「さあて、お二方。ご機嫌はいかがですかな?」
ビクッ
ゴーヤーンの声がすると同時に、咲と舞、二人の体が震えた。
いつもなら、ゴーヤーンの登場にもひるまない咲だが、今回はいつもとは違う。
「おやぁ?」
いつもとは違う咲の様子を嗅ぎつけたゴーヤーンは、舞のほうを見向きもせずに、咲の元へ向かった。
「ううっ……こっちに、来るなぁ……」
「おやおや、ブルーム殿。今日は随分と大人しいですなあ」
(あ……今日は……咲、なんだ……)
それを見ていた舞は、心のどこかで、安心してしまった。
舞には相変わらず、脳内では20倍の快感を。
体では腫れあがったクリトリスが、舞の意思とは関係なく自身をすりつけて快感を。
常に快感を与え続けられている舞には、その気持ちを否定する力はない。
だからと言って、舞は咲を責めて欲しい訳ではない。
ただ、何事も起こらなければ良いのだが、ゴーヤーンが来てしまった以上、どちらかが犠牲になる。
選択肢があるのなら、自分が犠牲になっても良い。
だが、咲が責められるとわかった以上、代わりを申し出る気力は、舞には無かった。
「うおっ! なんですかな、この臭いは!」
ゴーヤーンが驚いたように鼻をつまむ。
(なにが……あったの……?)
舞は、それを人ごとのように、遠くから見るように眺めていた。
「くっ……言うなぁ……」
「これはこれは……ブルーム殿、言って下されば良いものを。まさか、そのお年で糞を漏らされるとは」
「ああっ……!」
あまりの羞恥に、咲は消えてなくなりたくなった。
ずっと恐れていた事が、現実として襲いかかってきたのである。
(えっ……。咲が……お漏らし……?)
離れたところにいる舞にも、その声は聞こえてくる。
「どれ、そのままでは気分も悪いでしょう。ちょっと失礼」
「や、やめてっ! 見るなっ! 見ないでっ! 触らないでーっ!」
ゴーヤーンは咲の下半身の辺りに座ると、上着をめくりあげ、スパッツに手をかけた。
「ああっ……やめてよぉ……触らないで……」
ズルッ
肌に食い込んだスパッツが、徐々におろされていく。
ぴったりとくっついている、黒いレオタード状の生地から、咲の健康的な肌色が表面に出てきた。
しかし、その肌色の先には、白い下着が見えたのもつかの間。
白の下着は茶褐色に色を変え、異臭が咲の元までただよってきた。
「あうっ……や、やだあぁ……」
咲は両手が自由に動くのなら、顔を覆ってしまいたかった。
しかし、今の咲に許される動きは、下半身を捻って少しでも隠そうとする事と、目を固く閉じる事くらいしかできない。
「ははあ、これは随分と気色悪かったでしょうなあ」
ゴーヤーンが、顔の前で手を左右に動かしながら、咲に話しかけた。
(咲……恥ずかしいよね……ゴメンね、守ってあげられなくて……)
舞はその様子をずっと眺めている。
「う、うう……」
「お手洗いにいきたいのなら、そうおっしゃって下さい。別に、連れて行かないなんて言っていないでしょう」
「えっ……?」
(えっ……?)
その言葉に、思わず咲は目を開けてしまった。
だが、ゴーヤーンと目が合うと、とっさにまた目を固く閉じる。
だが、それ以上に驚いたのは舞だった。
自分はおしっこを噴出させられようと、排泄させられようと、全て強制で、その行為は辱められる。
それに比べたら、異常なほどの親切である。
「よく考えてみて下さい。この後ブルーム殿の後始末をするのは、私じゃないですか。それなら先に言ってもらったほうがいいのです」
「そ、それは……」
「さて、それではこのままにはしておけませんなぁ」
ゴーヤーンは咲のスパッツと下着をつかむと、一気に膝まで引きずり下ろし、ぺろんと咲の尻をさらけ出した。
「ああっ! やっ、やだぁっ!」
初めて下半身を他人に見られ、咲の羞恥は最高に達した。
咲はなんとか隠そうと、クネクネと体をねじる。
だがそれが、逆に尻を持ち上げる結果になってしまう。
尻を左右に振り、まるで相手を誘っているようになっていることを、咲は気がつかなかった。
「ククク……これははしたない」
ゴーヤーンの手に、何か液体のようなものが現れる。
「な、なにをする気よっ!?」
「洗ってさしあげるのです」
「あ、洗って……?」
ゴーヤーンの手から、水流が放たれた。
シャワーのようなそれは、咲の尻を綺麗に洗い流していく。
「うあっ、あっ、あぁ……」
久しぶりに体を現れる感覚。
今まで、衣服の中で漏らしたものがずっと粘着し、汗でなかなか乾かなかったそれが、流されていく。
その快感に、思わず咲はほっと安堵してしまっていた。
ビシャッ
「んっ……」
水流が肛門に当たった時、思わず吐息が出た。
それを見逃さず、ゴーヤーンの手が伸びる。
