あぁ、畜生。
この時代は昼間と夜の寒暖の差が激しくて、
今にも風邪ひきそうだぜ。ぐしゅ。
おまけにこんなに長い間兄ちゃんを探してんのに、
兄ちゃんのニの字も出てこねぇしよ!
えぇ、クソッタレ!
ホントにアレだ、トンデモレデレデのテッチョーブクロめ! って
叫びたい気分だぜ!
ぶえっくしょい! しーうーのあらまんちゅー!
…ヤバい。ホントにおかしくなってきやがった。
思えば、いくつの夜、こんな冷蔵庫みたいな環境のもとで
夜営を繰り返してきたことだろう。もう、ウンザリだ!
それもこれも、全部こいつのせいだ!
方向オンチの上に、無駄に色っぽいカッコしてやがる、この駄馬のせいだっ!
ブーケ! こいつの涙と色っぽい身体にやられて、こんな旅に…。
どこぞの者とも知れん、プラマイゼロとかいう女を探せって…!
あぁあぁあ! 兄ちゃん! プラモデル! どこに居やがる! 返事しろい!
…無い。当たり前だ! こんな草一本も生えてない荒れ地に居るわけねぇ!
かあぁっ! ブーケの野郎、このオレを差し置いて
天使みたいな面してグースカ眠りやがって!
…天使、か。…ホントに、可愛いらしい、エロい顔しやがって…。
! い、いかんいかん! オレとした事が…。
顔にだまされるな、ブンレツ! こいつは天使のマスクを被った
魔界の馬だ! 仕返しだ。復讐だ。何とかこいつに対して
一矢報いてやらにゃ気がすまん!
さて、どうしてくれようか…。