「台風の夜」  
 
ここは水無月かれんの家。ご存知の通り、大富豪の家とあって大きさも相当なものだ。  
ここでいつもの5人が「勉強会」の名目でお泊り会を催す事となったのである。  
「いい?私の家に来たからにはしきたりを守ってほしいの」  
大家主そのものであるかれんが口を開いた。  
「まずは馬鹿騒ぎはご法度。それから名目どおり『勉強』を中心にやっていくから。いいわね」  
残りの4人は  
「は〜い」  
と返事をした。しかしのぞみはあまり乗り気ではないようだ。  
「あ〜あ、りんちゃん憂鬱だな〜、これから勉強なんて…」  
のぞみが小声でつぶやく。  
「何言ってんののぞみ、『名目』だからあまり難しく考えないほうがいいよ」  
「『名目』って?」  
「まー、アンタに言ってもわからないだろうけどね」  
「のぞみさん、『名目』だからリラックスして考えましょうよ」  
うららは大人しい対応か、のぞみに簡単な事を教えた。  
「…なるほど、そういうことね」  
「わかりましたか?」  
「うん、少し気が楽になったような…」  
「さすがうららさんね」  
こまちが笑みを浮かべた。のぞみが『みんなの笑顔があってここまで来れた』と悟られるように笑顔で理解を示したのである。  
「さぁ、始めるわよ」  
かれんの開始宣言で『勉強会』が(一応)始まった。  
 
5人は揃って勉強を開始した。  
「かれんさーん、この部分教えてください」  
「なあに、のぞみ。わからない事があったら私に教えてね。遠慮しなくていいから」  
勉強会はスムーズに進む。  
「りんさん、ここ間違ってるわよ。正しくはね…」  
「ありがとう、こまちさん。そういえばそうでしたね」  
上下関係はまさに良好。  
「のぞみさん、これわからないんですけど」  
「うらら、見せてごらん」  
先輩風を吹かせるが如く、のぞみはうららの勉強を教えた。  
「…よし、この計算はこうやって解くのよ」  
「そうですか」  
うららはのぞみにやや半信半疑に応答する。しかし、脇からこまちがしゃしゃり出た。  
「のぞみさん、これ間違ってる」  
「げ」  
「先輩の面目丸潰れね。しっかりしなさいよ」  
かれんは呆れた表情でなじる。  
「のぞみさんももう少し出来たら嬉しいんですけど」  
のぞみは相当叱責を受け、顔が真っ赤になったのだ。  
「のぞみー、慣れない事をやるもんじゃないわよ。素直に『わからない』と言えばいいのに」  
「りんちゃんまで〜〜〜」  
ズシンと重い物が乗っかったようにのぞみは気重になってしまった。  
勉強は大詰めに近づく、しかし…。  
「雲が黒いですねー、これから大雨が降りそう…」  
窓の外を見るうらら。その表情はやや曇っていた。  
「そういえば台風が来ると言ってたような…」  
かれんはそれを気にかけていたのだ。  
 
「私、テレビを見てくるから、戻ってくるまでそこを動かないで」  
かれんは大部屋を出た。4人の表情はやや曇りがちである。  
「本当にやだなぁ・・・、私…怖いよー…」  
のぞみは腰砕けになった。  
「何言ってんの、今日は『お泊り会』と家族に言ってきたでしょ。どうせ今日帰るワケじゃないんだし」  
りんがすかさずフォローした。  
「でも…台風が近づいてきてるし…」  
「アンタが雲ってどうすんの。明るくいこうよ、いつものアンタらしくないよ」  
「そうよねー、のぞみさんがいるから私達はここまで来てるんだし。ねえ?」  
こまちが明るく振舞う。  
「そうですね、こまちさん。この一言で吹っ切れそうです」  
のぞみは気が楽になったのか、表情が徐々に明るくなっていった。  
「それですよ!のぞみさん!!」  
うららがのぞみを見て喜んでいた。やはり笑顔の似合うのぞみらしく、周囲を和ませる。ここにかれんが戻ってきた。  
「みんな大変よ!台風が関東に上陸するそうよ!!」  
「えーーーーーーーーーー!!!!!!!!」  
のぞみが一番大きな声で叫ぶ。  
「やっぱり『お泊り会』でよかったでしょ?」  
りんが落ち込みそうになるのぞみを慰めていた。  
「そういえばそうだった…、よかった…」  
のぞみは思わず涙を流しそうになる。  
「のぞみさん、泣いてると私達まで悲しくなりますよ」  
今度はうららが貰い泣きしそうになる。  
「ほらほら、私がついてるからね。落ち込まない落ち込まない」  
かれんがお姉さんらしく2人を慰める。  
「そうよ。私達がついてるからね」  
こまちもかれんみたいに2人を慰めていた。  
しかし、台風の勢力は猛威を振るう。外に落ちていた看板が電柱に激突。風の勢いが強かったせいか、電柱の一部が破損し、電線も切断した。  
そして…停電になったのである。  
 
