どうしてそんなに女の子の扱いが巧いのか、といった趣旨の質問にその少女、夢原のぞみは。  
 
「え? あたし!? ・・・そうなんですか?」  
 
と、自分にその質問をされたことが意外に思えたらしく、しばらくは戸惑っていたが、ややあって考えをまとめ始  
めた。  
 
「んー、なんとなくだけど、相手の気持ちに自分の気持ちを重ねたら、わかるんです。  
 その子が、どうしたら気持ちよくなれるのか、って。  
 後は、自分が気持ちよくなるのと同じ要領かな?」  
 
そう答えた少女は自分の言葉に照れてしまったのか、  
 
「・・・いや、どうなんだろ、ただあたしが人よりエッチなだけかも?」  
 
などと笑って、言葉を茶化した。  
 
 
 
学校帰りに行われた、そんなやりとりを思い返したのは、質問をした本人、水無月かれん。  
 
(やっぱりすごい・・・、この子・・・)  
 
一筋の涎が垂れた、だらしない口元。視点の定まらない虚ろな瞳に涙を流して潤ませている。そんな、ぐったり  
した姿で、彼女は今、ベッドの上に横たわっていた。もちろん全裸で。  
 
本日は『プリキュアの友情を育む会』の開催日。回を5回に重ねて行われている同会の、夜も更け、第2部にさ  
しかかったところである。  
かれんはその、最初の餌食としてのぞみに押し倒され、激しいアクメの果てに力尽きていた。  
 
 
 
『プリキュアの友情を某』という集まりは、キュアドリームこと夢原のぞみが提案したものだ。親睦を深めるという  
名目で行われている女の子同士の睦み合い。キュウアルージュの夏木りんとのぞみはもとより幼なじみであっ  
たから、初回はキュアレモネードの春日野うらら、第2回はキュアミントの秋本こまちを迎える形の会となり、第  
4回からはキュアアクアである水無月かれんも加わった。  
 
今になって思えば、みんながかれんを誘った時の含んだ笑みは、こういうことかと理解できる。  
特に、親友のこまちなどはすっかり女の子同士の睦み合いにも慣れ、先程から後輩のりんと優しいペッティング  
で戯れている。  
 
「うふふ、もうこんなに固く尖らせちゃって・・・」  
「んっ! こまちさんがそこばっか触るからじゃないですかぁっ!」  
 
かれんが知る限りのこまちは、少なくとも同性愛の兆候など無かったはずだったのだが。  
おそらく、それは他のメンバーもそうなのだろう。  
間違いなく、その原因は、あの少女だ。  
 
「さぁ、そろそろキメちゃおうか? ハジけるときの可愛い顔、たっぷり見せてね♪」  
「いやぁっ、のぞみさん、だめぇっ、おおきいのきちゃうううっ!!」  
 
かれんの横たわるベッドの下、広く敷かれた布団の上でその二人の少女は、すべてを脱ぎ去った瑞々しい裸身  
を絡ませあっていた。  
そのうちの一人、断続的に起こる快感の波にほだされ、そしてついに大波を受け入れてしまったのがうららという  
少女。  
そしてその、一月も前はまだ小学生だったその少女に、大人も顔負けの艶を与えた人物こそ、この『プリキュア  
の友情を育む会』主催者、夢原のぞみである。  
 
この4月に中学3年生になったかれんだが、まさか自分が、年下の少女に身体を思うまま嬲られて、浅ましく絶  
頂を迎えまくるとは、思うはずもなかった  
 
(なんだか、流されるまま、ここまで来ちゃったけど・・・本当にこれで良いのかしら?)  
 
柔らかく晴れていくアクメの霧を心地よく感じながら、次第にクリアになっていく思考で、かれんは考える。  
 
確かに、プリキュアとしてナイトメア達と戦う以上、仲間同士の結束は堅いにこしたことはない。  
あのときに襲ってきた怪物「コワイナー」や、そいつを操る謎の怪人を相手にして、自分たちが単独で戦っても苦  
戦を強いられることは必須。それに対抗するには、自分たち5人のプリキュアが手を取り合い、団結したチーム  
ワークであたるしかないだろう。そのために必要なリーダー、プリキュアの中心は、おそらく自分ではなく、夢原  
のぞみだろう、とかれんは考えるのだ。  
 
