最悪の結末へと向かう灰色の世界で、少女は地面へと膝を突き、息を荒らげていた。今  
まで虫を殺したことも無いような少女に、そもアカンベェを相手取った戦いなど、所詮は無  
理だったのだと考えつつ、ウルフルンはゆっくりとした足取りで、プリキュアと名乗った少女へと近づく。  
 キュアハッピーを見下ろす眼光の中に含まれていたのは、憐憫の情だった。どういう口車  
に乗せられたかは知らないが、メルヘンランドや、この世界を救えると、こいつは本気で  
思っていたのだろうかと、ウルフルン口元を歪める。  
 ピエーロ様の復活さえなれば、多少の抵抗など意味はないだろうに。どうあがこうが、世界  
には最悪の結末しか用意されていない。  
「バカなやつだ」  
「うる、さい」  
「驚いたな。まだ立てるか」  
 目立った傷は見当たらないが、彼女に余力が残されていないことは一目で分かった。  
震える手足や、焦点の定まらない瞳をしながらも、己へと逆らおうとする少女に、ウルフル  
ンの中でどす黒い感情が沸き上がってくる。  
(目の前の女は、本当の最悪を味わったことがあるのか? まさか。この女は今まで、  
生ぬるい幸福の中に浸っていた。そんな奴に、最悪の結末を味わせてやるのも、悪くはな  
いか)  
「負け、ないんだからぁ!」  
 突き出された拳を楽々と左手で受け止め、ウルフルン右腕をハッピーの首元へと伸ばす。  
首根っこを掴まれ、足裏が地面から離れる。軽々と片腕で掴み上げられたハッピーが、苦しそうな声をあげた。  
 顔を歪め、荒い息を漏らすハッピーの口元に、ウルフルンは己の鼻先を近づける。ハッピ  
ーの半開きの唇を割って、イヌ科特有の長い舌が口内へと侵入した。  
「ッ!!」  
 ウルフルンの舌がハッピーの舌に触れた途端、桃色の衣装に包まれた宙吊り状態の身  
体がビクリと大きく震えた。  
   
 
 粘膜を通して流しこまれたのは、幹部級が体内に保有する、ひどく上質なバッドエナジー  
だった。ハッピーの中へと流し込まれたバッドエナジーは、ウルフルンの意志を汲み、宿主  
の身体へと変化を起こす。  
「ぁ、ぁ」  
「ウルッフフフ。どうだ、俺のバッドエナジーは?」  
 掴んでいた手を離し、ハッピーの身体がドサリと地面に落ちる。  
 自らの肩を抱えて地面に座り込んでいるハッピーの頬は真っ赤に染まり、瞳は妙な潤み  
を帯びていた。  
「なに、これ」  
 桃色のスパッツに包まれた太ももを頻りに擦りあわせながら、彼女は熱のこもった息を漏  
らす。体内へと入り込んだバッドエナジーは、少女の奥底に眠っている性感を強引に引き  
出していた。  
   
「どうした、苦しそうだな」  
「ッ、ああ。いや、こんなの、ハッピーじゃないよ」  
「当たり前だ。お前は落ちていくんだよ、最悪の結末ヘな」  
 わざわざしゃがみ込み、ハッピーと目線を合わせたウルフルンは、言い聞かせるように言  
った後で、おもむろに指先をハッピーのスカート内へと潜り込ませた。  
 爪先で、スパッツの先端。恥丘の辺りをそっと撫でる。  
「ひ、ぃぅ!!」  
 それだけでハッピーの身体は体を反り、歯を食いしばって苦しげに震える。バッドエナジ  
ーによって引き出された性感は、彼女の身体を普段の何十倍も鋭敏に作り替えていた。  
 わずかな刺激にも身体は敏感に反応し、過剰な快感を脳へ伝達する。  
 おそらくは初めての絶頂だったのだろう、半ば茫然自失としていたハッピーだったが、  
背中を地面へ打ち付けた痛みに、意識を覚醒させる。  
 月を背にした狼が、彼女を組み敷いて笑っていた。  
 
