「ブロッサム〜!聞こえますか〜〜?」  
 
ふよふよと飛行しながらブロッサムを探す2人。  
暗闇のせいで今どのあたりに居るのか見当もつかない。  
だが2人は徐々に空洞の中心部に近づいていた…。  
 
「バブルス…なんかヤバくないか?オレ達まで迷子になっちまったら…」  
「バターカップ…静かに…何か聞こえませんか?」  
 
バブルスが耳に神経を集中させる…。  
それを見てバターカップも耳を澄ましてみる…。  
 
「…!聞こえたぞ!」  
「あっちの方ですわ!」  
 
2人はすぐさま声の聞こえた方へ飛んで行く。  
聞こえた…確かにブロッサムの声で…『助けて』と……!  
はやる心を抑え中心部へ向かうと、やがて光が差して来た。  
こんな暗闇の中で何故…?  
そんな事を思う間もなく辺りは強烈な光に包まれた。  
まるで光の方から広がって来た様に…。  
 
「うおっ!」  
「眩し……!」  
 
目が慣れるのにどれ位の時間だっただろう…肉体的攻撃では無い事を心で確認し、2人は恐る恐る瞼を開いた。  
そこは先程までの薄暗い空洞では無く、まるでベルサイユ宮殿の様な西洋風の豪華な一室だった。  
ワイン色の趣のある壁紙や絨毯。  
アンティークな家具、それらを眩く照らす幻想的なシャンデリア。  
まるで場違いな所にたどり着いてしまった2人は、思わず面食らってしばらく声を出せないでいた。  
 
「バブルス!バターカップ!お願い助けて〜!!」  
 
涙声の叫びに2人は『ハッ』と正気を取り戻す。  
そしてそこには、有られもないブロッサムの姿があった。  
 
「ブッ…ブロッサム!お前…なんて格好…!」  
「まぁ…!何という事でしょう…!」  
 
2人の顔はみるみるうちに真っ赤に染まっていった。  
なんとそこにはアンティークテーブルに置かれた、人がスッポリ収まる程の大皿に横たわる、一糸纏わぬブロッサムの…いや…変身を解いているももこの姿があった。  
そしてももこの幼い身体には色とりどりのフルーツ、綺麗にデコレーションされたクリームが施されていた。  
早い話が、ももこの身体をケーキに見立てた、フルーツとクリームの女体盛りである。  
 
「お前っ…何で変身解いてんだよっ!」  
「だ…だって…美味しそうだったんだもん…」  
 
クスンクスンと泣き顔で訴えるももこ。  
 
「一体何があったんですの!?」  
 
流石のバブルスも怒っている。勝手な行動をとった挙げ句このザマでは当然だろう。  
ももこはこれまでの経緯を切々と話し始めた。  
 
「…あたしは夢を叶える為…ケーキの中に潜り込んだの…!」  
 
そう…そこまでは良かったのだが、肝心の中身が詰まってない!  
半ば諦めかけたが、空洞の奥の方から上品な甘い臭いがする…。  
そしてたどり着いたのがこの部屋だった。  
 
「うわ〜、スッゴい豪華な部屋……あっ!あああっ!!」  
 
信じられない光景に目を疑った。アンティークテーブルの皿の上にあるのは、まるで貴族や王族が食す様な最高級スウィーツがズラリと並んでいた。  
スウィーツの宝石箱とは正にこの事か。テーブルに置かれたナイフとフォークを火の速さで手に取ると、瞳を輝かせながら満面の笑みで生唾を飲み込む。  
そしてナイフがスウィーツに触れようとしたその時…!  
 
『待って!』  
「へっ?」  
 
どこからともなく声が聞こえる。  
 
『私達を食べるのは構わないけど…その白い光を消して!』「えっ…何で!?」『私達は白い光に触れると溶けて無くなってしまうの…』  
「ちょっと…!それじゃあ食べられないじゃない!……んもぉ〜…仕方ない、食べる間だけ変身を解くしかないわ…」  
 
コンパクトを手に取り変身解除コードを入力すると……白い光に包まれ、やがて私服のももこが姿を現す。  
 
「どう?これでもう大丈夫よね!食べていいでしょ?」  
『ありがとう!さぁ、私達を沢山食べて幸せな気分になって!』  
「やった!!いっただっきまぁ〜〜…」  
次の瞬間、テーブルのスウィーツ達が次々に合体し、ももこに襲いかかった!  
 
