四つ葉町は昼間の活気とうって変わって、寝静まっている深夜。  
桃園家の一室で挙動不審な男の影がひとつ。  
その様子からどうやらこの家の者ではないらしい。  
(…やべー…これからどうすればいいんだ…)  
と、その金髪野郎、西隼人の姿のウエスターは心の中で呟いた。  
目の前には東せつな、もといイースがベッドですーすーと心地よい寝息を立てている。  
(普通に起こして説得しても、絶対拒否されるよなぁ…)  
せつなが居候しているプリキュアの真ん中のピンクの家に忍び込んだはいいが、  
これからどうやってせつなを奪還するかという一番大事な事を考えてなく、勢いで来てしまった。  
(俺っていつもこうだよなー…計画性ってもんがないんだよなぁ…サウラーを見習わないとなー…)  
このように、さっきからどうでもいいことを考えている。  
というのも、目の前の誘惑から必死に逃れようとしてのことだが。  
 
『知ってたかい。この国に昔からある習慣で、  
夜、恋人の寝室に忍び入って情事をすることを夜這いというんだよ。』  
と、暇つぶしにサウラーが本で学んだ性知識を喋っていたのを思い出した。  
(このシチュエーション、まさにそれじゃねぇ?)  
この前まで一緒にいたラビリンスにイースを連れ戻す目的で桃園家に進入したのに、  
あたかも夜這いにきたような錯覚に陥る。  
 
月明かりとも街灯ともつかない、外の弱々しく青白い光に照らされた体が目の前に横たわっている。  
服からすらりと出ている腕を触りたくなる。  
 
ラビリンスに属していた頃のイースは露出度が高い、  
合皮のようなつるつるした服を着ていて体のラインが強調され、なかなかいい眺めだった。  
しかし、今着ている年相応のかわいらしいパジャマなんかの方が、逆にそそるのかもしれない…  
などと、また不純な考えに行き着く。  
 
ずっと立ち尽くし何のアクションも起こさないウエスターだったが、  
ベッドがわずかに軋む音がしてはっと我に返った。  
先ほどまで後ろを向いていた体が寝返りを打ち、こちらを向く。  
(あ、顔こっち向いた)  
ストレートの藍色の髪と雪のような肌とのコントラストが、いっそうせつなの肌の白さを際立たせている。  
ほんのりピンク色の唇が、中の粘膜をのぞかせて微弱ながら光っている。  
(うわぁ…こ、これは…不覚にもそそるぞ…)  
すっかり夜這いモードのウエスターはそんなことを思いながら、そっとせつなの顔に自らの顔を近づけ、じっと観察する。  
長く品のいい睫毛や、整っているが自然な眉毛、きれいな鼻筋などをじっくりと鑑賞していると、一つの欲望がふつふつと沸いてきた。  
(…少しぐらいキスしてもバチあたらないよな…  
それになんだか、いい匂いがする…あまずっぺぇというかなんというか…)  
 
…そんな風にまどろんだあと、ほんの唇に触れるか触れないか、そんな感じの淡いキスをした。  
 
顔を離して、キスの余韻に浸ってイースの顔を眺めていると、ふっと目をあけたではないか!  
「…なにしてんのよ」  
「のわぁあああああぁあ!?!イースちゃん!?いつから起きてたのよォ!?」  
「アンタが部屋に入ってきたときから。ガタガタうるさかったのよ  
それよりそんなに叫ばないでよ 隣の部屋でラブが寝てるんだから」  
そうだった…隣接する部屋には愛しのイースちゃんを横取りした、にっくきプリキュアがいるのだった。  
と、そんな冷静な判断は今のウエスターに出来る訳もなく、せつなが起きていたことにびっくりして、気が動転していた。  
 
「……………」  
ウエスターは顔を真っ赤にして発する言葉を失っていた。  
いくら自分からしたこととは言え、相手が寝てると思ってしたことなので恥ずかしくて仕方なかった。  
 
「…ご、ごめんな、あの…迎えにきたんだよ…」  
とりあえず謝ってみた。この次にどんなお仕置が待っているのかなんて身構えながら。  
自分の吐いた台詞にも不甲斐なさにも嫌気がさす。  
 
