「さあ上がって、りんちゃん」
のぞみはそう言いながら、玄関の扉を開けた。
普段は一人っきりで帰ってくるのぞみだが、今日は友人を連れていた。栗色の
髪を短く切りそろえた、ボーイッシュで快活そうな感じの少女。のぞみの一番の
親友、夏木りんだった。
いつもは健康そのもので、病気などほとんどした事のないりんだが、今日は様
子が違っていた。頬は朱色に染まり、耳まで真っ赤になっている。額には大粒の
汗を浮かべ、肩を上下させながら苦しそうに息を吐き、足元をふらつかせていた。
まるで高熱にうなされているかのような雰囲気だが、不思議と熱はなかった。
のぞみは今日、いつも通りの時間に下校し、家へ向かっていた。その途中でり
んを見付けて声をかけたのだが、その様子が普段と違っていたため、家まで連れ
てきたのだ。今日は父も母もいないが、ベッドに寝かせて薬を飲ませるくらいな
ら、自分でもできる。そう考えて、ここまで来てもらったのである。
家に入るなり、りんはフラフラと身体を揺らし、壁にもたれかかった。それを
見たのぞみは、慌てて手を差し伸べ、りんの身体を抱きとめた。
「大丈夫、りんちゃん? 風邪でもひいたの?」
「分からない‥‥変身を解いたときから、ずっとこんな感じで‥‥」
「変身?」
その言葉を聞いて、のぞみはハッとなった。りんは今日、初めてプリキュアと
なって、ナイトメアと戦ったのだ。前にも変身したことのあるのぞみと違い、り
んは今日が初めての変身だ。それで、身体に何らかの負担がかかり、こんな状態
になったのかもしれない。
のそみはりんを自分の部屋まで連れて行き、ベッドの上に座らせた。りんは腰
を下ろすと、胸に手をあて、ふーっと息を吐いた。そして顔を上げて、部屋の中
を見回した。
久しぶりに訪れたのぞみの部屋は、りんの記憶にあるものとほとんど変わって
いなかった。ぬいぐるみも、洋服ダンスも、本棚も、みんな昔のまま。変わった
ところといえば、壁にかかった鏡の位置が、少し上がったことだけだった。
(のぞみって、昔からぜんぜん変わってないのね。良かった、あたしの知ってる
のぞみのままでいてくれて‥‥)
幼稚園の頃からずっと一緒だった二人だが、ここ最近は以前ほど頻繁に話をし
なくなっていた。りんがしょっちゅう運動部の助っ人を頼まれ、忙しくなってい
たからだ。だからりんは、自分の知らないうちに、のぞみが以前とは違う子になっ
てしまったんじゃないかと思い、不安になっていた。
だがそれは、杞憂に過ぎなかった。のぞみは今も、りんが知ってるのぞみのま
までいてくれた。のぞみは小学校の頃から、何も変わってない。自分がよく知っ
ている、この世で一番大好きなのぞみのままだ。
「待ってて、りんちゃん。今、お薬を持ってくるからね」
のぞみはそう言い、台所に行こうと腰を上げた。
だがその直前、りんはのぞみの制服の袖をつかみ、自分の方へと引き寄せた。
いきなり後ろから引っ張られたのぞみは、足を止めてりんの方へ振り返った。
「えっ? どうしたの、りんちゃん?」
「‥‥のぞみ‥‥」
苦しげに息を吐きながら、りんは言葉を繋ぐように声を発した。
その表情を見たのぞみは、胸がドクンと高鳴るのを感じた。いつも見慣れてい
るはずのりんの姿が、やけに色っぽく見える。トロンと蕩けた目、朱く染まった
頬、呼吸をするたびに上下する胸元‥‥それら全てが、ゾクッとするほど美しく
思えた。のぞみは自我を失ったかのように、りんの姿に見とれた。
‥‥と。りんは不意にベッドから立ち上がり、のぞみの頬に手を当てた。りん
の細い指先が顔に触れ、のぞみは我に返ってギクリと肩を震わせた。
「な‥‥なに? 何なの、りんちゃん?」
「のぞみっ‥‥!」
りんは腕に力をこめ、のぞみの身体を引っ張った。突然の出来事に、のぞみは
悲鳴を上げる間もなくベッドの上に押し倒される。その上へりんがのしかかり、
顔を近寄せたかと思うと、のぞみの口に自分の唇を押し当てた。
(えっ‥‥ええっ?)
