夕日に照らされた、夏の帰り道。
じっとりと額に汗が滲む。それでも僕の笑顔は崩れない。
大切な家族が家で待っているから。
もちろん、それだけではない。今日はとっておきのものがあるのだ。
僕と同じように、いつも家族のために頑張っている一番大好きな女性―あゆみのために。
『あなたが一番私を見てくれるから』part.1
「ふぃ〜〜っ、気持ち良いなぁ〜♪」
家族との夕食・団欒を終え、桃園家の大黒柱・圭太郎は風呂の中でゆっくりと背を伸ばす。近々発売予定の新作かつらの開発に携わっていた彼は、忙しさがさらに増したとしみじみ感じていた。しかも、せつなというラブの友達が新しい家族となった。責任感もズシリとくる。
それでも。
家族と一緒にご飯を食べたり、笑ったり、ふくれたり。そんな表情を見るだけで幸せな気分になり、疲れも吹き飛ぶ。明日も頑張ろうと、思う。
「こういうの、『幸せゲット!』…とか言うのかな」
「何言ってるのよ、あなた」
「何って幸せを…って、ええ?!」
突然質問してきた相手の方を向き、圭太郎は思わず湯船でのけ反る。
湯煙の中に立っていたのは、妻のあゆみ。しかも、生まれたままの姿だ。いや、風呂場だし、夫婦だから当然といえば当然ではあるが。
「ど、どうしたんだい?突然入って来て。というか後片付けは?」
「失礼ね、もう終わらせてきましたよ」
頬を膨らませながら、洗面器でお湯をすくい、あゆみはそれを自身の体にかける。小ぶりではあるが、形の整った乳房やしみ一つ見当たらない背中。そして肉付きの良い尻。それらが艶やかに光るのを見て、我が妻ながらゴクリと、圭太郎は喉を鳴らす。
「…あらやだ、いったいどこを見てるのかしら?」
「え?!えーと、それは当然、いや、はっきり言えるものじゃなくてね、うん…」
少女のようにいたずらっぽく微笑むあゆみの問いに、どぎまぎする圭太郎。初デートの時のような彼の姿に笑いを思い出しながら、あゆみは浴槽に足をつける。
「もう、あなたのここはちゃんと答えてるわよ?私の裸でーす、って」
「あ、ちょっとあゆみ、何をやって…、くぅっ!」
圭太郎の胸に顔を乗せながら、あゆみの右手は彼の反り立った性器を掴む。元から大きいサイズであったそれは、極限まで膨張し、今にも腹に付きそうである。
それを一回、二回、軽くこすり、背筋を震わす快感に身を委ねる夫を優しく見つめる。お湯の中でも、グチョグチョと我慢汁で手が染まっていくのがわかる。
元気の良さに改めて惚れ惚れとしながら、あゆみは口を開く。
「ねえ、今日の夕ご飯のメニュー覚えてる?」
「あっ、め、メニュー…?えぇっと、確か、マグロの山芋かけと、うぁ、オクラの和え物とかネバネバ系の…って!」
「わかっちゃった?ふふふ…」
そう、全部精力の増強に役立つ食べ物だった。しかし、基本的に性行為に強い圭太郎はそれらに頼らなくとも、同じく性的欲求の強いあゆみとするのは簡単であった。が、ここまで盛るという事は―
「今夜は寝かさないってことかい?」
「…ダメ?」
少女のような笑顔から一転、あゆみは瞳をうるませ、もの欲しそうな表情で圭太郎を見つめる。力強い象徴が欲しくてたまらなかったのか、夫のそれを握る右手の力がギュッと強くなる。
入れたい。あゆみの中に。狂わせてしまうほど。
強い衝動に顔を歪めながらもここはまだ我慢、圭太郎はお返しとばかりに愛しい妻の乳首を軽くつまみ、乳房を軽く揺らす。反応は嬌声となり返る。
「やぁん、あっ、いや…あゆみそれきくうぅ…、ひぃっ!!」
「ダメな訳ないだろ。僕は君の夫。そして君は?」
「…あなたの、ふあぁぁ、一番の、エッチな奥さんですぅぅぅ!」
体をよがらせ、裏返り気味な甘声で返事をするあゆみ。呼応するように、秘所も濡れていく。
(ひどいなぁ、先にちょっと逝っちゃうなんて)
羨ましくも、でも満足げな表情を浮かべ、圭太郎は彼女の体をギュッと抱きしめキスをする。
風呂に長く浸かっているせいか、頭の中がボーッとしてくる。
いや、それは違う。
「あゆみ、あゆみ…!」
「あひゃぁぁう、嬉しいぃ。キスでとろけちゃう…。…あなたぁ、もっと欲しいぃぃ〜」
ジュル、チュプ、…ンッ、ハァッゥ…。
歯を掻き分け、口内で絡まりあう舌。幾筋にも垂れてゆく涎。互いの蕩けた視線。そして、はやく欲しいという純粋だが淫靡な願い―
それらが、桃園家の夫と妻を、互いを欲する獣に変えていく。
けれども、極限まで高まったそれに、圭太郎の理性は何とか打ち勝つ。