(そのことは・・・問題ないのよ。夢原さん・・・あの子は私が持ってない、みんなを前向きに導いてくれる不思議な  
 魅力を持っている)  
 
だが、その団結に、このレズビアン行為は必要なものなのか?  
性的な快楽だけでつながる団結、・・・とまで、切り捨てるつもりはない。少なくとも自分も、のぞみから与えられる  
性感自体を否定しない。  
 
しかし、プリキュアのリーダーと、レズビアンのミストレス(女主人)を、混同してしまって良いものか?  
自分がプリキュアとしてのぞみを助けて戦うことと、こうやって彼女に対して性的に屈服してしまうことは、別物の  
はずだ。  
 
かれんはその性分として、そんな小難しいことを考えてしまった。  
 
(そうだ・・・プリキュアでない生身の私たちの中で、私があの子に、一方的にされているのは、何かがおかしいわ!?)  
 
何事も自分が一番でなければならない、などといった傲慢を心に秘めているわけではないが、それでもかれん  
は、自分がのぞみの先輩であるという『意地』を多大に持ち合わせていた。  
 
(せめて、この女の子同士の関係においては、完全に屈するわけにはいかない!)  
 
アクメの微睡みも晴れ、瞳に強い意志の光を宿したかれんは、のそりと起きあがった。  
 
 
%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%  
 
 
かれんが身を起すと、眼下では新たな睦み事が展開していた。  
うららを絶頂させて、のぞみの次の標的はりんとなったようだ。力尽きてぐったりしているうららを手放し、今度は  
りんを袂にたぐり寄せて、その身体を撫で回している。普段は勝ち気なりんではあるが、こうしてのぞみの懐に  
抱かれるととたんにしおらしくなるようだ。  
 
「のぞみ、・・・や、やさしく、・・・して、よね?」  
「わかってるって、まかせてよ」  
 
そうして、りんを抱えるようにして背中から抱きしめたのぞみは、彼女の身体をまるで大型の楽器のように扱い、  
首筋に舌を這わせた。  
 
「ひ、ぃん・・・はぁぁぁあ、あうん・・・」  
「りんちゃんの可愛い声、もっと聞きたいなぁ〜?」  
 
彼女の耳元に囁いて、幼馴染の少女から甘い声を引き出していく。  
そんなのぞみとりんの絡み合いを見て、かれんの意地にも火がついた。  
 
「ねぇ、こまち、こっちにこない?」  
 
こちらもまた幼馴染であるかれんの声に、こまちは少しだけ驚いた。  
いままでこうやって『プリキュアの某』に参加してきた二人だが、かれんがこまちを誘うのは初めてだったからだ。  
こまちは、自分を手招きする幼馴染の少女に、わずかに高鳴る鼓動を隠しながら、小さく頷き返した。  
 
きし、と小さなベッドのきしみの音と共に、こまちがかれんの側に寄り添う。  
 
「はじめてね、かれんが私を呼んでくれるのって」  
 
足を崩して座るかれんに、身を乗り出すようにして顔を近づけ、囁くこまち。  
 
「そうね、・・・でも」  
 
そっと、その面差しを近づけてくるこまちに、かれんも応え、  
 
「いままで、夢原さんに抱かれてるこまちを見てるのって、ちょっと癪だった」  
 
差し出される唇に、そっと自分の唇を重ね、かれんはこまちと触れ合い始めた。  
古い友人同士が初めて交わすキス、ほんの少し前までならば、まさかこんな風に肌を寄せ合うことになるなど  
考えてもみなかった。しかし、唇を重ねる今の二人には、それはごく自然な行為で、お互いの体温に安らぎすら  
感じてしまう。  
 
「・・・私もよ、かれん。私も早く、かれんと、・・・こうしたかった」  
 
かれんの唇に名残を惜しみつつも離れたこまちは、そんな風に今までの思いを吐露した。その言葉にかれんも、  
小さく頷き、お互いの想いが一緒であったことを確かめ合った後、再び唇を重ねた。  
そしてかれんは、唇を重ねたままこまちを抱き寄せ、少しだけ強く、抱きしめる。  
二人の、15才の少女の胸が重なり、抱きしめられることで押しつぶされていく。  
こまちがかれんに身を預けるようにして力を抜くと、その身体を横に倒すようにしてかれんが押し倒す。ベッドの  
スプリングがきしりと音を立て、二人を受け止めた。  
 
