〜ちょっとキチクでラブ〜
もう日差しがかなり強く、木々もその恵みをいっぱいに受けて緑濃くする、そんな季節。
なぎさとほのかは今日も学校帰りに仲良くタコカフェへ寄り道していた。
「いやホントに相変わらずあかねさんのタコ焼き、最高だなあ〜〜っ!」
「うふ、なぎさったら・・・・・・」
至福の表情でタコ焼きを平らげていく親友を眺めつつほのかは目を細める。
そこへひかりが現れた。
「こんにちは、ほのかさん、なぎささん。今日もたくさん食べていって下さいね」
「いただいてるよぉーっ! いっっやあ、もうサイコー! ひかりも少し休んで一緒に食べない?」
「え、それじゃあ・・・・・」
「ありがとう、ひかりさん。でもわたしたちは気にしないで、お店のお手伝いのほう頑張ってね」
なぎさの無邪気な誘いに応じかけたひかりへ、ほのかが完璧な笑顔のままぴしゃりと言う。
途端にひかりは硬直し、ぎこちなく頷いた。
「そ、そうですね」
「えーイイじゃんべつに。お客少ないんだし、あかねさんだって許してくれるよ」
「ダメよなぎさ、仕事の邪魔をしちゃ」
「ぶー! ほのか厳しすぎー!」
「いいんです。・・・・・あそうそう、おふたりの飲み物はサービスですから」
「ぃやったぁっ!! ひかり愛してるぅーッ!!」
気前のいい言葉に思わずなぎさはバンザイし、ひかりに抱きつく。
ひかりはその調子の良さに思わず苦笑したが、なぎさの肩越しに見えるほのかの顔色が変わったのを見て息を呑んだ。
「・・・・・・ありがとう、ひかりさん。サービスのお礼に、テーブルを片づけるの一緒に手伝ってあげるね」
微笑みを浮かべたままそう言って立ち上がるほのかに気圧されつつ、ひかりは急いでなぎさの抱擁をふりほどく。
そして狼狽えながら返事した。
「いいえ、ほのかさんはお客さんなんですから、お気になさらないで下さい」
「あ、あたしも手伝うよ!」
「いいの、なぎさはまだ食べてて。わたしはもう食べないし、お腹ごなしにお手伝いしたいの」
「そお? んじゃ、お言葉に甘えまして」
ほのかの言葉にあっさりと納得し、なぎさは再びタコ焼き他の軽食を頬張り始める。
そこから離れたテーブルの空き皿を片づけながら、ほのかは怯えているひかりに向かって囁いた。
「ひかり、わたし言っておいたはずね? なぎさの気を引くような真似はいっさい許さないって」
「で、でもさっきのあれはなぎささんが勝手に・・・・・・」
「今夜、わたしの家に来るのよ。いいわね」
「は、はいっ」
遠目からでもなぎさに不信をもたれないよう笑顔のまま告げられた言葉にひかりは即答する。
そして、畏怖とともになぜか陶酔の入り混じった表情を面に浮かべた。
「良く来たわね、ひかり」
「はい、ほのかお姉さま・・・・・」
夜更け、あかねの家から抜け出してきたひかりは、玄関で相手の顔を直視できずに俯いたまま答えた。
「それじゃあなたらしく・・・・・・・つまりメス犬らしくなってもらおうかしら」
「はい」
抗いも哀願も無駄だと知り尽くしているひかりは三和土の上で着ているものを脱ぎ始める。
そして一糸まとわぬ裸になると全身を羞恥に染めた。
(ああ・・・・・・もしもこんなところを誰かに見られてしまったら)
そう思うと小柄な身体が恥ずかしさに竦む。
しかしひかりが呼ばれる夜は唯一の同居人であるほのかの祖母が睡眠剤を服まされているため、まずその心配はなかった。
「うふ、じゃああとはコレね」
そう言うとほのかは慣れた手つきでひかりに赤い革の首輪を嵌める。
そのまま引き紐を引かれたひかりは廊下に上がると四つん這いになり、歩き始めた。
「そうそう、ひかりもメス犬の作法が分かってきたわね。相変わらず言いつけは守らないけど」
観念したように廊下を這い歩く少女を見下ろしつつほのかが嘲笑する。
恥辱に顔を紅潮させたままひかりは沈黙し続けた。