「ちょっとちょっと!何すんのよっ」  
 
スウィーツ達は物凄い力でももこを持ち上げ、皿の上に乗せるとクリーム状に変形して、ももこの身体に覆い被さった。そして信じられない事にクリームが衣服に付着すると、まるで酸をかけた様に溶けはじめてゆく。  
それなのに素肌に触れる感触は正にクリームそのもので、痛みも無い。  
 
「やだぁっ!何で〜!?」  
『私達はまだ食べられるにもかかわらず、人間に捨てられたスウィーツの成れの果て……食べて貰えない私達の哀しみを、私達が人間を食べる事で晴らす……そして全ての人間を食べた後、私達も消滅する…永遠に!!』  
「…そ…そんな…!」  
 
スウィーツをこよなく愛するももこにとって、それは驚愕の事実であった。  
 
「はぁ〜…」  
「まったく…」  
 
バブルスとバターカップは深い溜め息をついた。  
街でイケメンを見つけては速攻で告白し、玉砕を繰り返す…ももこの性格は解っていた…解ってはいたが……まさかお菓子のモンスターにまでやってのけるとは…。  
怒るを通り越して、呆れ果てて何も言えない。寧ろそんな星の下に生まれたももこに、憐れみをかけたい位だ。  
だが今のももこは、目のやり場に困る程大変な格好だ。今回の事は大目に見るとして、何とか助け出さなければ。  
親友の痴態を前に2人の思いが一つになる。  
 
「でも…これはないよな…」  
「悪趣味ですわ…」  
 
顔を赤くしながら、初めて見るももこの女体盛りを眺める2人。  
ももこの柔らかそうな膨らみかけの胸…その2つの胸を隠す様に輪切りのパインが覆い被さり、パインの穴から覗くはずの胸の先端に、さくらんぼがちょこんと乗っている。  
 
その部分が不安定なせいか、時折ずれるさくらんぼの甘い刺激にももこの顔が高揚し、トロンとした表情に変わる。  
そして胸からお腹にかけては、スライスされたキウイ、苺、さらにバレンシアオレンジが、円を描く様に規則正しく並べられている。  
そのほぼ中心の辺り、ももこのおヘソにホイップクリームがデコレーションされている。  
両腕と両太ももにはチョコバナナとホイップクリーム……2人が最後に目をやったのは、ももこの最も大切な部分…少女の秘密の花園にあるもの…。  
 
「これって…マンゴーだろ…?」  
「悪趣味ですわ…。」  
 
何という悲劇。少女のまだ花開かぬ蕾に、スイカ状にカットされたマンゴーフルーツが大輪を咲かせていた。  
 
「まぁっ!どうしましょう!」  
 
バブルスは目をパチクリさせて、ももこの脇腹に注目した。何と、少しずつではあるが徐々にクリームが湧き出したのである。  
 
「そうか…!まだ作りかけの段階なんだ!するとこれが人間を食うって事なのか!?」  
「急げばまだ間に合いますわ!」  
「…ってゆうか、ももこ!じっとしてないで起きろよ!」  
 
