大都会のど真ん中に、いかにもおのぼりさんという風体の一団がいて、高層ビルや  
往来を忙しそうに行き来する人々を、あっけにとられながら見つめている。言うまでも  
なくこれはプリキュア一家であり、実は今日、うららが初の生板ショーに出演するとい  
う事で、嫌がらせも兼ねて見学に来たのであった。今時、たとえ都会に来ても、物珍し  
そうに建物を見るような輩はおらず、ある意味ではこの一行、天然記念物に近い。  
 
まあ、それはさておき、のぞみを先頭にいつもの面子、それにシロップとココにナッツ、  
おまけにミルキーローズまでが雁首揃えているので、どうにも収まりが悪い。その為、  
うららがリハーサルに入ると、各自がてんでばらばらに街を見学する事と相成った。  
「じゃ、そういう事で、自由行動にけってーい!」  
りんは阿呆みたいに指を高々と上げるのぞみと別れ、街を散策する事にした。少し歩く  
と、ちょっと良い感じのアクセサリーショップがあったので、早速とばかりに覗いてみる。  
 
「わあ、かわいい」  
近頃、宝飾品のデザインに興味を持ち始めたりんは、店の外に並べられたアクセサリ  
ーの美しさに感嘆していた。なるほど、見るからに手作りのブレスレットなどは、作り手の  
センスが光り、ちょっと目を引く物である。そうして見ていると、店内から若い女性がひょい  
と顔を出した。  
「あら、お客さんかしら」  
「こんにちは」  
女性は二十五、六歳くらい。顔にはそばかすが散っているが、造形は中々、美しく、オー  
バーオール姿がいかにも活発な感じであった。よく家の手伝いをするりんは、そういうあり  
方が自分に似通うため、どこか共感を覚えるのである。  
 
「よかったら、お店の中も見ていってね」  
「はい」  
女性は店主らしく、可愛らしいお客さんの登場に心から喜んでいた。店内に入ると、店主  
がりんの腕につけられているブレスレットに目が行き、  
「あら、これ、素敵じゃない」  
「これは、自分で作ったんです。不恰好で恥ずかしいんですけど」  
「そんな事無いわ。とても可愛いわよ」  
店主に褒められ、りんは微笑した。普段は男まさりでも、素になればただの中学生。自分  
の趣味が褒められて、嬉しくない訳が無かった。  
 
「ちょっとこっちへ座ったら?お茶を淹れるわ」  
「すみません」  
店主の計らいでりんはお茶をご馳走になった。店主自慢のハーブティーは、蜂蜜が  
入っていてとても美味である。  
「あなた、デザインに興味あるのね」  
「はい」  
「嬉しいわ。同好の士がいるって」  
「そんな。私なんて、ほんのお遊び程度なの・・・に・・・あれ?」  
不意にりんは眠気に襲われた。昨晩はしっかり寝て、体力だって有り余っている。な  
のに、恐ろしく眠たい。りんはもう椅子に座ってもいられなくなった。  
 
(眠い・・・どうして・・・?)  
「薬が効いてきたみたい。ふふ」  
(薬?何故・・・ね・・む・・・の・・・ぞ・・・み・・・たすけ・・・)  
そうして意識が消え、りんは眠ってしまった。  
 
(ここは、どこ?)  
次に意識が戻った時、りんはベッドの上にいた。衣服は全部剥ぎ取られ、両手足が  
縄で縛られ、体はちょうど大の字になっている。そして、まだ膨らみもしない乳房には、  
あの店主が裸になって、唇を這わせていた。  
「お目覚め?ごめんね。本当はこういう事は不本意なんだけど」  
体のあちこちに入れ墨が彫られた店主は、乳首にはピアスを飾り、その異様さを笑顔  
で隠そうとしていたが、りんはただ怯えるばかりである。  
 
「私ね、可愛い女の子が大好きなの。あなたみたいな子、久しぶりだわ」  
そう言って店主はりんの股間に顔を埋め、敏感な場所を唇で愛撫する。その衝撃でり  
んの背はぴんと伸び、縄で戒められた手足が動く。  
「や、やめてください」  
「ああ、美味しいわ。赤ちゃんみたいよ、あなたのここ」  
店主は無毛の恥丘を指でなぞり、造形の美しさを称えた。事実、穢れを知らぬ身であ  
り、その無垢さは誰が見たって美しいに決まっていた。  
 