どれくらい時がたったのか、ウエスターにとっては長く感じたであろう沈黙の後、  
 
「寝たふりなんてしててごめん 二人で喋ると声がラブに聞こえちゃうから…  
でも、こんな風に近づいて喋れば、聞こえないでしょ?」  
ずいっと体を半分起こし、顔を近づけ小声で囁く。  
イースがこの俺に謝るなんて!と驚くと共に、  
顔を近付けられたことによって、ウエスターの顔の引いていた赤みがだんだん戻ってくる。  
「わたし、嬉しかったよ?ウエスターが迎えに来てくれて…なんかキスもされて」  
と、ウエスターをちらと見る。小悪魔って言葉がぴったりだ。  
「こんなに愛されていたんだなって、離れて初めて分かった」  
ウエスターはさらに赤面し、言葉が出ない。  
「でもね、連れ戻すなんて考えないで。私はもうラビリンスの人間じゃないから…」  
 
せつながイースに戻ることなど、不可能なことは薄々感じていた。  
連れ戻したあとで、ラビリンス総統メビウスのからの刑罰は確実であろう。命の保障はない。  
イースは死んだのだ。  
しかし目の前にいるせつなは、イースの記憶を持った同一人物としてウエスターは認識している。  
死んだなどとは、周りはおろか本人も思っていないだろう。  
しかし死んだという事実が、二人を引き裂くには十分な理由だったのだ。  
そして引き裂くだけならまだいいものを、かつて仲間だったもの同士が、  
敵対して戦うことになろうとは皮肉なものだ。  
 
最初にウエスターがイースを連れ戻そうと考えたのも、もとをたどれば、  
ただ、逢いたかった、それだけの理由なのかもしれない…。  
 
「ウエスター…もっかいやって」  
(え、今何つった………んっ!?)  
聞き返す間もあたえずに、せつなはウエスターの首に腕を回し、顔を近づけて自ら口付けをしてきた。しかも深く。  
勢いがあったので、ちょっと歯が当たってジンジンした。  
 
ウエスターは何がなんだかわからなくなり、これは夢なのだろうとさえ思った。  
イースが自分にこんな風に接してくることは今までになかったから。  
 
咥内を動きまわるイースの舌の感触が惑わせる。  
(こいつ…一丁前に舌入れやがった…)  
そして一旦唇を離すと、お決まりのように糸が二人を結んでいた。  
「…夜這い、ってやつやってよ。サウラーが前言ってたやつ」  
と上目遣いに見てくる、イース。むしろ自分が夜這いされているとウエスターは思った。  
(サウラーのやつ、あんなことばっか言ってたからイースがマセガキに  
育っちまったじゃねーか…)  
などと、心の中で保護者面をして一人ぼやく。  
その保護者という響きと今のこの状況が似合わなすぎて、背徳感がよぎる。  
この夜這いという体験を楽しみたい気は山々だが、  
熟れたてフレッシュといえども年端も行かない少女の貞操を  
奪うのには抵抗があった。ラビリンス時代も決して手を出さなかったのに。  
きっかけとしてキスをしてしまった自分が言うのも何だが。  
 
「…いいのか」  
もうウエスターは限界だった。  
「うん…」  
と、イースは憂いの漂う瞳に相手の顔を映し、頷いた。  
どうやら二人とも状況は一緒のようだ。  
こうなったのも保護者の責任だな…などと自嘲して、ベッドにイースを押し倒し、強く抱きしめる。  
互いにまさぐる。相手の匂いを感じて、官能を刺激する。  
顔を見下ろすと目が合った。イースが照れているように微笑んだ。  
微笑み返すと同時に深く口付けをする。  
(今まで出来なかった分、しっかり愛してやるからな…)  
今度は自分から舌を入れてやる。そうすると、イースは答えるかのように舌を絡みつかせる。  
割と積極的なんだなー…などと、すでに飽和状態の思考回路でぼんやり思う。  
 
