「う、うそでしょ……?」
本当に久々の故国の自室にて、プリキュアにしてラビリンス幹部・イースは絶望に染まっていた。
幸せを知り、故郷の人々にも伝えたい。そう夢見て、戻ってきた。
せつなの姿で。四ツ葉町を去るのは、『せつな』でいたかったから。
……ああ、でも。まさかこんなことになるなんて!
「どうしよう……」
上半身裸で呟く。若いお嬢さんがしていい様な格好ではなかったが、だって入らないんだもの。
「ウエストは変わってないのにぃ」
バストが明らかに減っていた。ガッカリする感じに。
「ウエスター、いやかな」
あの馬鹿はここが好きだったから。
「何がだー?」
「っきゃ、な、え!?」
「何だまだ着替えてたのかよ。待ちくたびれちまったぜ?」
振り向けば、先程名を告げた男の馬鹿面。
少女のあられもない姿にちっとも動揺してないのが大変に遺憾である。
「ちょ、の、ノックくらいしなさいよ!」
「したっつうに。ほれ、着せてやっから……て、あり?」
イースの手から奪い取り、着せようとしてサイズが合ってないのにようやく気付いた。
「……しぼんだ?」
「う、五月蝿い馬鹿馬鹿っ、へんたいぃ!!」
ぽかぽかと胸板を叩くイース。でも可愛いので痛くはありません。むしろご褒美です。
「ん、よしよし。分かった、俺に任しとけ!」
「?ちょっと、下ろしなさいよ!」
小首を傾げたのもつかの間。小柄な身体は、大男に抱え上げられ腕の中。
「俺が責任持って大きくしてやるからなー」
血行良くしてマッサージしたら一発だぜ!と言って彼(と拉致られた少女)は風呂場へ姿を消した。