「どうだい、こまち。ナッツのと俺の、どっちが気持ちいい?」  
「はぁんっ! やっ! そんっ、なのっ! あっ、ああんっ! はぁぁっ!」  
 秘唇をえぐるココの肉棒に、返事もままならずこまちは喘ぎを漏らす。  
 四つん這いで後ろから貫かれ、その姿勢を維持できなくなり、こまちはがく、とベッド  
に肘を突く。  
 身体が前傾したことにより、こまちの膣により深くココの怒張が突き刺さる。  
「うああああぁっ! ひっ、拡がっ、るっ! ああぁっ! あっ! はぁぁんっ!」  
 こまちが慣れ親しんだナッツの分身はココのものに比べると幾分長く、そして細い。  
 つまりココのものはナッツのものよりやや短く、そして太い。  
 ぎりぎりと膣肉を押し広げるその圧迫感は、自分の意思とは裏腹に、こまちをより無慈  
悲に高みへと上らせる。  
「ひろがぁぁるぅぅっ! ナッツさんの形じゃなくなっちゃう! やぁっ! いやぁっ!  
わ、私の中、壊さないでぇぇっ!」  
 ベッドに突っ伏し、嘆きとも喘ぎとも取れる悲鳴を上げ、こまちは快楽に落ちていく。  
「くっ、こまち、キツイ、ぞっ。のぞみのも締まるが、そ、それ以上だっ! くっ!  
も、もう出るっ、ぞっ!」  
 通告の言葉にこまちの顔がさぁっと青くなり、その目が見開かれる。  
「いっ、イヤっ! 駄目っ! 出さないでっ! ナッツさんだけっ! そこはナッツさん  
だけなのっ! お願い止めてぇっ!」  
 ココを振り返り、必死に懇願するこまち。ココはそれに対しむっとしたように眉をひそ  
める。  
「駄目と言われると……」  
 
 ココの声に続いて聞こえてきたのは、  
 
「よけいにやりたくなるのが心情というものだな」  
 
 こまちの目の前で、やはりこまちと同じく四つん這いになったのぞみを後ろから犯す、  
 
「俺もそろそろだ、フィニッシュといくか」  
 
 ナッツの声だった。  
 
「そうだな」  
「いやああああああぁぁぁっ! やめて! やめてお願いぃっっ!!!!!!」  
 こまちの尻にココの腰が叩きつけられる音が激しくなる。  
 そして一際ぐい、と自分の中にココが突きつけられたと思うや、熱い衝撃がこまちの中  
にほとばしる。  
 
「「うああああああああああああああああああああっ!」」  
 
 ほとんど同じタイミングでナッツも果て、のぞみの中に樹液をぶちまける。  
「あぅっ……やぁっ……ナッツさんじゃないの、に……」  
「ココ、の……すごぉぃ、熱いの、いっぱいだぁ……」  
 
 せがむかのようにひくひくとひくつく秘唇から精液を溢れさせながら、こまちとのぞみ  
の意識は闇に包まれる。   
 のぼせたかのように上気した顔で、口を半開きにし、涎まで垂らし、満足そうに倒れ付  
すのぞみとは裏腹に、こまちの唇には血が滲むほどきつくかみ締めた痕が残り、瞳から流  
れた涙がシーツに薄い染みを作っていた。  
 
 
〜 『 恋の手ほどき 』 〜  
 
− 〜 − 〜 − 〜 −  
 
「んん……ぁん……」  
 まどろみの中、胸と股間にむず痒さを感じ、こまちは呻く。  
 重いまぶたをわずかに開くと、ぼやける視界が天井の木目を映し出す。所々色の濃淡が  
見受けられるそれをぼんやりと見つめながら、あいかわらず続く胸と股間の違和感に、はっ  
とこまちの意識が覚醒する。  
 
「ナ、ナッツさっ! あぁんっ!」  
 
 胸の先端にびりびりと電気が走り、一気に視界もクリアになる。  
「あ、こまちさんやっと起きたー」  
 こまちの股間に顔を埋めていたのぞみが顔を上げる。  
 口周りをこまちの愛液と、そして先ほどいやというほど注ぎ込まれたココの精液でぬめ  
り光らせながら、にこにこと眩しすぎるその笑顔に、こまちの顔が曇る。  
「ん?どうしたこまち」  
 のぞみのさらに向こう側からこまちにかかるナッツの声。  
 
