「……はっ、ここは」  
目覚めた時、カブキマンはベッドにいた。プリキュアの二人に消されたのではなかった。  
「まだ、まだ生きている」  
闇に帰ったと思われた体は元通りだった。ただ、全身に痛みが走った。  
「つっ……く、体が言うことをきかん」  
(とんとん)  
ドアをノックする音。扉が開かれ、なぎさが部屋に入ってきた。  
「あ、起きたんだ」  
手には水を張った洗面器と、濡れタオル。カブキマンを介抱していたようだ。  
「なんだ、ここはどこだ」  
「あたしの部屋よ。その様子じゃ割と平気だったみたいね」  
椅子に座るなぎさ。カブキマンは状況が掴めない。  
「なぜだ?なぜ俺を助ける」  
「え、だってあのまま死なれたら目覚め悪いもん。ほらまだ体痛いでしょ、横になって」  
敵であるはずのなぎさに優しくされ、カブキマンは不思議な気持ちだった。  
「俺は、お前達を殺そうとしたんだぞ、怖くないのか?」  
「そりゃ怖いけど、ほら、なんとなく」  
「なんとなくだと……それだけか?それだけの理由で」  
カブキマンは虹の園に住む人間という生物を計りかねていた。ただドツクゾーンのために  
のみ戦ってきた彼には、人間をただの家畜程度にしか見ていなかった。  
「わからん」  
「あんたにはわかんないかもしれないけど、私達には放っておけなかったの。プリズムス  
トーンとかいう石のために平気で人を殺そうとするような性格じゃ理解できないか」  
なぎさは濡れタオルをカブキマンの傷に当てる。カブキマンの体に痛みが走った。  
「……う、くぅ」  
 
「しみるかもしんないけど我慢してね」  
「フン、いらぬお世話だ……ぐぅ」  
「あんたさ、なんであんな石のためにがむしゃらになってるわけ?あたしにはちっともわ  
かんないよ」  
「ほざけ、ジャアクキング様の永遠はドツクゾーンの永遠、ドツクゾーンの永遠は俺の永  
遠だ」  
「も〜何いってんだかわけわかんないよ」  
なぎさがタオルを絞る。救急箱を取り出して、カブキマンの体に消毒液を塗りたくる。そ  
して包帯を取って丁寧に傷ついた部位に巻きつけた。  
「はい、これでよし。しばらく安静にしてなよ。今食べるもん持ってくるから」  
なぎさは部屋を出ていった。  
「……わからん」  
ミイラ男のようになったカブキマンは頭を傾げた。  
数時間後。なぎさはお粥を持ってやってきた。  
「あ、ごめんごめん、遅くなって。弟がなんか彼氏でも家に連れ込んだのかとかうるさく  
てさ」  
「誰がお前の彼氏だ。迷惑な誤解を受けたもんだな」  
「こっちの台詞よ。怪我人なんだからもう少ししおらしくなんないもんかな〜……。はい  
あ〜んってして」  
お粥をひとさじすくってカブキマンに差し出す。  
「なんの真似だ」  
「手、ボロボロで使えないでしょ。あたしが食べさせてあげるって言ってんのよ。ほら」  
「……貴様なんぞに飯まで世話されるとはな」  
「いやならやめるけど?こっちだって照れくさいんだからさっさと済ませてよね」  
赤くなるなぎさ。カブキマンもなにやら躊躇してしまう。  
 
「ちっ、しょうがあるまい、食ってやる」  
「かわいげないな〜顔はいいんだけどな〜……ったく」  
なぎさにあ〜んしてお粥をたいらげるカブキマン。まだ体が痛かった。  
「はやく良くなってよね、あたし床で寝るのつらいんだから」  
「なに!俺にこのベッドで一泊しろというのか!」  
「うるさい!そんな体でどこ行こうっていうのよ!ちょっとは自分のこと心配しなさい」  
「くそ、こうしてはおれんのだ、ジャアクキング様のために、俺は、俺は……」  
「はぁ、わかんないな〜その思考……」  
 
数日後。カブキマンは相変わらずなぎさの家で体を休めていた。  
「……はい、ご飯持ってきたよ」  
「……」  
またもやお粥をさじですくいカブキマンに差し出すなぎさ。  
「……どうしたの?」  
「俺は、もう体も自由に動く。お前を一ひねりしてプリズムストーンを奪うことなどたや  
すいことなのだぞ?怖くないのか」  
「あんたはそんなことしないよ」  
「どうしてわかる」  
「あの時、なぎさを襲ってたあの時、コミューン、雪代さんに返してあげたじゃない。戦  
う時は正々堂々と、って感じでさ、ちょっとかっこよかったよ」  
「……」  
「でもさ、そんなあんたがなんでその、なんたらっていう石のためにあんなに躍起になっ  
てるのか、あたしにはちっとも理解できないよ」  
「全てはドツクゾーンのためだ。お前ごときには理解できん」  
「頭固いな〜……せっかくいい男なのにさ」  
 
