本日は中秋の名月という事もあり、咲と舞はお月見会を催そうと話している。そこに、
健太と優子、そして仁美までやって来て、話に合流した。
「お月見といえばお供えなんだけど、お団子をみんなで作りましょうか」
舞が言うと、健太が割り込んでくる。
「俺んち、秋刀魚をお供えにするんだ。今の時期、脂が乗っててウマイしな。秋だけど
サンマー(SUMMER?)なんちって」
いつものお寒い駄洒落を放つ健太に、優子がそっと寄り添った。
「面白い!健太君、最高!」
健太に好意を持っている彼女は、ノリ漫才の相方のように振舞う。その様子が健気で、
咲は思わず目頭が熱くなる。
「そういえば、うちは梨とか栗、ブドウなんかも供えるよ」
仁美が実も蓋も無い事を言った。お月見の時に団子を備えるのには、ちゃんとした訳
があるのだが、この少年少女たちは情緒という物が欠落しているようだ。
「じゃあ、私、パン持ってくよ」
そう言ったのは、咲。もうこうなれば、風流も何も無い。舞も呆れ気味に、
「だったら、うちへ来る時にススキを取ってきてくれない?」
と、無理矢理話をまとめ上げたのであった。
お月見が決まって、優子の胸は弾んでいた。おまけも多いが、他ならぬ健太と共に
過ごす時間が出来て嬉しかったのである。
(念のために、下着は替えていこう・・・)
やや飛ばしすぎの感はあるものの、万が一という事もある。優子は真新しい下着と、
可愛い系の衣服を選び、やる気マンマンで今夜の催しに参加するつもりであった。
一方、咲は舞から気になる事を聞いていた。なんでも、兄の和也がここ二、三日、ふ
さぎ込んだ様子を見せているというのである。和也に憧れを抱いている咲は、それを
聞いて胸が詰まる思いだった。
自転車に乗って海沿いの道を走っている今でも、ふと気がつけば和也の事ばかり考
えてしまう。出来れば二人きりで会って、悩み事は何ですかと聞いてあげたい。それ
を手がかりに告白、更にムードを高め、ファーストキス、そして、あわよくば処女喪失
までを咲は目論んだ。星を見ながらの処女喪失とは、何とロマンティックなのだろう。
まだ良くイメージは湧かないものの、咲は和也に抱かれる光景を脳内で結んだ。
「うははは!そうなったら、どうすりゃいいの!」
こちらも優子に劣らず、飛ばし気味の感は否めないが、それも若さゆえの事である。
気がつけば咲は自転車のサドルを汚してしまうほど、ショーツを濡らしていた。
その頃、健太は皆よりも一足先に、舞の家へ辿り着いていた。手には生の秋刀魚と
七輪、団扇まで持っている。とても、名月を観賞する出で立ちではなかったが、出迎
えた舞の母、可南子はにこやかに少年を家へ招き入れた。
「さあ、入って星野君」
「おじゃまします」
眼鏡が良く似合う知的な可南子にいざなわれ、健太は戸惑った。大学教授というお
堅い肩書きを持つ彼女だが、先を歩く後姿の肉感的な事といったらどうだろう。肩ま
で伸びた髪、くびれた腰にむっちりとした桃尻・・・その艶かしさに、中学生の肉棒は
激しく硬化した。
(バカ、落ち着けってば!)
