ようやく夫や娘の待つ街に帰ることができた。  
家の前で佇む。懐かしさが思わず込み上げる。  
「ただいまー」  
返事がない。  
「ま、いいか…」  
帰ることは伝えていない。  
サプライズなのだ。  
夫も再就職したと聞いている。仕事中だろう。  
娘もまだ学校から帰っていないのだろう。  
取り合えず夕食の準備のため服を着替えようと寝室に向かう。  
何やら寝室から騒がしいような音が聞こえる。  
寝室は子供に配慮して防音加工してある。  
だから音量はささやかなものだ。  
だがその音はとても騒がしい感じがしており寝室にはテレビや音響の類は置いていなかったはずなのだ。  
単身赴任してしばらく経つため、夫が何か寝室に持ってきたのかもしれない。  
となると寝室に夫はいるかもしれない。だから自分の声が聞こえなかったのだ。  
それほどの間、家から離れていたのだ。  
今までとは違ったことがこの家で起きていてもおかしくないのだ。  
そういえば玄関口に娘の靴も置いてあった。  
けれども部屋は明かりがともっていなかった。  
ふと見ると寝室から光りが漏れていた。  
やはりこの中にいるのだ。  
だがどうして寝室に娘がいるのだろうか?  
娘がいるということは夫もいるのだろうか?  
あ。  
夫の靴も確かに置いてあった。  
となると、寝室に夫と娘がいるのだ。  
しかしどうしているのだろうか?  
どうしてこう騒がしい感じの音が漏れているのだろうか?  
漏れる光がちらちらしているのはどうしてだろうか?  
この光はベッドの枕元のライトの明かりだ。  
橙色の少し暗めの光源。  
とても雰囲気が出る照明なのだ。  
その明かりが揺らめいているということは何かがベッドの上で動いているのだろう。  
何がそんなに激しく動いているのだろうか?  
彼女、星空育代はとてつもない不安に囚われる。  
目の前のドアを開くだけで何もかもがはっきりする。  
ドアノブに触れ、握ろうとして手が止まった。  
 
ふと、とある光景が思い浮かんだのだ。  
少し前に読んだ女性週刊誌の記事だ。  
最近では夫がリストラにあい、妻が働きに出るケースが増えた。  
夫、息子、娘を家に残し、単身赴任する妻も珍しくない。  
その中で夫と娘だけとなった家庭では近親相姦が発生しやすいことが近年の調査で明らかにされているという。  
無記名のアンケート調査によると妻が単身赴任中の父と娘の家庭で近親相姦を行っている割合は実に5%という驚くべき数字を出していた。  
さらに娘が一人で父親とも仲がよく中学生ほどの年齢だとその数字は2倍になるという。  
その雑誌では実際に、目線が黒く塗り潰された父と娘が裸でベッドの上でピースサインしているところの写真が掲載されていた。  
その写真には『●音町のとある有名音楽家の父娘』というタイトルがあった。  
わが家に限ってそのようなことにはならない。  
そう楽観になろうとしても、手は依然としてドアノブを握ったままだ。  
言い知れぬ不安が胸に纏わり付いて消えない。  
引き返したい誘惑に駆られる。  
今すぐ家から出て、駅前から家に連絡を入れ、そろそろ着くと伝えたほうが夫も娘も何かと都合が良くはないだろうか?  
そうだ。そうしよう。サプライズなんていらない。  
平穏無事な日常があればいい。  
何の都合なのか、何が平穏無事なのか彼女は無意識に考えないようにしていた。  
ドアノブから手を離そうとしたが、緊張のためか思わずドアノブを動かし、寝室のドアを開けてしまった。  
 
「ついにこの時が来ました…」  
青木れいかは感慨深く呟いた。周りの者たちも頷いている。あれから一週間の時が過ぎていった。長いようで短い一週間であった。  
この一週間という月日はとある父娘には特別な意味があった。とある関係へ終止符を打つための準備期間、カウントダウンだったのだ。  
どのような心地でこの一週間を迎えたのだろうか。素晴らしい瞬間に胸を膨らませる希望に満ちた一週間だったかもしれないし、  
目の前の斬頭台に昇るような凄絶な諦めを要する絶望に満ちた一週間だったかもしれない。あるいはそのどちらでもあったかもしれないし、  
どちらでもないのかもしれなかった。ただ迎えるべくして迎えただけとしか感じなくても彼女は驚きはしない。  
彼女自身に関しては言えば、久々に訪れた年相応の日常を粛々と過ごしていっただけだった。彼女らの友人もそうだ。  
年相応の日常に身を投じていただけだ。その背後にある原因について深く考えることをよしとはしなかった。  
果たしてこの一週間は彼ら父娘にとって何だったのか。  
れいかは目の前のベッドで向かい合うバスローブ姿の一組の父娘を視線を向けた。娘の身体からはまだ若干の湯気が立ちのぼっていた。  
つい先程までシャワーを浴びていたからだ。父親のほうはすでに湯気は立ちのぼっていない。冷えている。  
娘はゆっくりと時間をかけ念入りに身体を洗っていたからだ。これから行うことへ逡巡する時間もあったかもしれない。  
世界の倫理道徳からの離反、いや、超越を果たすための身を清める儀式であればこそ厳かに丹念にすべきものなのだ。  
一体この父娘は何を為すというのだろうか。彼らが身に纏うバスローブの役割は、纏うことではなく、脱ぐことにある。  
下着も何も身に付けずに脱ぐために纏うことが正装であり、肝要なのである。この肝要は彼らがベッドという寝具で正座して向き合う動機を強固なものにする。  
寝具は寝るための家具であるが、この寝るという行為はそもそも睡眠という擬似的な死を迎えるための状態移行手段を差し、  
その際に子孫を残したい衝動が沸き上がることは至極自然なことであり、その衝動を解消するためとしての手段として自慰行為、性行為があげられ、  
二人以上で寝具を利用する場合は通常、性行為を行うことになっている。その寝具上で向き合うということはとりもなおさず  
性行為の相手として相対しているのであり、座しているのはこれから寝具を供にすることの顕れであり、正座となれば相手と真摯に取り組むことの決意表明なのである。  
彼らの不安や困惑、興奮、愉悦など色とりどりの感情をないまぜにした表情から、これから行う行為が決して慣れた  
ものではないことを物語っていた。事実、彼らはまだ結ばれていなかった。これから結ばれるのである。  
つまり、これからこの父と娘は、初めて父娘相姦を行うのである。  
 
その禁断の瞬間に立ち会う光栄を手にしたれいかたちは、彼女らが通う学校の制服を着て、正装し、壁に立て掛けた  
椅子に姿勢正しく腰を下ろしていた。彼女らの真ん中にはビデオカメラが三脚の上で固定され、動作中を示す赤ランプが点灯し、  
そのレンズが父娘に向けられている。この撮影が父娘の浅ましい行為を撮影する出歯亀的なものではなく、行為前の家族としての  
関係性を喪失しつつある父と娘の姿を捉えることを目的としていることを、彼女らの真剣な眼差しから伺うことができた。  
決して浅ましく下劣な気持ちに突き動かされてはいないのだ。父娘の最期までやり遂げる覚悟を見届ける覚悟をもって臨んでいるのである。  
向かい会ったままじっと見つめ合う父娘の揺れる瞳を見てれいかは胸中でかぶりを振った。そうではない。いくら美辞麗句を  
並べ立て虚飾で取り繕ったとしても所詮友達が実の父親と近親相姦するところを見たいという下司で好色な最低下劣な衝動に  
支配されているに過ぎない。このような状況を作り上げたのも自分なのだ。そうせざるを得ない雰囲気に仕立てあげたのも自分だ。  
あたかも自分が被害者で加害者はあちらと思わせたのも自分だ。この一週間もの間、普通の父娘として過ごして下さいと  
いったのは彼ら父娘が父娘として存在できるわずかなときを悔いなく過ごして欲しいためではなく、この状況をより効果的に  
演出するための布石なのである。実の父娘で近親相姦を行うことに対し、抵抗、羞恥、背徳、畏怖、後悔、後ろめたさを  
抱けば抱くほどこちらは興奮するのである。  
そうです。わたくしはおげれつなのです。へんたいなのです。  
 