 
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一番年少のうららが疲れて眠ってしまった後、この部屋は、二組のペアが奏でる嬌声に支配されていた。  
ほぼ時を同じくして、それぞれのペアの行為にクライマックスが訪れ、声を重ねるようにして果てた。  
 
お互いのパートナーを、優しい後戯で宥め、それぞれを眠りにつかせた後。  
 
「やっぱり、水無月先輩とこまちさん、お似合いだ〜・・・」  
 
眠るりんとうららに布団を掛けてあげながら、のぞみが声を潜めて言った。  
 
「そう? ・・・まぁ、悪い気はしないわね、そんな風に言われると」  
 
同じく、こまちをベッドの端に寝かせ、布団を掛けてやった。意図的にこまちを端に寝かせたのには、もちろん  
理由がある。  
 
子供用の、それほど広くもないベッドだが、そこに寝るのが少女ともなると、少しの無理は効く。  
かれんは、そこに『場所』を作ると、視線をのぞみに向けた。  
 
「ねぇ、夢原さん」  
 
全裸。  
思春期、中学生としての発達、それも大人に近づいた柔らかさがある身体。身体を構成するパーツが丸みを  
帯び始め、それでもすらりとした清廉さがある。大人と子供の中間、両方の魅力を併せ持つ、輝くような裸身。  
先ほどこまちと肌を重ね、熱く火照った肌を桃色に染めたかれんは、そのスペースに横たわった。  
横臥し、自分の傍らに後もう一人が横になれるスペースを作り、こまちはのぞみに声をかけた。  
 
「こっちで、一緒に、眠らない?」  
 
自分の横に作ったシーツの空間を掌でさすり、場所があることを促す。  
 
「うん!」  
 
同じく全裸。  
まだまだ小学生高学年といっても差し障り無い、未発達な身体。ほっそりとした四肢にはまだ女性の柔らかさ  
よりも子供の脆さの方が目に付くものの、それでも無垢な美しさがあった。いつもはリボンをしている髪も今は  
ナチュラルに流れ、普段とは違う愛らしさがある。  
かれんの誘いに、迷うことなく頷いたのぞみは、眠る少女達を起さぬよう、そっとベッドにあがった。実際の所、  
先ほどまでの激しい行為に疲れた彼女たちは、少々のことで目を覚ましたりしないのだが。  
 
さすがに3人が眠るとなると、少し狭い。それでもかれんはのぞみと向かい合い、お互いが抱き合うようにして  
横になると、何とかゆとりも出来た。  
 
「ねぇ、夢原さん」  
 
抱き合いながらも少しの身長差から、かれんの声はのぞみのおでこの辺りから聞こえてくる。  
 
「ええと、水無月先輩」  
 
少しうつむくようにしてかれんの鎖骨辺りにぼんやりと視線を漂わせていたのぞみは、かれんの問いかけを  
遮るように、声を出す。  
 
「あたしのこと、『のぞみ』でいいですよ?」  
 
くすり、と笑い、かれんが答える。  
 
「私、それを訊こうとしてたのよ、今。こまちみたいに、あなたのことを『のぞみさん』って呼んでもいいかな?って」  
 
くふふ、と楽しそうな含み笑いを漏らし、のぞみも応じた。  
 
「じゃあ、あたしも先輩のこと、『かれんさん』って呼んで、いいですか?」  
 
いいわよ、と躊躇無く答えたかれんに気をよくしたのぞみは、お試しとばかりに、かれんさん、と小さく呼びかけ  
てみた。かれんもそれに、なあに? のぞみさん、と応じてみる。  
 
「呼んでみただけです、かれんさん」  
「変な人ね、のぞみさん」  
 
ひそひそと声を潜めそんなやりとりをした後、それでもまだ足りないのか、かれんさん、のぞみさん、かれんさん、  
のぞみさん、と繰り返し、お互いの名前を呼び合った。  
そして最後は二人で笑い、お互いを抱きしめる手に込める力を、強くした。  
 