なぎさがカブキマンに顔を近づけ、じっとみつめる。  
「……ねぇ、キスしよっか」  
「何を企んでいる」  
「そんなんじゃなくてさ……ちょっとかっこいいから、あたしの初めてのキス、あげちゃ  
おっかなって思って、さ」  
言って照れるなぎさ。カブキマンはなぎさの意図を計りかねていた。  
「……フン、今日まで看護してもらった礼だ、キスぐらいしてやってもいいぞ」  
「も〜口が減らないな〜……じゃ、キス、キスだけだかんね」  
なぎさの顔が近づく。カブキマンになぎさの柔らかい唇の感触が伝わる。  
「……んっ」  
「……」  
二人はしばらくそうしていた。やがて唇を離すと、カブキマンとなぎさは互いにじっと見  
つめあった。  
「あんた、よく見るとホントきれいだね」  
「……ふん、貴様も人間にしてはな」  
「ね、もう一度しよっか」  
「……」  
カブキマンは答えない。なぎさは身を乗り出し、再びカブキマンにくちづけた。今度は舌  
を出し、カブキマンの口腔内に差し入れる。互いの舌が絡み合い、唾液がくちゅくちゅと  
室内にいやらしい音を立てた。歯を、上あごを、なぎさの舌が這う。カブキマンはそのぎ  
こちないディープキスをじっと受けていた。  
「んぅ」  
口を離すと、唾液が互いを繋げる糸を引いた。なぎさがその糸を手で切る。再び互いを見  
つめ合う二人。いつしかなぎさの瞳には潤みを帯びていた。  
「……ね、その先まで、したくない?」  
 
「む」  
カブキマンは戸惑っていた。なぎさは構わずカブキマンに馬乗りになり、服を脱ぎ散らか  
す。  
「いいのか?」  
「一回だけ、一回だけだかんね」  
カブキマンの股間にヴァギナを当ててゆっくりと腰を前後に動かす。カブキマンのそれは  
少しずつ固くなっていった。  
「あ、おっきくなってきた」  
「……ふん」  
なぎさの淫裂がカブキマンの肉棒を挟み込み、ぬるぬるといたぶり続ける。なめくじが這  
うような肌触り。陰核が肉棒に擦れ、なぎさは快楽に少しずつ酔っていった。  
「あ、はう、気持ちいいよ」  
「……」  
無言のカブキマンもその怒張は徐々に大きさを拡げていった。なぎさの股間からは蜜がこ  
ぼれ、それを潤滑油として腰の動きもスムーズになっていった。  
「ほら、ね、いいかな?どお?」  
「ふ……ん、まあまあだな」  
なぎさはカブキマンから降りてその怒張を口に含んだ。初めて味わう男性器の味は苦かっ  
た。  
「ん……(ちゅぱっちゅぷっ)むあ」  
「……く」  
亀頭の先端をしゃぶり、雁首に舌を這わせる。尿道に沿うように舐め上げ、口全体で咥え  
てすすった。なぎさはその男性器の味を噛み締めるようにカブキマンのそれを丹念に愛撫  
した。  
「む(ちゅるっ)ぷは、ちょっとは褒めたら?これでも、がんばってるんだよ」  
 
次いでなぎさは乳首を鈴口に当ててコリコリと弄くった。さらにその小さな胸で挟もうと  
したが、小さ過ぎてとてもそれを包み込むには至らなかった。  
「おかしいな〜こうして……こう」  
「ちっ、世話が焼ける、胸とはこうするものなのだ」  
カブキマンは上半身だけ起き上がり、なぎさの小ぶりというにもおこがましい乳房を揉み  
しだいた。ゆっくりと緩急をつけて、とても大事なもののように丁寧に。  
「ん、ふあ、それ、いいよぉ……」  
カブキマンがなぎさの乳首に吸いつく。唇で挟み込み、舌先でコロコロと転がしながら時  
折歯を立てて軽く噛む。  
「んっ、やあ、カブキマン赤ちゃんみたい」  
「(ちゅうっ)ピーサードだ。名前ぐらい覚えろ」  
カブキマンの人差し指の爪が伸びてなぎさの乳首を捉える。ツンツンと先端でつつき、胸  
全体をゆっくりと撫で回す。  
「んっ……胸、いいよ」  
カブキマンの空いているほうの手がなぎさのクレバスに触れる。陰唇をゆっくりとなぞり  
指先でその肉の扉を開ける。  
「ここはもう少し湿り気が足りないな」  
クリトリスを見つけると指で軽くつまむ。なぎさの体がびくりと跳ねた。  
「きゃんっ!そこ、そこぉ」  
「まったくいやらしい女だな、ここがいいのか」  
クリトリスを撫でたり、指の腹で擦ったりするカブキマン。愛液が漏れてシーツを汚して  
いく。  
「濡れてきたようだな」  
カブキマンはなぎさを軽々と抱え上げ、ベッドに四つんばいにさせる。その尻を掴んで後  
ろからはちきれんばかりに膨れ上がった男根をなぎさの膣にあてがった。  
 
