第三章 1LDK  
 
 
今日も今日とて仕事。サソリーナは街を歩きながら人間を物色する。  
物色するように見られているのはむしろ奇妙な服装をしているサソリーナの方なのだが、そんなことを気にしていたら悪の幹部にはなれない。  
幹部としての仕事は、なにもプリキュアと戦うことだけではない。  
デザトリアンを生み出すためには心の花が萎れた人間が必要であり、その目星をつけるのも幹部として重要な仕事なのだ。  
 
「おんや、ここら辺にいい感じに心の花が萎れた人間が居そうね〜」  
 
サソリーナは嗅覚を鋭くしてターゲットを探す。そして、また出会ってしまう二人。  
 
「「あっ」」  
 
サソリーナと男は出会い頭に声を上げ、固まった。  
サソリーナはまたぞろ前みたいになりはしないかと警戒する。男はいきなり湧き出る欲求に戸惑いながらも、サソリーナを見つめる。  
 
「なっ、なによっ。来るんじゃないわよ」  
「す、すいませんでしたぁっ! サソリーナさん!」  
 
飛びかかってくるかと思われたが、男は意外にも謝ってきた。いきなりの土下座で、サソリーナの方がオロオロするくらいのアクションだ。  
 
「ちょっ、大声で、恥ずかしいでしょ」  
「自分は、サソリーナさんと出会って感激したあまりに、なんということを。お願いです。せめて償わせて下さい!」  
「分かったから分かったから。とりあえず騒ぐのをやめろっ」  
 
服装のことでジロジロ見られても大丈夫なのに、なんだかこういうのは無性に恥ずかしい。  
場を収めるためにも、サソリーナは男の言うとおりにすることにする。案内されたのは、男の住んでいるアパートだった。  
 
「ささっ、どうぞ上がって下さい。ああ、サソリーナさんが俺の部屋に来てくれるなんて、感激だ」  
「お邪魔するわよん」  
 
案内された部屋は、1LDKのベッド付きの簡素な部屋。  
ちっちゃな棚にはところ狭しとフィギアが置かれ、壁には数枚のアニメや特撮のポスターが貼られた、いわゆるそういう部屋であった。  
 
「ここが俺の住んでる部屋なんです」  
 
照れながらも、自分の城を自慢するようにはにかむ男。  
男の趣味はヒーロー物のようで、その中でも悪の組織のように興味があるようだった。  
敵方の女幹部や怪人などのフィギアが中心であり、ヒーロー側も好きなのだろうが、悪の組織側のほうが多い。  
外界から来たサソリーナは当然そんなもの分からないが、同業者っぽいなっとフィギアを見つめて感じることは出来た。  
 
「一目見た時から感動したんです。悪の組織の幹部っぽいその口上、なにより、幹部なのに溢れる小物臭っ」  
「あんた、あたしを馬鹿にするためにここに連れてきたの?」  
「す、すんません。そういうつもりじゃなくて」  
 
浮ついたと思ったら縮こまり、男は申し訳なさそうにぺこぺこしながらクッションを用意する。  
 
「ここでくつろいでて下さい。一っ走りして美味しいもんでも買ってきますんで」  
 
そう言うと、どたどたと部屋を出て行った。少しして下から聞こえるスクーターの音。  
遠ざかっていく駆動音を耳にしながら、サソリーナはごろごろとくつろぎ始める。  
ぐるりと改めて見渡してみる室内の風景。過剰なほど趣味一色ではないが、それでも普通の女性が見ればちょっと引いてしまうものだろう。  
ただ、サソリーナはそういう人間の価値観なりレッテルなりを持っていないため、別段部屋の風景に思うところはない。  
むしろ、人間とは思いも寄らない方向で思案していた。  
 