バターカップがももこの身体を起こそうとするが…。  
 
「ダメよ〜!動かないの〜!全然重くないのに…動かないの〜!」  
 
無理に動かした為、ももこの体温で滲み出た果汁が雫となり、あどけない身体をゆっくりと伝う。  
そんな一筋の雫さえも、今のももこの肌は敏感に察知してしまう。  
 
「んっ……あっ…や、やだぁ……!」  
 
「ももこっ?大丈夫か!?」  
「…あっ、うん…大丈夫…」  
 
大丈夫…気付かれない…。そう自分に言い聞かせながらも、ももこは耳まで紅く染めていた。  
 
「早く取っちまおうぜ!」  
「ももこさん、少しの辛抱です」  
 
バブルスがフルーツを取り除こうとすると…。  
 
「痛っ…痛いよバブルス…」  
「ひゃっ!ごっ…ごめんなさい…!」  
 
何と、フルーツはももこと一体化したように貼り付いて離れない。  
 
「くっ…クリームが…取れねえっ!」  
 
バターカップもクリームを拭おうとするが、まるで岩のようにももこに引っ付いている。強引にひっぺがせば、ももこの肌が傷付いてしまう。  
かと言ってこのまま手をこまねいていれば、ももこがケーキと化してしまう…一体どうすれば…!  
 
「バブルス!バターカップ!あたしを食べて!」  
「「はあぁっ!?」」  
 
この絶体絶命の最中、ももこは突拍子もない事を口にした。余りにダイレクトな発言に2人は火を吹いた様に紅くなり、胸の動悸が益々高まってゆく。  
 
「あっ…そうじゃなくて、あたしのフルーツを食べて!」  
「そうは言っても…食えないだろ、これは…」  
「聞いてバターカップ!これは人に食べて貰えない哀しみから生まれたモンスターなの!…だったらあたし達が食べてあげる事で、その哀しみを癒せる事が出来るかも…!」  
「そうかぁ〜?どう思うバブル……ああ〜っ!!」  
 
ぺろぺろ…。  
言うが早いか、バブルスはももこの腕のクリームを舐め取り、ついでにチョコバナナも平らげていた。  
 
「ももこさんの言った通りですわ〜!とっても美味しいです〜」  
「美味しい…のか?」  
「ヌードラーと戦った時、鶏ガラスープ醤油仕立てを飲んだでしょう?あれと同じ要領ですわ〜」  
 
確かに理屈はそうだ。だがバターカップは別の事で悩んでいた…。このまま食べると言う事はももこの肌に自分の唇が…舌が…直接触れると言う事だ。勿論ももこの胸…お腹…そして大切なその部分にも…。  
 
「…やだ…何これ…あ、熱いよ…!」  
「ももこさん!?」  
 
どうやら本格的にマズイ事になりそうだ。果汁がジワジワと熱を帯び始めたのだ。身動き出来ない皿の上で必死に耐えるももこ。  
 
「バターカップ!急ぎましょう!」  
「こっ…こうなりゃヤケだ!…よしバブルス、どっから始める?」  
 
「私は右側を、バターカップは左側をお願いします」  
 
2人はテーブルの上に身を乗り出しももこの身体に顔を近付け、腕部のスウィーツを片付ける。  
 
「本当だ…!食うことなら出来るぞ!」  
ビクともしなかったスウィーツが、口を近付けるとスルスルと口内へ吸い込まれる。しかも美味い。勢いに乗ったバターカップは瞬く間に左腕のスウィーツを平らげた。  
一方、先に右腕のスウィーツを片付けたバブルスは、ももこの脇腹にあるクリームを丁寧に舐め取る。まるでミルクを舐める子猫の様に…ももこの肌を傷付けない様、優しく…優しく…。  
 