どちらともつかない唾液がイースの喉をわずかに潤す。  
ウエスターの深い咬みつきによって息が切れる。時折声がもれてしまう。  
 
今までこんなに人を愛おしいと思ったことがあるだろうか。  
本来、管理国家ラビリンスのために人々を利用しようとしてこちらの世界にきた。  
しかし、人々の幸せをうばうどころか、いろいろなことを学んだ。  
友情とか愛とか。向こうにはないものがここでは手に入った。  
それを教えてくれたのが桃園ラブをはじめとしたプリキュアの仲間たちや、  
この四つ葉町の人たち。  
そんな人たちとふれあいながら、あの町はずれの洋館で占いを生業として暮らしてきた。  
二人の同郷の奴らと人々を欺きながら。  
いつも馬鹿なことやって損な役回りのウエスターと、  
本ばかり読んで砂糖紅茶を啜っているサウラー。  
数少ない同族。  
ラビリンスの民として誇りを持って生活できたのは、三人で支えあったからこそだったと思う。  
炊事やら洗濯やら、些細なことでもみんなと一緒にやれて楽しかったな、と後から気付いた。  
 
一緒に暮らしていると愛情が芽生えた。どうやら人間界にいるとこうなるらしい。  
二人との性差に気付いて、外に放たれることのない性欲を持て余して、  
仕方なく自分で処理したこともあった。  
あの管理国家にいたら、性への悦びも知らずに朽ち果てていただろう。  
総統直属の部下になったとは言え、こちらの世界へ来て、  
直接の管理を受けなくなったのは、性衝動を開花させた私にとっては好都合だった。  
多分、ウエスターもサウラーも一緒の気持ちだったと思う。  
 
直接、異性として交わることはなかったけど、  
仲間として最後まで私を見守ってくれてありがとう。  
 
私は人間として生きていくことになった。  
しかし、久しぶりにウエスターが敵としてではなく、  
かつての仲間として会いにきてくれたことがとてもうれしかった。  
昔と変わらない態度で接してくれる。  
仲間に戻れないのなら、せめて情けだけでも残していって…  
 
 
薄闇で体を重ねる二人の影は不釣り合いなほどの体格の差だ。  
小さく華奢な線の少女の肢体に夢中になり、覆いかぶさる体の大きい筋肉質の青年。  
さながら背徳的な犯罪現場である。  
唯一反論できるところは、互いに欲情している和姦という点か。  
 
まるで昔の時間を取り戻すかのように、濃密な行為に耽る。  
せつなの服を脱がそうと、ボタンに手をかける。全部外し終り、手をこまねいていると、  
せつなが体を浮かして脱がせやすいようにしてくれた。  
「ありがとう…イース」  
「あぁ‥、あなたは昔と変わらず私のことをイースと呼んでくれるのね…」  
と、互いに甘い声で呟き、嬉しく思った。  
 
記憶という点で自分の大部分を占めている、イースだったころの私を受け入れてくれる人は、  
この世界ではなかなかいない。  
だからこそ、愛おしいという気持ちが高ぶる。  
自分の過去に囚われて生きていくほど愚かなことはないが、  
過去も今も受け入れてくれる、目の前のウエスターという存在が、  
せつなの支えなっているということは言うまでもない。  
 
上半身を覆うものがなくなったイースの体は、外の光の微弱なライトアップにより、  
まだ幼さが見え隠れする肢体が艶かしく輝いているように見えた。  
その乳白色の体に無数に口付けをする。  
右脇の下にくると汗を味わうかのように舐めとってみたり。  
「…ひゃっ…!」  
と、イースは抑え気味の悲鳴をもらした。自分でも少し変態だな、と思った。  
次にたどり着いたのは少々小ぶりの胸。  
触ると成長過程独特の張りがあり、その弾力が気持ちいい。  
右胸をちゅっちゅと丹念に吸う。  
その間左胸は右手で少々荒く捏ねる。  
先端までキスが行き届いたら、そこをちろちろと小刻みに舐める。  
くすぐったい、ところころ笑いながら可愛い鳴き声がした。  
両胸とも可愛がったあと、彼の愛撫は下の方へ行き、  
せつなのパジャマのズボンの中へと進入させていく。  
太ももを擦る。そして下着の方へどんどん近づき、  
上からやさしく撫でると、すでに湿っていることが分かった。  
もどかしいといわんばかりに、せつなは自分でズボンをずり下げた。  
そんなせつなの痴態を見ながら、ズボンを脱がせ、床に置く。  
ウエスターは下着の中に手を入れた。  
わずかに生えた茂みをなぞりながら、陰核をそっとつまみ、転がす。  
「…ぅうぁ…ん…」  
先ほどより色っぽさが増した声で喘ぐイース。  
そしてさらに手を進めてぴっちりと口を閉じている陰唇へと指先をあてがった。  
隙間から指を滑り込ますと、中はしっかり濡れていて、いつでも受け容れられるようになっていた。  
 