「―はい、まずはここまで。ラブやせつなたちもまだ起きてるし、洗濯物の準備や朝ご飯の下ごしらえも残ってるだろ?」
彼の問いかけに、しかしあゆみは夫の背中に両腕をまわし、その胸の中でイヤイヤと首を振る。普段はしっかり者の彼女の意外な一面。それもまた可愛いのだけれど。
「わがまま言わない。それに、今日はいつも僕たち家族のために頑張ってる君にプレゼントを用意したんだから」
「プレゼント?私に?」
目を丸くして、圭太郎の顔を見上げるあゆみ。誕生日でも結婚記念日でもないのに、プレゼント。予期せぬ発言に、彼女も何とか落ち着きを取り戻す。
「そう。だから今はちゃんと仕事をするんだ。大丈夫、僕は逃げたりしないから」
「―もう、いじわるにもほどがあるわよ」
いつもの頼れる母の口調に戻り、嬉しさと期待で真っ赤になったあゆみは娘そっくりの眩しい笑顔で答える。心なしか、その目には光るものがあったが、圭太郎は触れる事はなかった。
夫婦はもう一度深いキスを交わすと、それぞれのやるべき事をこなすため、互いの体を洗い流し風呂を出る。
胸高鳴る、快楽の刻のために―
広いリビング、桃園家の母・あゆみは朝ご飯の支度や洗濯の準備を終え、一人ソファーに座り、メモ帳と向かい合いながら明日の予定を立てていた。
いや、厳密に言うとそうする事で気を紛らわせていたに過ぎないのだが。
クチュ、クチャァ
(やだ、もうこんなに濡れちゃってるなんて…)
下着を湿らせるほどの愛液。それは風呂を上がって家事をこなす中でもとめどなく溢れていた。それこそ、歩く度にビクッと電流が走ってしまう。顔もかなり紅潮している。
「あの人、プレゼントって言ってたけど、一体何なのかしら?」
惚けた表情を浮かべ、あゆみは持っていたボールペンを無意識に下着越しの筋に擦りつけようとする。
しかし、その一歩手前で力を入れて手を止める。
(ダメよ、あたし一人で気持ちよくなっちゃ!あの人が、圭太郎さんが我慢して待っているんだから!)
唇をギュッとしめ、息も荒くなっていく。頭に浮かぶ夫の笑顔、そしてその、象徴。
欲しい、ほしい、ホシイよぉ…
すっと立ち上がり、あゆみは着ていた桃色の薄い寝巻きに手を掛ける。愛した男への想いは、限界だった―。
『あなたが一番私を見てくれるから』part.2
すっかり夜もふけたクローバータウンストリート。その中にある桃園家の夫婦の寝室で、圭太郎はプレゼントを準備しながら、興奮を高めていた。
風呂場で見せた、妻の甘えに満ちた表情。あの時は何とか我慢していたが、もうその必要はほとんどない。いきり立った男性器がそれを物語っていた。
「完璧には作ったつもりだけど…。喜んでくれるかなぁ?」
そう言いながら、手に持ったそれを袋に入れなおす。すると。
コン、コン
唐突に鳴らされるノックに、ハッと振り向く圭太郎。だが、ドアを開けて入ってきた妻の姿に余計驚かされてしまう。
「ど、どうしたんだい?!そんな格好で来るなんて」
そう、あゆみはちょっと前まで来ていた寝巻きを脱ぎ、下着姿で立っていた。心なしか、体が小刻みに震えている。そのまま、持っていたそれを床に投げ捨てると夫の下に向かって走って行き、強くしがみ付き口付けをしてくる。
大きく息をつきながら、圭太郎はあゆみの瞳から流れる涙をそっとすくう。
「んんっ、はぁ…。そっか、待つのはつらいよね、あゆみ」
「無理よ。あそこまでされて、お預けされて。つらかった、欲しかったのよ…」
娘に遺伝した泣き虫な妻の姿に、抱きしめる力と愛おしさが再び比例していく。そして首筋から耳たぶにかけ、舌で舐め上げながら彼女の不安定な感情を落ち着かせる。
涙に染まった目も、また艶やかな色を帯びていく。
「すごいよあゆみ、乳首が立ってるのがブラジャー越しにわかるよ」
「やだ、そんな事言わないで」
「でも、僕は直接感じたいんだ」
「あ、ふぁ…もう、慌てん坊さんね」
言いながら、圭太郎は慣れた手つきであゆみのブラやパンティーを脱がし、下ろしていく。スタンドの薄い電光にさらされたお互いの体は、先程とはまた異なる淫靡さを引き出させている。
圭太郎の両の手により、あゆみの尻が持ち上げられた。
さり気に菊門の周りに触れられ、あえぎが漏れる。
だが、あゆみが最も欲している圭太郎の逞しいそれはいまだに下着に隠されたまま。待てないとばかりに手を掛け、腰を下ろしながら一気にずり下ろす。
ぺチッ
「きゃっ!」