 ウルフルンが腕を薙いだだけで、スパッツの布地は破れ去り、萌え毛に隠れた割れ目が、  
外気にさらされる。どこか物欲しげにヒクついている肉の谷間を指でなぞりながら、ウルフル  
ンはさも愉快気にハッピーへと問いかけた。  
「ウルッフフフ。お前は今から、何をされるか分かるか」  
「ぇ――――?」  
 ざらついた指先で大事な部分をなぞられるなんて、普段なら不快感しか感じないはずなの  
に、止めどなく沸き上がってくる暴力的な快感を噛み殺しながら、ハッピーは思考を回転さ  
せる。  
 一瞬で、彼女は答えに行き着いた。行き着いた答えの嫌悪と恐怖に、彼女は青ざめなが  
ら首を振ったが、拒絶の意志は勿論、ウルフルンを喜ばせるだけだった。  
「最初は憧れの王子様と、ってか。ウルッフフフ、残念だったなぁ。お前は悪い狼に、食われ  
ちまうんだよ」  
 舌なめずりをせんばかりに言ったウルフルンは、魔力で編まれていた衣服を一瞬で除装  
し、凶悪にそそり立つ肉塊がハッピーの眼前に、顕になった。  
 赤黒く脈動するそれは、勿論平均的な男性とは比べ物にならない大きさであり、ハッピー  
は先程とは別の恐怖で身体を震わせる。  
 知識としては知っていた“それ”だが、目の前で異様な臭気を振りまく凶器は、暗に思い浮  
かべていた物とは全く次元が違った。  
   
「いや、やめてよぉ! こんなの、全然ハッピーじゃないよ!」  
「もっと叫べ。最悪の結末が、お前の後ろに迫ってるぞ」  
「いや、いやぁ!!」  
 半狂乱になりながらも叫ぶハッピーだったが、手足は思うように動かなかった。彼女の身  
体の中に居座るバッドエナジーは、既に身体の主導権を握りつつあった。  
「ひ、ぁ」  
 先端が埋まり、ウルフルンの腰の動きに連動し、醜悪な肉塊が狭い肉の道を強引に押し  
広げていく。  
 内側から切り裂かれるような痛みに、ハッピーは声を上げることも出来ず、ただ口をパク  
つかせているだけだった。  
「ウルッフフフ」  
 途中で感じた僅かな抵抗感に、ウルフルンは口元を歪めた。あえて痛みを長引かせるよ  
うに、ゆっくりと彼は腰を沈めていく。  
 数瞬後、ウルフルンが感じていた抵抗感は呆気なく途切れ、代わりにハッピーが声になら  
ない叫びを上げる。少女の膣奥までを自身の肉塊で埋めたウルフルンは、一旦動きを止め  
、ハッピーの顔を覗き込んだ。  
「ウルッフフフ、どうだ? いい気持ちだろう」  
「もう、やめて。いやだよ、こんなのって、こんなのって……」  
「なに言ってる。まだ本番はこれからだ」  
「ぇ?」  
 組み敷かれながら嘘でしょう、と問う瞳に、ウルフルンは喉を鳴らす。目の前の少女から  
バッドエナジーが溢れてくるのを感じ、最悪の結末が近づいていることに、ウルフルンの胸  
は高鳴る。  
「ほら、動くぞ」  
「い、ぁ、ぁぁッ!!」  
 予告なく、突如としてウルフルンは腰のピストン運動を開始する。  
 凶悪な雄茎が柔らかい膣肉を削り取る勢いで擦り上げ、バッドエナジーによって何倍にも  
増幅された快感が、ハッピーの脳裏を焼く。破瓜の血と、分泌された愛液の混ざった液体が  
膣口から滴り落ち、抽送の度に泡立ちながら水音を響かせる。  
「ぁ、ああッ!! うぁ、いやぁ!!」  
 桃色のスカートを花弁のように揺らし、組み敷かれか細い身体をガクガクと揺らす少女は  
、まるで散りゆく間際の花を思わせた。  
 光の戦士として選ばれ、世界を救うべく大輪に咲き誇る筈だった花が、悪しき狼によって散  
らされようとしている。  
   
