「…………」  
舞がゴーヤーンに犯されてから、丸一日ほどたった。  
とはいえ、二人には時間がどれほど過ぎたかはわからず、かすかな光だけが射す闇の中で一日を過ごした。  
信じられない悪夢のあと、舞はゆっくりと目を覚ました。  
咲はそれに気がついたものの、なんと言葉をかけていいかわからず、二人は黙ったままだった。  
途中、何度か咲が声をかけようとしてみたものの、舞からの返事は一度もなかった。  
 
ペタリ、ペタリ……  
 
急に空間に響きだした足音に、二人の体が反応する。  
舞は顔をあげず、ただ体を震わせていた。  
「おやおや、せっかく二人きりにして差し上げたのに、随分と空気が重いですなあ」  
奥の空洞から、ゴーヤーンの姿が現れる。  
その姿を見て、咲がいきなり吠えた。  
「アンタッ……! 現れたわね! 絶対許さないんだから……!」  
「おお〜、怖い怖い。顔を見るなり、なんですかな、いきなり」  
ゴーヤーンはわざとらしく脅える素振りをしてみせた。  
その子どものような演技が、咲の怒りに火をつける。  
「なんでも何もないでしょっ!? こんなに……こんなに許さないと思ったことは、初めてなんだから!」  
ブルブルと身を震わせて怒鳴る咲。  
しかし、その咲の剣幕とは対照的に、舞はずっと顔を腕に埋めたままだった。  
「なるほど。許さないということは、どうなるのですかな、私は?」  
「決まってるじゃない! ギッタンギッタンにして……」  
「では、どうぞ。今の私は体調が優れないものですから、勝ち目はあるかもしれませんぞ」  
「くうっ……!」  
だが、咲の体は相変わらず蜘蛛の糸に縛られたままだった。  
腕はおろか、身動き一つとれない。  
「ほら、さっさとして下さい。私も忙しいのですよ」  
「ゆっ、許さない……絶対に、許さない……!」  
「許さないのは分かりました。早く行動に示して下さいと言っておるのです」  
「ううっ……!」  
わざわざ、咲の側近くまでゴーヤーンは近寄ったが、やはり結果は同じだった。  
やがて疲れた咲は、体に力を入れることすらできなくなった。  
「はっはっは、もう終わりですか! これは情けないですなあ」  
「ぐうっ……」  
「それでは、前回申し上げた通り、調教の続きをいたしましょう」  
その言葉に、舞の体が大きく震えた。  
顔を埋めたまま、すすり泣きの声が聞こえる。  
「なによっ……かかってきなさいよっ! 好きにすればいいでしょ!」  
「おやおや、やけっぱちはよくありませんなあ……」  
ニヤニヤ笑うゴーヤーンを、咲はまっすぐに睨み返す。  
「それでは好きにいたしましょう」  
ゴーヤーンはそう言うと、咲に背を向けて舞のほうに向かって歩き出した。  
「えっ……な、なに!? どこに行くのよ!」  
ゴーヤーンの足音が近づく度に、舞の震えが増していく。  
「イーグレット殿。さあ、始めましょうか」  
「い、いやあああぁぁぁぁぁっ!!!」  
ようやく顔をあげた舞の表情は、恐れとおぞましさに満ち溢れた顔をしていた。  
「なんでっ!? なんで舞なのよ! 私だって言ったじゃない! 私にすればいいでしょ!」  
「ブルーム殿が許さないというので、怖くなりました」  
「はっ……?」  
惚けた表情のゴーヤーンに、咲も一瞬あぜんとなる。  
 