青木れいかはそのように思い込もうとした。そうしなければ彼女の精神が持たなかった。なぜならばこのような状況  
が引き起こされた原因は、このような状況を忌避するためと称した彼女主導の一連の活動によるところにあるのだ。  
もし話し合いをしていたら。もし通報していたら。もしそのままなにもしていなかったら。無数のIFを数え上げたらきりがない。  
しかし、もし彼女がイメージビデオの自主製作を提案していなければ、このような状況になることはない、と断言することだけはできた。  
すでに彼女自身と他三人の友人たちは処女を喪失していた。近年では性の低年齢化が叫ばれているが、自分たちには  
まるで関係のないことであると思っていたし、実際にそうであった。自分以外にも性にアグレッシブなものがいたようであるが、  
それはあくまで私的な閉じた世界での出来事だった。その世界の情報が外に絶対に漏洩しないためこれ以上発展することはなく、  
思春期を迎える少女としての範疇に留まり続けていたのだ。それなのに彼女の友人からもたらされた友人の父の所業を  
あたかも外界とを隔てる壁に入った亀裂であるかのように装い、素知らぬ顔で彼女のみならず他の者達もの壁も打ち壊してしまった。  
彼女の罪をなすりつけようとした友人とその父親に到っては、実の父娘という関係であるにも関わらず、自慰を見せつけあい、  
互いを愛撫し合い、娘の尻の穴に父親の性器を挿入し、膣への挿入に到っていないが娘の膣周辺の性器へ父親が自らの性器を  
こすりつけ娘の愛液にまみれるという信じられない関係にまで発展していた。彼ら父娘は自らの意志でそのような関係を築いたと  
認識しているだろうが実際は違う。全て彼女が誘導していた。彼女は自らの欲望のためだけで数人の友人の人生と  
とある家庭を崩壊させたのだ。生き地獄を背負わせたのだ。そうこれは生き地獄だ。人類の最大のタブーを善良な父と娘に行わせるのだ。  
父親は娘を食べ、娘は父親を飲み込み、彼ら自身で彼ら自身の善としての人生に終止符を打つ、つまり彼ら自身はその瞬間に死ぬ、  
互いに相手を社会的に殺す、父親は娘を孕ませる、娘は父親の子を宿す、子々孫々への忌まわしい卑しい出自の呪いをかける、  
人肉食、殺人をも兼ねる、これこそが近親相姦の真髄なのである。それを彼女は自らの手を汚さずに行うのである。  
今更彼女の罪をつまびらかに開陳して、謝罪を幾重にも重ねても手遅れだ。彼女は仏教徒だが告解室に駆け込み懺悔したかった。  
懺悔したからといって赦される所業ではないことは苦しいほどに解っている。彼女だけに罪があり、目の前の父娘には  
なんら罪がないことを誰かに知ってもらいたかった。彼女は彼女自身の品性の底辺さを強調することで彼女自身に彼女自身が  
原罪を背負うべきなのだと強く認識しようとしたのだ。生き地獄で苦しむ彼ら以上に彼女はさらに奥深い地獄に行くべきなのだ。  
そうしなければ、その地獄という贖罪としての罰を供与する観念を喪失してしまうほど精神が崩壊してしまい兼ねなかった。  
それではあまりに救われない。いや、そのようなことで救われると信じていること事態が思い上がりも甚だしい救いようのなさだった。  
そうだ。自分は既に救われない部類にあるのだ。青木れいかの目はだんだん焦点がぶれだした。  
ついに精神がその存在の罪の重さに耐え切れなくなっていったのである。  
 
「れいか…」  
小刻みに震える肩にそっと手をのせる、れいかの幼なじみ、緑川なお。なおは青木れいかという人間性を知っていた。  
この状況全てを自らの不徳の致すところと思っているに違いない。れいかのこちらを縋るような目がなおの推測が  
正しいことを証明し胸が締め付けられるように苦しくなる。こちらからいくら言葉をかけようが真面目なれいかは頑として  
その内向的で一方的な罪の意識を拭い去ることはできないだろう。それでもなおはれいかに、これまでのこと、  
これからのことに自分にも責任があることを受け取ってもらいたかった。なおもこの目の前で進行されようとしている  
父娘が肉体を交えるという極限な状況に罪の意識を抱いていたけれども、それ以上にれいかのことが気掛かりだったのである。  
「れいか…」  
「れいかちゃん…」  
日野あかね、黄瀬やよいもれいかに声をかける。この二人もなおと同様にれいかが心配だったのだ。  
「みなさん…」  
差し延べられたなお、あかね、やよいの手に触れて、れいかは感極まったように頬に一筋の涙を流した。  
なおは目でれいかに伝える。  
れいか、もしかしたらみゆきたちはこのまま何もしないかもしれないよ。れいかの提案のおかげできっと普通の親子になったんだよ。  
父娘ではなく、親子に。親子だから何もしないことが当たり前なんだよ。  
なおはれいかの返答を目を介して知る。  
ええ、そのようになればなんと僥倖なことでしょう。なお、励ましのつもりでしょうが、これまでの経緯を鑑みても  
それは万に一つもありえません。でも、わたくしもそのようになることを信じてみます。信じなければ奇跡は起きないものですから。  
そのようになればわたしたちの活動も永久に停止致しましょう。もう手遅れと諦めずにこれから平凡な中学生生活が送れるように祈りましょう。  
なお、あかね、やよいはれいかの前向きな顔つきに安堵し  
 
絹擦れ。  
 
「……!!」  
その音にれいかのみならずなおたちの顔も蒼ざめる。  
星空みゆきとその父、星空博司がついにどうするか決めたのだ。音の方を向くと娘がベッドに身を預けようとしていた。  
仰向けになり腕を広げ、父親を待ち受ける。不安で堪らない様子だ。父親が娘を覗きこむように屈み、娘としばしの間見つめ合った。  
れいかの祈りは届かなかった。なおはれいかの悲痛な心の叫びを聞いた。手をぎゅっと強く握りしめる。握り返すその力は  
小さく震えている。なお自身の手も震えていた。父と娘の選択を取り消したかった。それが父と娘の決断を蔑ろにすると解っていても。  
父親が腕を伸ばす。娘の着るバスローブを脱がすためだ。これから父と娘が行うことは二人とも裸になる必要があった。  
ローブの紐を掴み、ゆっくりと時間をかけて解いた。  
れいかを見ると目を白黒させていた。顔が赤くなったり蒼くなったりしている。呼吸困難になっているようだ。  
なおはれいかが自責の念のあまり憤死するのではないかと畏れた。今すぐこの部屋から出してやりたかった。  
それが無理だとも知っていた。親友の矜持と自尊心がそれを赦さないのだ。  
父親が娘の素肌を覆うバスローブをはだけさせようと重ね合わさったところを掴み、動きを止めた。  
このまま時の歩みを進めて良いのか逡巡しているのだ。どれほど硬直させていたのか知るものはいない。数秒だったかもしれないし、  
数分だったかもしれない。数万年でさえあったかもしれない。遍く、時というものは体感でしか知りようがないのだ。  
父親が動きを再開するとローブから指を離し、解いた紐を結び直した。娘が起き上がり、父親ともどもこちらを向いて  
ベッドの上で正座し、手をつき、頭を垂れた。  
「出来ませんでした」  
 