一瞬、何が起きたのか理解できなかった。だが、目の前にまで迫ったりんの顔、
そして唇に伝わる温かな感触を感じ取った瞬間、のぞみはようやく悟った。自分
は今、りんにキスされているのだということを。生まれて初めてのキスを、女の
子に奪われたのだということを‥‥。
血が逆流し、パニックになったのぞみの唇を、りんの舌がこじ開けた。かすか
に開かれた唇の隙間から舌をねじ入れ、先端をのぞみの舌に触れさせる。その表
面をチョンと突付いてから、のぞみの咥内を蹂躙するかのように、唇や頬裏や歯
の先を丹念に舐めていった。
「んっ‥‥ん、んんーっ‥‥!」
声にならない声を発しながら、のぞみは手足をばたつかせ、りんの腕を振りほ
どこうとした。しかし、普段からスポーツで鍛えているりんに、力で勝てるはず
がない。両手首をつかまれ、ベッドに抑えつけられた体勢で、のぞみはなすすべ
もなく唇を吸われ続けた。
「‥‥ぷはっ」
永遠に続くかのような時が終わり、りんは唇を離した。
りんの眼下に、ベッドの上で横たわるのぞみの姿があった。のぞみは視線も定
まらないまま天井を見上げ、顔を真っ赤に染め上げている。いったい何が起こっ
たのか、まだ理解できていない様子だった。
「り‥‥りんちゃん‥‥?」
ようやく意識を取り戻したのぞみは、息も絶え絶えに言葉を発した。親友であ
るりんも聞いたことのない、小さくてか弱い声だった。
「りんちゃん‥‥どうして、こんな事を‥‥」
「分からない‥‥さっきからずっと胸が熱くて、身体の奥が疼いて‥‥のぞみを
見たとたん、気持ちが抑えられなくなって、こんな事をしちゃったのよ‥‥」
「‥‥もしかして、変身したときから、ずっとなの?」
「うん。キュアルージュになったときから、こんな感じよ‥‥」
その言葉に、のぞみは何かに気付いたように息を呑んだ。
キュアルージュの通り名は「情熱の赤い炎」。その名のとおり、強い情熱の心
を胸に抱いている。ということは、変身すると、普段は胸の奥に秘めている思い
が強まり、感情を昂ぶらせるんじゃないだろうか? その影響で、こんな状態に
なってしまったんじゃ‥‥?
(でも、待って‥‥それじゃどうして、りんちゃんはこんな事をしたの? いく
ら感情が強まったと言っても、それだけでキスなんかするはずないのに‥‥)
そこまで考えを巡らせて、のぞみはハッとなった。りんは、感情が昂ぶったか
らキスをした。と、いう事は‥‥。
(そうか‥‥りんちゃんは、あたしの事が好きなんだ。だからいきなり押し倒し
たり、無理やりキスしたりしたんだ。なんで今まで気付かなかったんだろう‥‥?)
思い返せば、りんはいつものぞみと一緒だった。転んで怪我をしたときも、迷
子になったときも、いつも横にいてくれた。りんはスポーツ万能で格好良いから、
女子からの人気も高いのに、いつものぞみの事を第一に考えてくれている。その
理由は、たった一つしかない。りんは、のぞみの事が好きなんだ。
自分の鈍さに、のぞみは唇を噛み締めた。りんは、そんなのぞみから身体を離
し、頭を下げながら、
「‥‥ごめん、のぞみ」
と、短く言った。
「やっぱり、女の子同士でこんなことしちゃいけないよね。のぞみは嫌がってい
るんだから、無理やりやったらダメだよね。ごめん、ごめんね、のぞみ‥‥」
「謝らなくてもいいよ」
のぞみは、りんの肩に手を置きながら、にっこりと微笑みかけた。
「あたし、嫌がってなんかいないよ。りんちゃん、あたしの事が好きなんでしょ?