「そ、そんなの嘘でしょっ!? やめて! 舞に触らないでよ!」  
「いやぁっ……いやあああああぁぁぁぁぁ……」  
ガタガタと震える舞の顔を掴み、正面から見据えるゴーヤーン。  
その威圧に耐え切れず、舞は涙をボロボロとこぼした。  
「さて、イーグレット殿の花を散らせて差し上げなくてはいけませんな」  
舞の服をまくり、下半身をあっさりと露出させる。  
手足を封じられてるとはいえ、舞は抵抗らしい抵抗は一切しなかった。  
「やめろーっ! 本当に……本当にやめてっ! もう……やめてあげてぇ……」  
ほとんど嗄れた声で叫び続ける咲。  
だが、ゴーヤーンは意外な返事を咲に帰してきた。  
「わかりました、やめましょう」  
「えっ……」  
咲の顔が思わずキョトンとなる。  
「どうしました? やめると言っているのです」  
「そ、それは……それなら、舞の体からすぐに離れなさいよっ!」  
「それはできませんな」  
「ど、どうしてよっ! やめるんでしょ!?」  
「イーグレット殿が、やめてくれと言ったならばです」  
「は?」  
咲は、脅えているはずの舞のほうに視線を逸らした。  
「イーグレット殿が、本当にやめてくれと言うのならば、やめてもいいと言うのです」  
「そ、そんなの当たり前じゃない! 舞は当然……」  
「それはどうですかな?」  
言いながら、ゴーヤーンは舞のほうに向き直った。  
ニヤニヤと笑みがいっそう濃くなってくる。  
「い、いやぁ……」  
「ブルーム殿は、イーグレット殿が何をこんなに脅えているか、わかっておられないのです」  
「な、何よっ! アンタが変な事をするからでしょ!?」  
「ぬっふふ……わっはっはっはっは!」  
「なっ! 何がおかしいのよっ!」  
訳が分からないまま笑い出すゴーヤーンに、咲は驚きながらも問いただす。  
「では、その答えをお見せしましょう」  
「い、いやっ……」  
舞の足をつかんで、下半身を露出させたまま咲のほうをむけて抱き抱える。  
正面から見ると、Mの字に開いたような形の舞が、咲の目の中に入ってくる。  
「見ないで……咲……私……」  
「舞っ……」  
その光景に、咲の全身の力が抜けた。  
舞の足の間で、なにかが蠢いている。  
正確には足の間ではなかった。  
舞の股間から生えている肥大したクリトリスが、自らの意思をもって動いているのである。  
それはこともあろうに、舞の肛門に突き刺さっていた。  
「いやっ! いやあああああぁぁぁぁぁぁ……」  
「はははははは! イーグレット殿の花弁は、もはやイーグレット殿のものにあらず!」  
真っ赤に腫れ上がったそれを、ゴーヤーンは愛しそうに撫でる。  
「イーグレット殿を快感に苛む性器として、ただ責める為だけに存在しているのです!」  
グチュッグチュッグチュッ  
「もっとも、快感だけはイーグレット殿のものですがな」  
前回の責めでウザイナーがクリトリスに憑かれた舞は、そのままの状態で一日を過ごしていた。  
しかもそれは、舞の肛門に勝手に挿いり、岩場に自らをこすりつけ、常に舞を責め続けていたのである。  
その状態に舞はずっと耐えていた。  
咲にばれないように、声を殺して伏せていたのだった。  
 
「あひっ、あっ、あはぁぁぁ……」  
全てを露にされた舞は、諦めたかのように目が澱んできた。  
「くくく、自分の肛門と性感帯を、同時に攻撃される気分はどうですかな?」  
「ひっ、ひやぁ……もう……もう体が……もちません……あひっ」  
舞の肛門に出入りするクリトリスの脇から、我慢できなくなった愛液が次々と湧き出してくる。  
それは抱えられた舞の尻から垂れて、ゴーヤーンの足元にみるみる水溜りを作っっていった。  
「さて、それでは聞いてみましょうかな」  
「は……ひゃい……?」  
脇から指を差し込み、ゴーヤーンは自らも舞の肛門を弄り倒す。  
「くくく、こんなに愛液を滴らせて……すっかりお気に入りのようですな」  
「ううっ……あぁあっ……はあっ」  
もはや言い訳のできない舞が、憐れみを乞うようにゴーヤーンを見つめる。  
「イーグレット殿は、ここでやめて欲しいのですな?」  
「ううっ、わ……私は……」  
悔しそうに目を逸らす舞。  
その時、咲が舞に向けて叫んだ。  
「舞っ! 負けないで! そんなのに……そんなのに負けちゃダメッ!!!」  
「ううっ……咲……」  
涙目になりながら咲のほうを見つめる舞。  
それを見てゴーヤーンは、むしろ舞の味方をするような口ぶりで言った。  
「おやおや『負けないで』とは好き勝手言ってくれますなあ。自分は安全なところから口だけ出して調子のいいことを……」  
「ふ、ふざけないでっ!」  
「それでは、イーグレット殿のお気持ちが分かるのですかな? それを承知で『負けないで』と?」  
「私は、そんなことを言ってるんじゃないっ!」  
「ははは、それでは真実を教えてあげましょう。イーグレット殿、何故自分がこんな目に遭っているかご存知ですかな?」  
「ああっ……はっ、ああ……あっ……な、なに……? 分かりません……」  
「イーグレット殿が倒れている間にブルーム殿が言ったのですよ。『どうか自分は許してほしい』、と」  
「なっ!!!」  
「嘘……嘘よ……あはっ、あっ、ああっ、咲は……うあっ、そんなこと言わない……ひぐっ!」  
「そうよ! そんなこと言ってアタシたちの仲を引き裂こうなんて……!」  
「信じる信じないはイーグレット殿の自由です。ですが、イーグレット殿が苦しんでいる間、ブルーム殿は何もされていないのは事実ですなあ」  
「ああっ、ひんっ、あああっ……やぁんっ! ひっ、ひゃああっ……あひへっ……あはあっ! あふぉぉっ!」  
「舞っ! 嘘だからね! 私、そんなこと一言も言ってない!」  
「ああっ……咲……咲ぃ……」  
「さて、それではイーグレット殿。どうされるのです?」  
「だ、大丈夫……咲……。私……咲のこと……あふぁっ! 信じてるから……」  
「舞……」  
涙目になりながら、安心したように舞のことを見つめる咲。  
「で、でも……あひゃっ、ご、ごれんらさい……」  
「えっ?」  
「わらし……わっ、わたひぃぃ……」  
急に舞の股間のものが動きを止める。  
肛門から引き抜かれた舞のクリトリスは、屹立して舞の腹のほうに仰け反った。  
「が……我慢できないのぉぉぉっ! やめ……やめないでぇぇっ! ごめんなさい……私……ごめんなさいっ!!!」  
体を苦しそうに捻らせる舞。  
一度言ってしまったからなのか、舞は激しく快感を求め出した。  
「ははは、これはイーグレット殿の脳に憑かせた、ウザイナーのせいですぞ。決してイーグレット殿が淫乱な訳ではございません」  
嫌味ったらしく舞の耳元でささやくゴーヤーン。  
「ううっ、うっ、うっ……」  
泣きながらそれを堪える舞。  
しかし、既に体は快感を求めようと、動きを止めることはできなくなっていた。  
 
