昼下がりの午後、古めかしい洋館  
 
ガチャン・・・ガチャン・・・  
・・・ふうっ・・・ふうっ  
 
金属のぶつかり合う音、荒々しい呼吸音  
 
洋館の中では上半身裸の男がベンチに仰向けになり、  
一心不乱にバーベルを上下させている  
 
「よしっ!今日のノルマ達成!」  
 
男は満足げにバーベルをラックに掛け、ゆっくりと起き上がる  
 
「あなたのノルマはインフィニティを手に入れることよ」  
 
ふと見ると正面に女が立っている  
顔をしかめ、こめかみには青筋を走らせている  
トレーニングに集中していたせいか、全く気付かなかった  
 
「なんだ、ノーザか」  
 
「・・・ノーザ『さん』!」  
 
「チェッ。・・・ノーザさん、何のご用でございますか?」  
 
男は不機嫌さをあらわに、わざと丁寧に返す  
 
「何の用じゃないわよ。ウエスター、あなたの任務はイン・・・」  
 
「はいはいはいはい、インフィニティを探しに行ってきますよ」  
 
ウエスターはノーザの言葉を遮り、街着に着替えると、脱兎のごとく洋館から駆け出した  
 
(あのババアが来てからというものの、まったく調子が狂っちまったぜ)  
 
公園でドーナツを買う  
元気がなさそうに見えたのか、店主は1個おまけしてくれた  
 
(FUKOのゲージは俺とサウラーでコツコツ集めたのに)  
 
独りベンチに座り、噴水を眺めながらドーナツをかじる  
 
(なんで今になってババアがしゃしゃり出てきて仕切るんだ)  
 
今日のドーナツはほろ苦い ―涙の味だ―  
 
(今日はもう帰りたくないなあ・・・)  
 
いつしか日は落ち、ウエスターは夜の街を歩いていた  
夜はしっかり寝たい彼が夜の街を歩くことは珍しい  
 
何時しか駅の裏側の歓楽街、ナイトクローバーと呼ばれる一角にたどり着いた  
極彩色のネオンサイン、立ちこめる香水の香り、呼び込みのだみ声、  
店先には色とりどりの衣装に身を包んだ若い女達が手招きをしている  
 
(一体なんの騒ぎだ)  
 
ウエスターが街を歩けば嫌でも目立ってしまう  
高い身長、端正な顔立ち、そして鍛え抜かれた肉体  
街の女達の視線を一身に集めてしまう  
やがて、真っ赤なスーツをまとった美女が声をかけてきた  
 
「お兄さんどこから来たの?軽く飲みに行かない?」  
 
今日の彼にとって気位の高そうな女には関わりたくなかったが、  
とりあえず寝る場所だけは確保しておこうかそう思った矢先、  
ウエスターの目にとんでもないものが飛び込んできた  
 
「つ、ついに見つけたぞインフィニティ!」  
 
ウエスターは女を突き飛ばすと、  
きらびやかにライトアップされた白亜の洋館めざして走りはじめた  
 
   『ソープランド インフィニティ』  
 
まるで、街灯に吸い寄せられる蛾のように白い館に足を踏み入れる  
自動ドアが開き、中から小柄な初老の男が出迎えにあらわれた  
 
「いらっしゃませ」  
 
ウエスターは高価そうな黒い革張りのソファが並ぶ一室に通され、  
促されるままにソファに腰を落とす  
室内には紺色の背広を着た若い男、30歳くらいだろうか、雑誌を眺めている  
 
初老の男がウエスターの前にひざまずく  
 
「本日はようこそおいでくださいました」  
 
男は写真を1枚、テーブルに置いた ―女の写真だ―  
白いウェディングドレスをまとい、優しく微笑んでいる  
美しい顔立ち、均整のとれたプロポーション、そして全身からにじみ出るエロス  
ウエスターはごくりと唾を飲み込む  
 
「本日ご案内できますのは、このシフォンちゃんだけでございます  
 シフォンちゃんは当店の指名ナンバーワンの女の子です  
 いつもは予約一杯で飛び込みの方にはご案内できないのですが、  
 偶然キャンセルがございまして、お客様は幸運の持ち主です」  
 
男の説明はウエスターには半分程度しかわからなかったが、  
というか、そもそもこの店が何をするのかわかっていなかったが、  
自分がこれからこのシフォンとかいう女と会うことはわかった  
 
(そういえば、プリキュア達がシフォンと呼んでいたあの動物がインフィニティだったな  
 ということは、この女もインフィニティになるということか・・・)  
 
「わかった。この女でいい」  
 
「ありがとうございます。それでは、入浴料として2万5千円いただきます。  
 あとでサービス料として4万円を女の子にお支払いください」  
 
(・・・そんな大金をとるのか。まあいい、あとで暴れて取り返すことにしよう)  
 
とりあえず素直に金を支払うことにした  
数分後、部屋のドアが開き、水色のドレスを着た若い女が入ってきた  
街行く男達がみな振り返るほどの豊かな胸を揺らしてゆっくりと歩く  
そして部屋にいた若い男の前にひざまずく  
 