「あなた、いつも私たちを気持ちよくする側で、いいの?」  
 
不意の問いかけに、のぞみは、へ? などと間抜けな声を漏らしたものの、かれんのいわんとする意味を掴み、  
ぽつりぽつりと答えだした。  
 
「あんまり考えたこと無かったですけど、・・・なんとなく、『何かをされる人』よりも、『何かをする人』のほうがあた  
 しに合ってるというか・・・」  
「つまり、あまり受け身にはなれない、ってことかしら?」  
 
そうそう、それです! のぞみはそういって、かれんの適切な言葉を借りた。  
 
「あたし、受け身で何かを待ってるのって、どうも苦手なんです」  
 
それは何となく、かれんにも納得できた。初対面の時から積極的。前向きで、動きを止めることをしない。  
迷いを持っていた自分がプリキュアになれなかったときも、必ずなれる、と信じ、あきらめることをしなかった。  
それは、悪く言ってしまうと、短絡で思いこみが強く、融通の利かない性格とも言える。  
 
しかしかれんには、その性格が短所とは思えない。  
なぜなら、そんなのぞみのベクトルは、かれんのことを、他人のことを想い、信じているからこそ発揮されるも  
のだということを知ってしまったからだ。  
 
「やっぱりあなた、変な人ね」  
 
かれんには、実は少しの目論見があった。  
今まで、他の少女を快感に導くだけで、自分はそれを得ようとしなかったのぞみに、快楽の味を覚えて貰おう。  
自分でそれを知ってしまえば、決して一方的な交歓にはならないはずだ。皆がのぞみだけを求め、のぞみだけ  
に性的な依存を求めるようなことにはならない。  
そして、のぞみにそれを教えるのは、先輩である自分でなくてはならないだろう、と。  
そうすることで自分たちの関係はもっと良くなるだろうし、かれん自身も、先輩としての面目を保つことが出来る。  
 
だからこそ、今ここで、行動を起さねばならないのだ。  
 
「じゃあ、たまには、私に甘えてみなさい」  
「え?」  
 
かれんは、のぞみの疑問を、キスで遮った。  
 
「たまには、私が気持ちよくしてあげるから、あなたは『受け身』でいなさい」  
 
かれんの言葉に、戸惑いながらものぞみは小さく、ウン、と頷いた。  
 
 
 
%%%%%%%%%%%%%%%%%%  
 
 
 
「んん・・・う・・・ん」  
 
かれんは、のぞみの上に重なるようにして肌を合わせ、彼女の自由を奪っていた。まるで男性が女性を強姦す  
るような姿勢。のぞみの手首をかれんが押さえ、もぞもぞと動くのぞみの腰の動きに合わせて、自らも肌をすり  
寄せる。放っておくとのぞみは、自身も手を動かせて、かれんの愛撫に回ろうとするからだ。  
 
だからしばらくの間、のぞみから力を奪うために、かれんは執拗なキスを続けた。唇の間、のぞみの歯の隙間  
をぬって差し込んだ舌をせわしなく動かせ、のぞみの舌と絡ませあった。  
 
「・・・・・・ん、ぷは、ぁ・・・」  
 
そしてかれんがのぞみの唇を解放したのは、彼女の腕から力が抜けたのを確認したからだ。  
のぞみの腕を解放し、かれんはあいた手で、本格的な愛撫を開始した。  
 
「あ・・・ん、か、かれんさん、すごい、じょうずだよぉ・・・」  
 
首筋に唇を這わせ、掌は胸をさすりながら、かれんはのぞみを抱いた。先ほどのこまちとの行為でそれなりに  
自信は得ていたのだが、今のぞみから『上手』といわれたことは、確かにかれんを調子づかせた。  
 
「うふふ、そうかしら? 私が巧いんじゃなくて、あなたのほうが感じやすいだけなんじゃないの?」  
 
かれんの白い足がさらりとシーツと衣擦れの音を立て、モジモジと所在なげなのぞみの足と絡み合う。のぞみ  
の股の間に割り込ませたかれんの太股が、すでに濡れ始めた秘部にあてがわれ、ぬる、ぬると擦りつけられる。  
 
「ひゃあん、そんな、ことないもん!」  
 
のぞみは言葉で否定するものの、身体は明らかに興奮で乱れていた。かれんの指は女の子の敏感な部分を  
次々と攻め、のぞみをどんどんと高めていく。それらは、かれん自身が受けたのぞみからの愛撫を参考にした  
テクニックであり、いわばかれんがのぞみにお返ししているようなものなのだ。  
 
