「ウエスター!相手をしろっ!!」  
 
イースが肩で息をしながらものすごい形相でやってきた。  
トレーニングをしていた俺はびっくりして手に持っていたバーベルを落っことした。  
 
思わず確認してしまった。  
「相手って…なんの相手だ?」  
「いちいち聞くなっ!」  
 
彼女は服を脱ぐのももどかしいといった様子で俺に掴みかかり、こちらの服まで脱がそうとしてきた。  
 
(ああ、なんだ…セックスの相手か)  
 
そう思ってから少し驚いた。  
こいつが自分から誘ってくるなんてこれが初めてだったからだ。  
イースは確かに俺達の性欲処理も兼任しているが、渋々引き受けているようにしか見えなかった。  
 
「おい、落ち着けよ…何かあったのか?」  
 
俺はなだめるように訊いてみた。すると彼女は興奮しきった声で答える。  
 
「プリキュアが!三人にっ、増えたっ!!」  
 
………  
 
「げっ!本当かよ!この間は二人に増えたって言ってたじゃないか!なんでまた増えるんだよ!」  
「私に訊かないでよ!一体何人いるのよあいつら!」  
「…ひょっとして、お前が出陣するたびに増えるんじゃないのか?」  
「…!うううるさいっ!!!そんなことあるわけないでしょ!!」  
 
真っ赤になって怒り狂った彼女が俺の唇に噛み付いてきた。ガチンと歯が当たる。  
 
(あーあ…へったくそなキスだなあ…しょうがないか、この間まで処女だったんだし)  
   
サウラーが生娘だったこいつの相手をしてから、まだそんなに時間がたっていない。  
俺もまだ片手に数えるほどしか彼女と性行為をしていなかった。  
 
(…ったく、サウラーと最初にヤったんだからあいつのほうに行けばいいのに)  
 
そう思ってから、ああ、俺のほうが八つ当たりしやすいからこっちに来たんだろうな、と気付いて軽くヘコんだ。  
 
キスは強引にしてきたものの、その後はどうしたらいいのかわからないようだ。途端にイースの動きがぎこちなくなる。  
仕方なく俺がリードする形になった。  
 
(うう、でも、俺こいつ苦手なんだよな…)  
 
三幹部の初顔合わせの日。  
 
「よろしく…」  
 
ニコリともしないで短い挨拶をすませたイースを見て、俺は無愛想なやつだな、と感じた。  
今度からこの女が「処理係」になると聞かされて、正直、もっとグラマーな女のほうがいいのに…と思った。  
実際、こいつはまだ幼すぎる。華奢すぎる。俺の巨体で潰してしまうんじゃないかとヒヤヒヤして集中できない。  
性交自体慣れていないからまだ痛がるし、絶頂に達する余裕もないようだ。  
色っぽいあえぎ声ひとつ上げないこいつの相手をしていると、  
まるで少年とセックスしているようでいまいち乗り気になれない。まあ胸だけはいっちょまえに大きいけれど。  
 
とりあえずこっちから舌を入れてみたり、胸を揉んでみたり、アソコに触ってみたりする。  
一応濡れることは濡れるんだけど、まだ俺のモノを受け入れるには中がまだまだ硬い。  
時々俺のほうでさえ痛いと感じてしまうほどだ。  
俺は男だから穴さえあればそれなりに気持ちはいいけれど、  
女のほうが痛がってる姿を見ながらするのはあまりいい気分じゃない。  
 
「…い…つっ……」  
 
ほら、やっぱり痛そうにしてる。以前よりは少しマシになってはいるけど。  
予想もしなかった事態にむしゃくしゃしているのは分かるが、自分を痛めつけてストレス発散、というのは感心できない。  
彼女に挿入しながら、俺はあまり体重をかけないように気を配った。  
ちょっとでも油断したらこの小さな体はあっというまに潰れてしまう。  
ああ、腕がキツイ。この不自然なやりかたをどうにかできないものか…って、あれ?  
 
「あ、そうか」  
「?…なに?」  
 
俺の呟きに、イースは怪訝そうな顔でこちらを見た。俺は今思いついた提案をさっそく話す。  
 
「お前が上になればいいんだ。そろそろ慣れてきたことだし、大丈夫だろう?」  
 
イースはきょとんとした顔で俺を見る。それからムクリと起き上がり、乱れた髪をかきあげた。  
 
「…それもそうね」  
 
ニヤリと笑いながらそう言った。  
 
(…あれ?こいつ、こんな顔もできるんだ…?)  
 