 世界は終わりへと向けて加速していった。肉と肉のぶつかる音が反響し、何度目かわか  
らない絶頂を告げる喘ぎが、幸せを唄う筈だった喉から発せられている。  
「ッ、ほら、もうすぐだぞ。」  
 舌先でハッピーの喉元をなぞりながら、ウルフルンが嗤う。背筋を駆け上がる熱に急かさ  
れるように、彼は抽送する速度を数段階上昇させ、ラストスパートへとギアを入れた。  
「ぁ、ぁ、ぁぁ!! う、ぅんんッ!!」  
 ハッピーの喉奥から搾り出される声が、切実さを帯びてくる。次に何が起こるのかを分か  
ってでもいるかのように、ハッピーは哀願するような瞳を向けるが、ウルフルンが気にとめる  
筈もない。  
 狭い膣道の中で、限界を超えて彼の肉塊は膨張する。  
「ッ――――ぅ、うぉぉぉ!!」  
 ハッピーの再奥へと膨張した雄芽を突き入れ、ウルフルンは咆哮を上げた。  
 白いマグマが吹き荒れ、灼熱が膣道を埋め尽くし、衝撃にハッピーは身体を大きく弓なり  
に反らせながら、目を見開いた。  
「ぁ、ぁぁ」  
 既に叫ぶ気力も尽きたのか、呆然と虚空を見つめるハッピーから、ウルフルンは雄芽を  
引きぬく。精液と愛液、それに破瓜の血が混じり、所々に薄桃色がへばりついていた。  
   
「ほら、お前のせいで汚れたんだぞ。キレイにするんだ」  
「ぅ、ぁ」  
 半立状態の肉塊で頬を叩かれたハッピーは、意味のある返答を出来ず、ただ呆然として  
いるだけだった。  
 それなら構わないと、ウルフルンはハッピーの後頭部を掴み上げ、強引に口内へ肉塊を  
ねじ込む。柔らかく暖かい口内の感覚に、ウルフルンは身体を震わせた。  
「ん、んぐぅ!」  
 頭を抑え、強引に行われるイマラチオに、ハッピーの目の端に涙が浮かぶ。口内でウルフ  
ルンの雄芽は再び堆積を取り戻し、普通であったら窒息してしまいそうなものだが、プリキ  
ュアの力は耐えることができた。  
「う、うぅ、うぇ」  
 頭を抑えられ、喉奥へと何度も肉塊を叩きつけられる度、強烈な吐き気が湧き上がり、堪  
え難い臭気が口内に充満する。  
 涙で視界を曇らせながら、逆らうことも出来ずにハッピーはウルフルンを受け入れ続ける。  
「分かったか、食われた赤ずきんなんかを、誰も助けになんか来ない。物語は、本来こうい  
った結末を迎えるもんなんだよ」  
 ウルフルンが抽送の速度を上げながら、勝ち誇ったように言う。  
「だから、お前は俺の物だッ!!」  
「んんッ――――!!」  
 喉奥に叩きつけられた強烈な精にむせ返り、ハッピーはボタボタと口から白濁液を吐き出  
す。  
 その様子を愉快気に見下ろしながら、ウルフルンはハッピーの頭へと手を添えた。  
   
「どうだ、ハッピーだろ?」  
 光の灯らない瞳で、ハッピーはウルフルンを見返す。  
 脳は既に思考を放棄しており、求められるままにゆっくりと、彼女は縦に頷いた。  
「うん、わたし、とってもハッピーだよ!」  
 そうやって世界は、バッドエンドを迎えた。  
 
 

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