戦乱をおさめてほどなく、救国の勇者が天界から授かった娘、オリーブは少女ながら
王国の辺境地帯に足を踏み入れ、そこに潜んでいたお尋ね者や魔物ですら倒し、
さすが勇者の子だと、王国の人々を感心させていた。
そんな少女にもささやかだが悩みがあった。
「私、もうちょっと背が高かったらよかったかも……」
同年代の少女たちと比べると、小柄であることには違いない。密かに父のような
勇者に憧れていたオリーブは、背の低さが冒険に不利になるのではないかと考えたのだ。
そんな時、彼女はバルナの森で手に入れた宝のおかげで、少しだけ背を伸ばすことが
できた。味をしめた彼女はそれ以来モンスター狩りに熱中していた。
「ヒーヒー……」
日時計を思わせる不思議な石柱を背にした行き止まりで、何匹目かにしとめた
モンスターが目的の宝を持っているのを確認したオリーブは、ぴょんぴょん跳ね回って
喜んだ。たぷんたぷんと、見事な隆起が弾む。
「やったぁ、これでまた背が高くなるーっ」
さらに跳ねるオリーブ。知らない間に少しずつ移動していたその足下に、深い窪みが
あることにも気付かず飛び続け……。
「きゃぁっっ!」
彼女はその穴の中へ落ちてしまった。
暗闇の中を落ち続けていくと、急に眩しい光に包まれた。目が明るさに慣れるのを
待ってから周囲を見回すと、どうやら森の中らしい。しかし、今まで足を
踏み入れたことのない場所だった。
近くの木の枝や草の表面に浮かぶ朝露が、宝石のような輝きをまとって地面を濡らす。
「ここは……?」
オリーブの目の前に樹齢数千年はあろうかという巨木がそびえている。周りの木々と
比べてもその立派な姿に、なにか強い力を感じ取り、この森ですれ違った人々から聞いた
言い伝えが本当なのだと悟った。
「これが有名なエルフの霊木ね」
オリーブが巨木の側に近付くと、その傍らに背の高い若者が立っていることに
気が付いた。彼もまた自然の偉大さに心を動かされているのかと思い、声を掛ける。
「あ、こんにちは。立派な木ですね」
声を掛けられた若者はオリーブを見つめた。
「おや、驚いた。お前は私の姿が見えるのか?」
「え?……はい、はっきりと」
何を意味の分からないことを言っているのだろうと思いつつ、オリーブは
事実を告げると、青年は感心したように、大きく頷く。
「私はこの霊木の番人を務めるエルフだ。私の姿は普通は人間には見えぬはずだが、
まれに心の豊かな人間には見えるようだな」
よくよく見れば、尖った耳とルビーのように紅くきらめく瞳の色、微風に音を立てて
揺れる紅く長い髪が、確かに彼が人間ではない存在だと示している。
「私もエルフに会ったのは初めてです」
この森で、しばしば妖精たちのお茶会やダンスパーティーに混ざって楽しんでいる
オリーブだったので、目の前の若者がエルフだとしても驚くことではなかった。
彼のすらりとした身体つきや性別を超越した美しい容貌は、どんな努力をしても
人間には得られない類いの物だ。その美しさにオリーブの心が揺さぶられた。
――すてき……。
「ところで、お前はなぜこの森にやってきたのだ? まだまだ人間にとっては
危険な場所だぞ」
「私、お父さんみたいな立派な勇者になりたくて、武者修行をしているの」
薬草でもを探しに来たのかと想像していたが、小柄で女らしい身体つきの
オリーブの返答が意外なものだったので、エルフは目を見開いた。
「そうか……」
エルフは何か考え込むような仕種をしていたが、顔を上げるとオリーブの方に
向き直った。
「お前が人間の戦士ならたのみがある。私はこの木を守っているのだが、
ドラゴンモドキどもが樹液を吸いに来て困っているのだ」
ドラゴンモドキには魔法の力が効きにくく、いつもその場から追い払うことしか
できず、彼が守護する巨木はもとより、森全体に被害はゆるやかに広がっているのだと、
エルフの若者は続けた。
「それは……大変ね」
苦悩がにじみ出た彼の横顔を見つめていると、オリーブの心は締め付けられるように、
きりきりと痛む。何か自分にできることはないかと思いを巡らせていると、エルフが
意外なことを口にした。
「お前の戦闘技術を少し私にくれないか? 代わりに私の魔法の力を与えよう」
実はオリーブも戦士と呼べるほど戦闘技術に長けているわけではなく、エルフの若者と
同じく魔法の才能が豊かな娘だ。それでも彼の役に立てるならと、その申し出を快諾した。