「さて、ここはキチンと洗ってさしあげませんとなぁ」
「ううっ、やっ、やだ! やめてよぉ……」
「何をおっしゃりますやら、ここは他の肌と違って敏感ですから、雑菌が付着したままでは、エラい事になります」
もっともらしい説明がつき、咲の肛門に二本の指が当てられた。
その指はしわを伸ばし、咲の肛門を、中のほうまで洗い流していく。
「ふぅっ……あっ、はぁっ……」
初めて性感帯を弄られる感覚に、咲の動きは従順になった。
うちももをぴったりと合わせ、ひざを擦り合わせるように快感に耐える。
やがて、水流が弱まってきた。
「はぁい、これで終了です。この下着は……もうつかえませんなあ」
ゴーヤーンはハサミを取り出すと、咲の下着をちょん切った。
咲は、尻を丸出しのままの格好になった。
「ああっ、あ、ううっ……」
さんざんに辱められて、気力が尽きたように、咲は岩場の上に横たわった。
自分に、抵抗する力がないのもわかっている。
「さあて、それでは」
ゴーヤーンの声に、咲の体が震える。
今でさえ、この状態なのに、舞のような責めに耐えられるのか。
いつもの舞の痴態を思い出すと、身が凍るような思いだった。
「た、助けて……」
目が虚ろになった咲が、舞のいる方向に救いの目を向ける。
舞には相変わらずの責めが続いていたが、ふと咲と目が合った。
その時、咲の目には、舞の目が自分に何を言いたいかよくわかった。
(咲……ゴメンね……)
舞に一縷の望みを託していた咲に、絶望に似た宣告が降りた。
もちろん咲も、舞に自分が助けられないことくらいわかっている。
だが、咲の心のどこかに、こんな気持ちが芽生えていた。
(ダッテ、舞ハ、モウサレテルジャナイ……)
頭の片隅に、変わって欲しいという考えがよぎった。
舞は、変わってくれない。
その事実が、咲の絶望に止めをさした。
「ああ……あ、わ、私……ムリだよぉ……」
「さあ!」
ゴーヤーンの声が響き渡った瞬間、咲の目から涙がこぼれた。
「イーグレット殿! 始めましょうか!」
ゴーヤーンが舞のほうへと向かう。
「「えっ……?」」
思わず、二人同時に声が出た。
「な、なんで……」
咲が思わず声をあげる。
だが、その声に振り向きもせずに、ゴーヤーンは舞の元に着いた。
「ああっ、あっ、くふぅ……あはっ、あぁっ、ああああっ!」
舞の元に行くなり、ゴーヤーンは腫れあがったクリトリスを握り締めた。
「ああああああっ!」
「クックック、すっかり乱れてしまわれて……これがあの、イーグレット殿ですかぁ?」
クリトリスを上下にしごかれ、舞の体が跳ね上がる。
それまで我慢していた舞は、その秘所から、一気に愛液を噴き出した。
「あへあああああっ! あひっ、あ、ぅああっ、あんっ、あ、ああぁ……」
イッてしまった舞は、抵抗の光のない目でゴーヤーンの方を見る。
口をぱくぱくとさせて、声にならない懇願をした。
「はぁ? 何を言いたいのですかぁ?」
クリトリスを離し、舞の秘所へと手が伸びる。
舞の秘所では、ウザイナーに取り付かれたナメクジが、常に舞の入り口から奥まで往復を繰り返している。
「おやまあ、こんなに拡がってしまって……」
ゴーヤーンの二本の指が、舞の穴へと突き刺さる。
本当はまだ、二本でもキツイくらいの締め付けだったが、ゴーヤーンは、バカにしたように舞の中で指を広げた。
「ああっ、あはっ、あっ、ああっ……」
「おやおや、気持ちいいのですかぁ? イーグレット殿ぉ」
脳内を弄られているのだから、快感ではない筈がない。
しかし、それを言いたくても口に出来ないくらい、舞の体を快感が襲っていた。
「あへぇ……もふ……ゆる、ゆるしてぇ、くらひゃい……」
口を開くと、涎が垂れ落ちた。
舌を出し、虚ろな目で許しを乞う。
「ダぁメ」
しかし、ゴーヤーンはまるで聞き入れようとしなかった。
舞の頭が、暗い何かで埋まっていく。
「おへ、おへがいれふぅ……ゆ、ゆる、ゆるしてぇ……も、もうダメ……も、もた、あひゃっ! あ、頭が……もたないんです……っ!」
舞は涙をぼろぼろとこぼし、訴えた。
しかし、ゴーヤーンは懐から何かを持ち出す。
「はい。今日はこれぇ」
ゴーヤーンの懐から出てきたのは、海洋図鑑で見たようなサンゴだった。
だが、普通のサンゴと違うところは、その無数に分かれた枝が、ことごとく触手のように蠢いていたことである。
「ウザイナ〜」
「いやああああああああああああっ!!!!!」
それがどこにどう使われるか、今の舞には一目でわかった。
こんなものを使われて、耐えられる筈が無い。
「た、たすけてっ! ああっ、ああああっ……」
その時、舞の目に入ったものは、咲の姿だった。
その光景を呆然と見ていた咲も、舞の視線に気がつく。
