うららかな春の午後、萌え極道プリキュア一家の面々が、ラウンジで食事を摂って  
いた。テーブルの上にはカツサンド、カレーライス、もりそば、牛丼、ラーメンなどの  
学食メニューが五人前ずつ並んでいる。  
「いただきまーす」  
スポーツ少女のりんは、一日に約一万カロリーを摂取する為、三度の食事はほと  
んど戦いだった。膳に箸をつけるなり、モリモリと己の血肉となる物を求め、貪り  
食うのである。  
 
「すごいですね」  
そういううららも牛丼を三杯も食い、牛乳を一ガロンも飲んでいた。まるで競走馬で  
ある。彼女もりんに劣らずの大食漢で、牛一頭くらいは頭から尻尾まで美味しく食  
してしまう。米国で毎年行われるホットドックの大食い大会で、常勝する日本人とい  
うのは、実を言うと彼女の事である。  
 
それはさておき校内でも一際目立つ美少女が五人も揃うと、どうしても人々の興味  
をそそるものだ。学内で発行される新聞の編集長を務める増子美香もその一人で、  
近頃、親密になりつつあるこの五人組を日夜、ストーキングしている。  
「パンチラ、ゲット!」  
美香はテーブルの下、食事に夢中でちょっとお膝を開け気味のりんのスカートの  
中身をデジカメで激写した。これが、学内の同性愛者たちに高値で売れる為、熱  
もこもるというもの。メモリがパンクするまで、シャッターを押すのである。  
 
「さて、後は情報収集といきますか」  
食事の世話をしてくれるおタカさんに近づき、懐からピン札を一枚、取り出す美香。  
「何か良いネタ、ありまっか」  
「先週、りんちゃんとかれんちゃんが、何やら怪しい動きをしてたみたいだけど」  
「もっと、具体的に」  
「普段はいがみあってる二人がそれはもう、激しく動いて・・・そうそう、少しは気が  
合ったみたいよ」  
ふむ、と頷いてから、美香はその場を離れた。明日の新聞の見出しは禁断の愛、  
先輩と後輩が後背位で──で決まり。そう考えていた。  
 
はたして翌日、新聞の一面には目線の入ったプリキュア一家の顔写真が載った。  
見出しには、  
「禁断の愛、発覚。先輩、後輩がくんずほぐれつ、意外?強気なかれんお嬢様は、  
褥ではおとなしめ・・・」  
と、ある。  
 
「なんじゃ、こりゃ」  
のぞみは鼻をほじりながら、新聞を見ていた。生まれながらの天然で、めげるという  
事を知らないのである。その一方で新聞を持つ手をわなわなと震わせているのは、  
かれんであった。  
「ふざけてる!」  
同性愛者の部分はともかくとして、サドッ気の強い彼女は、おとなしめという表現に  
いたく誇りを傷つけられた模様。りんは一応、含み笑いを隠している。たまきはうらら  
と和菓子を食っていた。  
 
「恐縮です。増子ですが、今回の報道について一言」  
怒りに震えるかれんに、美香がマイクをいきなり突きつけた。どこかで五人の様子を  
窺っていたに違いない。その上での、突撃取材である。  
「おどれが火ィ、つけたんだろうが!いてまうど!」  
とてもお嬢さまとは思えぬ河内弁で怒鳴りつけるかれん。しかし、美香は怯まない。  
「報道の自由ですから」  
「マッチポンプやんけ!」  
「まあ、まあ・・・」  
と、今にも取っ組み合いになりそうな二人を、止めに入ったのはうららである。  
 
「良いんじゃないですか、取材くらい」  
芸能人という事もあり、取材慣れしているうららに、かれんが噛み付いた。  
「こいつ、めがねッ娘であざといわ。私の嫌いなタイプ」  
「私もサブキャラ如きに力を入れすぎだと思います」  
にやりとうららが笑った。その笑顔の奥には、何やら悪意が窺える。  
 
