「あら?もうこんな時間」  
「ほんとだ」  
 
驚いたようなほのかの声に、なぎさが時計に目をやると既に2時を回っていた。  
 
今日は土曜日。  
さなえが友人と泊りがけで出かけるのもあり、なぎさがほのかの家に泊まりにきていたのだが、おしゃべりが楽しく時間の立つのを忘れていたのだった。  
 
「いくら明日何もないからってそろそろ寝ないとねってなぎさ?」  
 
ほのかが見るとなぎさは既にベットに潜り込み、早くおいでと言わんばかりに開いたスペースをポンポンと叩いていた。  
 
(なぎさったら、そんなに眠かったのかしら?)  
 
ほのかは小さく笑うと、そっとなぎさの横に滑り込み、いつものように彼女と手を  
重ねようとしたその時  
 
「え?」  
 
両腕がしっかり背中に回され引き寄せられていた。  
 
「なぎ」  
そして、疑問を口にしようとしたほのかの唇が、なぎさのそれによってふさがれた。  
 
「なぎさ?」  
 
唇を開放されたほのかは、改めて、なぎさに問い直す。  
 
「ねぇほのか……今夜はいいでしょ?」  
「なぎさ、それっって……」  
「だめ?」  
「だって私たちって付き合いだしてまだ2ヶ月よ?」  
「『まだ2ヶ月』じゃない世。もう2ヶ月だよ」  
「でも、私たちまだ16歳だし……」  
「16歳だってしてる子いるよ」  
「そうかも知れないけど……そんなことしなくても愛情は確かめられるじゃない?」  
「そんなに嫌なんだ……私とするの」  
「嫌ってわけじゃ!」  
 
なぎさの明らかに落胆した様子にあわててほのかが声を上げる。  
 
「嫌とかじゃなくって……ちょっと怖いかなって……」  
 
そのほのかの消え入りそうな言葉に、なぎさの表情は明るさを取り戻し、  
 
「へぇ、ほのかが怖いってなんかいがい」  
「失礼ね、私だって怖いことぐらいあるもん」  
「ごめんごめん、でもさ、ほらほのかって好奇心旺盛じゃない?  
どんな感じかなとか知りたくないの?」  
「そりゃぁ知ってみたいとは思うけど……」  
「じゃぁさ、ちょっとだけやってみようよ」  
「でも……」  
「ほのかが怖いならさ、ほのかが私にしてみればいいから」  
「でも……」  
「ね、ほぉらぁ」  
 
そう言うとなぎさはほのかの手を取り、自分の胸へと導く。  
 
「どう?べつにこうして触るぐらい怖くないでしょ?」  
「うん」  
「ねぇどんな感じ?」  
「どんな感じって言われても……」  
「例えば自分と比べてとか」  
「そうね……なぎさの胸って弾力があるわね」  
「そうなの?」  
「そして、小ぶりだけど、綺麗な形してる」  
「小ぶりは余計じゃない?」  
「うふっ、ごめんなさい」  
 
普段どおりの軽いやり取りができるなら、もう大丈夫だろうと判断したなぎさは  
そっと添えていた手を離し、ほのかの好奇心をさらに刺激した。  
 
「他は?なんか変化ない?」  
「変化?」  
 
なぎさに問われ、ほのかはしっかり指先で観察をする。  
 
「ぁ」  
 
そして指先が敏感な先端に触れた時、なぎさが小さな声を上げた。  
 
「大丈夫?痛かった?」  
「うぅん、だいじょうぶ」  
「気持ちよかったの?」  
「そんなこと聞かないでよ」  
「ごめんなさい」  
「で、どう?変化はあった?」  
 
なぎさが少し息を乱しながら問いかける。  
 
その問いかけに、ほのかが観察を再開すると、パジャマ越しに感じられる変化が見て取れた。  
 
 
「……ちょっと乳頭が硬くなってきたかも」  
「そ、そうなんだ」  
「すごいよなぎさぁ、触ってるとどんどん硬くなってくるのね」  
 
なぎさの変化を感じ、その現象に興味を持ったのかほのかは喚起の声を上げる。  
 
「じゃぁ、ほのか……っ……直接みてみる?」  
「うん」  
 
その返事を聞くとなぎさは、手早く、その素肌をさらけ出した。  
 
「どう?ほのか」  
「なぎさの胸って綺麗ね、乳輪も乳頭もピンクで」  
「そんなこといいから早く触って」  
「うん」  
 
せかされ、ほのかはなぎさの胸に手を伸ばす。  
 
(本当になぎさの胸って綺麗よね)  
(やっぱり左右で形って違うのね)  
(色も微妙に違うかも?)  
 
