どかっどかどかどかっ ばたん!
「うわああああ!イース!大変だああ!ちょっとこれ見てくれえええ!」
「なによウエスターうるさいわねもう少し落ち着きってものは持て……
ウエ、スター、なの……?なにその毛むくじゃらの着ぐるみはっ!?」
「わぁっ!おまえこそなんだその毛!ねこみみ!しっぽまで生えてるぞ!」
「え?あ……きゃあっ!?なにこれなんなのからだじゅうに毛がっ!?」
わしわしわしっわしわしっ
「やだっ取れないっほんとに私のからだから生えてるのっ!?」
「俺だってさっきから引っ掴んでるのに取れねえんだよ痛えんだよどうすりゃいいんだ!?」
「どうも~おふたりさ~ん~えへへ~☆」
「あ?なんなのよこの非常時に一体だれ……えぇっ!?ラ、キュアピーチ!?」
「なに?キュアピーチだと!?」
「きゅあぴーち?なにそれちがうよー、あたしはー、クローバーの森の魔女だよ~ん」
「なに馬鹿なこと言ってるのよラブ?とうとう頭がおかしくなったんじゃないの?」
「ひっどぉい~!それにあたしはラブじゃないよ~魔・女!
あんたたちにお仕置きしてやろうと思って魔法をかけに来たの~☆」
「お仕置き?魔法?なんのことだ?」
「イース、ウエスター、あんたたちこの森の洋館に引っ越してきてからずうっと喧嘩ばっかりしてるでしょ?」
「だったらなに?私たちが喧嘩しようがしまいが貴女にはなんの関係もないでしょう」
「関係?大ありだよ!この静かな森の中で毎日のようにぎゃあぎゃあ騒がれてさぁ
ぶっちゃけはっちゃけ耳障りなんだよねぇすんごく困ってるのあたし」
「はあ、そいつは済まなかったな、でもそれはこいつがいちいち突っかかってくるからであって」
「は?あんたがいちいち私にまとわりついて構ってくるからでしょうが!」
「は~いはいはい!ふたりとも静かに!だからあ、ちょっと懲らしめちゃおうかなって思ってさ、
ふたりには狼さんと黒猫ちゃんの姿にでもなってもらおうかな~って」
「だああ!?どういう理屈だ、なんで狼と猫なんだ、意味わかんねえぞ!」
「う~ん意味って言われてもねえ?ただ単にあたしの趣・味だから!えへっ」
「うぐっ……(ある意味ラブらしいわこの能天気さは)」
「しばらくそのままの姿でいなさ~い☆仲直りできたら元に戻してあげるからね~」
「おいちょっと待てよ!キュアピーチ!」
「だからピーチじゃないって言ってるでしょー、んじゃあね~ばいばーい」
「あああああラブじゃないピーチまちなさあああい!」
「……しょうがねえな、とりあえず仲直りすれば元に戻してくれるんだろう、キュアピ……あの魔女とやらがさ」
「ええ……、そうみたいね」
「そんじゃまずは仲直りの握手からだ、ほら手出せ」
「はぁ!?いきなりなに言ってんのよ!」
「元に戻りたくないのか」
「……戻りたいわよ」
「じゃあ俺の言う通りにしろよ」
「分かったわよ……ほら」
「うっわー!おまえ、手のひらやわらけーなあ!いや、手のひらじゃなくて肉球っていうんだっけこれ」
むにむにむにむにむに
「ちょ、ちょっと!気安く押さないでよ!くすぐったいじゃないの!」
「な・か・な・お・り」
「……ちっ」
むにむにむにむにむにむにむに
「……そ、そろそろいいでしょう、握手は済んだんじゃないのこれで」
「よし、じゃあ次は仲直りのハグだ」
「はぁっ!?」
「俺達がもっと仲良しこよししてるとこ見せつけてやんなきゃキュアピ……魔女にも納得してもらえねえだろ?」
「ううう」
ぎゅっ
「わー、もふもふだなーお前の毛ーなめらかで抱き心地いいー」
「あんたの毛はごわごわしてるわ、固い」
「そうか?嫌だったら離れるぞ」
「……別に」
「つやつやで綺麗な黒の毛だなー、毛並みもいいし、言っちゃなんだが、おまえ、よく似合ってる」
「馬鹿なことを……私は一刻でも早くこんな格好から解放されたいわよ」
「まあそう言うなって、こんな経験滅多にできないんだから少しは楽しもうぜ」
(相変わらず脳味噌に空気しか入ってないような発言ばっかりするんだから、この男は)
なでりなでりなでなでりなで……
「う~~む……」
「なによ、今度はどしたの?」
「このほうがいいか」
ぺろっ
「ひゃっ!?」
ぺろぺろぺろ
「や……やめ……なにすんのよ……っ」
「うん?ああ、ホントは手でもっとなでなで毛づくろいしてやりたいんだけどさ、
俺、今こんなに爪が鋭くなってるだろ?おまえに怪我させちまうかと思って」
「だ……からっ……て別に舐める必要はない……ごろごろ」
「ごろごろ?」
「……はっ!ばかっ!だからやめてって……ごろごろごろ……うにゃー」
(おっ……面白ぇ……なんだこの反応)
ぺろぺろぺろぺろ、ぺろぺろぺろ
「ごろごろごろごろ……」
「腹のうぶ毛もやわらけーなー、しろくてふわふわでくすぐったい」
「……にゃうー……」
「おまえきもちよさそうだなー、ちょっとだけ俺の毛づくろいもしてくれねぇ?」
「にゃ、う……ん……わかった……(とろーん)」
(え、まじで?いいのか?ラッキー!!!)
ざら、ざりざりざりざり
「あー、おまえの舌、ザラザラしてるんだな、猫だからか」
「……痛かったらやめるけど?」
「いや、これはこれで面白いしきもちいーから」
ぴるぴるぴるぴる
「みみ……かってに、いじらないでよ」
「やだ。可愛いから」
「……ばか……ふにゃぁぁ」
ぴるぴるぴるもふもふもふぺろぺろぺろ
「……えっと、イース、あのな、ひとつ提案があるんだが」
「にゃ?」
「このままこの格好で う し ろ か ら い れ て も い い か」
「!!!調子に乗るにゃ!……このっ変態!」
「変態はお互いさまだろうが、なんでただの毛づくろいで濡らしてるんだおまえ」
「……!や、ちが、そんなこと……」
「あーあ、駄目じゃないかこんなに濡らしたら綺麗な毛が汚れちまうだろう」
「ちょっ……!へんなとこなめないで……!やめ、やだったら……うにゃあ~~」
◇◇◇
(仲直りできたかな~、って様子を見に来たのはいいけど、ちょおっとタイミング悪かったみたいだねえ?
こういうのなんていうんだっけ?デバガメ?まあ仲良いのはいいことだよね!)
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