「…本当にいいんだな、やめんなら今のうちだぞ」  
「……早く…っちょうだいぃ?」  
今にもとろけてしまいそうな舌先でイースは囁いた。  
 
そして、ウエスターは反応を見届けたあと、せつなの下着に指を引っ掛け、そろそろと下ろしていく。  
股から糸を引いているのがわかった。  
(こんなに濡らしやがって…)  
 
そして全部脱がせ終わり、せつなは一糸纏わぬ姿になった。  
脚を開くのに邪魔をするものはなく、一気に太腿を押し広げた。  
すると、中心には自分を主張するように、ヌラヌラと光る孔が、半分開いてヒクついていた。  
「‥恥ずかしぃっ!見ないでぇ‥ッ」  
いくら積極的と言えど、初体験である。緊張して脚をガクガクさせている。  
顔は真っ赤である。  
「おいおい…自分からベロチューしてきた癖になにぬかすんだよ…」  
いつもイースの尻にしかれっぱなしだったウエスターが、本能的な征服欲に駆られている。  
それによって、緊張を逆撫でするような意地悪な台詞を吐く。  
「どれ…」  
と、ウエスターは秘部に顔を近づける。  
芳醇なメスの匂いが自分の嗅覚を刺激する。  
両手の人差し指と中指で、半開きの陰唇を拡げた。粘膜を外気に晒すように。  
くぱぁ…とお決まりの擬音が聞こえてきそうなほど、そこは可愛く淫らだった。  
舌を這わせてみる。独特の風味が己を更に高ぶられる。  
わざと音を立てるように口を使い、せつなの羞恥を煽った。  
 
ウエスターの愛撫は丹念で情熱的だ。  
自分の股の間にウエスターの頭がある。それだけでも十分恥ずかしいのに、  
私の秘所をすべてさらし、しかも口を付けている。  
(こんなことして汚いのに…)  
普段は排泄するためにしか使われていないところを、口で舐められる。  
このことはせつなにとって、ウエスターが何もかも全てを受け入れてくれているという愛情表現なのだろうと、幼心に思い、悦びに浸った。  
 
一通り舐め回したあと、せつなの体を持ち上げ、ベッドからそっと下ろした。  
そしてウエスターが覆いかぶさる。  
「…え?どぉしたの…?」  
どこか気が抜けた声で疑問を投げかける。  
「ほら…シーツ汚すとあとからいろいろ面倒だろ…おまえ処女だろうし  
床なら拭けばなんとかなるだろ…」  
バカで頼りないやつだと思ってたけど、案外気が利くな…  
とせつなは、些細な気遣いをうれしく思った。  
 
そして濡れている秘所に指を、まずは一本滑り込ませた。  
「…うぁ…なんか入ってくる……あぁ…!」  
ウエスターが指を動かすたび、せつなは身をよじる。  
指一本でも割ときつい。なかなか動かせないでいるが、  
半ば無理矢理二本目の指をねじ込んだ。  
「…っいったぁ…!」  
無理をさせたか、せつなの目にはかすかに涙が浮かんでいる。  
「…ごめん、痛かったか?」  
「ううん 大丈夫…だから続けて…っ?」  
と、珍しく健気に振舞うイース。  
 
