あかね「実はな……うち……」
父「ブライアンくん、やろ?」
あかね「!」
父「笑わへんよ。でも悪い事は言わへん、あきらめろ。彼は異国の人や。住んでる世界が違いすぎる」
あかね「……」
父「月は遠くで見るからきれいなんやで……父ちゃんなんか何度アポロになったか……」
母「母ちゃんもやで……アポロになって、それでも好きでいられる覚悟あるん?」
あかね「……」
ブライアンは2回目の来日を終えて帰国することになった。
(結局、アカネ見送りに来てくれなかったな……)
寂しげな表情で、ブライアンは空港の搭乗口に入った。
その頃……空港の近くの公園で……
「よいしょっ!! よし、こんなもんやろ」
キュアサニーに変身したあかねが、コンテナを運んでいた。
「ブライアン……」
ブライアンを乗せた飛行機は、アメリカへ向けて離陸した。
(日本の景色もこれで見納めだな……………!!)
何気なく窓の外に目をやると、思わぬものが見えた。
『BEY AKANE』
コンテナで作られた文字が。
「Oh!!」
ブライアンは思わず叫んだ。
(アカネ……スペル間違えてる……BYEだよ……)
にじんで来た涙をあわてて拭いた。
(アカネ……GOOD BYE……)
「ブライアン……見えたかな……?」
あかねはサニーの姿のまま、飛んでいく飛行機を見つめていた。
気がつくと涙が流れて止まらなくなった。
飛行機はもう見えない。
「グッバイ……ブライアン……ほな、さいなら!!」
その日、空港の貨物ターミナルから大量のコンテナが消えるという事件があった。
コンテナはすぐに見つかったが、コンテナで書かれた文字に警察は驚いた。
まさか犯人がプリキュアだとは夢にも思わないだろう。
こうして、あかねの初恋は終わった。
その日はみんなで慰めパーティーをやって盛り上がった。
おまけに、理由はどうあれプリキュアの力で人に迷惑をかけたと、れいかからお説教を食らい、
挙句学校をサボった罰として1週間の罰掃除をさせられた。