 仰向けに寝そべるこまちの頭の側で、あぐらをかいてこまちの胸をいじるココ。  
 そして尻を突き上げるようにして自分の股間を弄っていたであろうのぞみの、その後ろ  
にやはりあぐらをかいてのぞみの股間を手でいじっているナッツの姿。  
 
「何をそんな泣きそうな顔してるんだ?」  
 こまちの胸中を知ってか知らずか、こまちにしてみれば無慈悲ともとれるナッツの言葉  
にこまちは顔を逸らす。  
 
「大方、ナッツ以外に中出しされたのが相当ショックだったんだろう、もうちょっといた  
わってやれよ、ナッツ」  
 ココの言葉にこまちの頬が赤く染まる。  
「ふむ……だが、ずいぶんといい声で鳴いていたぞ、こまちも感じたんだろう? 別に嘆  
くことはないじゃないか」  
「……」  
 
 のぞみが口元の汚れを気にする風でもなく、ずいっとこまちに詰め寄ってくる。  
「こまちさん気持ちよくなかったんですか? 私すぅっごく気持ちよかったですよー。  
 ナッツのってー、ココのと違って長いしー、奥までずーんっって突き上げる感じがたー  
まんない、っていうかー。あ、でもでもでもー。やっぱりココの方が太くってー、もう中  
が全部めいっぱい広がっちゃう、って感じは格別よねー。あ、でもでもナッツのはアレが  
出る時に奥の方で出るから、お腹の中の中までいーっぱい精液が入ってくるあの感じは確  
かに捨てがたいよねー。  
 うーん、結論! どっちも気持ちいい! うん、けーってーいっ!」  
 あっけらかんとしたのぞみの言い草にもこまちは暗い顔を崩さない。  
「……だって……わたし、やっぱりナッツさんだけの……」  
「やだぁ、こまちさん、私こまちさんからナッツを取ったりしませんよー。だぁって私と  
ココはラッブラブだもーん。他の人が入る余地とかー、他の人に目移りするとかそんなこ  
とないないーい」  
 あいも変わらず能天気さ全開でこまちに向かって手を振るのぞみ。ナッツとココもそん  
なのぞみの姿に苦笑いするしかない。  
 
「まぁまぁ、のぞみ。こまちはのぞみより繊細なんだよ。全部のぞみの基準で考えるのは  
無理ってもんだよ」  
「あー、なにそれー。それじゃ私はがさつではしたない女の子だって言うのー。ひどいよ  
ココー」  
「はっはっは。まさか、僕が好きなのはそんなのぞみなんだぞ、そんなこと思ってるわけ  
ないじゃないか」  
「ほんと?!」  
「ホント」  
「ほんとにほんと?!」  
「本当に本当」  
「わーいっ! ココだーい好きっ!」  
 ぴょんと四つん這いの姿勢から一気にココの横へジャンプすると、のぞみはココの胸板  
に頬を摺り寄せる。  
 
「こまち」  
「えっ……あっ」  
 のぞみが自分の前から居なくなったナッツは、こまちの両手を取り、えいとばかりにそ  
の身を起こし、自分の胸にかき抱く。  
「俺はこまちが好きだ、それはお前もわかってるよな?」  
「……」  
 コクンと、返事の代わりにこまちはナッツの胸の中で頷く。  
「俺にとってココが大切な親友だっていうこともわかるよな?」  
「……はい」  
 返事を確認すると、ナッツはこまちから身を離し、「あっ」と離れ行くぬくもりに思わ  
ず口を開いたこまちに、不意打ち気味に唇を重ねる。  
「んっ?!」  
 唇を離したナッツはまた再びこまちをその胸に抱く。  
「ココにこまちを見せ付けたいという気持ちと、ココにもこまちの身体を味わってほしかっ  
たのは俺のわがままだ。そのせいでこまちが傷ついたなら謝る。でも少しは俺の気持ちも  
察してくれ。ただ純粋におれはココに自慢したかったんだ、俺が世界で一番、誰よりも愛  
しているこまちをな」  
「……」  
 ナッツの言葉にこまちはうつむきながらもその目は見開かれ、その頬は火傷しそうな程  
に赤く染まり、今にも湯気が上らんかとしている。  
「俺の気持ちは未来永劫絶対に変わらない、誓う。だからこまちも俺を信じろ、いつまで  
も俺の大切なこまちでいてくれ」  
「……」  
 それとわからぬほど、  
 抱きしめているからこそわかった、こまちのほんのかすかな頷きに、ナッツは満足そう  
な顔をすると、より一層こまちを力強く抱きしめる。  
 ナッツの鼓動を感じながらこまちもまた、満足そうな笑みを浮かべ、抱かれるままその  
身をナッツに任せた。  
 