「さぁ〜て、そ〜れ〜で〜は〜」  
前回と同様、蟲籠を取り出すゴーヤーン。  
その中身を舞に見せながら、楽しそうにゴーヤーンは品定めした。  
「さて。この中から、イーグレット殿の初体験の相手を選ばねばなりません」  
「ひいっ……」  
その蟲を見せられると、舞は思わず顔をしかめた。  
「ヘビなど太くて良さそうですなあ……いやいや、トカゲなど……」  
「うあっ、うっ、あっ、ああっ」  
「そういえば緑の郷では、こんな蟲も人気がありましたなあ!」  
舞にむけて、嬉しそうにゴキブリをかざすゴーヤーン。  
「いやあああああっ!」  
「しかし、今回はおぞましさよりも、快感の虜になってほしいのです……やはり、これですかな」  
そう言ってゴーヤーンが取り出したのは、太いなめくじだった。  
「ウザイナー」  
「ウザイナ〜」  
ウザイナーがとり憑くことによって、それは一本のうなぎのようになった。  
「さあ、これがイーグレット殿の処女を奪うのです。羨ましい限りですなあ。ほうら、愛しいでしょう」  
「ああっ、やだ……そんなの、いやぁぁ……」  
ゴーヤーンの手から離れて、徐々になめくじが舞の足を上っていく。  
それが舞の入り口に到着した時、舞の脳の中で、快感が膨張した。  
「あひいいいいぃぃぃぃっ! あひゃっ! な、なにこれェェェェッ!!!」  
じゅるっ  
ゆっくりとなめくじが舞の中へ侵入していく。  
舞はおぞましさも忘れて、ただ快感の前に支配されていた。  
「あひああっ……あひゃっ、あっ、あうううん……あっ! ひやあああぁぁぁぁっ! 挿いるっ! 挿いってきちゃうううぅぅぅ……!」  
ずぷっずぷっ  
どんどん侵入してくるそれは、一度膜のようなものに当たると、じらすようにそれを何度か舐めた。  
正確には、ひげのようなもので、舞の膜をあざ笑うかのように弄った。  
しかし、それも少しの間だった。  
なめくじは舞の締め付けをしばらく楽しむと……  
ずりゅりゅりゅりゅっ  
「いやああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっっっっっ!!!!!」  
粘液を舞の中に撒き散らしながら、舞の最奥まで体を貫いた。  
「あはっ、あっ、ああっ……」  
「はい、おめでとうございます。これでイーグレット殿も立派な大人。今夜はお赤飯ですな〜」  
舞の股間から、赤い線がしたたっていく。  
なめくじは赤い中から顔を出すと、突き破った膜を咥えていたのか、外に吐き捨てた。  
「あはっ、あっ、あああっ……」  
「さぁて、イーグレット殿」  
「ふぁっ、ふぁい……」  
「これから気を失うまで! 挿入を繰り返しますのでそのつもりで!」  
「ああっ……ああああああああああっ!!!」  
「舞っ……!」  
その後、舞は言葉通り気を失うまで気をやり続けた。  
そして気を失った後も、舞の股間では休み無くウザイナーたちの責めが行われ続けた。  
「さぁて、次はどういたしましょうかねぇ……くっくっく」  
「私っ……私は……絶対にっ……! 絶対にっっっ!!!」  
「おやおや、ブルーム殿はまたお得意の『絶対に』ですか」  
ゴーヤーンは鼻で笑うかのように咲のほうを見た。  
「それではイーグレット殿は快感に負けてしまいましたし……次こそはあなたの番ですかな」  
ゴーヤーンは怒りに震える咲を残して、笑いながら去っていった。  
自分の無力さを感じる咲を一人残して……。  
 

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