パワパフ寓話シリーズ  マッチ売りの少女  
 
マッチ売りの少女A 赤堤ももこ  
マッチ売りの少女B 松原かおる  
客 豪徳寺みやこ  
 
少女A「マッチ〜! マッチ買って〜!」  
少女B「マッチはいらんかね〜!」  
少女A「あー、全然売れない…」  
少女B「端ッから無理なンだよ、今時マッチ買えだなんてよォ」  
少女A「うううううう、寒い〜! せ、せめてマッチで少しでもあったまらないと…」  
少女B「おい、それ売りモン――まァいいか、どうせ売れねェし」  
少女A「あああ、寒すぎてマッチの火のなかに幻がみえるわー。おいしそうなお菓子…」  
少女B「やめてくれ、ただでさえ腹減ってンのに」  
少女A「よし、もう一本…うー、おいしそうなお菓子…」  
少女B「……」  
少女A「またまたおいしそうなお菓子〜…」  
少女B「何か他のは見えねェのかよ」  
少女A「スイーツが〜」  
少女B「同じだ同じ…ッて馬鹿、やめろ! 火傷すンぞ!」  
少女A「あはは、なんだかホントにたべられそうな気がしちゃって」  
少女B「おい、しっかりしろよ! でもさすがにマズいな。このままだと凍え死にか…」  
少女A「ちょっとちょっとちょっと! ヘンなこといわないでよぉ!」  
少女B「でも実際なんとかしねェと。雪降ッてきやがッたし…」  
少女A「……よし! こうなったら最後の手段よ!」  
少女B「どうすンだ?」  
少女A「マッチ売りの少女〜! マッチ売りの少女いりませんか〜!」  
少女B「何だよ、結局マッチ売るしか――え?」  
少女A「マッチ売りの少女買ってくださーい!」  
少女B「ちょッ……だッ、駄目だッ! お前にそンな事させるくらいなら俺が――」  
少女A「黒髪がツンツンしてて男の子気取りでナマイキでちょっと足がクサくて、それがそのテの人には  
     たまらない感じのマッチ売りの少女いらんかね〜!」  
少女B「――俺かよッ!? ってか俺そンなじゃねェだろ!」  
 客  「買いますわ〜!」  
少女B「うわッ!?」  
 客  「買います買います買いますわ〜!」  
少女A「いらっしゃいませー!」  
少女B「お、おい、ちょッと…」  
 客  「テイクアウトできますか〜?」  
少女A「もちろん! で、値段なんだけど」  
 客  「…このくらいでいかがでしょうか〜?」  
少女A「え、いいの? こんなに!? これだけあればお菓子とかお菓子とか、あとお菓子とか…!」  
 客  「では、商談成立ですね〜」  
少女B「ちょッと待て! お前、コレはねェだろ!?」  
少女A「コレでいいの! よく考えなさいよ。あたしはこのお金で一冬越して、あんたは今からこの  
     おかね持ちのお客さんのところでお世話になる。それでふたりとも凍え死にはナシ。ね?」  
少女B「ま、まあ…そう言われると確かに……いやいや、そうじゃなくて! お前、自分の相棒を  
     人身売買――」  
 客  「違いますわ、マッチ売りの少女さん」  
少女B「え?」  
 客  「人身売買じゃありません。これは、“出逢い”ですわ〜」  
少女B「………いやいやいや! 言い方変えてもソレはソレだろォ!? おい、さっきの金この人に返し……あれ?」  
 客  「あの人なら、もう行ってしまいましたわ〜」  
少女B「……………」  
 客  「さあ、今日からわたしのお家で一緒に暮らしましょう〜。でもその前に、取りあえずこちらへ〜」  
少女B「わッ、おい、何で路地裏の方に行くんだよ!?」  
 客  「マッチ売りの少女さん、こんなに冷え切ってしまって〜。急いで今すぐ暖めないと大変ですわ〜」  
少女B「え? え?」  
 客  「人目につかないところで、じっくりと暖めて差し上げますから〜。うふふ〜」  
少女B「えええええぇッ!?」  
 

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