「あっ…大丈夫かいあゆみ?」
「もう、本当に元気がいいんだから」
飛び出た男性器に頬を叩かれ、お返しとばかりにパクリとあゆみは亀頭を口に咥える。
瞬間、男性特有のにおいが彼女の鼻腔をつき、全ての器官が麻痺しかける。
トロンと目を下げながらも、歯の当たらぬようあゆみは圭太郎のそれを勢いよくしごいていく。
ブチュル、ニュッポ、ジュッチュ、グポッ、グプッ
「ぁん、本当に美味しくてたまらないわぁ、あなたのチ・×・ポ」
「喜んで、うぅ、くれるなら何よりさ」
圭太郎はあゆみによって行われる、自身の象徴への快感に身を委ねる。息を切らせながら視線を落とすと、ふと最中の妻と視線が合う。
頬を窄ませながら、ウインクしてにっこり笑いさらにピッチをあげていく。
―もっと気持ちよくさせてあげる―
おそらくそう言ったのだろう。ちゅぽんと圭太郎の性器を離すと、左手でそれを支え、唇や舌先でツーッと横からゆっくり舐め始める。
チュパチュパと根元から先端を吸われ、かと思うと今度は精液の詰まった玉を片方ずつ咥えられ、コロコロと転がされたり、大きな音を立て交互に吸われていく。
「…っつ、ちょっと待ってあゆみ、あゆみぃ!」
「…ちゅぷ♪」
のけ反って顔を歪める夫に、あゆみは口での行為を一旦止める。
「わかってる。口での行為は、『アレ』で終わらせないと…でしょ?」
「ごめん、あゆみ」
「気にしなくていいのよ。私も好きなんだから」
あゆみは口周りの唾と我慢汁を舌で舐め取り、口をアーンと大きく開ける。
圭太郎は息を呑み、自身の象徴を妻の口内へと入れていく。
ちょっと長めのそれは、咽の奥に入るか入らないかの辺りでようやく進入を止める。
すでに彼女の目は苦しさで大きく見開かれていた。
圭太郎は彼女の頭に優しく両手を置くと、自ら動き出し男性器を口内でしごき出す。
最初はスローペースだったそれは、次第に勢いを増していく。
「うぶっ、ごぶぅ、えうぅ〜…」
「はぁ、はぁ…。あゆみ、あゆみぃ!」
呼吸は満足に出来ない、しかし夫に対して奉仕できているという倒錯した感情に、あゆみの顔はさらに赤みを増す。
ポロポロと零れ落ちる涙は、圭太郎の何かを加速させる。
「はっ、はっ、はぁっ!」
「う、うへひぃ、うぇっ、あひゃひゃにおもひゃにひゃれひぇりゅ〜」
「…おもちゃなんかじゃないさ」
「ふぇ?」
一瞬訪れる静寂。だが、それは絶頂を目指す圭太郎に激しい動きによって破られる。
「う、うぶぅ、けいひゃろう、ひゃ…ん…んっ?」
「僕の大切な奥さん、一番好きな女性だ…だからっ!」
「んんあぁ!」
圭太郎の体は大きく痙攣し、彼の男性器もあゆみの口内で大きく突かれる。瞬間、濃厚な精子が発射され彼女の体内を一気に彼色に染めていく。
「くうぅ、うあっぁぁ…」
「おぼぉ、ぶふっ、じゅるる…っぷ!」
正直、嘔吐したくなる気持ちもあった。
だが、夫から流れ出る熱い想いを全て飲み込もうとする気持ちのほうが圧倒的に勝っていたのだ。
口だけではない。咽も使い最後の一滴まで吸い取っていく。
ずるりと口から出される、圭太郎の象徴。
大丈夫かと声をかける夫に、あゆみは大きく息をし、咳をつきながらも何とか微笑む。
「だ、大丈夫。…ちょっと苦しかっただけよ」
「あゆみ…」
膝をついたあゆみを持ち上げ、そのままベットに倒れ込む圭太郎は、背中を優しくさする。
「…自分から求めるのに、最後はいっつもこれなんだから」
落ち着きを取り戻したあゆみは、意地悪っぽく声をかけるが、声色は甘いままだ。困った顔の圭太郎を楽しむように。
「ごめん、でもこうしないと何だかダメで、その…」
「いいのよ、怒ってなんかない。むしろ嬉しいわ。求められてるんだってすっごく伝わってくるんですもの」
「あゆみ…!」
圭太郎は再びあゆみを抱き寄せ、ギュッと、離れぬようしがみ付く。いつの間にか復活してる彼の象徴を感じながら、あゆみも伝わってくる夫の体温を心地良さそうに受け入れる。
しばし訪れる、静寂。だが、ふとあゆみは視線を圭太郎に向け、問いかける。
「そういえば、私にプレゼントがあるって言ってたけど、何なの?」
「あっ、そうだったね。ちょっと待ってて、もう用意してるんだ」
言いながら、圭太郎は枕元にあった袋を掴み、ゴソゴソと中身を取り出す。それを見た瞬間、あゆみは目を大きくし、口に両手を当てる。
「これ…あの時のコンテストの?!」
「そう!…と言っても、またあれからさらに改良した僕オリジナルの特注品だけどね」