人は突如奇跡を突き付けられると思考停止に陥る。なおは何も考えることができなくなっていた。父娘の言動の意味  
がじわじわと脳神経に染み渡ると理解の光りが瞳に燈りだした。れいかを見るとぽかんと口を開け、茫然自失といった態だ。  
そのショックはなおの比ではないのだろう。まるで目の前で進行していた展開のその結末を信じられないのだろう。  
「なにが、できませんでした、のですか?」  
れいかの脳はその言葉の含む意味を安易に解釈することを拒んだのだろう。理解するまでにその理解で正しいのか、  
希望的観測なのかその言質を本人たちに取ることを選んだのだ。  
娘、みゆきは優しく微笑みながら  
「わたしとお父さんがセックスすることだよ」  
自分にも言い聞かせるように答えた。  
その言葉の詳細をれいかは求めた。彼女の脳は演繹することを拒んでいるのだ。  
「セックスとはどのようなセックスでしょうか?」  
これまで様々なセックスを行ってきた。オーラルセックス、アナルセックス、フィストファックセックス、  
オナホセックス、バイブセックス、多種多様なセックスだ。みゆきのいうセックスがどれに該当するのか確定したいのだろう。  
「そ、それは…わたしのあそこと…お父さんのあそこを…」  
みゆきの言葉は歯切れが悪かった。れいかはきっとあそこの定義を問い質すのだろう。赤面する娘に代わって、  
父親である博司が答える。  
「ぼくが答えよう。ぼくのペニスを娘の膣内に挿入してピストン運動を繰り返し、娘の子宮内にぼくの精液を注ぐ行為としての  
セックスをぼくたちは出来なかったと言ったんだ。」  
博司の意志のこもった力強い言葉が今度こそれいかの脳に意識に伝達された。れいかは目をカッと見開くと両目から  
ぼうだの涙を流した。茫然、驚愕を経て感涙したのだ。ついに理解したのだ。  
その様子にだれもが胸に込み上げるものを感じた。  
なおはれいかに抱き着く。れいか、わたしたちの祈りが届いたんだ!神様がわたしたちを見て下さったんだよ。  
奇跡が起きたんだ!なおは快哉を叫んだ。  
「なお…みなさん…ありがとうございます…うう…」  
れいかがハンカチで目元を押さえながら感謝の言葉を口にする。目元の涙を拭き、星空親子に向き直ると  
「みゆきさん、博司さん。お二方の決断、心より感謝致します。よくぞ決めて下さいました。さぞ辛かったことでしょう。」  
いつもの凛としたれいかの姿がそこにあった。  
「愚問ではありますが、これからはどのようになされるおつもりでしょうか。」  
博司が答える。  
「もう遅いかもしれないが、みゆきとは普通の親子に戻る。もう二度とあんなことはしないと誓うよ。それに…」  
れいかたちを見渡し  
「君たちには取り返しのつかないことをしてしまった。赦して貰えるとは思っていない。すまない…」  
床に頭をつき土下座をした。  
「おもてを上げてください。あれは博司さんだけのせいではありません。わたしたちにも責任があったのです。  
もう終わったことです。これからのことを見つめていきましょう。」  
「れいか…さま…」  
「さまではありません。わたしたちは娘の友人と友人の父親という間柄です。れいかちゃんとお呼び下さい」  
「れいかちゃん……これでいいんだね?」  
「ええ、とっても宜しいです。」  
「れいかちゃんたちともこれで終わりにしていいんだね…」  
「博司さんたちも元からそのつもりでしょう。ですが、終わりませんよ…」  
「え?それは…」  
「みゆきさんとはこれまで同様お付き合いをする以上、何度かお宅に伺います。ただのお友達として。  
いけないでしょうか?」  
「……!そういうことなら喜んで…!」  
 
ふと、れいかは眉根を寄せると  
「一つ腑に落ちないことがあります。出来ませんでしたという言い回しが気になりました。  
出来ませんではなく出来ませんでした。でしたをつけたことにどのような意図があったのでしょうか?」  
「娘とは元々するつもりはなかったんだ。そう思えるようになったのも全てれいかちゃんのおかげだ。  
れいかちゃんが発案したこの一週間を娘と普通の親子になって過ごすことで、初めて親子の絆を再認識し、自分たちが  
してきた愚かな行いを振り返って反省することができたんだよ。」  
「ですが、あなたたちはしようとしました。何故でしょうか」  
「この問題は既にぼくとみゆきだけのものではないからだ。れいかちゃんたちを辱めた事実は覆らない。ぼくたち親子が  
のうのうと過ごすことは赦されないと思ったからだ。」  
「つまり、贖罪という義務感だけで娘と交わろうとしたというのですか」柳眉を逆立てるれいか。  
「はい…」と消え入りそうな博司の声。  
「愚かです!全くもって愚かしい限りです!」れいかは憤慨していた。博司たちに対してというよりも自分自身の  
過去の愚かな振る舞いに憤慨しているようだった。  
「その通りです。ぼくは何て愚かだったんだろう。娘のことを顧みず自分自身も欺いて何をしたかったんだろう。」博司は自らの愚昧なる動機に打ち震えた。みゆきが父親の震える手を握り締める。博司は続けた。  
「ベッドの上で娘が震えていることを知っていた。ぼくの手が冒涜的行為に加担することに震えていることも知っていた。  
それでもぼくは知らないふりをして娘の纏うローブを脱がそうとした。紐の結びを解くのに時間がかかったのはぼくの中で  
未だに議論が続いていたからだ。引き返す、引き返さない。侃々諤々の激しい議論だった。結び目を解いた瞬間、趨勢は決した。  
過激派はこれを天の啓示だと喧伝し穏健派を諦めさせたのだ。そして、ついに娘の白い肢体を晒す時が来た。  
娘もぼくも覚悟が出来ていたんだと思う。ローブをそっと摘み、捲ろうとした瞬間、れいかちゃんのある言葉が脳裏に浮かんだ。  
お互いに慈しみなさい。その瞬間、ぼくは気づいた。娘のことを娘としてしかもう見れなくなっていることに  
。手は石化したように動かなかった。心が拒否したのだ。  
心が勝利したのだ…」  
「そう…ですか…。」  
れいかは自分の言葉が一組の親子が人としての道を踏み外すことから救ったことを実感できないでいるようだった。  
こうなることを見越して発言だったのか。別の意図があったのか。今となって解らないのだろう。けれども、その言葉は  
確かに救ったのだ。どうしようもない絶望の淵から。  
なおはれいかの瞳に徐々に理解の光りが瞬くのを感じた。れいかは眩しい笑顔を浮かべ、  
 
「では、セックスして下さい」  
 
と言ったのだった。  
 
れいか以外誰もかれもがポカンとなった。今、なんと言ったのだろうか。  
周りの反応から伝わっていないと判断したれいかは再度言ったのだった。  
 
「お二方にはこれからセックスして貰います」  
 
「??????」  
なおの頭の中は大量の疑問符で埋め尽くされた。他の者も同様のことが生じているのだろう。文脈に全く沿っていない。  
れいかの精神はついに壊れてしまったのか。手遅れだったのか。それとも、れいかの言葉をわたしたちが間違った解釈をしているのか。  
博司は具体的に何を要求しているのか、それはどういう理由によるものか問い質した。  
れいかは穏やかな表情で答えた。  
 
「はい。お答え致します。博司さんとみゆきさんがセックスすることはすでに一週間前に決まっていたことです。  
お二方も了承して頂いていると記憶しています。セックスの内容に関しては、博司さんのペニスをみゆきさんの膣に  
挿入して両者の性器を刺激させ、絶頂して頂き、博司さんには娘の子宮に子種を注いでもらうことです。」  
 
れいかは壊れていた。彼女自身が引き起こした悲劇のあまりの深刻さに、その悲劇が寸でのところで回避されたこと  
を信じられなかったのだ。世界は無情で非情で理不尽な結末の連続だと信じて疑わなかったのだ。そうでなければおかしい。  
もし壊れていなければ、青木れいかという人間性に関して大親友のなおは大きな勘違いをしていたことになる。  
あるいはれいかの中には貞淑、淫乱という相反する二律背反の二重人格なるものが潜み、なおの知る貞淑なれいかは  
淫乱なれいかに打ち負かされたのではなかろうか。それとも貞淑も淫乱の片棒を担ぎ、貞淑自身もその効果的にカードを切り  
興奮を最高潮に高める一助となったのだとしたら、まさに青木れいかは背徳の権化と呼ぶに相応しい悪辣ぶりだった。  
れいかは続ける。やや語気が荒くなる。  
「わたくしの処女を奪ったのはどなたでしたか。わたくしのおまんこに精液をぶちまけたのは誰でしたか。罪悪感を  
覚えないのですか。どうなのですか。その責任を取るとしたら父娘で生交尾種付け以外考えられないと思わ…「EDなの!」  
 
星空みゆきが突然叫んだ。  
れいかの言葉が止まる。みゆきの言葉にぎょっと目を剥く。  
「い、今なんと…?」  
みゆきは悲しそうに  
「お父さんは勃起不全になってしまったの。インポなの。」  
 
「なっ………!?」  
れいかは血相をかえ、口をパクパクさせた。  
みゆきは続ける。  
「わたしたちと今までしてきたことをお父さんは心の底から後悔してしまった。自分の醜い欲望が引き起こした悍ましい事態に  
打ちひしがれたの。全ての元凶たるペニスを憎んでしまった。わたしとセックスしようにも出来なかったの…」  
この事実をはじめに打ち明けなかったのは、それがれいかたちも含む一連の行為によるため、そこまで博司を追い込んで  
しまったことを悟らせないための処置だった。  
「ふふ…、それならわたくしがもう一度勃たさせてあげます…」  
シュルシュル…ネクタイを外し胸元のボタンを外す。  
ベッドの博司にれいかは妖艶な笑みを浮かべ迫る。  
博司は困惑顔だ。彼は正直、れいかの要求に答えることが出来ない体になっていたし、心も答えるべきではない構えになっていた。  
れいかのことは娘の友人としか見れなくなっていた。  
「わたくしの身体でビンビンにして差し上げます。鎮火した情欲の炎を燃え上がらせてあげます。  
硬く雄々しくなった暁には是非、厭でもみゆきさんとおセックスして戴きます。」  
れいかは、みゆきさんとおせっくす、じつのむすめとおせっくす、おせっくす、おせっくす、おせっくす、おせっくす、  
きんしんそうかんおせっくす、おやこでおせっくす、はいとくおせっくす、きんだんおせっくすと催眠にかけるように唄った。  
博司は顔を歪めた。娘の友人をここまで追い込んだのは他ならぬ自分だ。彼女のためにできることは彼女の要求することを拒むことだけだ。  
「さあ、おちんぽをおだしになってくださいな」  
れいかは無邪気に笑う。無邪気に博司を追い詰める。苦しそうに呻く博司。笑うれいか。ここにはなんら救いはなかった。  
「……………」  
みゆきは決意を固めた。立ち上がり、れいかのそばに無言のまま立つと腕を大きく振り上げ、  
 
バチィィィィン!  
 