「あっ…バブルスぅ…んっ……ふぅ…ん…」  
 
敏感になった肌を舐られながらも、バブルスの唇に身を委ねる…その身体に微妙な別の熱がこもるのを、ももこは感じていた。  
 
 
「これで腕のスウィーツは取り除きましたわ〜。」  
「…あ…やった!動く!腕が動くよ!」  
 
半分涙目で、わきわきと腕を動かすももこ。  
 
「よしっ!次だ!」  
「…ねぇ、あたしにも食べさせてくれない?」  
「…お前なぁ…」  
 
ここまで来て危機感より食い意地が勝るとは…ももこならノーベルスウィーツ賞でも取れるんじゃないだろうか?  
苦笑いを浮かべるバターカップ。  
 
「だって2人で全部食べるのは流石にキツいだろうし…」  
 
確かにこれじゃあ、某チャンピオン番組の甘味大食い選手権だ。でもフォークは勿論、手で摘む事も出来ない。  
 
「まさか…口移しすんのか!?」  
「あ…ゴメン…嫌だよね…」  
「…いや…」  
 
思わず嫌じゃないと言う所だった…!  
バターカップの胸は、もう破裂しそうなまでに高まっていた。そして、ももこと同じく奇妙な熱が下腹部にこもるのを感じていた。  
 
「ももこさんは…嫌じゃないんですの…?」  
「あたしは………平気だよ……?」  
「…ももこさんがして欲しいなら…私……」  
 
へ…平気って……!?  
現実を淡い色調で乱した様なこの幻想的な空間で、バターカップを余所に2人の顔の距離が縮まる…。バブルスとももこ…お互いの潤んだ瞳を見つめ合い…そして意を決した様に、バブルスがももこの胸に顔を近付ける。  
バブルスはさくらんぼをくわえ、手に取る。ももこが種を飲み込んでしまわないよう、これは自分で食す。バブルスが再度くわえたのは、ももこの右胸を隠すパイン…。  
僅かに触れ合うバブルスの唇…そしてももこの…。  
乳房と呼ぶには余りにも未熟な蒼い果実…さくらんぼを除いたその先端は、果汁に濡れながらもしっかりと芽吹いていた。  
バブルスがパインをももこの口に運び、ももこはゆっくりと食してゆく…。  
 
「バターカップ…ももこさんの胸…良くして下さいね…?」  
「う……うん…」  
 
すっかり2人の色香に惑わされたバターカップだが、頭の中でハッキリしている事が一つあった。今果汁は熱を帯びてる筈だ。早くしないとももこの胸が焼き付いてしまう…!  
バターカップは更に身を乗り出し、ももこの右胸に唇を近付ける。  
 
(綺麗だ……とっても…)  
 
素直にそう思った。バターカップは産まれたての雛鳥を扱う様に、慎重に胸を舐り始めた…。ももこの胸を濡らしている果汁をすくい取り、胸の輪郭に沿ってゆっくりと唇を這わせる…。  
 
ぺろ…ぺろん……ちゅるん……  
「…んっ!……んんっ!!」  
 
間隔を置いて舌に力を込めると、それに合わせてももこが可愛らしい悲鳴を上げる。親友を救う行為が、逆に自分の中の熱を高める結果となり矛盾を感じ始めたバターカップ…。  
それはすぐに掻き乱された。  
 
「ももこさん…パイン…美味しいですか?」  
 
いつもなら大口を開けてパクつくももこだが、最後の一滴まで味わう様に咀嚼し体内へ呑み込む…。静かに『ふぅ…』と呼吸を整えた…その刹那。  
バブルスとももこ…2人の瑞々しい唇が一つになる…。  
咀嚼後なので口内は充分に潤っていた。2人の天然の蜜が溶けて混ざり合い、互いの味覚を味わう様に舌を絡ませる。  
 
くちゅ…ちゅぷっ…ちゅくくっ…  
 
「…ん…はぁ…」  
「…ふぅ…ふぅ…」  
 
 
呼吸の為、僅かに離れる…それでも瞳に互いの顔が映る程の距離。少女の唇は銀色の糸で繋がっていた…。  
 
「ももこさん……ももこさんて…とっても美味しいんですね…」  
 
少しだけ小さな声で途轍もなく恥ずかしい事をぬかすバブルス。これが天然の成せる技か。  
 
アンティークに囲まれたゴシック調の一室…。  
1人の少女を、2人の少女が四つん這いで、交互に愛撫を与え救い出すと言う、一種異様な光景の中…ももこの肢体がいよいよ露わになった。だがこれまでの要領が悪かったのか、最後になってこの部分を…いや、最後だからこそ残していたのか…。  
少女達の禁断の遊戯は、最後の詰めを迎えようとしていた。  
 
「バターカップ…残るは此処だけですわ…」  
「お…おぅ…」  
 
正月に出される甘酒を飲み過ぎた様な感覚に陥った2人。  
当然だ…こんな状況でももこ程の微酒に酔わない者がいるだろうか?  
 