彼から差し出されたのは、かつてミス四ツ葉町商店街と呼ばれてた頃、コンテストの時につけたロングの髪のウィッグ。当時と比べるとサラサラ感もより増している。思わぬ思い出の品にあゆみも困惑を隠せない。
「でも、またどうしてこれをプレゼントに?」
「…本当はネックレスとか洋服とかも考えてたんだ。でも、それじゃありきたりだし。だから、いつまでもあの頃の君のままでいてほしいって思いを込めて僕の…いや、僕たちの結婚のきっかけを作った宝物にしようと思って。…だめ、だったかな?」
申し訳なさそうに妻を見る圭太郎。しかし、あゆみは無言のまますっと立つ。そして静かにウィッグに手をかける。
「だめな訳、ないじゃない」
薄い明かりをバックに、ファサっと広がる女神のように柔らかい、腰に届くほどの髪。
製作者の圭太郎も思わず見惚れてしまう。
そして、思い浮かぶあの時の記憶
透き通るような白い肌とワンピース。会場にいる全員の心を愛で癒してしまうかのような優しい微笑み。風に揺れる長い髪。誰をも魅了した彼女は、まさしく女神だった―。
「ずっと覚えてた。あの時、あなたが私のために頑張って作ってくれたものなんですもの。いっしょに作った大切な、思い出」
「…良かった。喜んでくれて」
湧き上がって温かい感情に、夫婦は涙が止まらない。そして、余計に想いが加速する。一つに溶け合いたい、と。
「…じゃあ、また始めます?」
「もちろんだよ。こうなったらいつも以上にはりきっちゃうさ!」
「ふふっ、頼もしいんだから」
いきり立った夫のものを陰部に挟み、笑いあって、2人は再び互いに一つになろうとする。
誰も近寄れぬほどの強い愛の形が、そこにはあった。
あれは、あゆみがコンテストで優勝した夜。
星が、町の灯が見渡せる丘の上で僕はあゆみに告白した。付き合って、いや、結婚してほしい、と。
互いに口を開かず、沈黙は一瞬のようで、やけに長くて。
真っ白で逃げ出してしまいたい気持ちを抱えながら、僕は立ち尽くしていた。
チュッ
だが、予想もしなかった音でそれは破られる。
頬に感じた柔らかい感触。そのままくっついてくる温かいからだ。胸に吹きかかる吐息。
「ずっと待ってたのよ?あなたが言ってくれるの」
感極まり、上ずった声で彼女は答えた。
同時に、僕は思った。自分が何て馬鹿なんだと。逃げたいと思った自分を殴ってやりたいと。
ずっと彼女は待ってたんだ。その時を、ずっと。
栄光を掴んだウィッグが風に吹かれ、かすかに揺れる。
そのまま白つめ草の中へと、僕らは抱き合ったまま倒れこんだ。
一瞬だったろうか。クローバーが見えた気がした。
幸福の象徴、四葉のクローバー。
結ばれた夜。あの場所には確かに幸福が訪れていた―
『あなたが一番私を見てくれるから』part3
ズチュッ、ヌチュッ
「――っつ、ああぁん!」
「相変わらず締め付けてくるね、あゆみの膣(なか)」
「も、いじわるぅ…」
ベットの上で胡坐をかいた圭太郎。そんな彼の肩で体を支えながら、そのままあゆみは目的の圭太郎の分身を体内へと収めていく。
瞬間、彼女の全身を甘い電気が流れる。
ふり乱れる人工の毛髪は、快楽の泉へと堕ちる女神のもののようでもあって。
圭太郎たちはそんな状況のまま、ベットに倒れ込む。その勢いで、圭太郎の逞しいそれはあゆみの子宮を一気に突く。
「ひっ…いひぃぃぃぃん!!」
突然の刺激に彼女の眼球は、一瞬白目になりかけるほど上向く。顔は再び涙とよだれに覆われ始めている。
文字通り、逝っていた。
「挿れてまだそこそこの時間なのに…。まぁ、夜は始まったばかりだし」
「―うん、うぅぅぅん!お願い、あゆみのオマ×コ、あなたのでっかいチ×ポでズボズボしてぇ、してほしいのぉ!!」
「大丈夫、わかってるさ」
言いながら、圭太郎は手をあゆみの脚の付け根に置き、ガムシャラに己の象徴を出し入れする。
凶暴なまでに妻の体を襲う、溜まっていた性欲。
プルプルと動く乳房、普段は聞けない嬌声。ありのままに快楽を受け入れているということの、証明。
「うっ、くぁぁぁぁ、けいt、けいひゃりょうひゃぁぁぁん!」
「はぁっ、はっ、ふはぁぁぁっ、あゆみぃ、あゆみぃっ!」
「手ぇ、つかんでぇ。さびしいのいやぁ!」
快楽の渦の中、圭太郎がそばにいる感触をさらに得ようと、あゆみは手を必死に伸ばす。
対する圭太郎も、ガシッと彼女のそれを掴む。離れまいと、強く。
グチュッ、パンッ、グチュッ、ブチョッ!