ご多分に漏れずかれんの家も真っ暗になった。  
「…こ、こここここ……、怖いよー!」  
「落ち着きなって、のぞみ」  
「そうですよのぞみさん」  
「落ち着いた方がいいわよ。かれんがローソクを持ってくるって」  
やがて予め用意されたローソクをもってかれんがやってきた。かれんがローソクに火を灯す。  
「みんな、大丈夫よ」  
さすが金持ちといったところか、特製の1メートルもあろうかという大きめのローソクを用意した。  
「うわぁ…大きい……」  
4人はローソクを見つめていた。  
「これで一晩は持つわね」  
かれんもローソクを見つめる。「これが水無月家のアイデンティティー」と悟るように。  
「もう暗くなったから、もう寝ましょう」  
「そうですね」  
予め用意したベッドで眠ることにしたのだ。  
しかし、外は雨風がひどく、窓を開けると家の中に雨水が吹き込んでくるので、締め切ったまま寝ることになったのだ。  
「りんちゃん、蒸し暑くて眠れなーい…」  
「そうねー、湿気が多いからねー」  
のぞみとりんはいったん起きることになった。  
「うーん…ホントに蒸し暑いわねー」  
かれんも起きる。  
「そういえば…ホントに蒸し暑い…」  
こまちも起きてしまったのだ。眠りが深いうららは、暫く寝ていたが…。  
「蒸し暑くて眠れないですー」  
この蒸し暑さで5人全員起きてしまったのだ。  
 
「しかもパジャマが汗だくで…気持ち悪いよー」  
この蒸し暑さのせいか、着る服が大量の汗で濡れていた。  
「もう我慢できないよー、エーイ!」  
上半身をおもむろに脱ぐのぞみ。無論乳房が露になったのだ。  
「な、何してんののぞみ!!暑さでどうにかなっちゃったの?」  
りんが引きとめようとするが、時既に遅し。  
「りんちゃーん、私と行かな〜い?」  
「何言ってんのよ、のぞみ!」  
のぞみはそそくさとりんの行動を引き止めて押し倒した。そしてりんの上半身はおもむろに脱がされた。  
「これでおあいこね、おあいこ」  
のぞみは舌でりんの乳首を突き、嘗め回して愛撫した。  
(ど、どうして…、私その気はないんだけど…)  
りんは不覚にも悦楽に入ろうとしていた。のぞみはりんの乳首をチューチューと吸う。  
「ふぁ…、あ……、ああん………」  
喘ぎ声を漏らすりん。のぞみは乳首を口から離し、互いの乳首を擦り付ける。残りの3人は固唾を飲み見守る。  
「りんちゃん…、気持ちいい?」  
「べ、別に気持ちよく……」  
口では否定を語っているが、裏腹に悦楽を楽しんでいる。その行為をうららが最も見つめていたのだ。  
(この遊び…、なんだろう、疼いてる…)  
うららの手は既に股間にあったのだ。  
「ねえ、うららもこっちへ来て遊ばない?」  
のぞみはうららを眼で誘う。  
 
「そう…ですね……」  
うららが2人の傍に寄る。そしてその目の前には、淫らな行為が映し出されていた。  
「りんちゃん、次行くよ」  
のぞみはりんの下半身も脱がせた。  
「りんちゃん、もう濡れてる…」  
りんの股間をあてがうのぞみ。既にりんの蜜壺は愛液で溢れていた。  
「やだ…、みんなの前で……、恥ずかしい………」  
りんは顔を赤らめる。そしてのぞみはりんの蜜壺を指で動かした。  
「あ…はぁ……」  
クチュクチュと淫猥な音が部屋中に響く。  
「りんちゃん、まだ行かないでね」  
「……うん」  
のぞみは一旦寸止めした。  
「じゃあ、私がのぞみのを…脱がせるから…」  
今度は逆にりんがのぞみの下半身を脱がせた。  
「アンタも濡れてるよ。しかも私より」  
りんの言う通り、のぞみも愛液が溢れている。  
「今度は口でやってあげる」  
りんはのぞみの蜜壺をせめる。チューチューと淫猥な音が響いた。  
「り、りんちゃん……、き、気持ちいい………」  
「豆粒もせめちゃうよ」  
「うん……せめていいよ………」  
うららはその行為をみて更に興奮する。股間を押さえている手は更に強くなっていく。  
「のぞみさん、りんさん、私、私…」  
うららの声が大きく叫ぶ。  
 