「あー、いいなぁ、こまちさん。ねぇココ、私もあんな風に言われたいよぉー、言って、  
言ってぇ」  
「はいはい。まったくわがままプリンセスにも困ったもんだな。のぞみは世界一かわいい  
よ。なんなら学校でもずーっと一緒に居るか?」  
「やだもぉー、ココったらぁ、そんなかわいい、だなんてー、んー」  
 ぐいと伸びをして、ココにちょんと口付けるのぞみ。  
 と、ふいに何かを思いついたらしく、  
「そぉーだっ!」  
 と叫び、ひょいとココから身を離すと、素裸を気にする風でもなく、部屋の傍らに置か  
れた自分のバッグに駆け寄る。  
 
「えーと、確かぁー……あったぁ!」  
「何だ、どうしたのぞみ?」  
 ココに答えず、バッグから取り出した「何か」を後ろ手に隠しながら、のぞみはベッド  
へと近寄る。  
「えへへー、こまちさーん、今度はみーんなでひとつになりましょーよ。こ・れ・で!」  
 
 じゃん、と目の前にかざされたそれにこまちは思わず絶句する。  
 
「じゃじゃーん! 双頭ばいぶぅ〜!」  
「まてのぞみ! お前カバンの中に何入れてるんだ!」  
 思わず突っ込むココにのぞみはちちちと指を振る。  
「ちっちっち、ココぉ、乙女のカバンには夢とロマンが詰まってるんだよ、こーれくらい  
常識常識ぃ」  
「いや、そんな常識おかしいだろ、っていうかお前それ学校にも持ってきてるのか!」  
「こーまかいことは気にしなーいの、ね、こまちさん、いいでしょこれ。私と、こまちさん  
がこれで繋がって、で、ココとナッツが私たちのお尻に入れてくれれば、ほーら、みーん  
な一緒でばんばんざーい!」  
「……色々言うことがありすぎて何から言っていいかわからん……お前これのどこに惚れ  
たんだ?」  
「は、はは、のぞみは時々暴走するからな……ま、まぁ、こうなったら気の済むまでやら  
せてやるか」  
「ま、乗りかかった船だな、こまちもいいな?」  
「え? え? え? あ、あの、も、もうそれ決定事項なんですか?!」  
 無言の2人の頷きにさぁっとこまちの顔から血の気が引く。  
 が、こまちがリアクションを起こすより早く、のぞみはベッドへ上がり膝立つと、自分  
の秘所にVの字型の片方を入れ始める。  
「んっ……おっき……あ……でも、これはこれで……いい、かも……んぁっ」  
 ほどなくのぞみの股間からバイブの片割れがそそり立つ。  
「えへへー、どう、こまちさん。おっきいでしょー、私のおちんちんっ♪」  
 自慢げに腰をふったりして股間の擬似ペニスをこまちに見せ付けるのぞみ。  
「え、あ、あの、その……な、ナッツさん、ど、どうしたら……」  
 思わずナッツに助けを求めてしまうこまちだが、ナッツもココも既にのぞみ側の住人だ。  
 
「んー、こまちの中に入るんだからな、ちょっと舐めてやったらどうだ?」  
「そうだな、のぞみもその方が喜ぶと思うぞ」  
「えええぇっ!? こ、これをですか?!」  
「わー、こまちさん私のおちんちん舐めてくれるのぉー。うっわぁ、楽しみぃ! りんちゃん  
ともここまではやったことなかったからなぁー、うわぁうわぁ、すごいすごい、ね、こま  
ちさん、早く早く!」  
「えっ? えっ? ええっ!? あっ!」  
 
 がしっとのぞみの頭を捕み、逃げられないようにすると、のぞみはずいとバイブをこまち  
の口元にあてがう。  
 
「ね、こまちさん、早くってばぁ」  
「え、で、でも……あんっ!」  
 
 躊躇するこまちを胸を不意にナッツががしっと握る。  
 思いがけない所からの刺激に反射的にこまちは悲鳴を上げ、勿論のぞみはその隙を逃さ  
ず、開いた口に一気にバイブを突き込んだ。  
 