ぶつかり合う肉の音。結合部から垂れる愛液や潮。玉のように浮かび、流れ落ちていく汗の滝。強まる膣肉の肉棒への締め付け。
その全てが、桃園夫婦の愛の証明。
だが、夫の苦悶に満ちた表情が、その第一部の終りを告げようとする。
「ああ、そろそろいきそうだよあゆみぃっ!」
「いってぇ!あゆみのぐちゅぐちゅマ×コにいっぱいザー汁ぶっかけてぇぇぇ!!」
「うっ、くっ、くあぁぁぁっ!」
背を反るのと同時に、圭太郎の精巣に詰まった精子があゆみの膣内で一気に爆発する。勢い良いその感触に、彼女もさらに声を荒げる。
「ちゅごぃぃぃぃ、びゅっぴゅかかってる!子宮にぶっかかっちゃってるぅ!!」
圭太郎の象徴は、休む間もなくあゆみの子宮を白く塗り替える。
その感触に、2人はただただ、惚けるしかなかった―
壁に浮き上がる、肩で息をする圭太郎のシルエットと、ずるりと抜け出た彼の象徴。
あゆみはそれに労いの意を込めて、再び圭太郎のを口に咥える。
もっとも、自分がその衝動を抑えきれないというのが一番の理由だったのではあるが。
「んぅ、ちゅっ…。とっても気持ちよかった、ありがと♪このウィッグもね」
右手で耳にかかる思い出の品をかき上げ、嬉しさを隠せない彼女の両の瞳は圭太郎を見つめる。彼はそれに照れながらも、自らもそのサラサラのウィッグをなでる。
「でもこれを着けてる君を見ると、あの丘の上での事を思い出すよ。…お互いに手探りだったっけ?」
「ええ。しかも、サルみたいにがっついちゃったりしてたものね、あなた」
「えぇ?!そ、そういう君だって僕のからなかなか離れなかったじゃないか」
「あ、あら、私そこまではしたないマネしたかしら〜?」
「してたよ〜、思いっきり!」
そんなたわいもない事を話すうちに、どちらともなく笑い出し、再びお互いを見つめあう。
「…あれからラブが産まれたり、せつなが家族に加わったりいろいろあったよね」
「私たちも、もっとエッチになったり、ケンカしたり、笑ったり…。もうたくさんあり過ぎて困っちゃうわよね」
でも、と前置きしたうえで、あゆみは着けていたウィッグを取りはずし、ブーケを持った花嫁のように圭太郎に迫る。
「全部、あなただったから作ってこれたのよ。もしもあなた―圭太郎さんじゃなかったら、私…」
言い出して、ポロポロ目から流れ出す涙。あゆみは涙もろくなったと自嘲しながらも、なかなかそれを拭おうとしない。そんな妻を見て、微笑みながら圭太郎はそっと涙をすくっていく。
「何言ってるのさ、あゆみ。まだ僕たちは始まったばかりじゃないか。そんなに泣いちゃってたら、君も僕も、幸せがゲット出来なくなっちゃうよ?」
そう言って、しかし圭太郎の瞳からも、しずくがポタリ、落ちていく。
ああ、なんて幸せなのだろうかと思う。
2人の気持ちは、あの時から何一つ変わっていなかった。
昔、あの丘の上で想いの温かさを確かめあってから。
圭太郎はウィッグに手を置き、あゆみと再び口付けをかわす。
優しく、ちょっと長めに。
「―さ、また始めようよ。今夜は寝かさないんだよね?」
「もう、デリカシーないんだから」
笑いながらも、股間の突起した部分をいじられ、あゆみは「ひゃん!」と声をあげる。
「今度は僕のお願い、聞いてもらうよ」
「うん…」
少し恥じらいを込めた紅い顔で、あゆみは圭太郎の方へお尻を向け、高く突き出す。
ひくひくとする秘所、そして、菊門も心なしかもの欲しそうにうずいている。
