も「おっはよー」
か「おう、おはよ。ってかお前、どこで寝てたンだよ?」
も「え、あー……ゆうべちょっとおなか冷えちゃったんでトイレいったんだけど、そのまま寝ちゃったみたい」
か「きったねぇなぁ。トイレで座りっ放しで眠りこけたのかよ。せめてちゃんと拭いてから寝たンだろうな?
……あれ? って事は、みやこはどこ行っちまったンだ?」
も「みやこならいまシャワーあびてるけど……え? ゆうべは一緒の部屋じゃなかったの?」
か「ああ、俺部屋で待ってたンだけど、結局俺一人で眠ったンだよなぁ。だからてっきり、みやこもお前と一緒に
どこか別の部屋で寝たのかなって思ってたンだけど。でもせっかくみんなで研究所に泊まろうって話だったのに、
全員バラバラで寝るなンてちょっと寂しくねェか?」
も「それは意外。みやこはぜったいかおると一緒に寝たがるとおもってたんだけど。ところで、なにソレ?」
か「え? ああ、枕カバーだよ。抱き枕の」
も「抱きまくら? ここに抱きまくらなんてあったっけ?」
か「俺が寝た部屋にはあったぞ、いつの間にか。でも起きてからちょっと目を離した隙に中身だけ無くなっちまったンだよ。
しょうがねェから、まあ取りあえずカバーだけでも洗っとこうと思ってさ」
も「え、なになに? いつの間にかあって、んでいつの間にかなくなっちゃったの?」
か「おう」
も「中身だけ?」
か「そうだっつってンだろ」
も「……ねぇ、まくら、だいじょうぶだった? なにかヘンだった、とかさ」
か「いや、俺抱き枕なンて初めてだったし、そんな事言われてもなァ。あ、でも、想像してたのと随分違ったなァ、抱き枕。
ホラ、ただサイズ的に抱きつけるだけのもんだと思ってたけど、普通の枕と結構感触違うのな。硬いところは硬く、
柔らかいところは柔らかくて、形も何だか枕っぽくないっつーか……あ、でも抱き心地はすっげェ良かったぞ?」
も「………」
か「ほんのりあったかくてさァ。それに何だかいい匂いして――何だよ?」
も「あー……ううん、気にしないで。いやー、それにしても、ホントみやこったらどこで寝たのかなー? あはは…」
か「…?」