ほのかは純粋な好奇心ゆえからか、恥ずかしさを忘れ、  
触れながらなぎさの胸の観察を続けていく。  
 
「あん」  
 
今まで見るだけにとどめ、触れてはいなかった左胸に触れると、  
なぎさの上半身は軽くのけぞった。  
 
(感じ方も違うのかしら?)  
 
ほのかはそう思いつつ、左右を交互に同じように触れて見る。  
 
「ぁ、ほのか……あん」  
(やっぱり左の方が敏感みたい)  
 
そう思いながら触れ続けていると、なぎさの吐息がだんだん甘さを帯びて来る。  
 
(なぎさ、気持ちいのね……なんだかちょっと嬉しい)  
「ねぇほのか、もっとぉ」  
「うん」  
(どうしたらもっと気持ちよくなるのかしら)  
 
ほのかは応えると、なぎさの様子を観察しながら、よりなぎさが気持ちよくなれる方法を模索し始める。  
 
「あぁっぅん」  
(なぎさにもっと、もっと気持ちよくなって欲しい。でもどうしたら……)  
 
その時、昔読んだ性教育に関する本の一説を思い出した。  
 
『性交の時に、互いの感情が高まると、互いの胸や性器にキスをして愛情を確かめ合うことも……』  
 
(そうよ、キスしてみたらどうかしら……でもなぎさ嫌がらないかしら)  
「あん、ねぇほのかぁ、もっとぉ」  
 
迷っていたほのかだったが、なぎさの甘い声に導かれるように唇を寄せていった。  
 
「ひゃん」  
ほのかが唇で胸の先端に触れると、なぎさは身体をのけぞらせた。  
 
「嫌だった?」  
「うぅん、もっとして」  
「うん」  
 
ほのかはその言葉に安心すると、唇で愛撫を続ける。  
最初は軽くついばむように、そして、舌先で転がすように  
なぎさの反応を見ながら寄り気持ちよくなれるように。  
 
「あん、ほのか……こっちも触って」  
 
なぎさはほのかの手をとると、今度は自身の下腹部へ導いて行く。  
 
「うん」  
 
ほのかも素直に応じ、なぎさの花弁に触れる。  
 
「あ、あん、ねぇ直接……」  
「うん」  
 
ほのかは、なぎさのパジャマと下着を脱がせ、直接そこに触れた。  
 
(感じると濡れるって聞いてたけれど本当なのね)  
 
相変わらず、冷静に観察をしているものの、ほのかの中で何かが変わり始めていた。  
なぎさにもっと気持ちよくなってもらいたい、私の手で気持ちよくなって欲しい、  
そして、感じているなぎさをもっと見たい。  
そんな思いが高まれば高まるほど、ほのかの指は大胆に、激しくなぎさの花弁を愛撫していく。  
 
「あんほのか、そこ!」  
ほのかの指が小さなめしべに触れたとたん、なぎさが今まで以上の声を上げる。  
 
「ここがいいの?」  
「うん、そこ、そこがいいの」  
 
なぎさの答えを聞くと、ほのかはそっとなぎさの足元え行き、その小さなめしべを口に含んだ。  
 
「あ、ほのかぁ、あん、あぁ」  
 
なぎさが、喚起の声を上げ、あふれる蜜は量を増していく。  
 
(なぎさ、もっと気持ちよくなって)  
 