お招きに預かったお宅で、欲情してどうするのかと己を戒める健太。しかし、淑女の
持つ色香に惑わされ、自分の意志とは逆に下半身が変化するのは、仕方の無い事
であった。
「こっちよ」
可南子が指差す方向は、一番奥の突き当たりの部屋だった。健太はそこでお月見を
するのだと思い、何の疑いも持たずに入っていく。
「あれ?ずいぶん暗いな」
団子を作るといっていたので、部屋の中には舞が居るはずだった。それなのに舞はお
らず、灯かりもついていない。一足先に入ったはずの可南子の姿も消え、健太は戸惑
うばかりだった。
「おばさん?」
部屋の中を見回していると、背後から可南子の声がした。
「星野君、こっちよ」
何かを憚るような、低い声だった。健太は振り向くと、思わずあっと叫んでしまった。
何故かというと、そこに下着姿の可南子が立っていたからである。
「あ、あの・・・おばさん・・・」
「おばさんはやめて。可南子さんでいいわ」
可南子は眼鏡を外していた。そして、大きな目で竦む少年をじっと睨みつけ、手招き
する。
「ここ、寝室なのよ。私と夫との」
そう言われれば、ベッドが二つ並んでいる。暗がりに目が慣れてきた健太は、あらた
めて可南子の半裸姿を見て、ため息をついた。
「舞はお団子の材料を買いに行ってるから、当分は戻らないわ」
可南子が迫って来ると、健太は秋刀魚や七輪を床に落としてしまった。舞が不在とな
ると、この家には可南子と二人きり。そして可南子は下着姿で、何やら怪しい雰囲気
に包まれている。健太は今からここで、如何わしい戯れが起こる事を予感した。
「星野君・・・ううん、健太君って呼ぶわ。こっちへいらっしゃいな・・・」
ベッドに座り、可南子は健太の手を取った。その直後、二人は薄暗さに乗じて体を重ね
た。すぐに濃厚な口づけが交わされ、熟女と少年は欲望の深淵へと身を沈めていく・・・
美翔家の近くで、仁美は舞の父、弘一郎に出会った。背には果物を担ぎ、にこやかに
微笑む仁美を弘一郎は優しい眼差しで見遣る。
「伊東さんだったね。今日は舞のところへ?」
「ええ、おじさま。今夜はお月見しようって話で」
「それはいかにも風流げだね」
近頃、娘に友達がたくさん出来た事を、弘一郎は喜んでいた。どちらかといえば引っ込
み思案だった舞が活発的になったのも、咲をはじめ仁美や優子、健太たちのおかげだ
と思っている。
咲はちょっと大雑把だが、この仁美はどこか落ち着いていて、舞との距離をつかず離れ
ずに保っているようだ。そういう配慮が出来る頭の良い子に、弘一郎は好感を持っている。
「伊東さん、何だか重そうな物を背負ってるね。どれ、私が持とうか」
「あ、おじさま。気を使わないで・・・」
弘一郎の伸ばした手が、果物を背負う仁美の髪に触れた。一瞬だが風にさらわれ、靡い
たのである。
「あ・・・」
髪に触れられ、仁美が頬を染めた。それを見た弘一郎は慌てて手を引き、頭を下げる。
「ごめん。こんなおじさんに触られて、嫌な思いをしたろう?」
「そんな!そういう訳じゃないんです・・・」
仁美は俯き、小さく呟いた。
「・・・私、おじさまみたいな、ダンディが好きなの・・・だから・・・」
後は言葉にならなかった。仁美は顔を上げ、潤んだ目で弘一郎を見つめる。
「伊東さん・・・」
「仁美って呼んでください」
辺りに誰もいない事を確かめてから、仁美は弘一郎に抱きついた。年の差など、まるで
考えもせずに──
「私、初めてはおじさまと・・・どこか、その辺の草むらでもいい・・・私の初めて・・・もらっ
て欲しい・・・」
「・・・仁美ちゃん」
胸の中へ飛び込んで来た少女の肩を抱き、弘一郎は逡巡した。自分は妻も子もある身
だ。相手は中学生、しかも娘の同級生ときている。いくら好かれているとはいえ、一線を
超える事は決して許されない。
しかし、自分の初めてを貰ってくれと哀願され、それを拒むとなると仁美の心情はいかな