「っ………!」  
ビンタを食らわせた。  
「!?!?!?!?」  
れいかは突然のことで何が起きたのかすぐには分からなかった。頬がじんじんと熱くなるのを感じ、自分はみゆきにぶたれたのだと悟った。  
「お父さんを虐めないで!これ以上苦しめさせないで!お願い!!れいかちゃん!!」  
「ぁ………」  
みゆきにぶたれたことにれいかはこれまでにないショックを受けた。みゆきが叫んでいるが頭に入って来ない。  
「出てって!!出てってよ!!」  
みゆきさんが出ていけと叫んでいます。誰に対して言っているのでしょう?なお、どうしてわたくしの身体を引きず  
るのですか?あかね、やよい、どうしてそんなに悲しい顔なのですか?みゆきさんの号泣がいつまでもいつまでも聞  
こえます。耳にこびりついて落ちません。みゆきさん、どうして泣いているのですか?わたくしでよければそのわけ  
をお聞かせ下さい。是非、ちからになりたく存じます。嗚呼、いつまでもいつまでもみゆきさんは泣き止みません…  
こうして、いくつかの傷痕を残し、彼女らは日常に戻っていった。傷痕もいずれ癒えて見えないものとなるだろう。  
何もかも全ては終わったことなのである。  
 
そこは、ベッドライトが燈されたただの寝室だった。  
少しシーツが乱れているような気がするがわたしがいないのだから仕方ないと育代は安堵の吐息を漏らした。  
何もかも杞憂に終わったのだ。  
 
一夜が過ぎ、れいかはようやく自分を取り戻した。冷静に前日の己の言動を顧みると赤面どころか蒼白になるほどの醜態、失態だった。  
みゆきには合わせる顔がなかった。頬の痛みは…消えていた。けれども心の疼きは強さを増すばかりであった。  
(あの優しいみゆきさんがわたくしの頬を打ちました。手をあげさせるほど追い詰めてしまったのです。  
わたくしはなんということを仕出かしてしまったのでしょうか。どんな顔で会えばいいのか分かりません。ですが、みゆきさんのことです。  
わたくしをぶったことをさぞ後悔し、暗い気持ちになっていることでしょう。全てはわたくしのせいなのに。  
何としてでも、みゆきさんに非はなかったことは伝えねばなりません)  
心を強く持ち、れいかは登校した。なおたちに深く謝罪を行った。みゆきが体調不良で休むことを知ったれいかは  
再び奈落の底に叩き落とされた気持ちになった。れいかは成長していた。底からはい上がることを選んだ。  
犯してしまった罪を身体から引きはがすことは無理だが、どす黒い淫猥なる欲望を捨て、心から反省することで地上に戻ることが出来た。  
上辺だけではなく、心の奥深くからどこにでもいる健全で平凡で誰にも恥じることのない常識人として生きる覚悟をみゆきに知らせたかった。  
放課後、れいかはなおたちとともに星空家に向かった。謝罪するためではない。生まれ変わった己を知ってもらうためだ。  
 
彼女は夕食の支度をするため、着替えるためクローゼットを開けた。  
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆  
 
星空家の玄関の扉の前で深呼吸する。  
すぅーはぁーすぅーはぁ。よし。  
れいかは思い切ってインターホンを押す。  
返事がない。  
構わない。  
扉を開く。  
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆  
 
「へ?」  
 
 
目の前に飛び込んで来た光景は育代の理解を絶するものであった。  
だが寝室の扉を開ける前の彼女の不安を裏打ちするものであり無意識下の想像を超えるものであった。  
クローゼットに夫と娘がいた。娘の友達もいた。  
娘の通う学校の生徒会長にお好み焼きの看板娘、町内で有名な大家族の長女、友人の千春の一人娘だ。  
彼らは何も身に纏っていなかった。  
すっぽんぽんなのである。  
夫の性器は勃起していた。娘たちの股からは精液が垂れていた。  
部屋には確かに精液と愛液の匂いが充満していた。  
彼らはこちらにとてもばつが悪い表情をしていた。  
気まずくていたたまれないそんな表情。  
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆  
 
「は?」  
 
 
目の前に飛び込んで来た光景はれいかの思いもよらないものだった。  
 
「あんあんっ、お父さんのおちんぽとみゆきのおまんことろとろでぐちゃぐちゃになってるよぉ!!」  
「はぁはぁ、お父さんも気持ちよすぎて脳みそとろとろにとけちゃってるよぉ!!ふぅふぅふぅ、ほぉれ!!」  
 
 
みゆきと博司は交わっていた。  
生まれたままの姿で実の父と娘という間柄であるにも関わらず、互いの性器を結合させ、全力で腰を動かしていた。  
 
絶句。  
れいかたちの状態はまさにその二文字に尽きた。  
そんなれいかたちに気づいたそぶりもせず、父と娘は玄関口の前の廊下で交尾を続けた。娘の股を見ると『正』の字が  
いくつもマジックで書かれていた。何の回数か聞かなくても解るだろう。父親は娘に何十回と出したことになる。  
れいかはようやく心の中ではあるが言葉を出すことが出来た。  
何という…  
何という…  
裏切りでしょう…!!  
 
みゆきたちはようやくこちらに気づいたようだった。少しだけばつの悪そうな顔で  
「あはぁ〜、ばれちゃったよぉ☆」  
たったこれだけである。それだけでこちらの興味を失い、限りなく悍ましいことに父親が射精するさいのどくどく感を  
感じることに集中し始めたのである。  
「こちらを見なさい、みゆきさん」  
れいかはみゆきの顔を両手で挟み、こちらを向くように動かした。みゆきの腰の動きは止まらない。  
「貴女は何をされているのですか?」  
「お父さんとの生はめセックス中出し耐久レースだよぉ」  
「いつからですか?どうしてですか?博司さんはEDではなかったのですか?」  
「んーとね、ああん、そこいいのぉ、お父さんっ!れいかちゃんたちが帰ってから、あんっ、バスローブから着替える時にね、  
お父さんたらわたしの裸をみて、勃起させたの、といってもほんのささやかな勃起なの、ちょびっと太くなってちょっと  
角度が出来たくらいだったの、それでも全く無反応と比べたら大きな進歩だったの、何もせずこのまま元の状態に戻して  
再びEDにさせるよりも、お母さんと豊かな夫婦生活を送ってもらうためにわたしも手伝うことにしたの、おまんこを広げて、  
クリを弄るところを見せたり、手で扱いてあげたり、口でしてあげたり、そうしたら見違えるくらいにお父さんの  
おちんぽがカチンコチンに硬くなったの、わたしも身体が疼いてきちゃって、これが最後ということでアナルセックスしたの、  
そしたらね…アナルの中でますます膨れていっているのが分かったわ、取り出してみるとびっくりしたことにもっと  
もっとお父さんのおちんぽが高く大きく硬くなっていったの、オナ禁効果らしいの、父さんはわたしのことを娘としてしか  
見れない筈なのに娘として見れないからこそそんなに勃起してしまったの、二人ともすっかり出来上がっていたの、  
わたしはおまんこを広げて、お父さんのおちんぽをみゆきのおまんこに入れてほしいの、って言ったらね、お父さんたら  
いやらしい顔になってね、ぬぷぬぷぷと挿入しちゃったの!実の娘にねだられたからって実の娘のおまんこに挿入する父親なんて  
どこにもいないわ、と言ったらね、ここにいるよだってね、あんっ、ああああっ、いっちゃうー!!」  
みゆきはまくし立てると潮を噴いた。ビクンと身体がのけ反る。失神した。それでも博司は容赦なく突く。  
「はは、なんて娘だ。友達のまえで失神するなんて。お仕置きだ。ピストンを強くしてやれ。」  
意識のない娘に変わって博司が続ける。  
「れいかちゃんたちには内緒にしておこうとしたんだ。やはりこんなことに巻き込むのは駄目だと思ったからだ。  
まだ中学生なのに、いや、一人の女性として、好きでもない男と多人数で交わるなんて不健全すぎる。  
これからの長い人生にその事実は汚点となって付き纏い必ず不幸にしてしまう。これ以上、ぼくたち父娘に関わるのは、  
君たちの恩を仇で返すことになるし、ぼくたち、いや娘が苦しむことになるからだ。だから、父娘相姦の事実は  
ぼくとみゆきだけの秘密にして墓場に持って行こうとしたんだ。」  
真摯な面持ち、毅然で矍鑠とした態度で話しながらも博司は娘の膣を己の一物で突きながら娘の尻の穴に指を突っ込み弄り、  
娘の乳首をもう片方の手で抓っていた。  
博司は哀しそうに  
「だが、無念なことに君たちは気づいてしまった。なんという星の巡り合わせだろうか…」  
言い、五指をまとめ娘の尻の穴に入れ、手首まで挿入する。  
みゆきは意識を取り戻しぎゃぁとかぐひぃとか奇声を上げる。  
 