「ひょっとして、あの男。別の悪の組織の構成員? それとも、悪の組織を研究する学者か何か?」  
 
眉根を寄せるが、男の顔を思い出して「それはないわね」と結論付ける。  
それからサソリーナはフィギア触ってはドミノ倒しをしてしまって慌てたり、適当な漫画をパラパラ読んだり、ベッドに寝転がったりと  
かなりのくつろぎっぷりで部屋を満喫した。しばらくするとスクーターの音が聞こえ、ドアががちゃりと開けられる。  
帰ってきた男は、両手に大きな袋を抱えていた。  
 
「お待たせしてすんません。これ、たこカフェのたこ焼き。最近チェーン展開を始めた移動式たこ焼き屋で、評判いいんっすよ」  
 
まず出されたのはホカホカと香ばしい湯気を立てる丸い物体。  
 
「あと、これはドーナツ。ドーナツ一個百万円とか、寒いギャグを言うおじさんなんすけど、これがまた美味くて」  
 
続いて出されたのは、甘い匂いを放つ輪っか。他にもコンビニのデザートなど、サソリーナの知らない食べ物がドサドサ並べられていく。  
この世界に来た途端、自分の興味のあることを片っ端から知識にして遊び歩いたコブラージャなどと違い、サソリーナは無知なままだ。  
匂いに誘われつつも恐る恐る食べ物を口に含む。  
 
「なにこれ、美味しいじゃないっ」  
 
食べた途端、サソリーナは目を輝かせた。まさに舌がびっくりすると言うやつだ。  
 
「ほっ、よかった。とりあえず女の子の好きそうなものをかき集めてみたけど、不安だったんすよ」  
「いやいや、あたしの故郷にはこんなもんなかったわよ。こんなおいしいもの食べたの初めて」  
 
サソリーナの故郷は砂漠の世界であり、女の子の好みがどうこう言う次元ではないのだが、それゆえに食べる喜びも倍増する。  
子供のようにはしゃいでサソリーナはデザートを食べ比べ、一口スープンで掬っては別のデザートへと渡り歩く。  
食べると言うより味を知って楽しむようなその行為を、男はニコニコと笑って見つめていた。  
 
「ほんと、サソリーナさんが俺の部屋に来てくれて嬉しいっす」  
 
スプーンを動かしていると、暫く無言が続いた事に耐えられなくなったのか、男がしみじみと語りだす。  
 
「俺、運動神経も悪いし、頭もそんないいわけでもないし、カッコもよくないし趣味が趣味だし、高校のときは結構な目に遭ってたんす」  
「へぇ〜、そうなの」  
 
サソリーナはデザートに夢中で、話半分に男の言葉を聞き流す。  
まぁ、高校がどんな所か分からないが、言いたいことはだいたい分かる。要するにハブられてたんだろう。  
 
「大学入ってから都会に来て、自分と似た趣味の人が居る街でも歩きゃ寂しくなくなるかと思ったんすけど、結局、似た人が居るっていうだけなんすよね」  
 
スプーンの手を止める。覗いてみれば、男の胸には萎れたままの花。なのにどうしてデザトリアンにならなかったのか、今なら分かる気がした。  
デザトリアンは心の叫びをエネルギーにして活動する。不満や怒り、悲しみや分かって欲しい気持ちをぶつけるように暴れまわる。  
しかし、この男には心の花が萎れていても、不満や悲しみを向ける対象が居なかったのだ。  
分かって欲しい気持ちもどこに向ければいいのか分からず、声ならぬ声のまま埋もれて目覚めなかったのだ。  
そのため、活動源を得られずデザトリアン化は失敗した。  
根本的に、他者に不満やら怒りやらを抱こうとしない人間なんだろう。だけど、別の感情は自分に……。  
 
「だからかな、俺、ヒーロー物でも悪の組織の方を応援しちゃうんですよ。特に小物臭がする幹部が大好きで」  
「あ〜んっ、誰が小物臭がする幹部だってぇ?」  
「ああいや、これは悪口じゃなくて。世間一般に受け入れられない側にいて、強大な力を持っているわけでもないのに頑張るところに憧れるというか」  
 
