ウルみゆで「チリンの鈴」をやろう(提案)
みんなの幸せを守りたいというキュアハッピー:星空みゆきの願いをあざ笑うかの如く
バッドエンド王国との戦いは激化の一途を辿り、ついにプリキュアはみゆきを残し全滅。
一人残されたみゆきは仲間たちの仇を討つため、バッドエンド王国の幹部ウルフルンに投降。
バッドエンド王国のために働かせてほしいと申し出る。
最初は一笑に付して相手にしなかったウルフルンだが、みゆきが本気であると認めると、
組織の一員になれるよう取りなして自分の部下にする。
みゆきはウルフルンの部下として働き、やがて数年の月日が経った。
かつて希望の象徴だった伝説の戦士プリキュアは、絶望と恐怖の化身としてその名を轟かせていた。
ウルフルンとキュアハッピーは、地球上で知らない者のいない凶悪な殺し屋と恐れられていた。
「やるじゃねぇか。最初のうちは泣いてばかりの意気地なしかと思ったが、大したもんだな」
「これもみんなオオカミさんのおかげだよ。あの日から私は、みんなの仇を取ることだけを考えて生きてきた。
今まで何度も隙を見てあなたを殺そうとした……でも、できなかった。今では私のたった一人の友達だから。
私も、オオカミさんと一緒に地獄に行こうって決めたの」
ある日、ウルフルンはかつてみゆき達が住んでいた街を襲うことを提案。みゆきも了承し、まずみゆきが街へ向かう。
アカンベェを作りだし暴れさせるみゆき。死の使いと恐れられるプリキュアの姿に、街の人々は怯える。
その時、足がすくんで動けなくなった女の子を、その子の友達が身を呈して庇った。恐ろしさに震えながらも
友達を守ろうとする少女たちの姿を見て、みゆきの脳裏にかつての仲間たちの記憶が過ぎる。
「できない……やっぱり私にはできない!」
踵を返して立ち去ろうとするみゆきの前に、ウルフルンが立つ。
「やはりお前には無理だったか。どけ、キュアハッピー。そいつらを俺が代わりに始末してやる」
「やめて!」
ウルフルンを遮るみゆき。二人の戦いが始まった。
死闘の末、みゆきの一撃がウルフルンに致命傷を与え、ウルフルンは倒れる。
消えゆく意識の中、ウルフルンは最後の言葉をみゆきに伝える。
「俺は、いつかこんな日が来ると覚悟していた。いつか、こんな風にどこかで野垂れ死にするんだと……
だが、キュアハッピー……俺を殺るのが、お前でよかった……」
そう言い残し、ウルフルンは絶命する。
街の人々は二人の戦いを固唾を呑んで見守っていた。しかし、みゆきがこちらの方を向くと怯えて逃げ出してしまう。
もうこの世界のどこにも、キュアハッピーを、星空みゆきを受け入れてくれる場所などない。
もう人間の世界にもバッドエンド王国にも戻れない。みゆきは失意のまま、一人街を去った。
ウルフルンは確かに仲間の、親友たちの仇だった。しかし、同時にみゆきにとって師匠であり、父であり、兄だった。
いつもそばにいてくれたウルフルンはもういない。みゆきは、孤独だった。
その後、伝説の戦士プリキュアの姿を見た者は誰もいない。