「ふぅ。できたっと」  
 放課後のナッツハウス――。こまちが原稿用紙の上にペンを置く。かたわら  
に腰掛け本を読んでいたかれんは「今度の作品はどんなお話?」と原稿を覗き  
込んで、言葉を失った――。  
 
 華麗なる淫肉人形「水無月かれん」――。  
 
「な、なによ。これ――」。かれんは困惑の表情を浮かべた。  
「うふふ。秋元こまち渾身の作品、かな――。気高く誇り高き生徒会長である  
水無月かれんが罠におちて、肉人形として、たっぷり辱められるお話よ」  
「や、やめてよ! 汚らわしいわ! こまち、一体どういうつもり?!」  
 かれんは勢いよく立ち上がると、原稿用紙の載った机をばんッと叩いた。だ  
が、こまちはかれんの非難に遠慮する風もなく、淡々と続けた。  
「――あのね。かれん。これは前から言おう言おうと思っていたことなんだけ  
ど――。かれんは見掛けより“脆い≠ニ思うの」  
「あたしが脆い――?」。かれんにとって意外な言葉だった。  
「うん。少なくともタフではない、むしろメンタルは弱い≠ゥな」  
「ちょっと、こまち!」  
 かれんは自分が侮蔑された気分がした。真意を質すべく、椅子をどけて、こ  
まちに近寄る。すると、こまちはにっこりと微笑み、おもむろに、かれんの乳  
房を制服の上から、ぐににっと揉んだ。  
「きゃっ!」  
 かれんはさっと身をかわし、胸元を両手で隠す。心臓がドキドキしていた。  
「うふふ。かれん、顔が赤いよ――つまり、そういうこと。一見気が強そうに  
見えるけど、かれんが不潔、汚いと切り捨てている感情にはものすごく弱い。  
関心がないわけじゃないのね。否定するから余計意識しちゃうのかな」  
「―――そんなことって」  
「でも、それってナイトメアーにしてみれば弱点だと思わない? たとえば向  
こうが全裸で襲ってきたらどうするの? かれん、目を背けちゃうでしょ?」  
「――想像もしたくないわ」  
「だから、それが隙になっちゃう。ナイトメアーがかれんの性格を見抜けば、  
性的な攻撃を仕掛けてくる可能性は高いと思うの。その時、かれんはプリキュ  
ア5のお荷物になりたい?」  
 かれんには5人の中で自分がリーダー格という自負があった。他の4人を導  
いていく責務があると。だが、そんな自分が「お荷物」になるかもしれない―  
―かれんのプライドはひどく傷つけられた。  
 
「――私は、どうすれば、いいの?」  
 親友であるこまちに脆さ≠突かれてもなお、かれんは込み上げてくる涙  
を力で押し止めた。  
「強く、なればいいの。かれんならできるから――」  
 こまちはそう言うと、さっとかれんの腕をつかみ、強引にキスをした。唇が  
こじ開けられ、こまちの柔らかな舌が口の中に差し込まれる。  
「んッッ!!――」  
 かれんは目を見開き、こまちを押し返すと、慌てて口を拭った。  
「ちょ、ちょっと! こまち!!」  
「――かれん、逃げちゃだめ――ほら、ここはドキドキしてる」  
 こまちの右手がかれんの左乳房に重ねられる。かれんの激しい動揺は制服越  
しにこまちに読みとられた。  
「――ね、かれん、頑張ろう?」  
 乳房を揉む手が制服のすそからすっと潜り込んでくる。ブラがずらされ、指  
先は次第に先端部へと向かっていった。  
「ぁン――」  
 こまちの指が乳首をとらえた。2、3度刺激されただけで、柔らかな感触は  
みるみる弾力を帯び、固く屹立した。軽い電流のような、くすぐったい感覚が  
かれんの体の中を駆けめぐっていく。体が震える。膝に力が入らず、立ってい  
られない――かれんはこまちに追い詰められるように壁にもたれた。  
「ほら、かれん、かれんは敏感なんだよ。自分でも気付いてたんでしょ?」  
 こまちが妖しく微笑む。そんなはずはないと否定しようにも体が言うことを  
聞こうとしない。理性では御しきれない「何か」がかれんの中で芽生えようと  
していた。  
「――怖い」。かれんは珍しく弱音を吐いた。こまちはふぅっと一息つくと  
「自分の弱さを認めるのはとても怖いわ。でもそれを乗り越えなくちゃ」  
 そう言って、再びかれんの唇を奪った。こまちの舌はあくまで優しい動き  
で、かれんの口の中を這い回る。  
「――かれん、目を閉じて、自分で舌を出してみて」  
 こまちの誘いに応じ、かれんはぎゅっと目を閉じ恐る恐る舌先を差し出す。  
「もっと――」  
 かれんはさらに舌をぐぐっと突きだした。すると、突然、舌に激痛が走っ  
た。思わず目を開けてみると、洗濯ばさみが舌先に噛みついている。  
「んンッ――!! んぐぐッ――!!!」  
 あまりの痛さに、かれんは涙目になって、こまちに外してくれるよう懇願し  
た。だが、こまちはゆっくりと首を振る。  
「頑張って、かれん、わたしだってつらいの――」  
 こまちは鞄の中から真っ赤なロープを取り出すと、かれんの両手を縛り、後  
ろ手に拘束した。背中が反り返り、乳房が前に突き出される。こまちは両手で  
乳房を揉みながら、かれんの太腿の間に自分の太腿を割り入れる。こまちの  
膝頭がかれんの微妙な部位をぐりぐりと刺激する。かれんの体はその度にびく  
びくと痙攣し、自然とかれんの膝頭もこまちの股間に触れてしまった――。  
「えっ――?」  
 かれんは思わず息を呑んだ。膝から伝わるごつごつとした異物の感触――。  
「うふふふ。大丈夫――優しくするから―――」  
 こまちはあくまでも静かに微笑んだ。  
 

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