るものだろう。きっと傷つくに違いない。弘一郎は悩んだ。
(この華奢な体を・・・私は弄んで良いものだろうか)
まさに懊悩だった。だが、仁美の次の言葉で、弘一郎の進むべき道は決まってしまう。
「私をおもちゃにして・・・遊びでもいいの」
次の瞬間、弘一郎は仁美を強く抱いていた。そろそろ日も沈み、辺りには静寂と闇夜が
迫りつつある。抱き合う二つの影が一つになっても、誰にも気づかれる事は無かった。
日が暮れると同時に、咲が和也と共に美翔家へやって来た。舞が出迎えると、二人は
意味ありげな笑顔を浮かべる。
「なあに、咲、それにお兄ちゃんも・・・まさか、青姦してきたとか」
「しーッ!声が大きいよ、舞・・・それに、最後まではしてないの。お口で、クチュクチュ
してあげただけ」
「精液は飲んでくれたけどね」
和也は妙に脂の抜けた顔で言った。何でもこの二人、海沿いの道でばったり出会い、
ススキを探すという理由にかこつけて、淫らな戯れを楽しんできたという。
「やあねえ、咲ったら・・・お兄ちゃんの精液、濃くて飲みづらかったでしょ?」
「うん、すっごく粘り気があって・・・って、どうして舞が知ってるの?」
咲が目を剥いて詰め寄るも、舞はひらりと身を翻し、答えなかった。その代わり、意味
深な事を言うのである。
「いつか、咲とお兄ちゃんで3Pをする日が来るわね」
「ちょっと、それって!近親・・・」
「兄弟がいたら当たり前よ。ねえ、お兄ちゃん」
「まあな」
舞と和也はウインクをして、肩を並べてキッチンの方へと向かった。咲はそんな二人を
ぽかんと口を開け、ただただ見送るしかなかった。
夜になり、朝からはっきりしなかった天気も回復し、名月が雲の合間に見えている。美
翔家の人々、それに咲、優子、健太、仁美はベランダに出て、しばし風流に浸る事にし
た。
健太は何故か可南子の傍にいて離れない。優子はその様子をやきもきしながら見て
いる。仁美はといえば弘一郎の後ろに縋り、時々、一緒に望遠鏡を覗いてははしゃい
でいた。咲と舞、それに和也は、この場に渦巻く怪しげな空気を肌で感じている。
「何があったのかな?」
咲が小声で囁くと、
「さあ?でも、きっと楽しい事よ」
と、舞は笑った。今の様子は、混沌としたあぶな絵を見ているようで、楽しかったので
ある。
「これから、生臭くなるわ。咲、篠原先生には気をつけてね」
舞が団子をひとつ頬張ると、咲も続いて団子を頬張った。そして、他の誰にも見られ
ぬようにそっと手を繋ぐ。
「あのレズ教師、バットファックで何人もの部員を壊してるらしいから・・・でも、優子だ
ったら大丈夫そうな気がする」
「ふふ、咲ったら、見た目だけで判断しちゃ駄目よ」
月が真上にまで来た時、ほんの僅かな時間だが、雲がその光を遮った。すると、可南
子と健太、仁美と弘一郎、咲と舞がそれぞれ口づけを交わし、残された和也は何故だ
か優子の背後に迫り、豊かな乳房を鷲掴みにする。
「優子ちゃん、俺さあ、君みたいなふくよかさんが好きなんだ」
「えっ・・・そんな・・・」
夜陰に乗じ、こんな悪戯を仕掛けてくるなんてと優子は憤る。しかも、近くには健太が
いて、騒ぎ立てる事は憚られた。卑怯者と罵ってやりたいが、声は出なかった。
「プ・リ・キュ・ア・・・」
咲が小声で歌いだす。オープニングのあの曲である。
♪ かたいマラを しゃぶって あそこが開く 当たり前の世界に エロスは満ちてる
イケてない日は 屁コイていいじゃん!
アスホールも(金玉かも)
日々荒淫(JOY FUCK FUCK FUCK!)
ポコチンてたくまし〜い!Hi!
てな感じで
あなたはヤリ過ぎって! 誰もが思ってる
変態だよって NEED YOU! 噛み締め生きてるよ ♪
歌い終わると、この場に居る全員が微笑んだ。ときめくチカラは任せなさいってどう
いう意味?咲は歌いながら、いつもそう思う。そして舞と共に、これからもずっと一緒
にいようと誓うのであった。
おわり