そう言って男はサソリーナを見つめてきた。  
膝が少し震えている。自分がデザトリアン化させようとした時の失敗が影響に出ているのだろう。欲求を我慢しているのが丸わかりだ。  
自分はこの男に大した興味を持ってはいなかった。失敗して犬に噛まれた、せいぜいその程度だ。  
だが、あの日なぜ転移に失敗したか。何故この男に出会ったか。振り返ると、意味のあるように思えてしまう。  
それは、相手の心が感染してしまっている結果なのかもしれないが。  
 
「……しよっか」  
 
自然に、口からその言葉がこぼれていた。  
 
 
◆ 〜CM中〜 ◆ ナージャがせめてモブでもいいからハートキャッチプリキュアに出演できないかと画策   
 
 
「んっ、んっ、んんっ、ふぅん、どう? あたし、こういうのをやるのは初めてだけど、気持ちいい?」  
 
サソリーナはベッドに腰掛けた男の股に顔を埋めて、チンポを舐めていた。  
 
「いいっ、気持ちいいです。サソリーナさんのぷっくりふくらんだ唇が、俺のチンポを包んでくれるなんて」  
「あんたのはちょっと臭いわよ」  
「す、すいません、買い物行った時、汗かいちゃって」  
「ふ〜ん、そっか。チュッ、チュッ」  
 
自分に美味しいもの食べさせるために、そんなに一生懸命だったんだ。  
そのことが嬉しくて、サソリーナはチンポにキスの雨を降らす。デザートを食べるために動かしていた口を、今度はチンポのために動かしていた。  
初めてなので要領は分からないが、ともかく気持ちいいだろうと思う場所をペロペロと舐めていく。  
しかし、今はサソリーナの心は男とリンクしている。無意識のうちに舐めて欲しい場所を引き当て、初めてとは思えない上手さを生んだ。  
 
「うわっ、あたしの口でこんなに大きくなってくれたんだ」  
 
そそりたってテラテラとひかるチンポを見つめて、今度はそれを口いっぱいに頬張りたい要求にかられる。それはどっちの要求か分からない。  
しかしサソリーナは口を開けて喉の奥までチンポを飲み込むと、嬉しそうに目を細めた。そのまま口内で舌を絡め、ストロークさせる。  
 
「んんっ、んんっ、ふううんっ、ぷはっ、……しょっぱい味」  
「あの、サソリーナさん。今度は髪でしごいてもらっていいですか」  
「あらん、そんなことしてもらいたいの?」  
 
サソリーナは頭に巻いた髪をぱちんと解く。頭上で丸まっていた髪は一本の長い三つ編みへと変わった。  
サソリの尻尾のようなその三つ編みは、サソリーナの手でチンポに巻き付けられる。その上から手で握られ、始まる奉仕。  
 
「サソリーナさんの艶やかな赤い髪の毛でしごいてもらえるなんて、幸せだ」  
 
滅多に褒められることはないが、自分の髪は密かに自慢に思っていた。それで感動してくれることにサソリーナは喜びを覚える。  
巻きつけた髪の毛で優しく竿をしごき、親指で裏筋を刺激しながら鈴口を舌先でくすぐる。  
ビクンビクンと震え始めるチンポ。それが射精の合図だとわかり、サソリーナは自然と口を開けた。  
 
「サソリーナさん? う、うあっ」  
 
ビュクン、ビュルン。発射された精液を舌で受け止め、ゴックンと飲み下す。  
 
「あんまり美味しくないわね、これ」  
 
そう言いながらも、サソリーナは全部飲んであげたことを証明するように、綺麗になった舌を見せるのだった。  
フェラチオが終わると、サソリーナはベッドに上がってマングリ返しの姿勢を取る。  
 