「私もう、我慢出来ません!!!一緒にやりたいです!!!」  
うららの心の叫びが声となって表した。  
「うらら…、私達と行こうよ…」  
「…うん」  
うららは小さく頷いた。  
「私は上半身をせめるから、りんちゃんは下半身をお願いね」  
2人の手で脱がされるうらら。  
「あー、うららったらこんなに濡れてる、我慢出来なかったのねー」  
りんは容赦なく口でうららの蜜壺をせめる。  
「あ、気持ちいい、気持ちいいです……」  
りんはズズズーと淫猥な音を立てて愛液を吸い取る。そしてのぞみはうららの乳首をせめた。  
「うららはまだ胸ないのに、ここだけは敏感ね」  
舌先で乳首をつついたり、乳輪をなぞって愛撫する。  
「ヒャハ!ヒャーヒャー」  
うららは言葉にならない声を挙げる。  
(のぞみさんとりんさんにせめられるなんて…)  
うららの内心は『この2人に気持ちいい事をされるのが本心なのか』といった感じだろう。  
そして残りの2人は…。  
「あーもう!のぞみったら!!」  
「何を興奮してるの、かれん。興奮してるのはあなたの方よ」  
興奮状態にあるかれんだったがこまちがそれを止めた。  
「しかも私の家で…ああ……」  
哀れむかれん。しかしこの後予想外の行動に出た。  
 
「あなた達!!私の家でこんな事をして!!!!!」  
かれんは3人を叱責する。  
「馬鹿騒ぎはしない約束でしょ!」  
しかし、この言葉も口だけで、汗だくのパジャマの上から乳首が勃っているのが明瞭である。  
「…って、私も暑さでどうにかなっちゃった…ハァ〜〜…」  
この言葉と共にかれんは卒倒した。  
「みんな…お願い……、脱がせて………」  
「……うん」  
3人はかれんの汗だくのパジャマを脱がせた。のぞみはかれんの乳房を揉む。  
「ハア…、ハア………」  
のぞみが揉む乳房に、うららは乳首を責めた。  
「ああ、そこ、そこ…」  
「かれんさん、ここですか?」  
うららが乳輪をなぞって愛撫する。  
「うらら…愛撫上手いわね…」  
一方、りんはかれんの蜜壺を責めている。  
「かれんさん、グッショリですね」  
「そ、そんな事ないわよ」  
「やっぱり口だけですね。あ、豆粒が大きくなってますよ」  
りんは膨張したクリトリスを責める。  
「す、吸って…、もっと吸っていいのよ……」  
かれんは力負けしたのか、強気の性格が大人しくなっている。  
この4人を見て、やはり残されたこまちが黙っているはずはなかった。  
「…み、みんな………」  
こまちがつぶやいた。  
 
「なんで?みんななんでこうなっちゃったの!!」  
思わず叫ぶこまち。  
「暑さのせいかもしれないけど…どうしちゃったのよ?」  
普段大人しい人間が怒るときは怖いと言われるが如く、珍しく怒りをあらわにしていた。  
(あのこまちさんが…)  
(め、珍しい……)  
(怖い…)  
(こまち……)  
4人は固まった。  
「…今度はあなた達で私を行かせて!」  
こまちは横になり、4人にやられた形で脱がされた。  
「こまちさん……いいかな?」  
「いいわよ……」  
のぞみは口、うららは右の乳房、りんは左の乳房、かれんは蜜壺をそれぞれ責める。  
「あ……うん……」  
4人に責められるこまち。しかし右手はうららの股間を、左手はりんの股間を触っていた。  
「こまちさんの指先で…、いっちゃいそう…」  
「こまちさん、気持ちいいよー」  
かれんは蜜壺を口から離し、今度はお互いの蜜壺を合わせた。  
「こまち、お互いに行きましょ」  
かれんの腰は激しく振動する。  
「ハァ…ン……」  
りんとうららは唇を重ねている。  
「うらら、私のキスの味は?」  
「何か甘酸っぱいですね」  
しかもお互いの舌を絡ませながら。  
やはり唇を重ねたままののぞみとこまち。  
「のぞみさん、キスの味って何かしら?」  
「淡いミントの…味ですね…」  
こうして5人は絶頂に達していった。  
「ああ…イク……、イッちゃう…………」  
 
そうこうしているうちに、夜が明けた。しかも窓の外は台風一過の清々しい青空が眩しい。そしてチュンチュンと雀の鳴き声が響く。  
「…私達……、どうしちゃったの?」  
寝ぼけまなこのかれんが眠そうな声で囁く。  
「…って、なにこの格好?」  
5人はお互いの裸を見つめていた。  
「そっかー、暑さでどうにかなっちゃったんだー、ハァ……」  
のぞみはさすがに昨夜の事を覚えていなかったらしい。  
「流石に事故ですよね、昨日の事は」  
うららは開き直るが如く、冷静に受け止めた。  
「そうよね、昨日は覚えてなかったもの」  
こまちもそれなりに受け止めていたのだ。  
「まだ汗ばんでるよー。これからどうする?」  
りんが自分の肌を触って確かめた。  
「そうだ、みんなでお風呂にはいりましょ」  
かれんが思い切った事を言った。  
「しかもうちのお風呂は広いんだから。ね?」  
かれんは執事に電話を入れた。  
「もしもし?かれんだけど。バスローブ5人分お願いね。ただし私達の体を見たら承知しないわよ!」  
しかも容赦なく釘を刺す一面を見せていた。  
「よーし、みんなで汗を流そう、けって〜い!!!」  
やはりのぞみは乗り気であった。  
 
「台風の夜」END  
 
次回は「朝風呂で大騒ぎ」の予定?  
 

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