アラクネアはつかつかと本部の廊下を歩いていた。ドアのノックし、一室に入る。  
「アラクネア、来ました」  
「ご苦労でした、アラクネアさん」  
 アラクネアを呼び出した相手はゆっくりと椅子を回転させるとこちらを向いた。  
「見通しはどうですか?」  
「はいっ?」  
「見通しはどうですかと聞いているんですよ?」  
「そ、それは・・・」  
 やはり、上司の上司から直接の呼び出しなどロクなことがない。  
「ブンビーさんから聞いてもよかったんですが幹部としては直接お伺いした方がいいかと思いまして」  
 沈黙が流れる。  
「それは鋭意努力してドリームコレット奪還、並びにプリキュア打倒を」  
「出来そうですか?」  
 アラクネアは言葉に詰まる。  
「つまりは成果を期待されている・・・」  
「当たり前でしょう。ナイトメアはあなた達のがんばりに対して給料を支払っている訳ではなく、上げられた成果を給料という形で分配し、  
逆にあなた達の身分と暮らしを保証している訳ですから。これは敵対関係ではないんですよ?逆に一蓮托生の関係です」  
「は、はい・・・」  
「で、正直な話を言うと私も成果を求められていることには変わりがない。それでギリンマさんにはああしてプリキュア5と戦って頂いた訳ですが・・・  
ギリンマさんはどうなりましたか?アラクネアさん?」  
「ギリンマは・・・」  
 今、下手なことを言えばどうなるかは目に見えている。  
「ギリンマは自らを犠牲にすることが分かっていながら絶望の仮面を着けた上でカワリーノ幹部の下で戦い、  
ナイトメアに貢献して立派に最期を遂げました」  
「私が無能だったと言いたい訳ですね?監督責任があると?」  
「い、いいえ!ギリンマは自らの身を犠牲にしてプリキュア5を追いつめながらも  
自らの無能のためにカワリーノ幹部の指導を無にして、最期を遂げました」  
「そうですか」  
 そう言うとカワリーノは椅子を回転させてアラクネアに背中を向けた。再び、沈黙が流れる。カワリーノはアラクネアの前から一瞬、姿を消した。  
「これを使う気はありますか?」  
「ひぃっ!」  
 アラクネアは自分の背後に回りこんだカワリーノに悲鳴を上げた。アラクネアの目の前に黒いカードがかざされている。  
充分に何が切り出されるか予期していたとはいえこの行動はアラクネアの予想外であった。  
「ギリンマさんはこのカードを使ってナイトメアへの忠誠心を示されました。あなたにその覚悟はありますか?」  
 アラクネアの予想は半分は当っていた。だが、半分は外れてもいた。  
 
「カ、カワリーノさん!やめて下さい!」  
 カワリーノはアラクネアの背後からその体に手を伸ばす。  
「ほほう、たかだか平の分際で私に逆らうんですか?幹部をなめていらっしゃるんですね?」  
「な、なにを言っているんですか?セクハラじゃないですか?」  
 アラクネアに絶望の仮面を着ける意思がないことを見抜いた上での責めが始まろうとしていた。  
「役に立たない社員をこうしてお慰めしてあげてるんじゃないですか?こんなスーツでは体が窮屈で仕方がないでしょう?」  
「わ、私だってナイトメアの社員としての誇りを持って・・・」  
 カワリーノはアラクネアの背後から容赦なく豊乳を揉んでいる。  
「ふふっ、だからあなたはいつまで経っても平なんですよ。分かりますか?  
同僚をはめて、無能な上司ははめて、有能な上司にははめられる。これが出世の近道ですよ?」  
「そ、そんな・・・」  
「もうこんなに濡らしてらっしゃるじゃないですか?粘液質で実に心地良い。熟女の魅力です」  
 カワリーノはスカートを強引にたくし上げて太ももの間に腕を差し入れると直接手で確認した。  
「お、お願いです。ナイトメアの幹部、幹部にして下さい・・・」  
「そういうことは終わってから言うものですよ?全くこんな扇情的なスーツを着ているというのにその類のことは全く知らないとは。  
お教えして差し上げないといけませんね?」  
「わ、私だってここまで這い上がって来たんです・・・うっ・・・プ、プライドが」  
 アラクネアを包んでいたスーツはすっかり脱がされてしまい、もはや乱れたブラジャーとショーツだけしか身を包むものは残されていない。  
「それだからいつまで経ってもブンビーさんの下なんですよ?分かりますか?  
責任を取るより責任を押しつけ、成果は独り占めにし、職場を分断し、少数で支配する」  
「そ、そんなこと出来ません・・・あぁっ!」  
「まぁ、いいでしょう。使えない部下を役に立つ部署にお送りするのも幹部の役目です。あなたはこれから私の秘書です」  
「せ、せめて、最後にプリキュア5と戦わせてく、くだ、さい、ひぃっ!」  
「それもいいでしょう。それがあなたなりのナイトメアへの忠誠心の示し方なら。  
それにしても何も身に着けていらっしゃらないあなたのお姿は素晴らしい。  
私の秘書になれば生活も給与も将来さえ保障されるというのに。まぁ、人それぞれの生き方ですよね?アラクネアさん?」  
「はぁっ、はぁっ、う、うぁっ・・・」  
 カワリーノはすっかり全裸にされたアラクネアの股間に指をうがつ。  
「アラクネアさん、あなたは一言言えばよかったんですよ?」  
「な、なにを?」  
 自分以外の誰かに主導権を完全に握られる屈辱の中でアラクネアは思わず聞き返していた。  
「ガマオさん、それでもダメならブンビーさんを売ればよかったんです」  
「そ、そんな。あぁっ」  
 カワリーノはズボンから取り出したものをためらいなくアラクネアの中に挿入する。  
「一言、自分でなくガマオに絶望の仮面を着けさせるべきだと言えばよかった。  
それであなたは無事で済む。ガマオには充分に失点がありますしね」  
 カワリーノはアラクネアの顔を強引に自分に向けさせると追い打ちをかけるようにその目を覗きこんで言った。  
「だから、あなたは幹部になれないんですよ?」  
「……」  
 普段の慇懃無礼な態度の裏に隠された本性がカワリーノの見開いた目にどす黒く写っている。  
アラクネアの心にカワリーノへの絶対的な恐怖が生じていた。  
もはや、アラクネアにはカワリーノに陵辱され尽くす以外の選択肢は残されていない。  
「ふふっ、いいですよ?アラクネアさん?あなたの恐怖と絶望こそが私の悦びとなるのです」  
 