「それじゃ今度は発情したメス犬に相応しく股を開いてもらいましょうか」
自分の部屋に入ると早々にほのかは命じる。
ひかりは敷かれていた布団の上に仰向けになると、震えわななきながら両脚をおずおずと開いていった。
「ふうん・・・・・さすがに見た目だけは可愛いオマ○コよね。これを濡らしながらわたしのなぎさを誘惑したのね」
過剰な愛ゆえの異常な嫉妬に燃えて、ほのかはひかりの恥部を睨みつける。
それから机の抽斗を開けるとバイブレーターを取り出した。
「お仕置き開始よ」
手にした器具にゴムを被せ、ほのかは子栗鼠のように慄えおののいているひかりの秘唇にそれをねじ込む。
それと同時に声なき呻きが年若の少女の喉から漏れた。
「こんな太いのを美味しそうに呑み込むなんて・・・・・・・あなたみたいな淫乱に、なぎさは絶対渡さないわ!」
「うっ、ああ、んああっ!!」
器具のスイッチが入れられ、ひかりは体内の奥からわき出す快感に悶える。
ほのかの逆鱗に触れて処女を失い陵辱を重ねられるうち、いつしかひかりは淫らな悦びを覚えるようになっていた。
「今度はお尻よ。うつ伏せになってお尻を高く上げなさい」
「はい、ほのかお姉さまっ・・・・!」
手酷い折檻や躾を繰り返されるうち、内なるマゾヒズムにも目覚めていた少女は従順に主の言葉に従う。
バイブレーターを咥えたままの桃襞からは蜜が滴って内股を濡らし、思春期に入りかけたばかりの小ぶりな胸では乳首が痛々しいほどに凝っていた。
「思い知らせてあげる、ひかり」
ぞっとする笑みを浮かべたほのかは父親のものである革のベルトを握り締める。
それはこれまで哀れな少女の脂汗と涙を吸い込み続けてきた代物だった。
「行くわよ!」
ひゅん、と部屋の薄闇が引き裂かれる。
そして柔らかい肌がはじける音が続いた。
「あうううううう――――っ!!」
ひかりの喉から胸を抉るような悲鳴が迸る。
他の箇所に比べれば幾分ましとはいえ、臀部を革ベルトで叩かれる辛さは格別だった。
「そんな綺麗な目でなぎさを誘うなんて、許せない!」
ひかりがなぎさに見せる行為一つ一つに対する嫉妬をむき出しにしながらほのかはベルトを叩きつける。
そして身に覚えのない罪を糾弾しつつ浴びせられる残酷な打撃にひかりは身を捩り、泣き叫んだ。
「はあ、はあ、はあ・・・・・」
加減しているとはいえ、激情に身を任せての懲罰にさすがに疲れてほのかは手を休める。
そしてまっ赤に火照るひかりのヒップを観察しながら、もうひとりの少女に思いを馳せた。
(ああ・・・・・・もしなぎさをこんな風にできたら・・・・・・)
深く愛するがゆえに却って思い通りにするのがためらわれる少女。
科学部の部員のようにさほど思い入れのない仲間は全てほのかの魔の手に陥ちていたが、なぎさのみは触れてはいけない禁断であり続けた。
(でもなぎさは・・・・・・なぎさだけはそうしてはいけない・・・・・・もしそうしたら、なぎさはなぎさでなくなってしまう・・・・・)
愛と欲望のジレンマ。そして、そこから生まれる苛立ちの全ては、ひかりに向かってぶつけられるのだった。
「ひかり、懺悔の代わりにわたしに奉仕するのよ」
相手を責め苛んだことによって若きサディスチンの秘園もまた潤んでいた。
ほのかは夜着を脱ぎ、清楚なショーツを下ろしてひかりの前に立った。
「あ・・・・ああ・・・・・・ほのかお姉さまのお○んこに、ご奉仕・・・・させて下さい・・・・・・」
それまで息も絶え絶えだったというのに、ひかりはほのかの命令を聞くと懸命に身を起こし、蠱惑的な香りをさせる谷間へと舌を這わせる。
ぬめるラヴィアをこじ開けるようにして蜜液を啜り、息づく秘芯を丹念に愛撫してほのかの息を荒くさせると、ひかりの心は躍った。
蹂躙され抑圧されているだけの者にはあり得ない心の動きである。
いたぶり嬲られ続けるうち、いつしか芽生えたほのかへの想い。