「あ、ああ……」
その異様な物体に、咲の目も光を無くしている。
舞の目が自分に助けを求めていることを知って、舞に聞こえない筈の声で、咲が言った。
「ムリ……だよ……」
もちろん、その声は舞に聞こえる筈が無い。
そんな筈が無いのだが、舞の耳には、その言葉がはっきりと届いた。
そして、とうとう自分の中で、ずっと封じ込めていた言葉が、喉からはっきりと外に出て行くのを舞は感じた。
「なんでっ……私ばっかりっ……!」
その言葉を聞いて、ゴーヤーンはほくそ笑んだ。
ゴーヤーンは、それをずっと言わせたかったのだ。
咲と舞の変身が解ける。
二人の気持ちが、変身もできないくらいまで、離れてしまった。
「ドーロドロン殿ぉ」
「なーにぃ?」
ゴーヤーンの声に、ドロドロンが地中から姿を現す。
「そこの二匹の精霊を、アクダイカーン様の元まで連れて行ってくださぁい」
「アイアイサー! これもボクの手柄でいいの?」
「ええ、ええ。構いませんとも」
「ヤッター! ワーイ、ワーイ!!! お前らなんか、こうしてやるーっ!」
二匹の精霊は、ドロドロンの糸でぐるぐる巻きにされ、連れて行かれた。
「さあて、これであなた方には、用がなくなった訳ですがぁ」
ゴーヤーンが残された二人に向き直る。
「ああっ、あっ、ああっ……」
「…………」
二人は糸が解け、自由の身になっていた。
が、舞は、責めが休んでいるにも関わらずオナニー。
咲は身動きもせずに、ただ横たわっていた。
「おやおや、イーグレット……じゃなかった、『元』イーグレット殿は、快感とは離れられなくなってしまいましたかぁ?」
「ああっ、はぁっ、はふぅっ……あんっ、あ、ああ……きもち、いい……」
「舞殿、と言いましたな。それでは、もおっと気持ちよくなる方法を教えてさしあげましょうか」
「い、いやっ! わ、私……こ、こんなこと……したくないっ……!」
「だって、手が動いてるじゃありませんか」
「だ、だってっ!」
今まで、昼夜休みなく快感を与え続けられてきた舞は、性行為なしでは、おかしくなってしまうところまでいっていた。
だが、それを言いたくても、舞には反撃できる言葉が浮かばない。
「ウザイナー」
ゴーヤーンが呼びかけると、舞のクリトリスにとり憑いたウザイナーが伸びる。
男根に似たそれは、舞の口元まで伸びてきた。
「それを咥えなさい。あとは、自分の好きなようにすればよろしい」
「そ、そんなこと……」
「いいから、やれと言っているのです」
「ううっ……」
ちゅうっ……
舞は、自分の腫れあがったクリトリスを、口に咥えた。
舞の口には大きいサイズだったが、あごが痛くなるくらい大きく開け、飲み込むようにほおばる。
今までにはない快感が、舞の芯を襲った。
滑らかに動く舞の舌が、自らのそれに、ねっとりとした快感を与えてくれる。
そして、自分でその行為をしているという背徳感が、舞の快感を助長させた。
「んむっ、んっ、んむうっ……ぷはっ、はっ、はっ、はあっ……! ああんっ! ああぁんっ!」
ちゅうっ、ちゅぱっ、ぴちゃぴちゃぴちゃ……
れろれろれろ……ちゅうううっ……
それが自分のモノだけに、舞の舌は、色んな動きで快感を与えていく。
気持ちいい場所がわかると、舞は懸命にそこを責めた。
「あふっ、あっ、ひゃあっ、んむっ、んむうううううっ!」
プシャッ……
舞はとうとう、自分の口でクリトリスを犯しながら、イッた。
その場にへたり込みながら、愛液を一面に広げ、舞は目を閉じた。
「ふふっ、クックック、これはまだまだ、もう少し遊べそうですなあ……」
ゴーヤーンの去り際、咲が顔をあげてゴーヤーンを呼び止めた。
「なんですか?」
「あ、あの……と、トイレ……いきたい……」
思わず、ゴーヤーンは噴き出した。
もう思惑を果たした以上、咲に気を使ってやる必要はないのだ。
「ははあ、それでは、どちらですかな?」
「う……」
思わず咲は、言葉を詰まらせた。
だが、言わなくては行けないと思ったのか、おそるおそる口に出した。
「お、おしっこ……」
「そうですか。では」
ゴーヤーンが指を鳴らすと、地中からヘビのような生き物が出てきた。
無力と化した咲の腕を締め上げ、そのまま体に巻きついて、咲の股間に食いつく。
「ひっ! な、なにこれ!?」
「どうぞ。思う存分してください」
「なっ! こ、このままじゃできないよおっ!」
「すればいいじゃないですか。全部飲んでもらいなさい」
「や、やだぁっ! は、恥ずかしいよっ!」
「そこまで知りません」
ゴーヤーンの態度の豹変に、咲は呆然とした。
そのまま、闇に消え去るゴーヤーン。
「や、やだあああああああああっ!!!」
後には、咲の悲鳴だけが残った。