れいかは『エロい顔』になり、  
「そ、それで、あなたたちが始めておセックスした様子は撮影されているのでしょうか…」  
そんなことを聞いてきた。  
博司はもっと哀しい顔になり  
「すまない…それどころではなかったのだ…」  
みゆきはぎょへえええとよだれを垂らした。  
「あは、あはははは…」  
れいかは天を仰ぎ、眼球を上に向け『あへ顔』になった。れいかは実の父娘が近親相姦する瞬間を見たかったのだ。  
なお、やよい、あかねたちはみゆきのおまんこに博司のおちんぽが出たり入ったりしているのを食い入るように見て、  
ああとかおおとか感嘆の吐息を漏らしているがそんな何十何百何千と繰り返された動作に『道』はないのだ。  
前人未踏の地、足跡のない雪原こそ価値がある。  
『近親相姦の変態道は第一歩にこそある』のだ。  
永久に『道』が失われたことにれいかはしばらく立ち直ることが出来なかった。我々もその事実にから立ち上がることが出来ない。  
何故なら、このエロパロのタイトルを思い出して貰いたい。『だめだよ!父娘でエッチしちゃあ!!』である。タイトルであり、  
このチラシの落書きのテーマなのである。父娘でエッチというのは父娘相姦を指す。これはただ父と娘がセックス(勿論、性器同士の結合!)  
することのみをあらわしてはいない。『だめだよ!』と『しちゃあ!!』というところに注目して戴きたい。  
娘は父親とエッチすることに抵抗を覚えているのである。何故か?それは父親とまだエッチしていないからだ。  
まだエッチしていないが、『だめだよ!』と『しちゃあ!!』と叫んでいるのは娘の目の前に父親がいて、迫っているからだ。  
そして、娘もそれほど本気で抵抗はしていない。形だけの拒否なのだ。ということは、この父娘はこれからはじめてエッチするのである。  
この落書きはそれを目標として書かれていたのだ。だからこそ肝心要の星空みゆきと博司の初めての父娘近親相姦を  
描かずして終われようか、いや、終われない。しかし、それは永久に失われたのだ。我々メタ世界の住人すらもそれを見ることは叶わないのだ…  
「…………」  
れいかの落胆ぶりに博司とみゆきは心を痛めた。撮影してなかったことではない。『撮影してしまったことだ。』  
寝室のクローゼットの奥にそれは仕舞ってあった。この落書きのタイトルの結末を記すそれはビデオカメラの記録媒体に  
保存されていた。それを絶対にれいかに見せるわけにはいかなかった。その内容を示すのに10万字でも足りないからではない。  
みゆきと博司の初エッチを書き記す技量がこの作者にないからではない。  
その理由は単純にして明快。  
ロマンスも興奮もへったくれもないからだ。  
れいかも我々も含め、実の父娘である星空みゆきと博司のセックスには大きなる期待と幻想と興奮を抱いていた。  
さぞいやらしく、美しく、感動的で背徳的な行為をしてくれるだろう、そんな願いを抱いていた。  
現実は無情だった。非情だった。れいかと我々の思惑など何ら考慮されないのだ。  
よし、書いてもよい。  
メタ世界の我々はその世界に侵入できる。課金すれば物も触れる。その記録媒体を再生できる。なんなら時間を巻き戻せる。  
再現できる。よし、落胆するなよ、飲みかけの缶ジュース投げつけるなよ。  
VTR、きゅう〜  
 
みゆき「お父さんのおちんぽをみゆきのおまんこに入れてほしいの!」  
博司「まかせろぃっ!!」ぬぷりぬぷぷ  
みゆき「あんあんあん。実の娘にねだられたからって実の娘のおまんこに挿入する父親なんてどこにもいないわ!」  
博司「ここにいるよ、うっ、出すぜぇ!!」どぴゅ  
みゆき「きてー!いっちゃうー!」ぷしゃあああ  
 
 
 
 
 
れいかはいずれそれを見るときが来る。どんな顔をしたのか想像できるだろう。我々と同じ顔だ。  
 
れいかは正気を取り戻した。腕を後ろに振る。  
なおたちは姿勢を正す。  
れいかは冷厳に命じる。  
「やっておしまい」  
みゆきたちに襲いかかった。  
寝室でみゆきは椅子の縛り付けられただけで何もされなかった。  
博司はベッドの上で仰向けになり両手両足を開いたまま縛られた。  
娘の見ている前でれいかたちは父親に対しあらんかぎりの凌辱を行った。  
 
 
 
ご覧いただけたであろうか。  
これが顛末なのである。  
これ以下はすべて瑣末なエピローグでしかない。  
繰り返す。  
これ以下はすべて瑣末なエピローグでしかない。  
 
それからというもの博司とみゆきたちは様々なセックスを行った。  
 
・娘と娘の友達と四十八手をすべてコンプしたり  
・生挿入ありの本物の超高級ソープ五輪車を体験したり  
・スクール水着やブルマ姿や制服すがたの娘たちとコスプレセックスしたり  
・女子バレー部や女子サッカー部、女子弓道部などのコネのある部活から女子中学生の使用済みのユニフォームに囲まれながら乱交したり  
・昼間に庭先の人目につかないところで地面にシートを敷いて娘たちと交尾したり  
・特殊な秘薬をつかい勃起ビンビンちんぽをみゆきたちに挿入してじっと動かずにいてじわじわと快感を感じつづけるポリネリアンセックスをしたり  
・父親なら娘の身体を当ててみて!どれが娘のまんこかあてるゲームをしたり  
・みゆきたちに飛びっこを装着させて外出したり  
・満員電車のなかでみゆきたちを痴漢してセックスしてそれを娘たちとは中学の女子中学生に見せ付けたり  
・隣町で夜にみゆきたちを全裸首輪だけにして散歩したり  
・夜の学校に侵入し教室でセックスしたり、みゆきたちのクラスの女子の尾ノ後きよみ、柏本まゆか、金本ひろこたちの  
リコーダーを舐めたりペニスを当てたり、体育館で広々セックスしたり、廊下を駅弁しながら闊歩したり、保健室で  
エッチしたり、女子更衣室の匂いを嗅ぎながら精液をぶちまけたり、  
・ファミレスで下半身脱いだみゆきたちがテーブルにしゃがんで隠れた博司におまんこをなめ回されたり挿入されたりしながらウエイトレスに注文したり  
・温水プールで家族連れがいっぱいいる中、実の娘にはめたり、  
・野外露出の際に変装のための緑髪のかつらを被ったれいかは便意を催し博司と前は繋がったまま漏らしそれを  
うっかり大学生らしき青年に見られる。青年はその光景が頭から離れず学業に集中できず単位をとることができず留年し  
倒錯した趣味を持ち緑髪の女の子をなおと思い込みどこかの板のスレに空気も読まずに欲望をぶちまけるがそれは  
ただの悲劇だしまあどうでもいい話だし  
・ボックスカーのフロント以外の窓をマッジクミラーにしてみゆきたちの通う七色ヵ丘中学の正門付近に停めて登校  
する生徒たちを見ながら6Pセックスしたり  
・ボックスカーの天井を開けて、みゆきとセックスしたまま逆立ちして隣町の帰り道の女子●学生と男子●学生に見せたり  
・桃太郎・○太郎に博司とサングラスをしたみゆきたちが入店して、DVDを選ぶ気のよわそうな男性の前でみゆきたちは  
素顔を晒し、お父さんとかまだわたしたち中学生なのにとその客にだけ聞こえるようにしてその客の隣の席にみんなで  
入っていることを見せその広めの6人では手狭なスペースで乱交してその様子を隣の客が壁に耳を当てて聞きながら  
しこっているのを盗聴器で拡大した音を聞いたり  
・隣町の父娘で経営するロト●の売店で072174という数字の紙を博司とみゆきたちは見せ付けただならぬ仲だと  
知らしめようとしたがその番号は実は唯一の一等でその数字の072174(おなにーしよ)とも読めるため  
ラッキースケベ!巨万の富を得る!というニュースにもなったほどの番号でもちろん博司たちは様々なエッチなこと  
をするには十分な軍資金を得たしその後売店の父娘がどうなったかは分からないが彼氏のいない娘の腹は膨れている  
というまだ●学生なのに不思議だねだし  
 