「いつ見ても惚れ惚れとするなぁ、君の尻は」
「いやぁ、そんなじっくり見ないでぇ…」
撫で回される感覚に電流を感じながら、あゆみは次の行為を待っていた。
すると、突然圭太郎の舌が敏感な突起をはじき、筋をツーッと舐め上がりながら菊門へと向かう。
目的の場所にたどり着くやいなや、そこに向かって彼は激しく舌を突き入れる。
一応丁寧に洗ってはきたものの、人間にとって汚い部分の肉を刺激される事により、あゆみは快感と正常な判断がゴチャゴチャになっていく。
「うわぁぁん、だめ、汚いのに、いけないのに、気持ち良くなっちゃうぅ!」
「…ぷはっ、どこがいいのかちゃんと言わないと」
少し意地悪げな夫の声に、うるうると瞳を揺らしながらも、あゆみは咽が渇くほどに絶叫する。
「あゆみの…あゆみのおしりの穴、おしりマ×コが、圭太郎さんの舌でビチョビチョになっちゃうのぉぉぉ!!」
「うん、よく言えました」
瞬間、あゆみの肉芽が圭太郎の右手により左右上下に小刻みに揺らされる。そして、継続して菊門への刺激も激しさを増す。
「あぉぉん、ひどいぃ、ひどぃのに気持ちいぃん!どっちのマ×コもいいようぅ!」
「…いっていいよ、あゆみ。いくんだ!」
「ダメダメダメェ、噴いちゃう、噴いちゃうから、あっあっあぅ…うわぁぁぁんっ!!」
ブシャアァァァァッ!!
2箇所攻めに耐え切れなくなったのか、ついにあゆみの秘所から大きく潮が噴かれる。
圭太郎の顔、口の中、そしてベットのシーツまでがそれによって濡れていく。
(あぁ、圭太郎さんが汚れちゃう…)
頭の中の片隅で浮かんだ後悔。だが、現実の彼女は肩で息をしながら、犬のように舌を出し、快楽に歪んだ笑顔をしている。
「悪いけど、さっそくいくよ?」
妻の尻にキスをしながら、問う圭太郎。あゆみはそれに答えるよう、尻を左右に振る。
己の不浄の穴を両手の指でこじ開け、構えながら―
「本当に、僕でいいのかい…?」
夜空いっぱいに星が広がっていた、あの夜。私の体を汚れぬよう受け止めながら、圭太郎さんはつぶやいた。
初めての経験で、私の体は痛みと気持ち良さでフラフラ。でも、笑顔ですぐに答えを返せた。
「もちろんよ。誰かのために本気になれる。お仕事に真剣に向き合える。まるで父みたいに。そんな人が私、わたし―」
好き。大好きだから。
再び、互いの視線が交じり合う。よく見ると、彼の目がうるうると緩んでいる。泣き虫とからかったら、「君だって」と返された。
やっぱり、私の目にもたまっていたんだ、涙。
いつものように見てくれてたんだね、私の事を。
―そう、初めて出会ったあの時から、ずっと見てくれた、私を。デートも。コンテストで私に合うウィッグを選んだり、作ってくれた時も。そして、優勝し、思わず舞台に駆け上がって来て、泣きながら抱きしめてくれた時も。
「ありがとう、ありがとう。あゆみ」
「感謝するのは私のほう。こんな気持ち初めてよ。ずっとずっと、傍にいたい。だって…」
あなたが一番私を見てくれるから。
『あなたが一番私を見てくれるから』part4
「あぁぁぁ、入ってくるぅ…!」
「うぅあっ、相変わらず締め付けてくるね、君のお尻も…」
ググッと、バックの体勢を取っているあゆみのアナルに進入してくる、圭太郎の象徴。すっかり開発されているとはいえ、その快感は現在も新鮮であった。