「それじゃ、そろそろ、楽にしてあげようかしら」  
 
そんな言葉を、少しの優越感を伴って告げてみる。先ほどのこまちを相手にしたときもそうだが、自分はどちら  
かというと、『される』側より『する』側の方が向いてるんじゃないかと思えてくる。  
弄ばれて快感を与えられるのではなく、相手を自分の指先で操るという快感。  
 
「んんんあああっっ!! だめぇ〜〜っ!!」  
 
かれんの指先の動きに合わせて、身をよじってよがるのぞみ。  
そんな少女を見ながら、やはり自分は、『する』側の人間だ、とかれんは思った。  
そして、のぞみのクリトリスをつねりあげ、彼女を絶頂に導いたのだった。  
 
 
%%%%%%%%%%%%%%%%%%  
 
 
「・・・どうだった? 受け身になった気分は?」  
 
ぜえはあ、と荒い息を吐くのぞみに、優しくそう問いかけたかれん。  
初めて自分主導でのぞみを逝かせたことで、かれんはここ数日喪失気味だった『先輩のゆとり』といったような  
ものを取り戻していた。  
自分は、性的な面でこの少女に屈した訳じゃない、そう思える。  
 
今なお途切れない荒い息、それを吐く、のぞみの可憐な唇。  
かれんは、可愛い後輩の小さな唇を眺めているうちに、それを最後にキスで閉じてやりたい、そんな衝動に駆  
られた。  
かれんは、そっと、のぞみの唇に、自分の唇を重ねた。  
 
 
 
しかし、それはこの場において、かれんの取ってはならない行為だった。  
 
 
 
ずじゅる。  
強く、何かを吸い込む、湿った音。  
 
キスで差し込んだかれんの舌が、のぞみに強く吸われた。  
 
ぞくり!  
 
たったそれだけ。  
たったそれだけの行為で、かれんは惨めにも、背骨の力を奪われてしまった。がくり、と全身が脱力する。  
 
(ええっ!!!)  
 
驚愕するかれんだが、自分の舌から送られてくる麻薬のような陶酔感に酔わされた。先ほどまで心に構築され  
ていた、先輩としてのゆとりなどといったものが、アッサリと崩れてしまった。自分が先ほどのぞみの力を奪うた  
めに行ったキス、それに比較するとバカみたいな短い時間で、その効果を引き出されてしまった。ほんの一瞬だ。  
 
唇が溶け合うくらいに密着させ、自分の舌を絡めながら相手の舌を強くバキュームする、キス。  
 
ほんの数秒の行為でかれんは、この少女のぞみとの立場を逆転させられてしまった。  
単純に、テクニックどうこうといったものを超越した、魔性の技。  
 
キスを終えた二人。先ほどまでと状況が一変。  
かれんは、荒く短い息を激しく行い、のぞみは、すっかり収まった呼吸で、余裕のある笑顔。  
 
「かれんさん、気持ちよかったよ〜! 今度はあたしが、かれんさんを気持ちよくしてあげますからね!?」  
 
自分は確かに、彼女を絶頂に導いたはずだ。かれんは、この状況が信じられない。大きいアクメに至ったはずの  
のぞみが、どうしてこんなに早い復活を遂げているのか。  
 
「それじゃあ、かれんさんもたくさん逝っちゃってくださいね〜っ!!」  
 
じゅぷっ!  
 
「ひ!!」  
 
短く、鋭く、かれんが泣く。のぞみの指は、かれんの秘裂の中心、膣の入り口へと潜り込んでいた。  
 
「ひ、ひゃああああぁぁああぁっ、だめ、だめぇっ、ぬいて、ぬいてぇええっっ!!!」  
 
かれんは、先ほどまでの先輩らしさなど無かったかのように、年下ののぞみに嘆願する。  
自分の、女の子の、処女の証である膜を、のぞみの指先で撫でられている。  
指先での破瓜、その恐怖に震えると同時に、女としての肉体反応が、熱くぬめる淫液を大量に吐き出していく。  
 
「だーいじょうぶ、だいじょうぶ。処女膜まで破ったりしませんから」  
 
のぞみは、歌うように言いながら、ちゅぷ、ちゅぷと膣に忍ばせた指先を動かす。脂汗を浮かべ身体を痙攣させる  
かれんは、この段階ですでにいくつもの小さなアクメを迎えていた。  
びく、びく、と何度もアクメに体を震わせ、ぼろぼろと涙をこぼして泣きじゃくる。  
 