「のぞみ、たすけて───ッ」  
「それが、あなたの恋人なのね。やけちゃうわ」  
店主はそう言いつつ、ペニスバンドを股間に装着した。この男根まがいで、りんを我が  
物とするつもりなのだろう、恐ろしげな造形のそれは、処女宮を破壊しかねぬほど、異  
形な存在だった。  
 
「い、いや───ッ」  
「あなたは私がデザインしてあげる。逃がさないわ」  
女店主はぐっと腰を突き出し、りんの純潔を奪った──いや、破壊したと言った方が正  
しいだろう。黒光りする男根まがいは店主の無慈悲な行為で、処女宮を侵していく。  
「もう、いや──ッ!のぞみ───ッ、かれんさーん!」  
「ああ、私にペニスがあったら、あなたを孕ませられるのに。悔しいッ」  
こうして店主はりんの両足首を掴んで開き、ペニスバンドでさんざんに犯し、貫いたので  
あった。  
 
時を同じくして図書館では、こまちが自分の小説に参考となる文献を求めて、書架の間  
を歩いていた。本を愛する心優しい彼女の事、棚から今にも落ちかけんばかりの本を見  
つけた時、本能的にそれを手に取り、棚に戻してやった。すると、  
「ありがとうございます」  
と、メガネをかけた司書が話し掛けてきたのである。ややがり勉タイプだが、見た目はそ  
こそこで、緑色のスーツの下は、案外、豊満そうな体つきである。  
「本が好きなんですね」  
「ええ」  
こまちは司書に本を愛するという共通の理念を見出すと、意気投合し、自分の事を紹介  
した。本の趣味や、将来は小説家になりたい事など、とても初対面とは思えぬほど、話  
が弾んだのである。  
 
「素敵ね。とても中学生とは思えないわ。自分の将来設計をちゃんと描いてるのね」  
司書はそう言ってこまちの胸に手を伸ばした。ここは図書館、周りには人目もあるという  
のに、司書は乳房を服の上からやわやわと揉んだ。  
「あ、あの・・・」  
「小説にはリアリティが必要よ。ちょっと、お手洗いまで付き合ってちょうだい」  
司書はこまちを逃がさぬよう、しっかりと腕を組んだ。そうして手洗いまで来ると二人揃っ  
て個室へ忍び込み、早速口づけを交わす。  
 
「ショーツを脱いで、早く!」  
司書は先ほどの落ち着きは何処へやら、こまちのスカートの中へ手を突っ込み、  
無理矢理に下着を剥ぎ取った。  
「い、痛い!」  
「あら、ごめんなさい。ふふふ、私ったら・・・」  
こまちはそうやって笑う司書に、嗜虐者の素養を見た。姉のまどかと同様に、歪んだ  
同性愛とサディズムに支配された人物なのである。  
 
次に司書は手をこまちの尻の割れ目へ這わせ、小さなすぼまりを発見すると、有無を  
言わさず指を差し込んだ。  
「いやッ!そこは・・・」  
「うふふ。私はね、可愛い女の子のここをいたぶるのが大好きなのさ」  
司書の目は悪意に満ち、爛々と輝いている。そして懐から極太のマジックを取り出すと、  
指の時と同様に、有無を言わさずすぼまりへ差し込むのである。  
 
「ひッ、ひいい───ッ」  
「硬いわね。出す事しか知らない穴だわ。いい?ここは、入れる穴でもあるのよ。今日は  
それを嫌って言うほど知ってもらうわ」  
「や、やめてください。助けて、かれん」  
「なあに、恋人持ちなの?ますます許しがたいわ。壊してやろうかしら」  
司書の手がマジックを半ばほどこまちの尻穴に押し込んでから、今度はそれを引き出  
し、また入れる。これを何度も繰り返し、こまちがひいひいと泣くのを楽しむのであった。  
 
また同時刻、病院にかれんが現れた。いずれ、医療に携わりたいという願いもあり、以前  
から一度、見学したいと思っていたのである。ロビーの前に来ると、松葉杖をついた少年が  
現れた。少年は足に怪我を負っているのか、かれんの前を通ろうとした時、おもむろに  
つんのめる。  
「危ない!」  
すんでの所でかれんが少年を抱きとめると、背後から女性看護士、いわゆる看護婦が  
やってきて、少年を心配そうに見つめた。  
 