あゆみの尻を掴む圭太郎の両手も力み、彼女も膣とは異なる気持ち良さに、顔を引きつらせながら、もだえ喜ぶ。
普段は汚いものを出す部分で、大切な人の一物を受け入れる。どこか倒錯した状況が、彼女の快楽への新しい道を切り開かせた。
「くっ、今日は君の作った料理のおかげで簡単には逝かなさそうだよ」
「ねぇ、早く動いてぇ〜。あゆみのおしりマ×コ、圭太郎さんのぶっといおチ×ポでいっぱいいっぱいにして欲しいの…」
「すっかりはしたない言葉遣いだね。ラブやせつなたちがいたらびっくりしちゃうかも」
「やぁ、言わないで!恥ずかしい!」
両耳まで真っ赤になりながら、あゆみは顔を手で覆う。だが、言葉責めはさらに圭太郎のそれを強く締め付けていく。
「じゃ、じゃあいくよ、あゆみぃ!」
「ふぇ…。う、うぅ、くぅああああぁぁん!!」
部屋はおろか、家まで揺るがすかと思うほどのあえぎ声。腸だけでなく内蔵全てを貫く勢いで、圭太郎の象徴が妻の肛門から出し入れされる。
「あひぃぃ、ふあぁぁぅ、おしりぃ、ズッポズポされれるぅ。圭太郎さんのでかき回されれるぅっ!」
「ぼ、僕も自分のがちぎれてしまいそうだ…!うぅっ!!」
「汚いとこまで愛してもらうなんて、あゆみ嬉しいぃぃん!」
すでに彼女の視線、いや思考そのものがマヒ状態と断言していいほど定まっていなかった。
ほぼ上目の眼球。出しっぱなしで涎をたらす舌。陰部から糸のように垂れ堕ちる精液―。
夫婦の営みではなく、獣の交尾。互いを求め貪りあう姿はまさに、そうで。
「はあっ、ひゅはぁっ、いい〜♪あゆみ気持ちいいよぉ!!」
出し入れする度にまとわりつくひだの感触は、その部分に食われてしまうほど強烈であった。
「あゆみ、あゆみ…!」
妻の背中に胸を合わせる圭太郎。欲望がグチャグチャになりながらも、大切な女性の温かさを求めていく。
ふと漂ってくる甘い匂い。
あゆみの本物の髪の毛か、汗か。それらはさらに圭太郎の性的なエンジンの回転を高めていく。
ヌプッ、ジュッ、ズッ!
肉と肉がぶつかり合い、汁がたれ、散らされる。あゆみの体は引き付けられ、釘を打ち込むように肉棒は出し入れされる。
「あゆみ、あゆみ、あゆみぃぃぃぃぃっ!」
「いやぁ、もう逝っちゃう、あゆみ真っ白になっちゃうほど逝っちゃうぅぅぅわぁぁっ!」
迫るクライマックス。容赦のない動きは、快楽に支配されているのを如実に表していて。
「あぁぁ、出る、あゆみのお尻の中にでるよぉ!」
「出して、オマ×コも内蔵もあなたの白くて濃いザーメンでたぷたぷにして!ぶっかけてほしいぃぃぃ!」
早くなる圭太郎の腰の動き。過呼吸かと思ってしまうほど荒いあゆみの息遣い。終着に向かう夫婦の行動は、遂に頂点へと達する。
「あっ、あぁ、もう無理だ…あゆみぃぃぃぃっ!」
「いいよ、いっぱいにして、圭太郎さ…うわあぁぁぁぁん!!」
ドクドクッ、ビュブ、ゴポッ…!!
瞬間、互いの動きが止まり、軽い痙攣が包み込んでいく。
圭太郎のそれから発射される精子は、さっきとは比べようもないほどの量。あゆみにしがみ付くも、腸は受け入れの限界を超えてしまう。
「無理だ。あゆみ、一回出すよ」
「なら、かけて!私の顔を白いドロドロしたのでお化粧してほしいぃ!」
ズルッと妻の菊門から己の象徴を出す圭太郎。発射を堪え、彼女をひっくり返すと、自身のそれを片手に持ち、形容できぬ性的刺激に歪みながらも、美しい顔へと近付ける。
そして―
ビュクビュク、ビュッ!