・遊園地でジェットコースターの暗いところで運動神経抜群のなおは身体を抑えるあの固定具を外して隣の博司の既に  
チャックからはみ出し臨戦態勢のおちんぽにノーパンミニスカのなおは腰を下ろしその席の前後はたぶん父と娘の組み合わせなのに  
コナヌ第一話も真っ青のアクロバチックなジェットコースターセックスだし、お化け屋敷では博司とあかねは  
終始駅弁の態勢で見て回ったが特に声をかけられなかったからばれてないし、お絵かきが得意なやよい画伯は袖とか  
スカートの横のところだけ本当の生地を使ってあとの前と後ろはボディペイントして局部を堂々露出しながら見て周り  
博司も股間だけペイントにして危うく乗り物の順番を待っているときに前後の見知らぬ女子中学生の艶やかな匂いで  
勃起しかけたところをやよいと立ったまま背面セックスしたり、足で漕ぐシーボートで屈めば誰にも見られないということで  
博司とみゆきは白昼堂々と全裸になり下にシートとマットを引いたボートの中で濃密セックスしたり、その遊園地の  
キャラクターの着ぐるみを勝手に奪ってその中に裸の博司とれいかが無理矢理入りセックスしながら無邪気な子供たちに  
風船をあげたり女子中学生たちのグループに抱き着かれながられいかの膣を味わいながら写真を撮ったり、  
最後に観覧車でゆっくり回っている間に全裸になりみんなで記念撮影したり、  
・VI●板で『妻が単身赴任中に娘に手を出した音楽家だが』というスレタイを立てIDつきで娘とのセックス画像を  
アップし娘の知り合いの音楽一家の素性を騙り最後は安価で娘の友達にメールして乱交に持ち込む流れにしてれいかたちに  
安価を取らせ思うがままに誘導させ現役女子●学生と6Pセックスを実況して住民を発狂させたりその画像が女性週刊誌に  
掲載され慄然としたり、  
ストライク!ボーリング場で娘たちと過ごす夜のターキー!  
・あおかん!やっぱり公園に限るね!!どきどきはらはらカップルだらけの公園で近親相姦!  
・罰当たり!教会の祈祷中にjcとはめまくり!  
・18禁コーナーでエロ漫画を読む女子中学生を後ろから突いて何がわるい!!  
・出会って1秒で即セックス!!できるまで帰れまセックス!!  
・合法!?違法!?脱法ドラッグパーティーを摘発せよ!!潜入捜査官青木れいかの誘惑。  
・愛のハットトリック!!緑川なおは1分以内に友人の父親を3回射精させることができるのか!?  
・ピカピカぴかりんじゃんけんじゃんけんポン!負ければ脱ぎます!黄瀬やよいの恥辱をかけたじゃんけん10番勝負!  
・うん…ウチ元気にしてるで…ホンマやぁ…目指すは国際結婚!!日野あかね、ブライアンと電話しながらどこまでアンアン言わずに我慢できるか!!  
・お母さんわたしは元気だよ…!健気!三日間だけ単身赴任の母の隣の部屋を借り上げ四六時中父親と猛烈セックスして  
無事を伝える星空みゆきはまだ14才の女の子!!  
 
他にもまだまだ常人では考えも及びつかない刺激的で不可思議でファンタスティックなセックスを行った。  
極めつけはこれだ。  
 
 
・嘘ォ!?桃園一家とスワッピング!?  
 
 
これは結局、指定のホテルまで来たがあまりにも怖くなって指定の番号の隣の部屋を借りて一夜を過ごしただけだった。  
 
博司、みゆきたちが桃園一家と接触しなくて本当に良かったと思う。  
もし、会っていたら、これまで書き綴ってぃた落書きが無意味なものと化していただろう。  
なにを大袈裟なと一笑に伏す前にこのことを知ってもらいたい。  
みゆきたちはほんのささやかな好奇心からその恐るべき家族がいるはずの隣の部屋を隔てる壁に耳をそっと押し付け  
た。その瞬間、彼等は意識を飛ばした。気づくと部屋が目茶苦茶になっていた。何をどうすればこれほどまでになる  
のだろうとくらい部屋は体液だらけだった。すっかり身体の水分は失われ、衰弱死間際だった。苦痛にも似た快感が  
身体の奥底に爛れて痺れていたのだけ覚えていた…  
 
どうだろうか。  
エロエロ星人と化したみゆきたちですらこの有様なのだ。一般人なら死んでいる。  
たった数秒向こうの音を聞いただけで。  
もし対面していたらどの道を歩んでいたのか…想像したくない。  
これ以上、みゆきたちは深入りすべきではないのだ。行き過ぎた性欲というのは神外魔境なのである。  
 
何なのだこれは?  
どういう悪夢だろうか?  
夫が失業し、家計のため、前に勤めていた会社に復職し、単身赴任をした。  
まだ自分に魅力があるのか、部下や上司に何度か誘われたことがある。  
それでも夫や娘を悲しませるわけにはいかないと誘いを断り、淋しさを一人で慰めてきた。  
その結果がこれだ。  
なんという仕打ちであろうか?  
 
 
「あ、そうだ」  
彼女、星空育代は忘れ物に気づいた。  
台所に向かった。  
そして、手に、した。  
寝室に戻った。  
博司やみゆきたちはそのままの格好だ。  
「い、育代…!!」  
「お、お母さん…!!」  
育代の手に持つそれを見ると彼らはもの凄い形相になった。  
彼女は無言でそれを振りかぶると自らの首筋に突き刺そうと  
 
「てえぃやぁっ!!」  
 
青木れいかが育代との距離を瞬時に縮め、包丁を手から弾き飛ばした。  
育代は崩れ落ちる。肩を震わせる。  
博司が声をかけようとすると育代はさっと立ち上がり家を出ていった。  
母親が目の前で自殺を図るというショッキングな光景を目撃し発狂するみゆきをれいかたちに任せ、  
博司は服を着込むと妻を探しに外に出た。  
懸命な捜索も叶わず捜し当てることはできなかった。  
 
翌日、育代は帰ってきた。  
全く何事もない様子だった。  
昨日のあの光景をまるで覚えてないかのように振る舞っていた。  
しかし、博司とみゆきは良心の呵責に耐え切れず、育代に土下座し、これまでのことを洗いざらいぶちまけた。  
人として決してしてはならないことを犯してしまったことを謝った。  
育代の反応はさらりとしたものだった。  
「こちらこそ昨日はどうかしていたわ。心配かけてごめんなさい」  
「いや、君は悪くない!すべてはぼくが悪いんだ!」  
「ちがうの!わたしが悪いの!」  
「はいはい。どっちも悪かったでいいじゃない。もう過ぎたことをくよくよ悩んでも意味ないわ。それにしても驚いちゃったわ。  
博司さんとみゆきがエッチしちゃってるなんて。」  
「すまない! 」  
「ごめんなさい!」  
「だから謝らなくていいの。変なことを聞くけどこういうのってわたしが単身赴任する前からしてたの?」  
「いや、違う。誓ってそんなことはない」  
「そうなの!つい最近なの!」  
「と、いうことはわたしがあなたたちを置いて単身赴任したのが原因か。あ、そこであなた、謝っちゃだめだからね。  
雑誌の通りになっちゃったのかぁ。雑誌にね、妻が単身赴任する家庭ではそれなりの確率で夫と娘が肉体関係を結んじゃうんですって。  
10組に一組の割合なんだけど、その一組になっちゃたのかぁ。あ、そうだ。避妊はしっかりしてるの?え?付けてない?  
それはダメよ。するときはちゃんと付けなきゃ。避妊薬でもいいけどね」  
育代の反応はまるで他人事のようで博司とみゆきは言い知れぬ不気味さを感じた。  
今までとは違った何かが起ころうとしている。そんな予感がした。  
それはすぐさま訪れた。  
就寝のときだった。  
それまでは育代は別段変わった様子は見受けられなかった。  
それこそが異常といわんばかりに博司とみゆきは怯えていた。  
育代は寝室にみゆきを呼んでとんでもないことを口走った。  
怖いくらいの笑顔で。  
「みゆき、お父さんと寝てちょうだい。」  
「ええっ…な、なにを言ってるの?お母さん?」  
母の言葉が理解できない様子のみゆき。  
「あら?分からなかったかしら。言いかえるわね。みゆきにはこれからお父さんとセックスしてもらいたいの。」  
「どうしてそんなことを言うの…!?おかしいよ、お母さん…!!」  
抗議するみゆき。  
「ああ、そうだよ。実の娘に向かって父親とセックスしろなんて穏やかじゃないよ」  
博司が加勢する。  
「おかしい…?穏やかじゃない…?はは…」  
育代はやや壊れたような笑い顔で  
「お母さんね、実の娘とセックスするような夫と一緒に寝たくないの。でも、この人ったら、みゆきも知ってるとおりとても絶倫なの。  
だれかが相手しなきゃいけないのよ。みゆきしかいないの。」  
「で、でも…」  
「そんなこと…」  
育代は鬼のような形相になり  
 