「最初は…バターカップにお願いしますわ…」  
「なっ…?何で…」  
 
珍しく頼りない声で返すバターカップ。  
 
「口付け…私がしてしまいましたから…」  
 
ももこの唇を奪って、あまつさえ大切な秘部までは奪えないと言う、バブルスなりの気配り。  
でも、だけど…ダメだよ…此処はももこの……大切な…。  
 
「バターカップ…お願い…あたし、バターカップに最後までして欲しい…」  
 
迷子の子供がやっと母親を見つけた様な顔…瞳にうっすら涙を浮かべ、切なげに懇願するももこ。  
この瞬間バターカップの母性本能が目覚め始めた。  
 
「ももこ…どうなっても知らないからな…!」  
 
バターカップにして欲しい…この言葉が引き金となり、ももこの秘部に咲く仮初めの華を一つずつ処理してゆく。  
もはやバターカップに躊躇いは無かった。  
 
「ももこさん…私達も…」  
「……んっ…」  
 
バブルスは未だ冷めきらない、ももこの胸に口付けを添える。  
 
そして、ももこの秘部の正面で、邪魔なフルーツを口に含むバターカップ。  
まだ蕾のままの部分が徐々に暴かれてゆく。ももこもそれを感じていた。仰向けに、それも目を瞑っているにも関わらず、バターカップの行動が手に取る様に解る。  
やがて身体の異物が全て排除されたように、身体が軽くなった。今なら身体を起こし自由に動き回れる!  
 
だがももこはそれをしない…いや、出来ないのだ。バターカップに見つめられている…。ももこの…最も大切な……。  
 
ももこ…いいんだな?…オレ…もう我慢出来ないぞ……。  
バターカップの眼前に広がる、生まれたままの姿のももこ。まだ幼い身体…滲んだ汗は一つの雫となり…桃の様な蕾を伝い流れる…。  
 
ちゅっ…。  
 
「…あっ…!」  
 
ぷっくりした桃の裂け目に沿ってバターカップは唇を這わせる。不器用ながら、秘部に残る果汁の一滴をもすくい取る。  
 
ちゅるっ…ちゅるるるっ…ちゅぱっ!  
 
「…やっ…!…あっ…あっ!バッ…バターカップぅっ…!」  
 
ももこの身体が小刻みに…ピクンピクンと跳ねる。バターカップが与える口付けに感応し、全く同じくリズムで…小鳥がさえずるように声を上げる…。  
 
 
ももこの声が変わった。今までとは明らかに違う。  
バターカップもバブルスも気付いていた。  
近いのだ…。  
バブルスが胸の先端を甘噛みする…。  
バターカップが、ももこの最も敏感な部分に口付ける…。  
 
「あ…あっ……………っっ!!」  
 
 
ももこは大きく仰け反り、ゆっくりと身体を鎮めていった…。  
規則正しい息遣いに合わせて、ももこのぷくっとしたお腹が上下する。  
目は瞑っているが、2人の手をギュッと握っている。  
良かった…ももこ…もう大丈夫だな…。  
 
「バターカップ…まだですわ…」  
 
荒い呼吸で、尚も秘部に近付くバブルス。  
 
「女の子は何度でもする事が出来るんですの…」  
 
そんな…無理だ…だってももこはもう…。  
バターカップが一歩退いた時…一瞬、ももこと目が合った。先程の衝撃で涙が溢れている。  
ももこは力無く、ふるふると首を横に振った。  
 
意地悪しちゃ、やだ…最後まで一緒に…。  
 
無言の訴えだった…バターカップは無意識の内にももこの顔に覆い被さっていた。  
 
「いいのかよ…こんな…女の子同士で…」  
「…男のコの方が良かった?」  
「意地悪言うなっ!」  
 
バターカップは林檎の様な紅い顔で、ももこの唇を塞いだ。ニコニコとそれを見ていたバブルスも、再び愛撫を与える。  
 
お互いを求め合う為の口付け…。  
音だけ聴けば、それは淫らで不純と言えるだろう。  
だが、ももことバターカップの中にはそんな言葉は無かった。息の続く限り、止めどなく溢れるものを互いに注ぎ合い、また己の中に満たしてゆく。  
そこでは目の前の人しか見えない、雪の様な純白の世界が広がっていた…。  
 