「助けてくれて、ありがとう。この子、オチンチンの皮を剥こうとしたら、逃げ出して・・・」  
若き看護婦は照れ臭そうに言い、おのれの未熟を笑った。  
(いい笑顔だわ。憧れちゃう)  
かれんがそう思っていると、看護婦が、  
「どなたかのお見舞いにでもいらしたの?」  
「いいえ。私、将来は医療に携わりたくて・・・それで、見学という感じで」  
「だったら、私が案内をしてあげるわ」  
看護婦のありがたい申し出に、かれんの顔が綻ぶ。  
 
「ありがとうございます」  
「さあ、こっちへ」  
院内に入ると、まず受付近くの小さな部屋へ案内された。そこは十畳ほどで、磔台や  
木馬などが置いてあり、一見すると拷問部屋のようである。  
「これは、なんの部屋ですか?」  
「さて、なんでしょう?」  
看護婦はそう言ったかと思うと、かれんに手錠をかけた。ガチャリと冷たい金属音が  
すると、看護婦はにやりと笑って、  
「もう離れないわ」  
「な、何の冗談ですか・・・」  
かれんの顔に怯えが走る。普段は勝気だが、プリキュアでない時はただの中学生で  
あるが故に、こういう事態にどう対処したらいいのか分からない。  
 
「ふふふ。こういう事よ」  
看護婦がいきなり白衣を脱ぎ、下着まで放ってしまった。するとどうだろう、看護婦の  
股間には雄々しい男根がついているではないか。胸には立派な乳房もあり、体の線は  
完全に女性なのだが、普通はついていない物がついているのである。これにはかれん  
も仰天し、目を丸くするばかり。  
「この体のせいで、男もできないわ。だから、あなたみたいな綺麗な子を許して置けない  
のよね」  
看護婦の目に狂気が宿る。自身の不幸な生い立ちに対する怒りを、同性の美しい少女  
にぶちまけ、紛らわせたいというのである。  
 
「い、いや」  
「逃げられないわよ。散々、ぶち込んだ後はそこにある器具で責めてあげるわ。ああ、  
私のオチンチンはね、精液も出るから普通に妊娠しちゃうのよ。どうか私の子を産ん  
でね」  
「いや───ッ!ああッ!」  
逃げようとするかれんの足を看護婦が払い、冷たい床に倒した。そしてズボンとショー  
ツを強引に脱がし、圧し掛かる。  
 
「やめて───ッ!」  
「黙って足を開くのよ、お嬢ちゃん。すぐに気持ち良くなるわ」  
ずず、と看護婦の男根が胎内へ埋められていくと、かれんは棒でも飲まされたかのよ  
うにピーンと背筋を伸ばし、  
「助けて───ッ!こまち──ッ!りん──ッ・・・あ───ッ・・・」  
「あはは!いくら叫んでも無駄よ。あははははははは!」  
こうして美しい少女の純潔がまたひとつ、散ったのである。  
 
その頃、のぞみとココ、ナッツにシロップ、ミルキーローズたちはカフェでお茶を楽しん  
でいた。のぞみはりんやこまち、そしてかれんの惨状も知らずに、  
「うららのまな板ショー、早く見たいね」  
などと言っている。  
「相手は黒人五人だってな。避妊なしのガチンコバトルって言ってたぞ」  
シロップは好物のホットケーキに舌鼓を打ちながら、ご満悦の様子。この運び屋、空を  
飛べる割にはあまり人様の役に立っておらず、困った感じである。  
 
「おや、パルミンの気配だ」  
ココがそう言ってテーブルを立つと、のぞみが紅茶のカップを置いて、  
「パルミンってロシアで作られた楽器の事?シンセサイザーの元祖みたいな」  
とやらかしたので、傍らにいたミルキーローズが呆れ顔で、  
「それはテルミンでしょ」  
と言って場を締めた。あまりにマイナーな楽器のせいで誰ものぞみのボケに気づかず、  
ココもナッツも不思議顔。中途半端なギャグはやはり滑りやすいという反省を踏まえつつ、  
のぞみはパルミンを追って駆け出すのであった。  
 
おすまい  
 

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