 アラクネアを床に四つん這いにさせるとカワリーノは悠然とスーツを脱いだ。  
そのままアラクネアを後ろから責める。カワリーノが力任せにおしりをつかんでいるためにアラクネアに鋭痛が走る。  
「心地いいでしょ?無理もないですよ?今まで突っ張ってきた分、こうなると逆に安心するものです。私に全て委ねてしまいなさい」  
「ハハ、ハハッ……」  
 カワリーノに侵食された心の中でアラクネアは身悶え、空虚に笑った。征服されてしまう喜びが体中を走る。  
「もう大丈夫でしょう」  
 カワリーノはアラクネアが上になるように体位を入れ替える。  
「さぁ、動きなさい。自由に」  
「はい。あっ、あっ、いいっ、あぁっ」  
 完全にカワリーノに負けて誇り高い彼女が自ら腰を振っている。従わなければ何をされるか分からない。  
そんな陵辱を自ら快楽として受け入れてしまっているのだ。  
「ふふっ、まるで快楽に目覚めたばかりの乙女のようではありませんか?  
そんな豊満な体と派手な服装ですっかり誤魔化されていましたよ?アラクネア?」  
「いやっ、ちがう」  
 アラクネアと呼ばれたことも気づかずに、長い髪を振り乱して彼女が否定する。  
「違いませんよ」  
 カワリーノは下から腰を突き上げ始めた。  
「あなたには絶望の仮面を着ける覚悟がない。生きながらえたいと思えばこそこうやって私に快楽を搾り取られているのです」  
「ちがいますっ!いたいっ!」  
 カワリーノは懲らしめるようにきつく胸を揉む。  
「何が違うのですか?あなたは私より弱く、頭も回らないからこうなっているのではないのですか?」  
「いやっ、うぁっ」  
 カワリーノは自分の上半身を起こすと今度は下になった彼女をくの字に折り曲げ、両脚を開く。  
「さぁ、どうですか?アラクネア?」  
「はずかしい……」  
「そうですよ?恥ずかしいんですよ?こうやって現にあなたは私に犯されているんです」  
「……」  
 アラクネアは目を固く閉じて現実から逃げようとする。カワリーノはそんなアラクネアに体を折り曲げて顔を近づける。  
「なかなかいいでしょ?」  
「……」  
 相手の動きが止まったためにアラクネアが恐る恐る目を見開いた瞬間、カワリーノは引いていた腰を突きこんだ。再び上下に激しく抽送が始まる。  
「はっ、いいっ、あっ、あっ、あっ」  
 アラクネアの乳房が腰を突かれる度に大きく揺れて、喘ぎ声が上がる。  
「いいですか?出しますよ?中に出しますよ?」  
「えっ?そんなっ!」  
「うっ!」  
 カワリーノは数度腰を動かした後、勢いよく白濁を放つ。その生温かさを体の奥深くで感じた瞬間、彼女の意識は弾け飛んだ。  
 
「うぅっ」  
 アラクネアは目を凝らす。段々と光に目が慣れてくる。今、分かるのは自分が全裸であることだけだ。それとあの男に犯されたことも。  
「おはようございます。アラクネアさん」  
 あの男は椅子に座り、机に肘を着きながら床に寝そべる彼女を平然と見下ろしている。  
彼女の服はきれいにクリーニングされてハンガーで壁にかけられていた。  
「さぁ、スーツを着て今日も仕事に励んで下さい」  
 服をつかんで何も言わずに外へ出て行くべきだったのかもしれない。  
だが、彼女は明確にこの男に対する自分の恐怖を読まれてしまっていた。  
何も言わずに下着を身に着けて、ブラウスに袖を通して、スーツを着る。その間、屈辱で何度か体が震えた。  
カワーリノはそれをいつもの細い目で見ている。  
「また何かあったら来て下さい。上司というのは部下のためにいるのですから」  
「はい」  
 それだけ言うとアラクネアは外へ出た。いつもの廊下も精彩を欠いて見える。もうプライドもキャリアもない。  
無駄な死であっても自分は自分のままで死ぬとアラクネアは覚悟を決めつつある。一人でも多くを地獄の道連れにするためだけに。  
 
 
                                                                         (終わり)  
 

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