やがてももこの花の蕾に変化が起こった。  
 
「まぁ…ももこさん…素敵ですわ…」  
 
果汁ではない。間違い無くももこ自身から溢れる透明な蜜…。  
 
「…美味しい…とっても…ももこさん…ももこさん…!」  
 
ぴちゃ…くちゅん…ちゅぅぅぅっっ…!  
 
「あんっ…!……やぁ………ひぁ……………っっ!!!」  
 
与え…満たし…そして…………。  
ももこは、まだ花開かぬ少女のままの蕾から、熱く…激しい……透明な旋律を奏でた………。  
 
 
一方、モンスターの表側。東京シティータワー周辺では…。  
 
『ホッホッホ…人間を残らず取り込んで、全てを無に帰してあげるわ!』  
 
フルーツケーキモンスターは次々と住民達を飲み込んでいった。  
 
『!?…何?か…身体が…!』  
 
スポンジの弾ける音と共に、赤、青、緑の光が勢い良く飛び出した!  
 
「戦う愛のサイエンスレジェンド!パワパフガールズZ!!」  
 
『そんな!生きていたの!?』  
「さっきはよくも騙してくれたわね!ちゃんとお返ししてあげるから!」  
 
ガールズ達は色んな意味で体力を消耗していた……が、まだ微熱の残る身体から新たな別の力を感じていた…!  
 
「いくわよっ、バブルス!バターカップ!」  
「ハイです!」  
「おうよっ!」  
 
「トリプルサイエンスアタ〜〜ック!!」  
 
3人の武器から放たれた一条の光は、みるみる巨大化し、モンスター丸ごと包み込んでしまった。  
 
『ひ、ひィィーーーー!』  
 
モンスターは跡形もなく消し飛んだ。  
中に飲み込まれた人々もみんな無事だった。しかもあれ程巨大なパワーを放ったのに、建物の被害が全く無い。  
ガールズ達はお互いの愛を究極まで高めた事により、モンスターのみを浄化する技を放ったのだ。  
 
 
「…ん?あれって…」  
ブロッサムが何やら見つけたようだ。  
そこは丁度モンスターが消え去った場所…。  
そこにはコンビニなどで見かける小さなフルーツケーキ。  
よく見ると…。  
 
「何を見つけたんですの?」  
「このケーキ…賞味期限が切れてる。」「この日付って、オレ達がパワパフZになったすぐ後じゃねえか?」  
 
期限切れで捨てられ、その時黒い光を浴びたこのケーキは、自分と同じようなスウィーツを吸収し、復讐の機会を伺い、今日まで生きていたのだった。  
 
そして研究所に戻ったももこ達…。  
 
「あんたの事食べてあげられないけど…別の形でみんなの役に立ってね!」  
 
ももこは、魚の骨や野菜の皮などを有機分解して、新たな肥料とする、バイオポリバケツにケーキを入れた。  
 
「これで一件落着ね!」  
「それにしても〜、今日は大変な1日でしたわ〜」  
「…………」  
 
「どしたのかおるぅ〜〜」  
「べっ…別に?」  
「かおるさん、照れてます?」  
「うるさいなぁ〜っ!」  
 
ももこがぬふふっと小悪魔の笑みで、にじり寄ってくる。みやこはいつもの笑顔でこちらを見ている。最もみやこの笑みの裏に何が隠されているかは知る由もない。  
 
「ホント、かおるがあぁ〜んな激しいコだなんて思わなかったな〜〜。思いっきり食べられちゃった〜!」  
 
ムッカ〜〜〜ッ  
 
「お前もポリバケツに入れてやるぁぁ〜〜っ!」  
「ちょっとちょっと!何すんのよ〜!?」  
 
 
ふふ…かおる、ありがとね!  
大好き!!!  
 
 
おわり  
 

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