それならあたし、怒ったりしないよ。ううん、むしろ嬉しいくらいだよ。だって
あたしも、りんちゃんの事が好きなんだから」
「ホ‥‥ホントに?」
「うん。だからあたし、りんちゃんになら何をされてもいい。どんな事をされて
も、相手がりんちゃんなら、絶対に怒ったりしないよ。だからりんちゃん、気に
しないで続けて。あたし、もっとりんちゃんと愛し合いたいよ」
「のぞみ‥‥!」
りんの両眼が、かすかに潤んだ。今にも泣き出しそうな顔を見られまいと、り
んは手をいっぱいに広げて、のぞみの身体に抱きついた。
二人の顔と顔が、ほんの数センチの間を隔てて向かい合う。二人はどちらから
ともなく目を閉ざし、顔を近寄せて唇を重ねた。
温かくて柔らかい感触が、互いの唇に伝わる。心を通じ合わせながらのキスは、
綿菓子のように、甘くてほのかな味がした。
りんはいったん唇を離し、口の奥から舌を差し出した。すると、のぞみもそれ
に応えるように舌を出し、舌先でりんの舌をつついた。それを合図に、二人は舌
を動かし、ねっとりと絡ませ始めた。表面のざらついた感触が伝わり、粘っこい
唾液が混ざり合った。
さっきよりもずっと深く、濃厚なキス。思いのままに舌を動かし、唾液を混ぜ
あわせていくうちに、二人の口から漏れる吐息が熱くなった。それに合わせるか
のように、身体も熱くいき、心が燃え上がっていった。
「ん、はっ、ああっ‥‥のぞみ、好きだよ‥‥のぞみ‥‥」
「あたしも、りんちゃんが好き‥‥あっ、んんっ、大好き‥‥」
せわしなく舌を絡ませながら、囁くように声を投げかけあう。艶っぽくかすれ
た声は、媚薬のように二人の耳に心地良く響いた。
りんは口を離し、のぞみの身体をベッドに横たわらせた。そして制服のボタン
に指をかけると、のぞみの顔を見つめながら、言った。
「のぞみ‥‥いい?」
「うん、いいよ‥‥りんちゃんなら」
のそみがそう言うと、りんはフッと軽く微笑んだ。
赤いリボンをほどき、紫色の上着を脱がせる。その下の薄紫のブラウスのボタ
ンを外し、合わせ目を左右に広げると、雪のように真っ白な、のぞみの肌が露わ
になった。ブラは薄茶色のシンプルな色で、周囲に花弁状の小さなフリルが付い
ていた。
背中のホックを外すと、ブラは音もなくベッドの上に落ちた。それと同時に、
のぞみの胸がりんの目の前に晒された。まだ発育途上なのか、大きさは控えめだ
が、それでも女の子らしい弾力と瑞々しさに満ちていた。
「‥‥綺麗だよ、のぞみ」
「ホントに?」
「うん。真っ白で、すごく滑らかで‥‥まるで、赤ちゃんの肌みたい‥‥」
りんは、のぞみの首筋に口付けすると、チュッと軽く吸い上げた。のぞみは敏
感に反応し、小さな悲鳴を上げながら身体を震わせる。それを見たりんは、のぞ
みの肩、二の腕、わきの下、お腹へ次々とキスをした。そのたびに、のぞみは喉
の奥から可愛らしい声を発した。その声を聞くだけで、りんの他虐心は刺激され、
興奮が高まっていった。
りんは、のぞみの胸の膨らみに手を添え、指先で茶色い果実をつついた。もう
感じてしまっているのか、そこは既にプックリと膨らんでいた。