「いくぞ」  
「あ、ちょっと待っ」  
なぎさの中にカブキマンが侵入していく。痛みになぎさが悲鳴をあげた。  
「あ、ぐぅっ!」  
「なんだ、まさか初めてなのか?」  
驚くカブキマン。その怒張を引っ込める。  
「あ、やだ、やめないでよ」  
「し、しかし……」  
「な、なによ、ここまで来てやめるなんてあんた男?やる気あんの?」  
まくしたてるなぎさ。挑発されてカブキマンはその気になった。  
「ちっ、そこまで言うならやってやる、後悔するなよ」  
緩やかに男根を突き入れる。力を込めて、膜を突き破った。  
(ぶちり)  
「あ……う、うう」  
「く、ゆっくりだ、ゆっくりやるからな」  
カブキマンは少しずつ、ほんの少しずつ腰を沈めた。その度になぎさは痛みに体を震わせ  
た。やがて奥まで入り、カブキマンの下腹部となぎさの尻が密着した。  
「どうだ、入ったぞ、大丈夫か」  
「う、な、なんとか」  
「動かすからな」  
少し腰を引く。肉棒がなぎさの膣の傷口を広げる。  
「あ、痛っ」  
「……もどかしいな」  
ゆっくり、なるべく膣壁に当たらないように注意しながら慎重に腰を引くカブキマン。先  
端が膣から出そうになるぐらいになるとまた腰を沈めだす。  
 
「どうだ、痛むか」  
「つぅ、こんなの、平気だよ、もっと激しくしなよ」  
「無理するな、処女だったのだからな」  
再びインサートするカブキマン。狭い膣道でカブキマンのそれはとろけるような快感に溺  
れる。本能に任せて激しくしないように注意しながら突き入れる。血と愛液で混ざり合っ  
たそこは暖かく、カブキマンは絶頂が近づいていった。  
「おお、そろそろいくぞ」  
「うあ、痛い、あぅ、ああっ」  
射精感が近づくとカブキマンはペニスを引き抜いた。どくどくとなぎさの背中に白濁液が  
飛び散っていった。  
「う、あぅ、お、終わった……?」  
「ああ、すごくよかったぞ」  
カブキマンはティッシュを取ってなぎさの背中を拭いてやった。二人はそのままベッドで  
眠りについた。  
 
「……」  
夜中に目が覚めたカブキマンは、なぎさの首に手を回して、締めようとして……やめた。  
次にカブキマンは、爪を伸ばして自らの首にあてがって、自決しようとして……やめた。  
(自ら命を絶ってせめてものプライドを保とうというのか?……駄目だ、俺にはまだ始末  
せねばならぬことがある)  
 
翌朝。なぎさが起きると、カブキマンは部屋の真ん中でじっと立っていた。  
「……ん?どうしたの?」  
「俺は、もう行かねばならん」  
「え、もう行っちゃうのカブキマン」  
 
「ピーサードだ。俺は任務に失敗した。ジャアクキング様に断罪して頂かねばならん。俺  
は闇に帰されるだろう」  
「え、そんな、それじゃあ殺されるの?そのためにわざわざ帰るの?」  
「それが俺のやるべきことだからな」  
「……」  
なぎさには帰す言葉がなかった。闇に帰されるために戻る、そのカブキマンの覚悟は止め  
られるものではないと悟った。  
「だがドツクゾーンは永遠だ。いつか俺の仲間がお前らを打ち倒し、プリズムストーンを  
ジャアクキング様に捧げるだろう。首を洗って待っておけ」  
「へん、全員返り討ちにしてやるよ」  
「ふっ、勇ましいな……ではさらばだ。全ての世界が闇に帰った時、また会おう」  
カブキマンは去っていった。後には彼の持っていたプリズムストーンが残っていた。  
 
(おわり)  
 
 

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