「それでさ」
脈絡なく耽美系の妖艶なイケメンは、希望のプリキュアに近付いた。
本能的に危険を感じて、少女は後ずさろうとしたが、叶わない。
「そろそろ新しいスタイルを試してみようと思って色々情報収集したんだけど」
「きゃ」
小さな悲鳴は、彼が彼女の腕を取ったからだ。
「こっちも君で遊ぶのに使える、っていうのが分かったんだよね」
少女の腰を引き寄せて、サウラーはスカートの上から、尻を撫で上げた。
「は、ちょ、やっ」
忙しなく首を振って視線を彷徨わせる彼女に、彼は楽しげな声で囁いた。
「やめないからね」
「……もうっ」
言い出したら聞かない彼の性格を、少女は良く理解していた。
そして、彼女自身が彼の誘いを断るつもりが全くないことも。
彼が跪く。美希は、見て見ぬフリをするように後ろを向いた。
「ひ」
ひやりとした指の感触に、少女は声を漏らした。
「折角だし、そうだな」
彼は美希の足を掬い上げていた。
そうして今度は足の指を咥えてしゃぶった。
「くすぐった……も、かんじゃだめぇ」
指の間も舐めて、丸いかかとを撫でる。今度は足首にキスをした。
上から彼を見下ろすという、滅多にない機会に少女はうっかり陶酔してしまった。
足にキスなんて、まるで王子様のようで。そんな甘い夢が、嫌いな乙女なんてそうはいない。
彼女も、例外ではなかったというわけだ。
「ふぇ……」
彼の指は上へ伸びていく。ふくらはぎを揉み解し、膝裏を軽く叩く。
少女の誤算は、彼女の王子様は邪気まみれのむっつり野郎である点だった。
「はぅ、ゃっ」
少女の腰が落ち、膝が床に着く。
咄嗟に手を前について、結果四つん這いに近い格好にされていた。
「こっちの方がやりやすいだろ?」
柔らかな太股の肉を辿ると、そこに目的地である双丘があった。
「ふむ」
「ぅきゃぁ……んッ!」
美希が尻へのそわそわした感触に身を捩らせ、漏れる声を抑えようとした、その時。
「はい邪魔するよ、っと」
ひやりとした冷気が少女の下半身に走る。
下着はずり下ろされて膝のあたりにひっかかっていた。
スカートは捲くられて、要するに、中身が剥きだしにされていた。
「やだぁ……っ」
「僕しか見てないからいいじゃないか」
「そういう問題じゃないっ」
当り散らすように喚く少女。もちろん、彼が気に留めるはずもない。
「そうかい、ま、どうでもいいけど」
ぞんざいな物言いで青年は手を伸ばす。
ひやりとした指の感触に、少女は背筋を震わせた。
「はぅ……うっ」
「さすがに、いきなり指は厳しいかな……」
そして、彼女の割れ目に、顔を押し当てた。
「ひっ!?な、なにしてんのよ、やっ、やめ」
「ちゃんと滑り良くしとかないと。困るのは君でしょ」
滑った舌が、美希の内に入り込む。
生温かな感触は、痛みはあまり感じなかったが、精神的には相当なダメージを食らっていた。
「そこまでしなくっても、はぁっ」
「くすくす、こっちもきれいなピンク色だよ?」
「言わないでよ……ぉ。んっ」
『こっちも』という言葉の意味に、触られてもいない方が熱くなってきて、少女の白い肌に紅が走った。
「ぁ……ッ?あ、やぁんんっ」
「君って本当に分かりやすいねぇ」
唇を離して、知らないうちに伸びた手が、少女の火照りを煽る。
「ひゃん、そ、そっちはしないって」
「誰がそんなこと言ったのかな?僕が見逃すと本気で思ってたのかい」
「やぁ、ひ、ひとつに絞りなさいよ……っ、あぅ、んやっ」
「いい感じに濡れてるな」
ひちゃひちゃと、ねばっこい水音。彼の指には、少女の愛液が纏わりついていた。
今更でもなんでも、美希は理性が勝る限りは羞恥心が捨てられない。
分かっていて、彼は告げる。そして彼女の赤らんだ身体を貪って、溺れていく。
今日も、そう。実に予定通りの一日だった。
「じゃ、次行くよ」
ためしに、とサウラーは濡れた指を関節の辺りまで挿れてみた。
「いっ……う、ぐぁ……」
舌よりも太く、硬い異物に少女の身体が違和感を訴える。
彼女も痛みに顔をしかめた。
「やっぱ痛いかぁ」
「あ、たりま……ひぐっ」
「よしよし、泣かないでー」
生理的に零れた少女の涙を拭い、彼はわざとらしい声色で慰める。
少女はむっとした顔をしようとして、下半身の痛みに眉を顰めた。
「うー……」
どんよりとした視線は、抜き取った指を舐めている彼に向いた。
「なに?」
「最近、言いようにされてるみたいで腹立つ……」
「そう?……でもね。結局は君の圧勝なんだよ?」
頬にキスをしながら囁く彼に、ぷうっと膨らませて不満を訴える美希。
「どこがよっ」
「だってさ、僕君にベタボレだし。もう美希がいないと立ってるのも難しいくらい?」
何気ない愛の告白に、彼女の不満はぶっ飛ばされた。