ほのかはめしべを舌で転がし、指で花弁をかき回す。  
 
「あぁ!ほのか、いく!いっちゃうよ!」  
「うん、いいよ」  
 
ほのかがそう言ったとたん、なぎさの体は痙攣をし、さらに大量の蜜をあふれさせた。  
 
「ほのかぁ」  
「どうしたの?」  
 
腕の中でそっと呼びかけるなぎさに、ほのかも優しく問い返す。  
 
「すっごく、気持ちよかったよ」  
「うふっ、よかったぁっ」  
「うん、だからね」  
「え?」  
「だから今度はほのかの番ね」  
 
打って変わっていつも通りの元気な声で宣言をする。  
 
「えぇ?私は」  
「だめだよ、ほのか、される方がどんな感じかも知っておかないと」  
 
そう言うとなぎさはほのかの寝巻きを脱がしにかかる。  
 
「ちょっとなぎさぁ」  
「ほら、いつまでも自分だけ服着てない」  
「だって」  
「私だって恥ずかしかったんだからね」  
「そんなぁ、なぎさが自分から」  
 
ほのかの抗議もむなしく、ほのかの寝巻きはあっさり剥ぎ取られてしまった。  
 
「お願い、あまり見ないで」  
「なぁに言ってるの、自分はあんなに観察しておいて」  
「だって」  
「えぇっとほのかの……あれ?ほのかぁ、もう乳首立ってるよ」  
「え、そんな」  
「本当は自分も感じてたんじゃないのぉ?」  
「そんなこと」ひゃん」  
 
楽しそうに意地悪なことを言うなぎさに抗議しようとしたとたん、胸の先端に刺激が走る。  
 
「どう、ほのかぁ、気持ち伊?」  
「……よく分からないわ」  
「じゃぁ分かるまでやらなきゃね」  
 
そう楽しそうに言うと、なぎさはほのかのとがった乳首をぺロットなめる。  
 
「あん」  
 
思わず声を上げるほのかに微笑むと、なぎさは続けて舌での刺激を与える。  
 
「ぅ、あん、な・ぎ・さぁ」  
「ふふ、もぉっともぉっと気持ちよくしてあげるね」  
 
そう言うとなぎさは舌先で左の乳首を転がし、  
左手で右の乳首を転がし始める。  
 
「う、あん、ちょっ……はぁん」  
(ふふ、ほのか、こんなに声出しちゃってかわいい)  
 
そんなことを思いながら、乳首への愛撫を続けていると、以前志保に見せてもらった  
雑誌の一説を思い出した。  
 
『セックスの時、相手を喜ばすには単調になっちゃだめ!緩急をつけてじらすのも大事……『  
 
(そうだった)  
 
なぎさはそれを思い出し、少し動きを弱める。  
 
「ぁん……もう、なぎさったら強引なんだからぁ」  
 
少し刺激が弱まり余裕が生まれたのか、ほのかが恨めしそうになぎさを見つめる。  
だが目は潤み、頬に赤みがさし、その声も甘いもので、本気で嫌がっているようではなかった。  
 
「ふふ、ねぇほのかぁ、どんな感じ?」  
 
なぎさはそんなほのかにさらに刺激され、軽い愛撫を続けながら意地悪な質問をする。  
 
「どんな感じって……ぁん」  
「気持ちよかった?」  
「……うん」  
「ふ〜ん、じゃぁするのとされるのどっちが好き?」  
「それは……決められないわ……ぅ……な・ぎさが喜んでくれるのも嬉しいし  
ぁ……なぎさがこうしてくれるのも嬉しいもの」  
 
ほのかは喘ぎ混じりながらも、意地悪ななぎさの質問も律儀に返す。  
 
「じゃぁもっとこうされたいんだ?」  
「あぁ!」  
 
なぎさはそう言うと先ほどのように唇と指先を使いほのかの両の乳首を転がし始める。  
「あん、なぎさぁ、だ・めぇ」  
「ふふ、感じ安いんだね、ほのかはぁ」  
「そ、そんなこと……」  
「じゃぁ確かめてみようか?」  
 
そう言うとなぎさはほのかの太ももの間に手を伸ばす。  
 
「ぃゃ」  
 
その動きはすばやく、太ももを閉じようとするほのかの行動派間に合わなかった。  
 
「ほら、ほのか、すごいよここ」  
「ぃ、いや、……」  
「お尻の方までたれてきてる)  
「あぁ、違う……」  
 
ほのかは認めたくないのか、なぎさの言葉にいやいやと首を振る。  
 
「じゃぁねぇ」  
 
なぎさはにやりと微笑むと、かばんを引き寄せ中から折りたたみの手鏡を取り出した。  
「ほら、見て、言った通り私より濡れてるでしょ?」  
「え?いや!」  
 
なぎさの言葉に思わず視線を送ると、そこには自分の濡れそぼった花弁が映し出されていた。  
 
「だめだよほのかぁ、ちゃんと見て観察しないと」  
 
そういわれて再び視線を戻すと、自分の濡れて少し開いた花弁を、なぎさの細い指が掻き分けている。  
その光景は、とても恥ずかしいもののはずなのに、なぜか目がそらせない。  
 
(あ、だめ、そこはなぎさが一番感じた場所)  
 
