「ちょwwwwなに孕んでるのwwwww」  
わたしの親友であり嫁の相田マナは何ヶ月も学校を休んでいた。体調不良ということだったが見舞いに行っても面会謝絶で  
会うことはできなかった。だが、とある理由で産婦人科にいったところ、腹を大きく膨らませた彼女がいたのである。  
「えへへ…」  
へらへらした愛想笑いを浮かべるマナ。  
えへへじゃねえよ。  
「で、相手は誰なの?」  
一瞬マナは無表情になり、再度あのムカつく愛想笑いを浮かべ  
「わかんない☆」  
あっけらかんととんでもないことを暴露しよった。  
「わかんないとかどんだけビッチなのwwwwww中学生で乱交とかwwwwwマジ性徒会長wwwwww」  
マナはちょっと顔を引き攣らせながら  
「乱交とかしてないし、まだわたし、処女なの…」  
は?  
生後6ヶ月のどてっぱらして処女ってどの口が言うんだ?下の口か?  
「性母マリア乙wwwww処女懐胎ってかwwwwww」  
笑いながらわたしはとめどなく涙を流していた。親友のあまりの変貌ぶりに感情が揺さぶられどうすればいいのか分からない。  
マナはこんなに腹が膨れていない。マナもいまどきの中学生だ。わたしの知らないところで彼氏をつくって生でしちゃって  
中に出されて妊娠してしまうことも無いこともない。妊娠するためには性交が必要だということも分かっている常識人だ。  
そんなことも認めたくほど今の境遇に絶望し諦観すらできていないのだろう。それは彼女の精神の不安定さを示していた。  
 
『俺がパパだぎゃあ!』  
 
全くの唐突に見知らぬ男の声が部屋中に響き渡った。  
徐々に何かの音が大きくなり、それは羽虫の羽ばたく音になり、実際に羽虫の集団のような黒いもやが中空から出現し、  
それが合わさり、一人の男の姿になった。どこからみてもそれは見知らぬ青年だった。  
 
『かっかっか、相田マナちゃん!どうもありがとう!悲願達成ぞなもし!』  
 
「………」  
わたしとマナはぽかーんだった。何が何だか分からない。唐突な展開にわたしたちは思考が追いつかない。  
これはなんだ。こんな非現実的なものジコチュー以外に考えられない。  
『ジコチューではないんの。俺はただの人間じゃ。今の俺は情報の集積物であって本体は別のところにいるっす』  
「パパって……なんなの?」  
マナが顔を蒼白にして怯えた眼差しのその男に送った。男はにやぁと破顔した。吐き気がする。この男こそがマナを  
不幸のどん底に落とした張本人なのだ。きっとレイプ犯だ。マナはレイプされた記憶が欠落していたのだ。  
それほどの無慈悲な凌辱をその男は成したのだ。  
許せんッ!!!  
 
パシッ!!  
『これはこれは穏やかじゃないですだ』  
な、なにぃ〜〜!?  
わたしが百人一首で鍛えた手刀、百万虐殺刀《ミリオンジェノサイドカッター》を受け止めただとぉぉぉぉ!?  
この男、ただ者ではないわ!  
 