「のぞみ‥‥ここ、硬くなってるよ」
「だ、だって、りんちゃんが気持ちよくするから‥‥」
「それじゃ、もっと気持ちよくしてあげる‥‥」
りんは舌を出して、のぞみの屹立した乳首を舌先でなぞった。そして唇を胸に
つけ、ちゅーっと音をたてながら乳首を吸い上げた。
「ひっ、あああっ‥‥!」
のぞみはビクンと全身を震わせ、さっきよりも大きな声を上げた。温かくて柔
らかい舌の感触が、硬くなった部分を通して、網目のように全身に伝わっていく。
まるで、身体中に電気が走ったかのようだ。
「ふあっ、あ‥‥りん、ちゃん‥‥!」
「ここが気持ちいいのね? それじゃ‥‥」
りんは片方の乳首を二本の指でつまみ、器用にこねくり回した。人差し指の先
で突いたり、手を広げて乳房を鷲づかみにしたりしながら、もう片方の胸の果実
を舌で丹念に舐めていく。のぞみは駄々をこねる子供のように、首を左右に振り
ながら、両手でシーツを握り締め、喘ぎ声を発した。もう、りんにされるがまま
だ。
りんは乳房に添えた手の動きを止め、のぞみの肌をなぞるように、下の方へと
降ろしていった。そしてスカートの裾をたくし上げ、パンツの端に指をあてた。
「‥‥! りんちゃん、ダメッ‥‥!」
のぞみは太股を閉じようとしたが、りんはそれより早く手を動かし、指先をの
ぞみの秘部へ届かせた。指を動かすと、クチュリという音が響き、爪の先に生暖
かい感触が広がった。
「濡れてるよ、のぞみ‥‥いやらしいんだね」
「そ、そんな事、ないよ‥‥」
「それじゃ、これは何?」
りんは、のぞみの陰部に触れていた左手を、のぞみの目の前にかざした。ほん
の少し触れただけだというのに、その先は透明の液で湿っていた。それを見たの
ぞみは、恥ずかしそうに顔をうつむかせ、視線を横へ逸らした。
りんはクスクスと笑いながら、のぞみの腰をベッドから浮かせ、パンツをずら
していった。その手際の良さに、のぞみは気付かないうちに一糸まとわぬ姿とな
り、ベッドに横たわっていた。
さすがに羞恥心が生じたのか、のぞみは手で陰部を覆った。しかし、指と指の
間から、愛液に濡れた秘部が覗き見えている。そこはまだうっすらとした茂みし
か生えておらず、赤く充血した割れ目が露わになっていた。
「りんちゃん‥‥あまり見ないで‥‥」
「何で?」
「だ、だって、恥ずかしいよ‥‥」
「何が恥ずかしいの? のぞみの身体、こんなに綺麗なのに」
りんはベッドに膝をつき、陰部を覆っていたのぞみの手をどかせた。そして太
股に手を添えて、露わになった秘部に唇を付けた。溢れる蜜を舌で吸い上げてか
ら、充分に濡れた割れ目の入り口から、中指をそっと挿入させた。
「ふあっ‥‥んっ、あっ、ああ‥‥!」
今にも泣き出しそうな声を発しながら、のぞみは一糸まとわぬ裸体を、ベッド
の上でよじらせた。
誰も触ったことのない、自分でも触れたことのない部分に、りんが指を触れさ
せている‥‥そう考えるだけで、顔から火が出そうだった。しかしなぜか、抵抗
しようという気は起こらなかった。それはやはり、りんになら全てを晒け出して
も構わないという気持ちがあるからだろうか‥‥?