それは、快楽を通じて生まれた異形の愛であり、決して知られてはならない哀しい愛だった。
(もしわたしがほのかお姉さまを愛していることを悟られてしまったら・・・・・・)
ほのかは安心して嫉妬の炎を燃やすこともなくなり、ひかりは有象無象のペット少女と同じ存在に墜ちてしまうだろう。
ひかりが最もなぎさの関心を引く危険な美少女だからこそ、ほのかが嫉妬に狂い特殊すぎる関係が成立するのだった。
「う・・・・凄く上手くなったわね、ひかり。きっと、なぎさにこうしたくて練習したのね。本当にあなたは危険だわ」
身体の芯が蕩けそうなほどの快感に耐えつつ、ほのかは歪んだ推察から生まれた憎悪で顔を歪ませる。
そしてひかりの口に向け、熱い液体を解き放った。
「ングッ?!」
「ご褒美のオシッコよ。こぼさず飲んでね」
憎い相手を尿で汚す快感に酔い痴れながらほのかは冷たくそう命じる。
彼女にはひかりが、倒錯した歓喜に満ちて自分の小水を飲み干しているなどとは思いもよらなかった。
最後の一滴まで舐めさせた後、ほのかはペニスバンドを腰に装着した。
「今日は前より太いのよ」
布団に伏せて腰を高く掲げる相手に向かいそう言うとほのかは、ひかりに挿入したバイブはそのままにもう一つの秘孔へと侵入する。
その瞬間ひかりはかすかに呻いたが、どうにか本能的な抵抗反射を抑えて苦痛を軽減した。
「どうひかり? こんな太いのにお尻の穴を抉られて!」
「ああっほのかお姉さま!! わたし、ヘン、ヘンですぅっ!!」
情け容赦なく奥を突かれ肛肉がわななくたび、痺れるような電撃がひかりの中心でスパークする。
ひかりを貶めるために繰り返された肛辱は、膣と同等以上の快楽をもたらすようになっていたのだった。
「お尻が、お尻が感じちゃうんですっ!! わたし、お尻で感じちゃってるっ!!」
「この変態!! お尻で感じるようなメス犬に、わたしのなぎさは絶対渡さない!!」
(ここまでしているのに・・・・・・・・・・どうしたらこの子の、なぎさを惹きつける輝きを失わせることができるの?!)
嫉妬と焦燥に駆られたほのかがより一層激しく肛虐を尽くす。
そしてひかりは前後の括約筋を思う様蹂躙され、こみ上げる被虐の快感に脳を灼かれながら心の中でほのかへの愛を叫んでいた。
(ああっ、もっと嬲って下さい! ひかりのお尻とお○んこをグチャグチャにしてッ、ほのかお姉さまあっ!!)
「お尻でイく畜生なんかに、なぎさを愛する資格はないのよ! ひかり、あなたは一生わたしの奴隷よ! ずっとずっと、誰にも愛されずに生きていくの!」
「はい、わたしは一生ほのかお姉さまの奴隷です! 誰も愛する資格のない淫乱奴隷です! だから、だから、ずっと・・・・・」
一方通行の想いが、ここにはいないなぎさを通じて循環してゆく。
いつしかなぎさを犯しているような幻影に捉えられてほのかは興奮の度合いを急上昇させ、腰の振りが獰猛さを増す。
そして高まる喘ぎがひかりの限界を報せ、ほのかもまた臨海点に到達した。
「ひかり!」
「ほのかお姉さま!!」
折り重なる二つの肢体が淫靡極まるヴィブラートを奏で、この上ない光が愛の迷い子たちを優しく包む。
そしてしばしの静寂が訪れた。
「許さない・・・・・あなたなんかに・・・・・・・なぎさは・・・・わたしのなぎさは・・・・・・」
「ほのかお姉さま・・・・・」
背後にそう呟くほのかの息を感じながらひかりはゆっくりと濡れた身体を起こす。
しばらくして規則正しい寝息を立て始めた相手を見守りながら、金髪の少女はそっとその頬にキスをした。
「愛してます、ほのかお姉さま・・・・・・・なぎささんより、ずっと・・・・・・命ある限り・・・・・・」
夜が明けるまでにはあかねの家に戻らなければならない。
だがひかりはほのかから目を離す決心がつかないまま、いつまでも、いつまでも愛する者を見つめ続けていた。
fin