・IF 四ツ葉町残留END  
・性欲処理係イース前提  
・エロ無しほのぼの(?)西×東  
 
※少女漫画風味注意  
※非エロ注意(←大事なことなので2回ry)  
 
 
 
『アイカワラズナ俺ラ』  
 
 
なんやかんやそんなこんなでいろいろあって、俺とサウラーは西隼人と南瞬になった。  
俺達の姿を見た時のあいつの反応ったらまぁ……、泣いて泣いて手がつけられない程で  
他のプリキュア達がいなかったら俺達だけじゃどうしようもなかっただろうと思う。  
なんせ俺達は、あいつがあんなふうに泣くところを見るのなんて初めてだったんだ。  
 
 
俺達と一緒に暮らす、なんてあいつが言い出さないうちに、俺と瞬は2人で部屋を借りた。  
俺はカオルちゃんのドーナツ屋で、サウ…じゃなかった、瞬は青いプリキュアの母親が  
経営してるヘアサロンで美容師見習いのバイトを始めた。  
あいつは毎日俺達の部屋にやってきて、何くれとなく世話を焼いていく。  
そのこと自体はまぁいいというか、むしろ非常に助かっているわけなんだが。  
 
ひととおりの家事を済ませたあいつが必ずするのは、何故か俺の隣に座ることで。  
俺のシャツの裾をきゅっと掴んでくっついたまま、離そうとしやがらねぇ。  
最初はなんか用でもあるのかと思って聞いてやったんだ。  
「どうした? イー…じゃなかった、せつな」  
「なんでもないわ」  
こっちに目も向けないで答えるから、離せよ、とも言えずにそのままTVを見てた。  
 
そのうち、とん、と小さな頭が寄りかかってきて、眠っちまってるんだからびびる。  
「お、おい、イース」  
まだ、せつな、って名前には違和感があって、咄嗟のときはイースって呼んじまう。  
肩を掴んで軽く揺するとあいつはすぐに目を覚まして、大きな紅い瞳をぱっちりひらいた。  
 
起き抜けで焦点の定まらない瞳はすこし潤んでいるようで、真ん中には俺が映っていて。  
桜の蕾みたいな小さな唇が微かに動いて、そこから零れるあいつの掠れた甘い声が  
「ウエスター」って俺を呼ぶような気がした。  
 
そしたらゆっくりキスしてやって、胸を触って耳を舐めて……  
 
我知らず、こくりと喉が鳴ったのと、あいつの声が聞こえたのは同時だった。  
「……はや、と」  
まだ、隼人、って名前には違和感があって、咄嗟に呼ばれるとすげぇ緊張しちまう。  
速攻で我に返った俺は、自分のイケナイ追想から逃げるように視線を逸らした。  
 
「も、もうそろそろ帰んねーと、桃園のご両親が心配するだろ」  
思わず唾を飲み込んださっきの俺の喉音が、どうか聞こえてないようにと祈る。  
あいつは何か言いたそうに俺のシャツをまたぎゅって握ったけど、すぐに下を向いた。  
「……そうね、…送ってくれる?」  
「おぅ!」  
 
 
俺の仕事は朝早いが、瞬の仕事は夜遅い。  
吐く息が見上げた夜空に白く煙った。  
「瞬、遅せーな」  
「…うん」  
せつな、は、俺のブルゾンの裾をきっちり掴んだまま歩いている。  
手を繋ぐべきかどうか、迷う俺の両手はポケットの中に納まっている。  
 
「でもお前の作ったメシ、いつも美味そうに食ってるぜ」  
「…そう? よかった」  
あ、やっと、笑った。ちょっとだけだけど。  
イースはこんな笑顔、絶対俺には見せてくれなかった。  
 
「せ、つ、な」  
「え?」  
「せつな、か」  
「何よ?」  
「…いい名前だよな」  
「なっ……!?」  
あ、赤面した。なんか懐かしい、その顔。  
イースはそうやって照れたあと、いつも悪態ばっかついてた。  
 
「バカ、はやと」  
そうそう、それだよ、それ。そういうのがお前だろ?  
「ははっ、俺は隼人になってもバカなまんまだな」  
「…バカ隼人」  
わけもなく嬉しくなって、俺は首を竦めてにやついた顔をマフラーで隠した。  
 
名前が変わっても、髪の色が変わっても、生きる世界が変わっても。  
 
「明日もドーナツ食いに来いよ」  
「……太るから嫌」  
 
せつなはやっぱり、俺のブルゾンの裾をきっちり掴んだまま、歩いている。  
その華奢な白い手を握るべきかどうか、情けない俺の掌はまだ、ポケットの中で迷っている。  
 
 
 
 
 
 
                                            end  
 
 

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