「圭太郎さん、お久しぶり」  
「なゆたん、会いにきちゃったよ」  
 
二人はまるで恋人のように腕を絡ませ、部屋を出て行った  
 
そして数分後、今度は別の女が部屋に入ってきた ―あの写真の女だ―  
 
・・・ゴクリ  
 
ウエスターは思わず息を呑む  
女は漆黒のロングドレスに身を包み、妖艶なオーラを放っている  
写真よりもいくぶん歳上、30代半ばに見えるが、それでもかなりの美しさだ  
蒼いロングヘアに勝ち気な蒼い瞳、形のよい口唇、大きく張り出した形のよいバスト、桃のように丸いヒップ、そしてこれを繋ぐ美しいラインを描く腰つき・・・  
身体にピタリとフィットしたドレスは女のチャームポイントをこれでもかと強調する  
ウエディングドレス姿の写真ではアイドル歌手のような清楚な色気を感じたが、衣装を変えるだけでかくも違うものか  
 
「お待たせいたしました。どうぞこちらへ」  
 
ウエスターは女に導かれ、部屋を出る  
狭い階段を昇り2階に上がると、小部屋がいくつか並んでいる  
部屋の中から女の嬌声、耳を澄ますとあえぎ声も聞こえてくる  
 
(ここはいったい何なんだ・・・)  
 
女は一番奥の部屋の扉を開き、灯りを点けて男を招きいれる  
 
8畳ほどの広さの部屋  
絨毯は部屋の半分ほどしか敷かれておらず、残りはタイル張りになっている  
絨毯の側にはベッドや鏡などの調度品が置かれ、タイル張りの側にはたっぷりと湯が張られた浴槽、何に使うかよくわからないが人ひとりが収まる程度の箱、そして海で遊ぶときに使う空気マットが置かれている  
 
(どうやらここは風呂場みたいだな。そうか、温泉とかいうやつだな)  
 
半分正解である。  
ウエスターが部屋を見回していると、女は彼の前でいきなり跪き、三つ指をついて頭を下げた  
 
「はじめまして、シフォンです。本日はようこそおいでくださいました」  
 
「は、は、はじめまして。に、西隼人です」  
 
「隼人さんっていうんだ。かっこいい名前だね」  
 
シフォンは大きな目をパチパチさせながらはにかむように答えると、大きく背伸びをして長身のウエスターのうなじに両手を回し、彼の顔をぐいっと引き寄せる  
ウエスターがきょとんとしていると、シフォンは軽く目を閉じて唇を重ねてきた  
不意の出来事に思わず口が開いてしまうと、シフォンの舌が滑り込んできた  
甘い女の香りがウエスターの鼻腔をくすぐる  
女の舌は口腔を丹念にまさぐり、そして奥に潜むウエスターの舌を捕らえる  
舌と舌が絡みつき、甘い女の唾液が流れ込んでくる  
ウエスターは甘い刺激に酔い、自ら女の舌を求めて唇を吸う  
クチャクチャと淫猥な音が響く  
 
時を忘れて唇を貪りあった後、シフォンはそっと腕を解き、唇を離す  
脳髄まで蕩けるようなディープキスを中断されたことに不満顔のウエスターにシフォンは甘えるような声で囁く  
 
「隼人さんの唇、ハチミツの味がして美味しい」  
 
ウエスターは夕方にドーナツを食べたことを思い出す  
 
「そ、それはさっきドーナツ・・・」  
 
シフォンはウエスターの声には耳を傾けずに膝立ちになると、男のジーンズのボタンに手をかけ、ひとつひとつ外しはじめた  
次に自分を待ち受ける刺激への期待感が高まっていく  
ジーンズを膝まで下ろすと、黄色いダイヤ柄のトランクスが露わになる  
 
「ふふふ。かわいいパンツ」  
 
シフォンはそっとトランクスを下ろすと、思わぬ光景に大きい目をさらに大きく見開く  
 
「す、すごい・・・大きい・・・」  
 
固いジーンズに押さえつけられていた巨大な怒張がトランクスから躍り出るように屹立し、天を仰ぐ  
 
シフォンはこの店―インフィニティ―に入って2年、数多くの男と肌を合わせてきたが、この逸品は間違いなく最大級である  
そしてただ大きいだけでない−一切の無駄な包皮のない竿は隆起した欠陥がゴツゴツと複雑な凹凸を描き、深いカリから張り出す亀頭は赤褐色に輝き猛然と熱気を放つ−これほど美しいペニスは見たことがなかった  
シフォンは灼熱の肉棒にそっと両手を添え、顔を近づける  
頬は赤く染め、視線は亀頭から離れない  
そして、愛らしい小さな口から舌を出し、チロチロと亀頭を舐めはじめた  
 