「う、うえっ、うえええん、だめ、だめぇ、のぞみさん、こんなのだめぇええっ!!」  
「大丈夫、安心していいですよ〜?」  
 
釣り上げられた鮎のように跳ねる身体を押さえて、のぞみはかれんに絶え間ない快楽を送り続ける。その動き  
は時に強く、時に優しく、かれんの心の隙をつく巧みさで、一気に性感を高く押し上げていく。  
女同士の戯れから一歩、男女の性交に近づく、膣への挿入。  
その、未知の領域へ進入するのぞみの指、かれんは快感と不安の混ざった、狂おしい刺激に悩まされていた。  
 
「んーーーー、じゃ、やめちゃおうか?」  
 
ちゅる、っとぬめる音を立てて、のぞみの指が引き抜かれた。  
 
「いやぁっ、だめえっ、やめないでぇえっ!!」  
 
かれんは、即座に懇願した。  
そこには、ほんの一瞬の躊躇もなかった。感じていた不安も、すでにかれんは自分の快楽に取り込んでいた。  
そうなるとのぞみが意地悪も含めて意図した、『焦らし』の効果も、全く意味をなさない。そんなことをしなくても、  
もうとっくにかれんはのぞみの前に屈服していたのである。  
 
「えーと、そういうことなら・・・」  
 
少し肩すかしを食らったのぞみだったが、気を取り直し、膣口への愛撫を再開した。  
ちゅく、と湿った音を立てて指を入れ、その第一関節から先を、小さな虫のように動かして刺激する。  
 
「ひうん、ああ、こわい、こわいの、それ、こわいのよぅ・・・」  
 
のぞみは、子供のように怯えながらも嫌がらず、自分の与える刺激を求めるかれんのことを想った。そうすると  
自然に、空いた手で彼女の頭を抱えるように抱きしめていた。  
 
「だいじょうぶ、こわくないから。もっと気持ちよくなるから、ね?」  
 
こくりと頷くかれんを確認してから、のぞみは、彼女の膣口に進入させていた指先を、もう一本、増やした。  
 
「ん!」  
 
そしてその指を、あふれる愛液の中で泳がせるように、くちょくちょと動かす。相変わらず泣き声をあげながらも  
かれんは、のぞみにしがみついたままで、逃げ出すような動きを見せなかった。びく、びく、と身体を激しく痙攣  
させ、のぞみが作り出す刺激を全身余すところ無く充満させていった。  
 
のぞみがとどめとばかりに、指先をほんの少し伸ばし、爪の先で、かり、と処女膜をひっかいた。  
 
「いや、いやああああああああああああああああああああああっっっっ!!!!!」  
 
そしてかれんは、強く、大きな絶頂を迎えた。  
たったあれだけの愛撫、その前に簡単に屈してしまった自分。  
もう、性の戯れにおいてのぞみと張り合おうなどと言う、かれんの心の強さは、ここに完全に折れてしまったのだ。  
 
がくりと脱力するかれんの唇に、のぞみの唇が重ねられた。  
当然、かれんがのぞみのキスから主導権を奪い返すなどと言う、奇跡の逆転劇は起こせなかった。  
それどころか、自分はこの少女にはかなわない、という強い敗北感が精神の深いところに根付いてしまっていた。  
そうしてかれんは、のぞみの甘いキスを、幸せそうに受け取った。  
 
「おやすみ、かれんさん」  
 
のぞみがそういって、彼女の側で眠りにつく。  
かれんは性において、自分はどうあがいても彼女の下僕であることを、強く思い知らされたのだった。  
 
 
 
%%%%%%%%%%%%%%%%%%  
 
 
 
「いってきまーす!」  
 
家族に声を掛け、のぞみが家を出た。  
他の4人は先に出ており、玄関の前でのぞみを待っていた。昨夜も夜遅くまでのぞみにイカされまくった少女達  
は、足腰が立たずに昼前まで眠っていたのだが、それでも何とか起きて昼食を摂り、こうして約束のショッピング  
へと出かけることが出来るようになった。  
 