はじめて見る、まるで悪戯っ子のような彼女の微笑みに、俺は思わず目をみはった。  
 
月が出ていた。  
部屋の大きな窓から、月の光がベッドまで差し込んでくる。  
俺は仰向けに寝転がり、彼女が上に来るのを待った。  
イースは俺の腰の上にゆっくりと跨り、再び俺のモノを受け入れようとした。  
月明かりに照らされて、彼女の体が白く妖しく光った。  
ふたつの胸のふくらみや、背中から腰への曲線が、光と影のコントラストでくっきりと強調される。  
銀色の髪が光に反射する。うっすらと開いた目の中にも光が入り込み、緋い瞳がキラキラと輝く。  
 
(綺麗な女だな…)  
 
俺はイースに対して、はじめてそういう印象を持った。  
 
「…っ」  
「痛いか?あんまり無理するなよ」  
「…平気よ」  
 
(だから、なんでそこで強がるんだよ…まったく。)  
 
かろうじて根元まで挿入されたのを確かめると、俺は彼女の上半身を強引に引き寄せた。  
やわらかい胸が当たって気持ちいい。  
もういちど唇を重ねてみた。さっきよりも丁寧に舌でつついたり絡めたりする。  
ぎこちなかった彼女の舌の動きも少しづつ滑らかになってきた。  
俺はちょっと嬉しくなって、無心に唇を吸い味わっていた。  
 
(あれ?…すこし濡れてきたか…?)  
 
無理に動かさずにじっとしていた彼女の膣が、今までよりも潤ってきた。  
 
(少しは感じてるのか…?)  
 
そう思ったが、口には出さなかった。どうせ訊いても答えないに決まってる。  
右手で小さな背中を撫でさすり、左手で乳房を包みながら、代わりに耳元で囁いてみた。  
 
「イース…?」  
「…ん…うっ」  
 
俺を包み込んでいた秘肉が、もぞりと動いたような気がした。  
その感触をもう一度確かめたくて、彼女の耳を甘噛みしたり舐めたりしながら、  
息を吹きかけるように何度か名前を呼んでみた。  
そのたびに彼女の肩がピクピクと震え、膣の中がもぞもぞと動く。  
 
「ん……ああっ!」  
 
突然、イースが大きな声をあげた。  
いままで聞いたこともないような甘い声。  
彼女は、そんな声をあげてしまった自分に驚いたらしい。  
あわてて唇を噛み締め、平静さを保とうとしている。  
 
幼いとばかり思っていた彼女の秘肉は、さっきよりもやわらかくほぐれてきている。  
俺はためしに訊いてみた。  
 
「すこし、動かせるか?」  
「…ん」  
 
イースは中途半端な返事をすると上体を起こし、ためらいがちにゆっくりと腰を動かしはじめた。  
そのたどたどしい上下運動が、今日はなぜか心地よい。  
互いのモノがこすれ合うたびに、愛液が少しずつ分泌されていく。  
 
彼女はずっと顔をしかめている。  
でもそれは苦痛による表情ではなく、あきらかに快感に耐えている顔だった。  
眉を寄せ、目をきつく閉じている。半開きの口から白い歯がちらりと覗く。  
閉じた目がときおり物憂げに開き、俺を見つめる。  
その悩ましげな顔つきに、俺はまたしても見とれてしまった。  
 
俺は上半身を起こして、イースの胸に顔をうずめた。白い肌のあちこちにキスをする。  
しまった、夢中になって吸ってたら、痕がついちまった。後で怒られるかも…  
それからツンと立った乳首を口に含む。  
 
「は……あんっ」  
 
彼女はビクンと体をのけぞらせた。  
俺が突起を舌で転がしたり噛んだりするたびに、腰の動きがだんだんとスムーズに、激しくなってくる。  
 
「ふ…あっ、あっ、あっ、あ…」  
 
かすかなあえぎ声が耳に入ってくる。  
俺はこの甘い声をもっと聴きたくて、彼女に合わせて腰を上下させ、突き上げた。  
 
(う…まずい、結構気持ちいいぞ…)  
 
ほどよいキツさの膣は粘液にまみれ、秘肉が俺のモノにねっとりとまとわりつく。  
淫らな表情を見、声を聴くこともあいまって、俺は限界に近づいていった。  
 
「そろそろ…イッても、いいか?」  
 
イースは瞳をうるませながらコクリとうなずく。  
普段見せないそんな素直なしぐさを可愛らしいと感じながら、一心不乱に突き上げ──果てた。  
 
全てを終えるとイースはさっさと俺から離れた。あくまで冷静を装い、その辺にあった上着を羽織る。  
 
(やっぱり可愛くない…でもこいつも今日は楽しんでたよな?)  
 
絶頂に達する、とまではいかないが、かなり感じてたはずだ。俺はニヤニヤしてしまう。  
 
「どうだ、少しはむしゃくしゃしてたのがおさまったか?」  
 
俺はふざけて訊いてみた。  
 
「ふん…まあね」  
 
イースは、プイと横を向いてぼそっと呟く。  
 
「まあまあ、次は俺が出陣するから、お前は休んでおけ。な?」  
 
彼女の頭をポンポンと叩きながら言うと、子供扱いされたと思ったのか、こちらをギロリと睨んできた。  
それからイースはすっくと立ち上がると、すたすたとドアのほうに向かい、  
バタンと大きな音を立てて出て行ってしまった。  
 
(なんだよ、もうちょっとぐらいゆっくりしてけばいいのに。おっかない女だな)  
 
そう思いながらも、俺は次に彼女の「相手」をするのが少しだけ楽しみになってきた。  
 
 
 
その後、彼女の体にどっぷりとハマってしまうとは、このときの俺には予想も出来なかったのである…  
 
 
 
 

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