鏡の中の指が、ほのかの小さなめしべに触れそうになったが、触れる寸前引き返して行く。  
 
「ぅ、あん、……あぁ」  
 
ほのかは喘ぎながらそれに安心をし、ほんの少しだけ残念にも思っていた。  
だが、それを繰り返されるうち、その比率が変わってきた。  
 
「あぁ……な・ぎさぁ……」  
「どうしたの、ほのか?」  
 
それを知ってか知らず課、なぎさは平然と問い返す。  
 
「ねぇ、あん、なぎさぁ……お、願いぃ……」  
「何を?」  
「うぁ、あん、さわってぇ」  
「触ってるじゃない?」  
「あん、そうじゃなくってぇぁ……」  
「ふふ、ちゃんと言わないとだめだよ」  
「そんな……ぁっあん、」  
「ほぉらぁ」、はっきりしないなんてほのからしくないよぉ?」  
「び……敏感なところ……」  
「きちんと言って」  
「い、陰核……?」  
「金閣寺???」  
 
なぎさは本当に分からなかったらしく、怪訝な顔になる。  
 
「あ……あん、クリトリスーぁ、あんさわってぇ」  
 
そんななぎさに諦めたのか、我慢できなかったのかほのかが大きな声でせがむ。  
 
「ふふ、ちゃんと言ってくれたからサービスしちゃうね」  
 
なぎさがそう言ったかと思うと、ほのかの見つめる鏡の中になぎさの顔が現れた。  
「なぎさ、だめ、あぁぁ!」  
 
思わず静止しようと思ったが、叫んだ時には既になぎさの桜色の舌が、小さなめしべを捕らえていた。  
 
「あ、あん、あぁぁあぁぁ、ぃ、いい」  
 
舌は蜜を掬い取り、めしべを転がし、まるで一つの生き物のように縦横無尽に駆け回る。  
 
「や、なぎさぁ、い、いぃのぉ」  
 
すると、今度はなぎさの指が、花弁を掻き分け、少しずつ飲み込まれていくのが見えた。  
 
「あん、なぎさぁ……だ、めぇ」  
 
そういいながらもほのかは、もっと奥までと言うように腰を浮かせている。  
なぎさはそれに応えるように指を深く進入させるとゆっくりと中でかき回した。  
 
「あん、あぁ、なぎさぁ」  
「ほのか、きもちい?」  
「うん、きもちいの、すごくきもちいのぉ」  
 
なぎさの問いかけに、紙を振り乱し、絶叫するように応えるほのか。  
「ふふ、もっと感じて、ほのか」  
 
そんなほのかに嬉しそうに言うとなぎさは、指で中をかき回しながら、めしべに舌を這わせる。  
 
「あ、あ、あぁぁぁ、なぎさ、感じる……なぎさを私の中に感じるのぉ」  
 
その声になぎさの動きも激しさを増す。  
「な、なぎさぁ、へん……なのぉ、あ、へんになっちゃいそー!」  
 
助けを求めるようにほのかの右手が差し出され、なぎさがその手をとった瞬間  
 
「なぎさぁー!!!」  
 
絶叫と共に、ほのかの花弁から大量の蜜が噴出した。  
 
 
「ほのか、だいじょうぶ?」  
 
数分後、ほのかの紙をそっとなでていた手を止め、なぎさが尋ねる。  
 
「……うん、まだちょっと頭がぼうっとするけど……」  
「ほのかすごかったもんね」  
「……そう言うことは言わなくていいの」  
 
ほのかがぷうっと頬を膨らます。  
「えへっごめん」  
「もうなぎさったらぁ」  
 
お互い顔を見合わせてくすくすと笑いあった。  
「でもさ、もう怖くないでしょ?」  
「……うん」  
「じゃぁこれからはいつでもオッケーだよね?」  
「なぎさぁ!」  
 
今度は調子に乗りすぎたらしく、ほのかの眉が少しつりあがった。  
 
「じょ、冗談だってばぁ」  
「うふっ」  
 
あわてるなぎさに表情を戻すとほのかが口を開いた。  
 
「でも……」  
「でも?」  
「他のもいろいろやってみたいかも?」  
「他のって?」  
「よくは知らないけど……エッチにもいろいろあるんでしょ?」  
 
この後、なぎさはこの時、ほのかの好奇心を下手に刺激してしまったことを、悔やんでいいのか喜んでいいのか、悩む日々が続くことになるのだった。  
 

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