「お、おい!こんなところ舐めるもんじゃ・・・」  
 
ウエスターは思わず腰を引くが、シフォンはすかさず彼の腰に手を回しそれを許さない  
そして口を大きく開くと灼熱の怒張を頬張ってしまった  
 
「んああああっ」  
 
オーラルセックスという習慣のないラビリンス出身のウエスターにとって、この未知の刺激から逃れる術はなく、完全に棒立ちとなってしまった  
シフォンにされるがまま、半脱ぎだったジーンズとトランクスは脱がされ、Tシャツも剥ぎ取られて全裸にされる  
シフォンはドレスを着たまま再び男の怒張を頬張り、口内いっぱいに収まった亀頭に懸命に舌を這わせる  
亀頭を舌で愛撫しながら、両手は逞しく伸びた竿、そして白濁のマグマを貯えた陰嚢を絶えず優しく刺激し続ける  
彼の視線は女の小さな口に収まった分身に釘付けとなっている  
シフォンは顔を少し上げ、潤んだ目をウエスターに向けて視線を絡ませる  
そして、上目遣いに見つめたまま、ゆっくりと頭を前後させ始めた  
男の脊髄に断続的に電撃が走る  
 
ジュポッ ジュポッ  
 
シフォンの口から涎がこぼれ、絨毯に染みを作っていく  
徐々にスピードが上がっていく  
女の蒼いロングヘアが男の太腿に断続的に優しい刺激を与える  
ウエスターの腰が自然に動き始める  
女の頭の動きに合わせて怒張を口腔内に叩き込む  
喉を突かれ美しい顔を息苦しさにゆがめながら、彼女の右手はドレスの上から自らの秘所をまさぐっている  
男の加虐心と女の被虐心が激しく絡み合い、快楽が高まっていく  
ウエスターの腰が震え始めた―限界が近い―  
シフォンはさらにスピードを上げる  
 
「ぬおおおおおーっ!」  
 
「んぐぐぐぐぐぐーっ!」  
 
ウエスターは腰をぐいとねじ込むと白濁のマグマを女の口内に猛烈な勢いで放出する  
シフォンは口で受け止めるつもりであったが、喉を突かれて逝ってしまったことと、あまりに大量に放出されたため、思わず飲み込んでしまった  
 
時間が止まったかのように仁王立ちの男と膝立ちの女がしばし呆然と立ち尽くしていた  
 
しばらくしてシフォンはゆっくり立ち上がると、ウエスターの手を取る  
快楽の余韻が抜けきらないのか、二人とも緩慢な動きでベッドに腰掛ける  
女は男の逞しい太ももに手を添え、甘えるようにもたれかかる  
 
「わたし、フェラしていてイッちゃったの初めてよ」  
 
「お、俺もすごく気持ちよかったぞ」  
 
「だって隼人さんのオチンチンすごいんだもん」  
 
シフォンはウエスターの首に手を回し、顔を近づける  
二、三回軽く唇を重ねた後、女の唇が大きく開き、男の口を塞ぐ  
スルリと舌が躍り込むと、ウエスターの口内に青臭い苦味が広がる  
ウエスターはすぐに自分が放出した精液の味だとわかったが、飲み干したシフォンに悪いと思ってそのまま舌を絡ませ続ける  
いつしか嫌な臭いは消えうせ、再び甘い芳香に満たされていく  
連動して、怒張が力を取り戻し、再び天を目指して屹立する  
 
「隼人さん、すごすぎるぅ。でも、続きはお風呂入ってからね」  
 
シフォンは悪戯っぽく舌を出すと立ち上がり、ドレスの肩紐を外す  
 
「ねえ隼人さん、これ脱がしてくれる?」  
 
ウエスターはゆっくりたちがると女の背中に回り、ファスナーをゆっくりと下ろす  
漆黒の幕が裂かれ、真っ白な柔肌がのぞく  
そして、手を離すと、幕はストンと落ち、女の白い背中があらわになった  
豊かに張り出した双丘とこれから訪れるであろう快楽を身を潜めて待つ秘所は豪華なレースに縁取られた黒いブラジャーとショーツに包まれている  
 
「これも脱がせて」  
 
背中のホックを外す  
支えが外れ、重量感のある乳房がプルンと揺れる  
黒い戒めをスルリと外し、ウエスターは背中越しに双丘を覗き見る  
純白の乳房とは対照的な褐色の頂点ははち切れんばかりに固くなり、男の刺激を誘うように微動している  
 
ウエスターは思わず息を呑む  
 
「わたしの乳首、汚いでしょ」  
 
息を呑んだ彼の態度を誤解したのか、シフォンは拗ねたように訴える  
 
「そ、そんなことはないぞ」  
 
「だってわたし、中学生の子供が二人もいるのよ」  
 
「だ、だが!俺はおっぱいが好きだっ」  
 
ウエスターは女の前に膝立ちになると、褐色の秘蕾を口に含み、吸いはじめた  
 
「あっ!だめっ!わたし、乳首吸われると弱いの!」  
 
男は構わず吸引力を上げていくと、シフォンの両脚がガクガク震え始める  
空いている右手でもう一方の乳房を撫で回す  
乳首を軽く摘み、親指で弾くように愛撫する  
女の震えが大きくなり始めた  
含んだ乳首を舌で左右に弾き、甘噛み、そしてまた激しく弾く  
 
「だめっ!だめっ!イッちゃうよーっ!」  
 
シフォンは黒いショーツ一枚のまま、硬直して果てた  
 

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