(昔は弱みさえ見せなかったよな…)  
と、少し前のナキサケーベの件を思い出していた。  
ぼろぼろになった体を、なんでもないといい、自室に塞ぎ込む姿。  
見ていて痛々しかった。そして何もできないでいた自分が一番もどかしかった。  
 
孔をほぐすように指を動かす。今度はイースになるべく負担をかけないように、  
空いている方の左手で背中などをマッサージするように撫でてやる。  
と、同時に首などに口付けを落とし、強張る体を解すように促す。  
その甲斐あってか、すこし経つうちに微かに喘ぎが聞こえてきて、そのうちに自ら腰を振ってくる。  
もう大丈夫だと判断した俺は、イースの穴の中を掻き回してやった。  
イースは明らかに快感を伴った悲鳴をもらしている。  
滴り落ちる蜜の香りが芳醇さを増していた。  
そろそろいいかと思い、指を一気に引きぬくと、名残惜しそうな声を出した。  
「もっといいやついれてやるからな…」  
と、自分自身のモノを、ベルトを外し外気に触れさせる。  
すでに猛りきっていて、イースの蜜壷に入りきるかどうかが心配だった。  
 
「よし…入れるぞっ…」  
と呟き、とめどなく蜜が溢れる源泉へ自身を宛がった。  
「…ぁ、熱い…」  
と、何が宛てられたかもわかってなさそうな口調でイースは呟く。  
慎重かつ大胆に、イースが痛がらないように挿入を試みた。  
だがやはり若干十四歳の処女口はとてもきつく、十分濡らしたとは言え、  
なかなか入らなかった。  
しかしそこで躊躇している暇はない。  
思い切って一気に挿入した。  
せつなは堅く目を閉じ、ウエスターの首に回された腕に力を入れた。  
 
その未開通だった経口に無理をさせている感覚こそが、ただ不安だった。  
痛がらせて自分のことを嫌いにならないか、  
この行為以降の交わりに、恐怖を与えてしまわないか、  
などと、目の前の少女について按じた。  
 
そして動かさずにいると、合体した隙間から、ほんのり紅色の液体が湧いて、  
床に零れたのを確認できた。  
 
「……ウエスター、…私の初めて‥貰ってくれてありがと…」  
そのように呟くイースに、微笑んで頷いた。  
そして腰をゆっくり動かす。  
険しい表情だったイースがじょじょに快感に溺れた顔になってゆく。  
と、共に未熟ながらも喘ぐ声が聞こえる。  
もともときつい穴が、動きに合わせてさらに締めてくる。  
もう耐え切れないと思い、  
「そろそろ出す…ぞっ…!」  
と言い放ち、  
「…いいわっ…、早く中に出してぇ…ッ!!」  
がんがんと打ちつけ、仕上げといわんばかりに、思いっきり膣内に白濁を吐き出した。  
 
 
二人は行為後の達成感を穏やかに感じながらまどろんでいた。  
が、しばらくして。  
ぐいと引っ張られ、ばたんっ、という音とともに視界が反転したことに、ウエスターはびっくりした。  
上にのしかかって見下しているのは、  
さっきまで自分の欲望とテクニックに溺れていた紺髪の少女である。  
「よくもさっきは調子に乗っていろいろ苛めてくれたわねー…  
アタシが、いつまでもアンタなんかにされるがままでいるなんて思わないでよねー?」  
嗚呼、やっぱりこういう展開になるんだな…と、  
ウエスターは安心と恐怖が入り混じった複雑な表情で答えた。  
先ほどまでイースの身を按じていた自分がバカみたいに思えた。  
(やっぱりコレがオレのイースちゃんだよ…こうでなくっちゃ…)  
と、精を搾り取られる行為は空が白むまで及んだそうだ…。  
 
 
 
 
 
 
「おっはよー!せつな!昨日の夜はストレッチでもしてたの?なんか物音聞こえたよー?」  
桃園家の朝。いつも騒がしいラブが挨拶ついでに昨日の夜のことを話してきた。  
どうやらラブは、まさか敵が侵入してきて秘め事をしていたとは思ってないらしい。  
 
ほっとした表情で、せつなは自分の下腹部を撫で、微笑んだ。  
 

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