「出てる、僕のがあゆみの顔にたっぷり出てるよぉ!」
「あはぁぁぁん、あつぅい!圭太郎さん特製のザー汁があゆみをもっと綺麗にしちゃうぅぅ〜♪」
顔は勿論の事、可愛らしいショート・ヘアまで白に染めていく夫の精液。だが、彼女はそれを嫌な顔一つせず、むしろおいしそうに舌で舐め取っていく。
「…あら、まだ残ってるぅ」
「あっ、本当だ。…って、ちょ、ちょっと待っ、あっ」
圭太郎の肉棒の鈴口から垂れる白い残り汁。もったいないと言わんばかりにぱくついたあゆみは、頬をすぼめ、ジュジュ〜と音を響かせながら吸い取り、ゴクゴクと飲み干していく。
「うぅあ、さすがだね、君のテクニック」
「うふふ、けいひゃろうひゃんも」
肉棒を咥えたまま、桃園夫婦は健闘を称えあう。肩で息をしながらも、表情はすごくスッキリしていて、嬉しそうで。
そして。
無意識のうちに2人は目を閉じ、汚れを気にも留めず、強く抱き合うのだった―
「―ひゃっ!んもぅ、びっくりしちゃうじゃない」
「ごめんごめん、ちょっと休憩したらまた元気になってきたみたい、僕のここ」
「やだ、知りません!」
浴室。ベットでしばらく横になり休憩していた圭太郎とあゆみは、汚れを落とすためシャワーを浴びにきていた。
が、洗いっこしてるうちに、圭太郎の息子はすっかり元気を取り戻していたのだ。
「まったく、珍しいわね。普通は年齢といっしょにそっちの方も元気がなくなるみたいに聞いてたのに」
持久力のタフさに呆れながらも、あゆみはひくつく夫のをお尻に引っ付ける。
「しょうがないよ、だって、君が相手なんだから」
「やぁだ、褒めても何も出ないわよ」
「お世辞じゃないって、本当だってば?!」
疑わしい目で見てくるあゆみに、慌てふためく圭太郎。でも、そんな彼の姿が彼女にとってはとても愛おしくて、たまらなく保護欲を刺激して。
「冗談よ。でも、あなたとは絶対に離れたくない」
「僕もだ、あゆみ。何があっても一緒にいたい」
記憶をかすめる、あの夜の出来事。おじさん、おばさんになっても、ずっとずっと愛しい想いは消える事がなくならない。むしろ、どんどん強くなっている。
「圭太郎さん、圭太郎さん―」
「あゆみ…」
「離れないでね。私の方、しっかり向いて、見て」
「当たり前じゃないか。だって、君は」
僕の妻で、一番大切な好きな、女性だから。
シャワーのお湯の雨の中。桃園夫妻は、濡れた体をくっつけ合い、改めて誓いの口付けを交わす。
「んんっ、はぁ…」
「ふわぁ…。ねえ、あなた。もう一度…いい?」
「…うん、もちろん」
再び愛し合う準備は、互いに整っていた―
「待ってあなた。んーっ♪」
「ちょ、ちょっとあゆみ、子供たちの目の前はまずいよ!」
早くもジリジリと太陽が照りつける、夏の朝。
仕事に出掛けようとする圭太郎に、あゆみはチューをねだろうとしていた。
新婚夫婦のように熱々の両親の姿にラブはやれやれと溜息を、せつなは湯気が立つほど顔を真っ赤にし、その様子を見ていた。
「もう、ラブラブなのはいいけど朝から年頃の女の子の前で刺激が強いよ!ねえ、せつな?」
「えぇ?え―と、うん、そうね、ラブ」
無理に合わせるように、首をコクコクうなずかせるせつな。彼女自身としては、堂々と出来る事を羨ましいとさえ思ってたのだが…。
「あーら、甘いわね2人とも。お出掛けのキスは夫婦円満の秘訣って、昔から言われてるのよ」
「そ、そうだったっけ?」
「もしかして、これも日本の伝統なんですか?!」
「ちょっ、違うから!全然伝統でもなんでもないから、せつな!!」
拳を握って力説するあゆみの言に、興奮気味のせつなを抑えようとするラブ。一方の圭太郎は呆気に取られ、一人キョトンとなってしまう。
慌ただしい中、ふと壁に掛けた時計の針を見て、あゆみは思わず目を見開く。
「あ、あらやだ、もうこんな時間じゃない!あなた、早くお仕事に行かなくっちゃ!!」
「引き止めてたのお母さんじゃん…」
「今日の夕ごはんはニンジンフルコースがいいかしらねぇ、らぁぶぅ〜?」
「わはーっ!ご、ごめんなさーい!!」
ラブとあゆみのやり取りに、圭太郎は思わずプッと笑いを漏らす。そして、みんな笑い出す。あゆみも。ラブも。そして、せつなも。
一日を乗り切る、パワーが漲ってくる。
昨日の今日の出来事だが、圭太郎の腕の中でまどろんでいたあゆみの言葉が、頭の中で反すうされていく。
「ねぇ、今度の夜、2人であの丘に散歩に行くのどうかしら?思い出したいの、あの頃の初々しさを。もちろん、今の想いも、ね」
よしと、気合が入れる。元気な声で家族に声を掛け、桃園家の大黒柱は出発していく。
「じゃあ、いってきます!!」
「いってらっしゃーい!」
笑顔で手を振ってくれるみんなに、圭太郎の気分は早くも浮き立つ。
さっそく日差しが照りつけ、額から汗が滲み出る。
今日もまた、忙しくなりそうだ。
それでも、頑張れる。家族がいるから。いっぱいの愛で、変わらぬ笑顔を向けてくれる大好きな女性が、桃園あゆみが待っててくれるから―
《おわり》