しゅっぱーつ、と元気なのぞみの掛け声で、一行は歩き始める。  
その、一番後ろに続きながら、かれんはぽつりと言葉を漏らした。  
 
「・・・不思議な子だわ」  
 
その言葉に、自分の隣を歩いていた親友のこまちが頷き、同意する。  
誰のことを指しての言葉なのか、名前を出さずとも伝わっているようだ。  
自分たちの前を歩く女の子3人の中心、夢原のぞみ。  
 
まず始めにのぞみが歩きだし、その親友のりんが肩を並べて歩く。そしてのぞみの半歩後ろに、うららが続く。  
こまちとかれんは、その3人の数歩後ろ、彼女らを見守るように付いていく。  
 
こうして5人で歩いていると、その立ち位置が5人の関係をそのまま表しているようで、かれんは奇妙なおかしさ  
を感じた。  
やはり中心にいるのはのぞみである。それは、夜の睦み事でみんなを手懐けてしまったから、という理由だけ  
ではないだろう。  
 
自分自身のためではなく、親友、後輩、先輩、そういった他人のために一生懸命になれる人間だからだ。だか  
ら周りに人が集まる。集まった人間も、のぞみのために何かをしてあげたくなってくる。  
彼女が自分に向けてくるピュアな気持ちは、何ともくすぐったく、暖かい気持ちにさせてくれる。そんなのぞみの  
ことを、かれんは、大事にしてやりたいと思った。  
他人の夢に対して一生懸命応援するのぞみが、いつかは自分自身の夢を見つけられる日まで、こうやって数歩  
後ろで見守ってやるのも、悪くない。  
彼女が困ったときに頼ってくれるような、いい先輩になろう。  
生徒みんなに対する生徒会長としてではなく、夢原のぞみの、素敵な先輩になろう。  
かれんはぼんやりと、そんなことを考えていた。  
 
「よ〜し、けってーい!!」  
 
一人思索に気を向けていたかれんだったが、のぞみの元気な声に引き戻された。  
会話に追いついていないかれんに、隣にいるこまちが言葉を添える。  
 
「ドリームコレットでココさんたちの願いを叶えた後、何か自分だけの願い事はないか? って話だったんだけど・・・」  
 
心なしか顔を紅く染めたこまちに、かれんはなにやら妙な胸騒ぎ。そしてその胸騒ぎを裏付けるような『願い事』を、  
のぞみが発表した。  
 
「あたしの願い事は、出し入れ自由な、おっきいオチンチンを付けてもらうことっ!!」  
 
ぶっ、とかれんは思わず吹き出す。人通りのない道とはいえ、女の子が往来で話す内容ではない。しかしのぞみは、  
そんなことはお構いなしに、楽しそうに話す。  
 
「そのオチンチンで、みんなのバージン、貰っちゃうぞー!!」  
 
あんたねぇ、そう簡単にあたしのバージン、あげるわけないじゃない、・・・とりんが言えば、  
わたしだったら、喜んで捧げちゃいますけど? ・・・とうららが応じる。  
私も、のぞみさんだったら、いいかな、・・・とこまちまで頬を染めるものだから、  
べ、べつに、あげないとは言ってないでしょ、あげないとは! ・・・とりんも否定に否定を重ねて肯定する。  
 
そんな仲間達をみて、かれんは激しく動揺した。  
 
(え? ちょ、まって、バージンあげるってことは、・・・『あの』先へ進む、ってこと?)  
 
昨夜ののぞみからの愛撫、指を入れられ、怖さに震えた。しかし同時に、『おんな』としての嬉しさに、自分は震えたのだ。  
それを思い出したとき、かれんの胎(はら)の中にある女の証が、ずくりと疼いた。  
 
「よーし、その為にも、頑張ってドリームコレットを護るぞーっ!!」  
「「「YES!!!」」」  
 
それは、言ってみれば、少女達の契りの誓い。  
女同士でありながら男女のように結ばれる、その為にまずは成さねばならぬことがある。  
のぞみが元気に声を上げ、りん、うらら、こまちがそれに応じる中、少し離れていたかれんは。  
 
あたふたと右を向き、左を向き、そして正面を見たときに、  
振り返ってこちらを見る笑顔ののぞみと目があって、  
とろり、と蜜をこぼす自分の股間の熱さに身を震わせながら、  
 
小さいながらも確かに、yes、と呟いた。  
 
 
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