○月×日 くもり
今日はかおるさんも出場の、隣りの学校とのサッカーの対抗試合がありました。
もちろん、わたしも応援に行きました。
途中でかおるさんは盛大に転んでしまって、膝に酷い擦り傷を負ってしまいました。
いったん退場したかおるさんの応急手当てをするために駆け寄ったのですが、
出血が凄く、急いで殺菌をする必要がありました。
この場合、人間の唾液がもつ殺菌作用を利用するのが一番いい方法です。
かおるさんの膝に吸い付くと、濃厚な血の味がお口いっぱいに広がりました。
その味に夢中になって舌を這わせていると、かおるさんが切なそうに
「あ、あ」と小さく声を上げるのが聞こえて、わたしはもうどうにも堪らなくなってしまい、
草むらの陰にかおるさんを引っ張り込んでもっと本格的なお手当てを――
という夢を見ました。迂闊にお昼寝なんてするものではありません。トホホです。
○月×日 くもり
今日はかおるさんも出場の、隣りの学校とのサッカーの対抗試合がありました。
もちろん、わたしも応援に行きました。
途中でかおるさんは盛大に転んでしまって、膝に酷い擦り傷を負ってしまいました。
これはもしや正夢リーチ!? と駆け寄ろうとしたのですが、かおるさんは自分で
膝の出血を舐め取るとグランドの外にプッと吐き捨てて、そのままボールを追って
走って行ってしまいました。吸い付く暇もありませんでした。
かおるさんが血を吐き捨てた辺りの土はキチンと掘り起こして、大事に持ち帰りました。
この土を鉢に移して、花の種を植えようと思います。
かおるさん分を含んだ土壌ですから、元気で可愛いお花が咲く事間違い無しです。