「こんどは、俺が舐める番っす」  
「うん、あたしもここ、舐めて欲しいから」  
 
サソリーナはマンコをくばりと広げて顔を赤らめる。  
 
「あ、中まで丸見え……」  
「もう、恥ずかしいから口に出さないでよ。でも、はい、あたしのオマンコ、どうぞ」  
 
男はサソリーナのオマンコにむしゃぶりついてきた。  
チュパチュパと言う舌を動かす音と、サソリーナの体から滲み出る淫臭が、大して広くない部屋に充満していく。  
男が感じて欲しいと思うと、その心に影響されてサソリーナの感覚は淫らに、敏感になってしまう。  
サソリーナのいやらしくも柔らかい穴は、執拗な舌の攻めによってどんどんと蜜を溢れさせ、クリトリスはピンと存在を主張し始める。  
その突起を吸い上げるように愛撫されると、サソリーナの意識は一瞬真っ白になった。  
 
「ふあっ、んいいいぃぃぃっ」  
「サソリーナさん、これ、まさか本気汁」  
「んあぁぁ、だって、すごく気持ちよかったから」  
 
サソリーナは目をとろんとさせてそう言い、その先を求めるように両指で再びマンコを広げる。「挿れて」と言うようにヒクつくオマンコ。  
男はサソリーナの足首を握って吊り上げ、∨字にすると挿入してきた。  
軽い絶頂で弛緩している女の園に、固くて熱い剛直が割り入っていく。その肉棒でこね回され、ゆりかごのように体が揺れるのが心地良い。  
膣内を起点にじわじわと広がってくる快楽に、サソリーナは夢見心地になった。  
 
「あの、初めてやった時、サソリーナさんは、その、処女でしたよね」  
「あふっ、そうよ、それがどうしたの?」  
「あの時は乱暴にしてしまって、ほんとすいません。でも、俺、サソリーナさんの初めての男になれて、すごく幸せっす」  
 
戦いに身を置くサソリーナにとって膜の一枚に大した思い入れなど持っていなかったが、そう言われるとなんだか嬉しくなる。  
自分が処女を捧げたのがこの男でよかったと思うようになっていく。  
早くなっていく腰の動きも、自分の大切な場所でこんなに気持ちよくなってくれているのかと、喜んでしまうようになる。  
 
「ああっ、腰の動きが止まらない。サソリーナさんのオマンコ、気持ちよすぎる」  
「はんっ、イイッ、あたしも、一杯突かれてオマンコ気持ちよくなっちゃってる」  
「サソリーナさん、俺、もう」  
「ナカに出してっ、あたしの砂漠を、あんたの白濁液で潤わせて!」  
 
だめだ。ナカに出してもらう以外に考えられない。サソリーナのオマンコはチンポを締め付け、射精を心待ちにする。  
ゆりかごのようだった体の揺れが、今は乱暴なくらいに速くなり、そんなふうに突かれることが嬉しくてたまらない。  
パンパンと結合部を往復する剛直は楔のように打ち付けられ、やがてそれが最奥まで突き込まれてぶるりと震える。  
 
「あんっ、イクッ、熱いの流し込まれて、イッちゃうぅ〜ッッ!」  
 
膣内で射精される精子に、サソリーナは絶頂して脱力するのだった。  
 
 
シャワーを借りて身奇麗にし終えると、サソリーナは帰り支度を始める。  
 
「これ、持って帰っていい?」  
 
余った食べ物を指さして聞くと、男は二つ返事で頷いた。  
サソリーナは嬉々としてビニール袋に食べ物を詰め終えると、袋を指にひっかけて玄関に向かう。  
ドアを開けた時、男はサソリーナの名を呼んで呼び止めた。  
 
「あ、あの、また来てくれますよね?」  
 
大の男が子犬のような目ですがりつくように聞く姿が情けなくて、サソリーナはクスクスと笑う。  
 
「さぁ? 気が向いたらね」  
 
いたずらっぽく言うと、サソリーナは部屋を出ていくのだった。  
 

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