「ふぐうぅぅぅっ! ぐっ! んごっ! ぐっっ!!」  
「うわぁ、凄い凄ぉーい。こまちさんが私のおちんちん舐めてるよぉ。私もココのを舐め  
てるときこんな風なんだー。うわぁー、なんだかほんとに私におちんちん付いてるみたい。  
 すごい、なんだか……あんっ、ほ、ほんとに感じちゃうかもっ、んっ!」  
 切なげにぎゅっと太ももを締め付け、あり得るはずのない部分からの快感にのぞみは身  
震いする。  
 段々と吐く息も荒くなり、明らかに発情しているのが傍目にもよくわかる。  
 
「だ、だめっ! もう我慢できないっ! こまちさん、わ、私こまちさんのこと犯すね、  
い、いいでしょ。いいよね、こまちさん!」  
「きゃっ!」  
 
 ずぼりとこまちの口から引き抜かれたバイブはやはりこまちの唾液でてらてらとぬめり  
光る。  
 勢いでこまちの肩を押し、ベッドへ仰向けに押し倒すと、のぞみはこまちに覆い被さる。  
 
「い、入れるね、こまちさん、私、こまちさんのこと犯しちゃうからね、いくよいくよぉ」  
「ちょっ! ま、待って望みさん! だ、だめっ!」  
「やだっ! 待たないーっ!」  
 
 こまちの言葉だけの制止をものともせず、一気にのぞみはこまちの中に押し入る。  
 
「ふああああああああああああああっっっ!」  
 男根とは違う硬い感触が、奥底を突き上げたかと思う間もなく、最初から全開のピストン  
がこまちの中を襲う。  
 
「うわぁ! こまちさんが、こまちさんが私のおちんちんで貫かれてるぅ! すごぉい。  
こまちさん、気持ちいい? 私もすっごく気持ちいいよっ! 見てるだけで、こまちさん  
の感じてる顔見てるだけで私すぐいっちゃいそうだよーっ! こ、こんなのもう我慢でき  
ないよぉーっ!」  
 
 バイブから感覚など伝わるはずもない、が、のぞみの膣肉は、自らを埋め尽くすバイブ  
を更に更にと締め付け、のぞみの脳はその感覚をまるで自分がこまちを犯しているかのよ  
うにもぞみを錯覚させる。  
 
 目の前の少女を自分の肉棒で犯しているという幻覚にのぞみは溺れ、なお一層の抽送で  
こまちの中を突き上げる。  
 
「いやぁっ! だめぇっ! のぞみさんっ! いやぁっ! こんなのっ! わたっ、私ぃっ、  
のぞみさんに犯されてるぅっ! ああぁっ! やだぁっ! おちんちんっ、のぞみさんの  
おちんちんがぁぁっ! おっきいのがぁぁぁっ!!!」  
 
 女性に犯されるというアブノーマルが、こまちの脳を支配し、苦痛や嫌悪の感覚が徐々  
に快楽へと塗り換わっていく。  
 悲鳴は徐々に喘ぎへと変わり、目が潤み、口元もだらしなく開いていく。  
 
「ひひゃぁぁっ! 気持ちっ、いいっ! すごっ、のぞみっ、さんのぉ、おちんちんっ!  
おっきぃっ! うあぁぁっ!!!」   
「わっ、わたしもきもちいいよぉ! こまちさんの、すっごいぎちぎちで、ぎゅうぎゅう  
でっ! ああぁぁっ! もっ! もっとぉ! こまちさん、もっとぉぉぉっ!!」  
 
 と、乱れる2人の、がすがすとこまちを突き上げるのぞみの腰がふいにぴたりと止まる。  
 
「ひゅぇっ?……」  
「やっ! コ、ココ、何するの! 止めて! 手離して! 動けないよっ! こまちさん  
をもっといっぱい気持ちよくするんだからっ! 私も気持ちよくなるんだからっ!」  
 趣旨を忘れたのぞみの声にココはやれやれとため息を付く。  
「いや、っていうか、俺たちのことを忘れるなよ。2人だけで楽しむなんてずるいだろ、  
ほら、ナッツ」  
「ああ、ほら、こまち」  
 
 よっとタイミングを合わせ、ナッツはこまちを、ココはのぞみを後ろ抱えに抱き起こす。  
 それでもなお繋がったままの2人の後ろの穴に、ココとナッツな狙いを定め、いきり立っ  
た肉棒をあてがう。  
 
