「だめよ、皆が側で寝てるじゃない」
「静かにすれば平気だ」
「そういう問題じゃないわ。音で起きるとは限らないし万が一気付かれたらどうするのよ。それに今はそんなことしてる場合じゃないんだから」
「でも」
「デモもストもありません」
「……なんだ?それは」
「あっちの世界の言葉よ。この間習ったの」
「ほー」
「じゃあ私ももう寝るから。おやすみなさい」
「ああ、おやすみ……って、おい!まだ俺は納得してないぞ!」
「大きな声出さないでよ!まったく……折角逃げられると思ったのに」
「やっぱりわかってて話そらしたんだな!ひどいぞイース!」
「………」
「あ、スマン……もうお前はイースじゃいんだもんな」
「……なぃ」
「…?」
「…今の私じゃ、物理的に貴方を受け入れられるかわからない」
「は?」
「イースの時に比べて力もスタミナも格段に落ちてるし、痛みへの耐性もないわ
他にも……その、貴方のものが入るか、とか。体つきも貧相になったんじゃないか、とか。
わからないことも多いし、もし不都合があったらって思うと……」
「なんだ、そんなことか」
「……そんなことって、何よ。私は本気で悩んで」
「やること自体が嫌ってわけじゃないんだろ」
「当たり前じゃない!本気で嫌なら最初から相手にしないわ」
「なら問題ない。俺は別にこれまでと違ってても気にしないぞ」
「私は気にするの」
「あー、わかった。俺は言葉でお前と闘って負かすことはできないからな、実力行使させてもらうぞ」
「何言っ…ひぁっ……!」
翌朝、そこには腰が立たない大層ご立腹なせつなの姿が。