「ねぇ!?あんたなんなの!?わたしに何をしたの?!」  
マナの悲痛なる叫び。  
男はそんな叫びなど聞こえていない顔で  
『397年かかったよ…』  
と言ったのだった。  
「は?」とマナ。こいつ何いってんの?という顔だ。  
わたしもおそらくそんな顔をしている。  
『当時、俺はしがない百姓の倅のニートだった。いつも家の穴から見える隣の家の女の子をみながらしこる毎日を送っていた。  
俺は元服をとうにすぎ、その子はまだ14才だった。中学生だった。俺はその子とエッチはおろか告白をしようものなら  
条例でしょっぴかれる運命にあった。エッチしたい!エッチしたい!と常々思っていた。どうすればエッチできるのか  
考えに考え抜いた末にとある結論にたどり着いた。彼女が俺の子供を孕めば即ち俺と彼女がエッチしたということになる、と。  
そして俺はすでにロリコンだったので女子中学生を是非孕ませてエッチした既成事実を作ることに情熱を傾けた。  
さて、どうすれば女子中学生をエッチせずに孕ますことができるのか…  
すぐさま答えが思い浮かんだ。体外受精させればいいじゃないか!と。  
方法は至って簡単だ。  
クワに俺の精液をそれとなく付着させる。クワを女の子の前で忘れたふりをする。女の子がそのクワを持って俺に渡す。  
女の子は家に帰り手を洗わずにオナニーする。手についた俺の精液の精子が女の子の膣、子宮にたどり着き、着床し  
妊娠し俺の子供が生まれるという寸法さ。女の子がイケメンでない俺のクワを渡す確率、手に付着する確率、手を洗わずに  
オナニーする確率、その日にオナニーする確率、手から子宮に着床する確率、諸々を計算した結果、膨大な数の女の子に  
それを行う必要があることがわかった。俺の短い寿命では到底無理だった。そこでまず俺は不老不死になる研究を行った。  
さらに女の子が妊娠して産婦人科にいくのか監視するネットワークを不老不死の研究データから得た資金で全国的に組織した。  
今ではそれをナノマシンが肩代わりしている。このマシンも俺の発明だ。このナノマシンがあれば俺の精子を全国の  
女子中学生に届かせることができるがあまりにも長い年月にわたって14才の女子中学生のまえでクワを落とし続けていたので  
意地でもその間接的な方法で孕ませたかった。あまりにもそれを長く続けたので都市伝説すらできた。そのクワを掴むと  
幸せになれるとか、そのクワの持ち主とのセックスはとても気持ちいいとかそんなくだらない噂だ。  
俺は何度もキュートでロリな女子中学生からエッチしとうと持ち掛けられた。だが条例違犯しない清らかな心の俺は  
かわりにそこらへんの中年親父にその女の子とエッチさせるように仕向けた。たまに実の父娘でエッチするはめになったりして  
ちょびっとだが興奮した。まぁ、そんなわけでマナちゃんは俺の子を孕んだわけさ。どうだい、俺に見覚えあるだろ?』  
「あ、あのときのクワの人!」  
とマナは合点がいった様子だ。たしかにマナならイケメンじゃなくても落としたクワを拾って渡すくらいはするにちがいない。  
な、なぁーんだ!そんなことだったの…マナはふしだらで淫らな女の子ではなかったのね!  
「ところで、六花はどうしてここにいるの?」  
マナは不思議そうな顔で聞いてきた。  
やーん。どうしてわたしが産婦人科にいるって?それはね…  
「マナが休学していた数ヶ月のうちにね色々あったの…  
マナがいないから精神が不安になっちゃって、自殺しようにも怖くて自殺できないから、緩やかな自死としての毒物摂取、  
つまりね、喫煙したり、飲酒したり、社会的に罰せられようとゲーム感覚で万引きしたり、援交してね、  
わたしったらヤクザに捕まりクスリうたれちゃって全身性感帯のなめくじ女になってSEX中毒でハメまくり中だし  
されまくり警察に保護されたときは幼児以下の頭になっててね、それでも家族は見捨てずに介抱してくれてようやく  
意識が目覚めたの、でも身体はやっぱり疼いちゃって、狂おしくて悶えてて、お母さん公認でお父さんとエッチして  
たんだけど、外に出してれば生でエッチしてもいいかなってお父さんがお母さんに内緒で頼んでくるんだから、  
わたしもまんざらではないし、ってことで生でエッチしてたらお父さんあまりの気持ち良さで中に出しちゃって、  
妊娠しちゃったのっ、てへっ」  
「実の父親に孕まされたとかwwww変態すぐるwwwww」と草を生やすマナ。  
『うわー、近親相姦とかないわー』  
 
 
おわり  
 

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