(私に考えがあります)  
うららは目でかれんに語った。それは符牒だった。追い詰められたふりをして、美香  
を追い詰めようという合図なのである。  
「河岸を変えましょうか」  
「さすが芸能人。どこかの成り金とは、度量が違うわ」  
美香はかれんを横目にし、うららの後へ着いて行く。行き先は例の秘密基地。そう、  
無許可で飲食店を営む、あの場所だった。  
 
「起きなさい」  
威圧的なその声で、美香は目覚めた。薄暗い地下牢のような場所で、手足に枷を  
はめられている。頭に鈍い痛みが有って、体全体が気だるかった。  
「あなたは・・・」  
目の前にいるのは、うららだった。ただし、いつもの純情可憐な少女ではなく、黒い  
悪意を現実化したような、SM嬢顔負けの姿で、手には鞭を持っている。  
 
「まだ、薬が効いてるようね」  
そう言われて、美香は店で出された飲み物に、異臭を少し覚えた事を思い出した。  
おまけに美香は裸である。制服も下着も剥かれ、一糸まとわぬ状態だった。  
「まだ寝ぼけているのね!これで、目を覚ましなさい!」  
ひゅんと鞭が空を切った。続いて無慈悲に肉を打つ音と、美香の悲鳴が上がる。  
「きゃああ!な、何をするの!暴力はやめて!」  
「おだまり!この淫売め!」  
鞭が振り下ろされると、美香の柔肌が真っ赤に染まり始めた。恐怖と羞恥、それ  
が、うららが芸能界で学んだやり方だった。  
 
「子役の頃からずっと、薄汚いジジイどもに玩具にされてきた私の鞭は、一味、違  
うわよ!ほら、泣いて許しを乞いなさい!」  
「いやあッ!誰か助けて!」  
階下から聞こえるその声を、店内のかれんは小気味良さそうに聞いている。  
「あのめがねッ娘、言うほどの事は無いわね。もう、音を上げてるわ」  
くくく、とかれんは笑った。りんもそれに続き、  
「うららの鞭打ちが終わったら、コーラ浣腸としゃれこみましょう。明日の新聞の一面  
は、増子美香自身が飾る事になりますね」  
と、ペットボトルを改造した、特性浣腸器を手にして微笑むのである。  
 
「私、乳首にピアスを着けてあげるわ。りんちゃんも手伝ってね」  
のぞみは自作のバーベルタイプのピアスを手にして、りんに擦り寄った。  
「しょうがないなあ」  
と、言いながら、りんがのぞみにキス。二人は幼なじみゆえ、肉の関係をすでに結  
んでいた。  
 
「じゃあ、私は・・・増子さんの背中に刺青でも彫ろうかしら。ちょうど、道具もあるし」  
「いいですね」  
「やろう、やろう」  
「美的感覚に優れたたまきだから、きっと素敵な芸術になるでしょうね」  
かれんはたまきの手を取り、うっとりと見詰め合う。こちらも幼なじみゆえ、とっくに  
関係済みだった。  
 
翌日、学内の新聞の一面は、目を覆いたくなるような姿の美香が飾った。顔に目線  
はされていたが、誰が見たって彼女だと分かる。記事はマゾヒズムを有する少女に  
ついて、恥知らずな写真と共に、その内容が克明に綴られていた。  
「生徒は皆、増子さんの話題で持ちきりよ。良かったわね、彼女も本望でしょう。ほほ  
ほ・・・」  
かれんは高い声で笑った。  
「学校へは来てないようですね」  
と、うらら。彼女は生粋のサディストで、昨日は一日、美香を責め抜いている。  
 
「刺青入れられて、泣いてたね」  
「そりゃ、そうだろ」  
のぞみとりんが乳繰り合いながら、そんな事を言う。そして、締めはたまきが決めた。  
「報道の自由を盾に、何をしても良いという風潮を改めないとね」  
言葉の暴力という物もある。プリキュア一家は、それを増子美香に知って欲しかった  
のだ。天晴れ、五人組。負けるなプリキュア・ファイブ。適当に頑張れ。  
 
おちまい  
 

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