アルコールで神経がマヒしてはいたものの、どこか冷静に事態を傍観し認識している自分がいた。  
(ええと、これって……この状況って……)  
ベッドの横たわっているお姉さま。その上に馬乗りになっている自分。先程とは真逆の体勢。そして、  
これから自分がしようとしていることは……。  
(出来るだろうか、自分に? お姉さまに気持ちよくなってもらうことなんて……)  
自分の軽率さがうらめしい。飲み慣れない酒で舞い上がり、一時的にタガが外れたうえでのこととは  
いえ、何ということを口走ってしまったのか。  
(出来ない。出来るわけ無いよ)  
これまでは一方的にお姉さまから責めを受け続けるだけの個人診療だった。自分の方から奉仕に廻  
ったことなど一度も無い。やった事もないことが出来る筈も無い。  
酒の酔いも浮ついた高揚感も退いていく。体が動かない。指一本動かせない。  
(……謝ろう)  
『すいません。やっぱり無理でした』  
私が、そう告げたらお姉さまは何と思うだろう? 失望するだろう。怒られるだろう。今度こそ嫌われてし  
まうかもしれない。だけど、このままじゃ、どうしようもない。  
「す……」  
サツキが口を開きかけたとき、自分の手に触れる物があった。お姉さまの手だ。お姉さまの手が自分の  
手の上に添えられていた。なんて、温かい。お姉さまと目が合う。自分を見つめる真っ直ぐな眼差し。何  
も仰りはしないけれど、心の声が瞳を通じて伝わってくる。  
 
『自分を信じなさい。やる前から諦めるなんて、あなたらしくないでしょう?』  
 
お姉さまの手をそっと握る。それだけで力が溢れてくる。そうだ、こんなの全然、私らしくない。  
(はい、お姉さま!)  
やおら意を決して、お姉さまの乳房に手を伸ばす。サツキの手に余るほどのそれは、得も言われぬ迫力  
とずっしりとした重みを感じさせる。  
(……凄い)  
見ているだけでも圧倒されるが、直に触れてみてより一層その造形美に息を呑む。こんなに大きいのに形  
も崩れておらず、勿論垂れてもいない。尖った乳首がツンッと天を仰いでいた。美人は、おっぱいまで美し  
いものらしい。ゆっくりと感触を楽しむように揉んでみる。しっかりと張り詰めており、押せばそのまま指に吸  
い付くように弾き返してきた。同性の立場からみても、これは魅入られてしまうだろう。  
(私とは……大違いだ)  
嘆いていても仕方ない。だけど、比較せずにはいられない。どれだけ落ち込む結果になろうとも。  
その完璧な美の芸術品が、いま自分の手の中にある。世界中でお姉さまに触れられるのは私だけ。お姉さま  
と愛し合えるのは私だけ。  
ゾクリッ、と背筋が泡立つ。  
(なに……いまの?)  
一瞬、全身を貫く様に快感がはしった。  
お姉さまに奉仕する。畏れ多いことだけど、少し考え方を変えれば、これはひどく興奮するシチュエーションだ  
った。  
お姉さまにしていただいた事は全て、脳が、心が、肌が、身体が憶えている。それを私なりにアレンジしてお姉  
さまに御返しすればいい。  
上手くいくかどうかなんて分からない。だけど……やってみる!  
(お姉さま。私、頑張ります。頑張りますから)  
サツキの唇が、右の乳房の乳首を含んだ。  
 
一度気持ちが固まれば、先程までの緊張が嘘のように身体が動いた。  
勃起した乳首に舌を絡め、啄ばみ、吸ってみる。もう一方の乳房を手で優しく包み込み、揉みしだく。唇  
が、舌が、指が蠢くほどに豊満な乳房もそれに合わせて弾み、タプタプと音を立てそうな勢いで飛び跳  
ねる。  
空いた方の手がそろそろと、下腹部を這い進む。臍の窪みを通過し生い茂る繊毛をサワサワと掻き分け、  
やがて指先が可愛い肉の突起に触れた。一瞬、お姉さまの身体がピクンッと震えたのを感じた。柔らか  
い指の腹で、その敏感な部分を丁寧に撫で擦って行く。時間をかけて、ゆっくりと執拗なまでに。呼吸が  
徐々に荒くなっているのが分かる。  
舐めしゃぶっていた乳首を解放し、軽い接吻を繰り返しながら鎖骨を啄ばみつつ首筋へと誘っていく。解  
れて乱れたお姉さまの洗い立ての髪の匂いが鼻腔をくすぐる。  
(私と同じ匂いがする……)  
さっき浴室で同じシャンプーで髪を洗い合ったのだから当然だ。だけど、そんな些細なことが何故かとて  
も嬉しい。胸が訳も無くときめく。肩から顎の下までのラインを一気に舐め上げる。ヒュウッと息を吸い込  
む音がした。耳朶をやわやわと甘噛みしていく。私がお姉さまに責められて一番感じる箇所。だから、お  
姉さまにもして差し上げる。  
「あ、ああ……」  
女性の性器そのものの様な淫猥な唇から、微かに声が漏れる。  
クリトリスを弄んでいた指が更にその奥、恥肉の方へと伸びていく。太腿を擦り合わせることで侵入を防  
がれたが、有無を言わせず強引に推し進めると抵抗もなく短い縦のラインに指が届いた。そこはすでに  
熱く湿っており、ちょっと力を入れさえすれば易々と挿入を許してしまいそうだ。  
(お姉さまが感じてくれている。私の奉仕で……)  
再び、ゾクゾクと背筋を電流のようなものが駆け上がる。  
(こんなに綺麗な人を、私のような素人の指戯で感じさせられる事ができるなんて)  
お姉さまが腰をモジモジさせている。抗っているのではない。ねだられているのだ。もっと指を。もっと快  
楽を与えてくださいと、無言でおねだりしているのだ。お姉さまが。だけど、そう簡単には与えない。微妙  
に強弱をつけ、力加減を調節して一気に登りつめる様なマネはさせない。誰に教えられたわけではない。  
お姉さまの玩具としての経験で身に付けた焦らしのテクニックだった。  
(人を支配するって、こういう事なのね)  
サツキは今更ながらに思い知る。こういう立場にたって初めて理解できた。掌の上でで人を躍らせる悦び。  
もがき苦しむ様を、じっくりと観察し眺める立場にたつ愉悦。  
サツキは教師として、教育現場にはびこる『イジメ問題』に心を痛めてきた。幸い、夕凪中学や自分のクラ  
スには、この悪しき問題が起きた事例はなかったが、もちろん他人事だとは思っていない。新聞やニュース  
で、いじめによる事件や自殺などの報道を見ると、教育者としてやり切れない思いで一  
杯になる。  
(何故、こんな事が起きるの? 何故、いじめは無くならないの……)  
ずっと自問自答してきた。そして今、理解した。いじめは決して無くならない。  
何故なら、『他人を支配したい』というのは、人間に備わっている根本的な本能だからだ。暴力であるいは権  
力で他人を抑え付け屈服させ服従させて悦びを感じることが人間の真の姿だからだ。いまの私のように。  
 
(まだまだ、これからですわよ。お姉さま。もっと、もっと、もっと感じさせて差し上げますから)  
 

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