一番敏感な部分を弄ばれながら、のぞみは自身の胸を揉みしだき、指先で乳首
をつまんだ。爪の先が乳首に触れるだけで、のぞみの全身にしびれる刺激が走っ
た。自慰行為すらしたことのないのぞみにとって、りんの愛撫は刺激が強すぎる。
頭の中が真っ白になり、理性がどこかへ飛んでしまいそうだった。
「も、もう‥‥おかしく、おかしくなっちゃうようっ‥‥!」
「まだよ、のぞみ。一人だけイッちゃうなんて、許さないわよ」
りんはそう言うと、ベッドの上で膝立ちになり、制服を脱ぎ始めた。手早い動
作で上着と下着を脱ぎ捨て、最後に靴下とパンツを外すと、りんものぞみと同様、
一糸まとわぬ姿となった。
スポーツをしているためか、りんの身体には無駄な肉がほとんどなく、均整の
とれたスマートな体型をしていた。それでいて胸は平均以上の大きさを持ち、中
学生とは思えないプロポーションを持っている。小麦色に日焼けした肌と、肩や
太股に残る日焼け跡が、健康的で眩しかった。
りんは、のぞみの身体の上に乗っかり、互いの身体を触れ合わせた。そしてゆっ
くりと、自分の身体を前後に揺らし始めた。
汗で濡れた身体がこすれあい、豊かな胸がプルンと跳ねるように動いた。屹立
した胸の果実が相手のものに触れ、二人の口から甘美な吐息が漏れる。りんがさ
らに身体を密着させると、互いの秘部が触れあって、溢れる蜜がグチュリという
音を立てた。蜜は二人の太股をつたって、ベッドのシーツへと滴り落ちた。
「ああっ、のぞみ‥‥気持ちいい、気持ちいいよ‥‥!」
「あたしも‥‥お願い、もっと、もっと動いてえ‥‥!」
甘えるようなのぞみの声に、りんは身体の動きをさらに速めた。ただ前後に動
くだけでなく、のぞみの身体を愛撫することも忘れない。胸を揉みしだき、指先
で乳首を弾き、腰やお尻に指を滑らせる。そうするうちに、のぞみの声はさらに
大きく、そして甲高くなっていった。
気が付くと、のぞみは自分でも腰を動かし始めていた。意識したわけでもない
のに、身体が勝手に動いていた。もっと気持ちよくなりたい、絶頂に達してしま
いたい‥‥そんな気持ちが、本能のままにのぞみを動かしていた。
二人のお腹のあたりに、小さな火のようなものが灯った。それは次第に大きく
なり、ほどなく二人の全身を包み込んだ。
「りんちゃん、あたし‥‥もう、ダメッ‥‥!」
「あたしも‥‥のぞみ、あたしと、あたしと一緒に、イッてえ‥‥!」
「ううっ‥‥あっ、ああーっ!」
「のぞみ、のぞみっ‥‥くあっ、あああーっ!」
悲鳴のような二つの絶叫が、部屋中に響き渡った。
二人の頭の中で、電気のようなものがスパークした。一瞬、頭の中が真っ白に
なり、時間が止まったような錯覚が走る。直後、二人は折り重なるようにベッド
の上に倒れこんだ。
はあっ、はあっ、はあっ‥‥
息も絶え絶えになりながら、二人は生気を失ったかのような表情を浮かべてい
た。激しい行為の後の気だるさが全身を襲い、指一本動かすこともできない。た
だ呆然と、時が過ぎていくのを待つだけだった。
それから十数分後‥‥ようやく気を取り戻したのぞみが、口を開いた。
「‥‥りんちゃん。もう、大丈夫?」
「うん、もう落ち着いたよ。のぞみの方こそ大丈夫? どこか痛くない?」
「大丈夫だよ。りんちゃんが優しくしてくれたから、何ともないよ。それよりあ
たし、すごく嬉しいよ」
「嬉しい?」
「うん。だって、大好きなりんちゃんと、こんな事ができたんだもん。あたし、
最高に幸せだよ。あたし、りんちゃんと友達になって、本当に良かったよ‥‥」
のぞみはそう言うと、両手を広げてりんの身体に抱きついた。
「りんちゃん‥‥これからも、ずっと一緒にいてくれるよね? あたしと一緒に、
プリキュアを続けてくれるよね?」
「もちろん。あたしは絶対に、のぞみから離れたりしないよ。そして、大好きな
のぞみを、他の誰にも渡さない。のぞみは、あたし一人だけのもの。そうね?」
「うん。りんちゃんも、あたし一人だけのものになってね」
のぞみの言葉に、りんは笑顔で首を縦に振った。
幼い頃からずっと一緒にいて、他の誰よりも硬い絆で結ばれてきた二人。その
絆は、ほぼ同時にプリキュアになった事で、さらに強まったような気がした。そ
してそれは、これからもずっと続いていく。ナイトメアを倒した後も、学校を卒
業した後も、大人になっても、永遠に。
たとえ何が起ころうとも、何があったとしても。
二人の想いは、ずっと一緒だ。