「つべこべ言わないでさっさとセックスして!」  
叫ぶ。  
 
「ほら、脱いで!!はい!はい!!」  
とみゆきの服を無理矢理脱がしていく。  
「あなたもぼぅとせずに早く脱ぎなさい!」  
博司に脱ぐよう急かす。ズボンを下ろす。博司の腰をつかみ、ふにゃふにゃのおちんぽを娘の顔に押し付ける。  
「みゆき、何してるの!お父さんのを口に含みなさい!!」  
壊れていた。自分の母親を壊してしまったことにみゆきは慄然とする。  
「あ、ああ……」  
呻く。  
「ほら、こうして口を開けて」  
母が口をこじ開ける。父親の萎びたペニスを突っ込んでくる。しょっぱい。みゆきはただそれだけしか感じなかった。  
「はい、歯にあてないで舐めて、そうそう、いい感じよ」  
母親が娘に父親のペニスをしゃぶるノウハウを教えている。それは異常な光景だ。博司もみゆきも育代に言われるがままだ。  
「れろれろれろちゅぱちゅぱ」  
みゆきは父親を刺激する。やがて硬くなる。  
「あなた、みゆきに舐められて勃起するなんてやっぱり変態ね」  
育代の冷たい視線が博司に突き刺さる。  
「何萎えてるの。娘にフェラチオされて興奮している変態のくせに。みゆき、もっと喉の奥も使いなさい。  
えずいても奥に突っ込みなさい。ふふ…」  
育代の目はギラついていた。  
夫がだいぶ出来上がると娘に挿入するように命じた。妻の前でそれだけはできないと博司は言うが  
「知らないわよ!セックスしなさい!セックス!セックス!」  
と育代はパンパン手を叩きながらセックスを連呼し夫と娘にセックスするように迫る。  
娘の耳元で「セックス!セックス!」と叫ぶ。  
娘のまなじりに涙が浮かべてもまるでおかまいなしだ。  
夫の腰を掴み娘の下腹部に押し当てる。  
二人のお尻を掴みぐりぐりと動かす。  
「あなたどう?みゆきのおまんこは?みゆきはどうなの?お父さんのおちんぽは?」  
母親によって父親の性器と娘の性器が触れ合っているという現実。  
博司もみゆきも予想だにしなかったことだろう。  
「挿入しなさい!!はやーくーーー!!」  
博司とみゆきの脳裏に、包丁を自らの首に刺そうとする育代の姿が思い浮かんだ。あの惨劇を再び起こすわけにはいかなかった。  
これ以上、家族の絆を失わせないために二人は覚悟を決めた。  
博司は脚を広げるみゆきのおまんこにおちんぽを挿入する寸前でその動きを止めてしまった。妻の前でそれをすることこそが  
絆を失わせることになるのではないのだろうか。迷い、悩み、逡巡し「早く挿入れなさい」  
ガンと育代は博司の背を蹴った。  
ズブリ…  
博司のペニスはみゆきの膣の奥深くへと侵入していった。  
「うわぁ最悪な夫と娘ね。わたしの目の前で合体なんかしちゃって。どうしようもないわね。ひょっとして当てつけなの?」  
 
引き攣った顔の育代の瞳から一欠けらの涙が零れたのを博司もみゆきも見逃さなかった。妻は、母はもっと苦しんでいるのだ。  
最愛の夫と娘が不貞を働いていたという過酷な現実に押し潰されそうなのだ。その苦しさから逃れる手っ取り早い方法がある。  
忘れてしまえばいい。無視すればいい。見なかったことにすればいい。そんな事実を無かったことにすればいいのだ。  
だが育代はそれを受け止めることにした。忘れない。無視しない。見てしまった。その事実があった。  
そのままの倫理道徳感では押し潰されそうだからあえて完全に肯定する立場を取ろうとしたのがこの結果である。  
これは星空育代が夫と娘とともに家族として暮らしていくための対症療法なのである。  
博司とみゆきはそう信じた。育代の零した涙にはそんな説得力があった。  
「みゆき…!」  
「お父さん…!」  
博司とみゆきは全力で交わった。育代ははじめこそ辛辣に二人に罵声を浴びせていたが次第にかける声も少なくなり、  
その顔は青ざめていった。何が正しい選択だったのか、既に間違った星空父娘には分からない。  
ただこれ以上、妻を母を苦しめたくないことだけは正しいと思える確かな感情であった。  
 
 
 
翌日、育代は朝食の準備を終え、リビングを覗くと夫の朝勃ちを沈めるために娘がフェラチオをしていた。  
彼女が命じたことではなかった。彼女が命じるまえに二人は行動に移していたのだ。  
「朝食が出来ましたよ…」  
彼女の声はその事実に何の感慨も沸かないような落ち着きに満ちていた。しかし、微かに声音が震えていた。  
そのことに博司もみゆきも気づかないふりをした。  
それからというもの博司とみゆきは育代の前で性行為を繰り返した。むしろ育代のいるときしか二人はしなかった。  
育代はそのことに関しまったくの反応をしなかった。無関心、無干渉であった。れいかたちも博司とみゆきに交じって  
育代の前でセックスを繰り広げた。育代は何も言わない。  
 
リビングで博司とみゆき、れいかたちが6Pを繰り広げていた。今日みゆきはれいかたちとお泊り会をしているのである。  
育代は夕食の支度をしている。喘ぎ、嬌声、汗、精液、愛液が飛び交う。  
育代はリビングを出てしばらくしてからまた戻ってきた。  
 
「星空……?」  
 
聞き覚えのある声が聞こえてきた。絶対にここで聞こえて来るはずのない声が。  
みゆきは父に突き上げられながら振り向いた。  
 
「は?」  
 
リビングの入口に母親以外に数人の男子がいた。そう。男子だ。自分の通う七色ヶ丘中学校の自分のクラス2年2組の男子の面々だ。  
あの呟きの主は、母の横で呆然とこちらを見下ろすのは豊島ひでかずだ。信じられないという顔をしている。  
他にもクラスのムードメーカーの中田ぜんじろう、小柄で女子から可愛がられる木村さとし、真面目な学級委員の  
北原ともふみ、口数の少ない折咲なぎさがいた。  
「は?」  
「は?」  
「は?」  
「は?」  
 
れいかたちも気づいたようだ。みゆき同様にポカンとしている。これまでみゆきたちは他人にはこれらの行為を見せ  
たり連想させたりしたが彼女達を知るものたちにこのことを知らせることは決してしなかった。それがどれほど危険な  
ことか知っているからだ。  
なのに。なんだ。これは。母がここまでするとは思わなかった。それほどまでに自分たちを憎悪していたのか。これで  
みゆきたちの社会的な地位信用は失われた。父親は逮捕されるのだろう。母もただではすまないのだ。  
母、育代は夫に娘に娘の友人たちに一泡吹かせ一矢報いることができ、眩しいばかりの愉悦を浮かべた。  
「夕ご飯は出来ているから、勝手に食べてね」  
そう言って、リビングの扉を閉めた。足音から察するにクラスメイトの男子たちと寝室に向かったようだ。  
やがて寝室から育代と男子たちの喘ぎが聞こえてきた。扉をあざと開けていたのだ。そっと開いた隙間から覗きみると、  
育代と男子たちは汗だくになりながら性行していた。  
これが育代の復讐であったのである。  
 
それから育代はしばしばみゆきのクラスメイトの男子を家に連れてくては淫らな行為を繰り返していた。育代がそう  
だったようにみゆきも博司もその行為に徹底的に不干渉を貫いた。  
学校から帰るとリビングで母がクラスメイトの男子たちにザーメンをかけられていた。無視して自分の部屋に戻るが  
その声はつつぬけだ。  
父と母と夕食を食べながら母がバックで犯されていた。  
父の前で首輪をされた母がクラスの男子に雌イヌのような振る舞いをした。  
浴槽に浸かる横で母がクラスの男子とローションプレイをしていた。  
 