「な……ばか、ぁ、そんなの今言わなくたって……」
「あ、でも今君も立ってるのしんどいかあ」
「サウラーのせいでしょ!」
美希が声を荒げたって、赤らんでいる理由は彼だから。
暖簾に腕押し、むしろ火に油を注いでいるようなものだ。
「さ、場も和んだことだし。続けようか」
「和んでないってば」
じっとりと恨みを込めた視線を飛ばす美希。
「えーうっそー」
相変わらず彼はわざとらしい言い回しだった。
「なんなの、さっきから」
「んー?独占欲強いの、知ってるクセに。美希は自業自得なんだよ」
「図々しい」
何故か彼は嬉しそうな顔をした。
「いやぁ、それほどでも」
「誉めてません。……ま、悪くはない……かも、ね」
少女の苦笑に、青年も頬を綻ばせた。
「ふふ、ありがと」
そして、またも少女の腰に手が伸びる。
「諦めてないわけね」
「一緒にがんばろう?」
「そのフレーズは止めて」
つぷり。
「ん、んっ。は、くう……」
「大分馴染んできた、かな」
「し、知らないわよぅ」
指が埋まって、少女の違和感と痛みは変わらないはずなのに。
「へ、へんな感じ……ん、はぁ」
やわやわと愛撫する青年の指から導かれる、温い快感がそれを覆していく。
「はぅ……ふぁあっ」
「美希」
「んぅ……?」
名を呼ばれて、少女が顔をサウラーに向けた。
「ごめん、そろそろいい?僕、もう」
よくよく見れば、確かに彼は少し焦っているようだ。
その表情は彼女だけのもの。その優越感に、少女はふにゃりと顔を緩めた。
「うん、いいわ。……ちょうだい?」
「この場合、僕が貰うんだけどね。いいけど」
美希は、そっと目を閉じた。
ず、と先程とは比べ物にならない強烈な感覚に、少女の視界は弾けた。
「い、たっ……く、ぐぁあ……っ」
唇をかみ締めて痛みに耐えようとする少女を、青年は抱き寄せる。
「僕のわがままなんだから、そんなに我慢しないで欲しいな」
「っ、べ、別に……っっあ!んくっ、いっつぁっ」
「大丈夫?」
気遣わしげな声に、痛々しい笑みを少女は浮かべた。
「だいじょうぶ、じゃないなら始めっから、んッ。断ってるってば……っくう」
少女らしい台詞だと、彼は思う。だから、手放せないとも。
「そうだね。君は完璧だもんね」
「そうよ……ッ」
サウラーはとろとろと秘唇から零れた愛液を掬った。
「ひぃっ……また、そ、っそっちさわ……ぁあッ」
「だって触ってって言ってるよ?」
少女の身体は、既に快楽を覚えてしまったから。
貪欲に求めて、ひくつく媚肉は喜んで彼を受け止める。
「あぁ、こっちもね……」
「はぅ、あっ、サウラーぁっ」
四つん這いになっているせいで、重力に従って揺れている少女の乳房に触れた。
「はぁっ、んッ、やぁ……!」
先端を擦りあげると、それだけで彼女の背中が震えた。
「ひ、ぃ……、うあ……っ」
反応が嬉しくて、彼がその背中に口付けると、また彼女の身体がぴくんと跳ねた。
「んっ、さう、ら……う、動いて……っ」
少女が、喘ぎながら青年に告げる。
まだ、快感の中に残った痛苦を感じてサウラーは少し戸惑う。
「美希は、平気?」
「だって、もう……欲しいんだもの。我慢、でき……ひぅあ!っくうぅぅっ」
少女の言葉を遮って、身体を貫く感覚に彼女は悲鳴を上げた。
「かわいいこと、あんまり言わないで欲しいな」
「んっっ。ぁ、くは……っ」
張りのある臀部を押し開いて、青年は更に腰を埋めた。
深く深く、どこまでも入り込めそうな穴の中を抉る。
「っ、ひくぁ……ん、んぅあっ」
腰を引いて、更に奥を犯して。
その度に、少女は戦慄いた。
「ひあ……ぁっ」
「凄い締め付けだね……っ」
「え、ぁっ、もう、出るの……?」
ぎゅっと肉棒を締め上げられ、快楽と共に放ってしまいそうになったサウラーは、つい零した。
「君のは前も後ろも最高だからね」
「それ……っ、誉めてないっ。あぁんっ」
「そうかい」
最後だから、遠慮はしなかった。
一度全て抜き取ると、勢い良く叩きつけて、今度こそ射精した。
「あ、あつっ、あぁぁぁああ!!」
一際高い嬌声と、潮を噴出して少女の身体が糸が切れたように倒れた。
それでも白濁液の勢いは止まらず、抽出が終わるまで意識のない美希の体は震えていた。
出すものを出すと、すっかり大人しくなった陰茎を青年が引き抜く。
「ふ……ぁっ」
その時肉を擦られたのか、少女が僅かに喘いだ。
「んっ……あ、ふわぁ……」
「しんどいなら寝てなよ」
「うん……」
ふわふわと、どこか夢見心地の少女はひどく無邪気に笑った。
「お尻……あなたでいっぱいになっちゃった……」
とろけた眼差しは、あどけないようで淫靡にも映って。
青年は、思索する。延長戦への挑戦はどうやって切り出そうかと。