「ところでこまちは後ろも経験済みなのか? ナッツ。まぁ、今更だが」  
「ん、ああ、心配ない。こまちの初めては後ろだったからな」  
「なんだ、そうだったのか。じゃぁ心配ないな」  
 
「も、もう! なんでもいいから早くしてよぉ! 私もう我慢できないんだからぁ!」  
「ナ、ナッツさん、お願い、じらさないで……う、後ろでも前でもいいから、は早くして  
ください……」  
「ああ、わかったわかった」  
「いますぐ入れてやる。一気にいくから覚悟しろよ、こまち」  
 
「ああ、早く、早くください! 気持ちよくしてください! ナッツさんでもココさんで  
ものぞみさんでもいいから早くぅっ! いっぱい欲しいのっ! みんなで気持ちよくなり  
たいのぉぉっ!!!」  
 
 こまちの叫びと共に、ナッツとココは同時に2人の後ろの穴に肉棒を突き入れる。  
 頭の中でいくつもの光がスパークし、瞬時に達したこまちは、感極まった表情で、貫か  
れたまま、光の中へ吸い込まれていった。  
 
− 〜 − 〜 − 〜 −  
 
「と、いう風に、みんなでするのも有りだと思うわ」  
「え、えと、あ、あの……は、はい……そ、その……参考に……させていただきます……」  
「うんうんっ! うららもー、シロップとするときは一緒にやろーねっ」  
「え……あの……は、はぃぃ……」  
「あら、3人で何の相談?」  
 
 −ナッツハウス−  
 
 ソファーに座るこまちとのぞみの前で、ソファーに座りもせず、直立不動で顔を赤らめ、  
もじもじと身を縮こまらせるうらら。  
 その3人の前に、腕にミルクを抱いたかれんと、その後ろにりんが続いて階段を登って  
くる。  
「あー、りんちゃんにかれんさん、ミルクも」  
「いらっしゃい。今うららさんにね、んーと……そうね、恋の手ほどきをしていたところ  
なの」  
「手ほどき?」  
「あ……いえ、その……」  
 
 2人(+1匹)がやって来ても、うららの姿勢は変わらず、うつむいてもじもじと両の  
手をすり合わせている。  
 
「うららがねー、シロップとどうやって仲良くなったらいいかー、って聞くからー、こま  
ちさんと色々教えてたの。ちょうど今みんなで気持ちよくなれる方法を説明してたところ  
で……」  
「みんなで、って……まさか、あんた乱交しようとか誘ったんじゃないでしょうね?」  
「せいか〜いっ!」  
「正解、じゃないでしょ! あんたのははしょりすぎっ! もっと前段階を大切にしなさ  
いよ!」  
 スパーンと小気味いい音を立て、りんはどこからか取り出したスリッパでのぞみの頭を  
豪快にはたく。  
「ちょっ! 痛いよりんちゃん! いいじゃない! みんなで気持ちよくなれるんだから!」  
「そうねー。私も最初はちょっと戸惑ったけど、でも違う人とすると新鮮な感動は得られ  
るわ。小説の新しいアイデアにもなるし、ね」  
「うう……こまちさんまでのぞみに毒されてる……」  
 がく、と肩を落とすりんの背中をまぁまぁ、とかれんが慰める。  
 
「ふーんだ、未だに彼氏の一人も居ないりんちゃんに言われたくないですよーだ。わった  
しはココとラブラブだもんねー♪」  
「くっ! のぞみ、あ、あんたそれを言うかそれをっ!!」  
「やぁーん、ココー、りんちゃんがいじめるよぉー、たぁすけてぇ〜♪」  
 
− 〜 − 〜 − 〜 −  
 
 わいわいと騒ぎの収まらない頭上を見上げながら、ココとナッツは顔を見合わせる。  
 
「……俺は時々あいつらが本当に聖なるプリキュアなのかと疑いたくなる……」  
「ははっ、いい娘達じゃないか」  
「否定するわけじゃないが、それでも……な……」  
「俺たちは彼女たちを信じる。それだけだ、今も昔も、な」  
「……国王らしくなってきたな、お前は」  
「今は一介の教師であり、店のオーナーだがな」  
「違いない」  
 
 顔を見合わせて苦笑する2人にドアベルの音が響く。  
 
「「いらっしゃいませ、ようこそナッツハウスへ!」」  
 
 
 
〜 『 恋の手ほどき 』 〜   Fin  
 
 
 

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