寝室のベッドの上で博司とみゆきは絡み合っていた。  
その横で育代もクラスの男子と絡み合っていた。  
荒い息遣いだ。激しい腰使いだ。  
相手に見せ付けるような激しいセックス。  
どの組も果てる。  
「はぁはぁ」  
「はぁはぁ」  
しばらく息遣いだけが聞こえた。  
父はなんてことはないような感じで  
「ごめん」  
謝った。  
「………ふふ」  
母が笑う。  
「何がおかしいんだ?」  
訝しむ父。  
「可笑しいわよ。なにに対してのごめんなの?」  
「それは…」  
いい淀む父。  
母はあっけらかんと言う。  
「あーいいわよ。許す。許しちゃうわ…」  
母はばつがわるそうに  
「あなた、みゆき、心配かけてごめんなさいね…」  
「おまえ…」  
「お母さん…」  
家族の絆を取り戻すことができた。博司、育代、みゆきは肩を抱き合い涙を流した。  
一人ぽつねんと残された少年は寝室を後にしたのだった。  
 
シャアー…  
「………」  
少年は身体の汚れを流すため勝手にシャワーを拝借していると  
「入っていい?」  
声が聞こえてきた。星空みゆきだ。  
「……」  
無言でいると了解ととられ、みゆきは入ってきた。裸である。  
「……!」  
少年はみゆきにくるりと背を向けた。  
みゆきも事態に気づき、タオルで前を隠した。  
「お母さんとお父さん仲良くなって良かったぁ…今は仲直りのためのエッチ中なの。  
娘のわたしは邪魔虫だから出ていったの…」  
沈黙。  
シャワーの音だけが響く。  
「ありがと…」  
そっとみゆきが背中に抱き着いてきた。  
「……!」  
みゆきのタオルは落ち、素肌と素肌が触れ合い、背中に柔らかいものが当たる。  
「全部あなたのおかげよ。あの日、お母さんがお父さんとわたしたちの秘密に気づいた日、お母さんは家を飛び出したの。  
自殺をするために。そして、お母さんは橋の上から入水自殺を果たした。そこをあなたが通らなかったらお母さんは  
助からなかったわ。お母さんを見つけたあなたは川に飛び込み、助ける。まだ冷たい川に体温を奪われていたお母さんを  
救うには素肌で暖めるしかなかった。意識を取り戻したお母さんは、自分が生きていたこと、横で眠るあなたがわたしの  
クラスメイトであること、そのクラスメイトと肉体を結んだことに気づき、とある復讐を思いついたの。  
お母さんは勘違いしていたみたいだけどこのときはまだあなたとお母さんは肌を重ねただけで契りを結んではいなかったのね。  
お母さんはわたしたちのクラスメイトの男子を誘惑しわたしたちに見事復讐を果たす。あなたはお母さんの奇行が  
自分のせいにあると思い、その動向を見守るためにそのメンバーに入ったのね。その後もあなただけはお母さんに  
事あるごとにこの復讐をやめようと持ち掛けていた。その真摯な懸命な姿勢にお母さんは心を動かされ、わたしたちと  
仲直りできたの…もう…こんなことになりたくないの…ありがとう…うう…」  
「………」  
みゆきが泣き止むまで少年は背中を貸していた。  
いつまでもシャワーは二人を優しく包み込んでいた…  
 
学校にて  
れいかたちにも両親が仲直りしたその旨を伝えることにした。  
「そうですか…分かりました…」  
青木れいかは頷くと腰を下ろし、北原ともふみと一つになった。  
「ともふみさん、同じ学級委員として互いに精進して参りましょう」  
「れいかさん、その精進の使い方間違っていませんか?」  
みゆきたちがいるのは体育倉庫である。育代が連れてきた男子とれいかたちは引かれ会うものがあり付き合い出したのだ。  
「なぁ、俺も精進したいぃ〜」  
「使い方間違ってるっちゅーの…ま、ええけどな」  
野川けんじは日野あかねに覆いかぶさり挿入する。  
「さとし君、身体が小さいわりには大きいねぇ〜」  
「うう、どっちも気にしてるのに。まあ、いいや!やよいちゃんの柔らかい身体を堪能するだけだ」  
木村さとしと黄瀬やよいが絡み合う。  
「じゃ、俺らもしよっか」  
「うん、来て…」  
豊島ひでかずと緑川なおは交わう。  
この組み合わせで付き合っているのだ。  
今はスワッピング乱交パーティーを学校に内緒で体育倉庫でしているのだ。  
付き合っている相手として、次から相手を変えるのだ。  
みゆきともう一人の男子は参加していない。  
「じゃ、変えっか…」  
「………」  
慌てたようにみゆきたちは出ていった。何もかも元通りというわけにはいかなかったのだ。  
しかし。  
例えば、育代が連れてきたセフレの相手が、れいかの兄の青木淳之介、あかねの弟の日野げんき、なおの弟の緑川けいた、  
やよいのサークル仲間の番ケンジだったらどうなるのであろうか?淳之介は美しい母と交わりたい願望を育代で叶えようとし、  
げんきも母とエッチがしたくて代わりに母の知り合いの育代で果たせようとし、けいたも父の源次の懸命な説得により  
かつての母に欲情しまだ見ぬスレンダーな母の姿を育代に重ね、可愛い可憐な幼い母に抑え切れない情欲の炎に  
焦がれる番隊長の苦痛を育代が見抜く…そんな可能性があった。けれどもそうはならなかった。  
これ以上、家庭を目茶苦茶にしてはいけないということを誰かが望んだのだ。これで終わりにしようと。  
れいかたちは年相応の彼氏をゲットしてちょっとしたセフレたちも手に入れてそれで満足して貰えれば僥倖なのだ。  
 
その帰り道。  
みゆきと少年が歩いていると  
「お願いがあるの…」  
突然、みゆきは少年にそう言ってきた。  
彼女はとても深刻そうな顔で緊張している様子だ。  
深呼吸を何度もする。  
彼女は胸に手をやり、  
「この胸のときめきをどうにかして欲しいの…!」  
告白する。  
少年、折咲なぎさは硬直した。  
彼もみゆきのことを意識していた。  
けれども彼女の母親と関係を結んだ以上それは叶わない恋だと諦めていた。  
彼はみゆきの告白を素直に喜べなかった。  
断腸の思いで彼女を振った。  
しかし、みゆきは持ち前の前向きの精神を活かしなんどもアタックを繰り返し、ついに彼は折れたのだった。  
二人は付き合い出す。  
中学生らしい健全な付き合いだ。  
博司がそのことを知ると目を剥いて娘と付き合っているのはどこのどいつだと血相を変えた。  
妻の命の恩人でセフレだと知ると神妙な面持ちになったがどこまで発展しているのか聞いてきた。  
みゆきは恥ずかしがりながら答える。  
「まだ、手を握るまでよ…」  
本当は浴室で彼の背中に抱き着いたことは内緒だ。今の過保護な父に知らせるのは賢明とは言わない。  
すっかり、星空家はどこにでもある家庭に戻っていた。まるであれらのことが一夜の夢であったかのようだ。  
そんなみゆきに母が言ってきた。ついぞ見たことのない卑屈でいやらしい顔で。  
「彼とセックスしていいわよ…ただしわたしたちの目の前でね」  
彼と親の前でセックスすることが付き合って良い条件とされた。  
育代は中学生同士のセックスが見たかったし、娘が自分とも肉体関係のあった男の子と結ばれるところを見せることに愉悦を感じたからだ。  
娘と男の子がセックスすると育代自身もそれに交わった。命の恩人でもある男子中学生に母娘丼を食べさせてあげるのだ。  
悶え苦しみ博司を娘とともに慰める。娘ははじめ父親とすることに激しい拒絶を示した。けれども育代がこのままでは  
夫が大変なことになると脅した。渋々みゆきは父親と行為を行った。育代は愉悦を感じた。育代は娘と夫が交わるところを  
見たかったのだ。彼女の内にNTR属性が出来ていたのだ。  
その様子をみて男の子、折咲なぎさは苦笑した。  
もし、みゆきちゃんとの間に娘ができたら、『だめだよ!父娘でエッチしちゃあ!!』と絶対に自分を拒む、気丈な娘に育てようと。  
折咲さぎさ、折咲渚、おれさく渚、おれさくシシャ、おれさくしゃ、俺作者、作者こと俺はそう誓うのだった。  
星空みゆきちゃんぺろぺろ。  
 
 
 
 
おわり  
 

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