「いいでしょう。困った時はお互い様よ」
「すまんな、助かるよ」
と、立ち上がったエルフの若者は外套を外し、ゆったりとした長衣の腰紐をほどいた。
「どうした、お前も服を脱ぐのだ」
長衣を脱いだエルフが下着らしき短い胴衣に手を掛けながらオリーブを見下ろした。
「えっ?」
「知らないのか? 力の交換は人間でいうところの男女の交わりと同じものだ」
「そんな……」
都で多少評判になるほどの大人びた美貌と、身体の優美な曲線を備えていた彼女は、
すでに複数の相手と男女の関係を結んでいた。
それでも、美しいエルフに迫られると、オリーブの顔は真っ赤になってしまう。
上半身裸のエルフの若者は東方の戦士のようにすっきりとした身体つきで、
オリーブが想像していたよりも逞しい肉体の持ち主だった。
「私たちの身体は人間の男とそう違いはない」
「本当に……?」
恐れや不安より先に、エルフの胸に顔を埋めたい、彼の腕に抱かれたいという
欲望が沸き上がる。
「ああ」
エルフの若者が短く呪文を唱えると、オリーブの身体を申し訳程度に防護
していたシルクの鎧が衣擦れの音を立てながら、彼女からはがれ落ちた。
「や……魔法でなんて、ずるい」
覆う物がなくなった豊かな乳房を両腕で隠すが、かえって見事な膨らみを
強調していた。
「お前が私を焦らすからだろう」
「えっ……エルフさん?」
人ではない存在の彼でさえ、オリーブの美しさに惑わされつつあったのだ。
彼女の側にしゃがむと、栗色の大きな瞳を覗き込む。
「まずはお前の力をもらうぞ」
「あ、んっ……!」
唇を唇で塞がれ、身体の力が抜ける。その隙にエルフはオリーブの両腕を
下ろしてしまうと、無防備な乳房に掌をあてた。湿った冷たい感触を楽しむように、
ゆっくりと撫でる。
「お前とならば、十分な力を交換できそうだ」
「ん、んうっ」
エルフの指が乳房の頂点にある可愛らしい突起に伸びると、二人の重なっていた
唇がようやく離れ、息苦しさから解放される。
「ふふ……感じやすいのは心だけではなさそうだ」
充血して形をあらわにした乳首をぷりんっ、と指で弾き、摘む。
「あっ!」
オリーブの声に煽られるように、エルフは豊かな双球を揉みしだく。すぐに
それでは飽き足らなくなり、手に取った乳房を口にした。
「これほど大きな乳房は初めてだ。鎧からこぼれ落ちそうだったぞ」
白い膨らみや首筋に、甘噛みもおり混ぜてまんべんなく口づける。
「んっ……。いっぱい触って」
柔らかく温かいエルフの唇や舌から与えられて全身を駆け巡る快感に、たまらず
大きく仰け反ると、さらに乳房の大きさが強調される。エルフは倒れそうになる
オリーブの背中に両腕を回し、彼女を支えるようにしながら揺れる乳房に顔を埋め、
熟した彼女の小さなふたつの実を交互に舌で転がす。
「う……本当に、人間と同じ……ふうっ」
掌で腰の曲線を何度も辿り、引き締まった尻にまで繊細だが力強い指先が踊る。
「だから心配ないと言っただろう。さあ」
オリーブの身体を地面に横たわらせると、エルフは再び彼女の胸に舌を這わせた。
「もっと、して……」
腰を左右に捻り、胸を揺らして愛撫をねだるオリーブ。美しく逞しい男の
巧みな愛撫に、欲望は高められて身体の奥が疼いていた。
「妖精たちの言う通り、お前は本当に素直な娘だ」
エルフはオリーブの乳房から顔を離すと、魅惑的な唇に再び口づけた。その間も
彼女の双球は彼の掌でやわやわと形を変えている。
「さぁ、お前の力の源を私に見せてくれ」
先程の魔法で剥ぎ取るのを忘れたのか、女の匂いを振りまいているはずの
オリーブの秘められた場所を覆う小さな布きれに手を掛けた。布の一番幅の細い部分に
短い透明の糸が引き、途切れる。楕円に湿った部分を笑みを浮かべながら見つめ、
その白い布を置いた。
「お前の中から湧き出る女の蜜に、力が溶けているのだ」
「私の、戦士の力が、ここに……?」
エルフにされるがまま、両脚を大きく開く。薄めの茂みの下に男を惑わせる花が
露を帯びて咲き誇っている。
「なんと妖艶なのか……」
先ほどからの愛撫に加え、エルフにそこを見られているという羞恥心からか、
オリーブの女陰は蜜壷からたっぷりと湧き出た愛液に濡れ、秘唇が微かに震えている。
「私に戦士の力を与えてくれ」
人には聞き取れない不思議な呪文を唱えると、エルフはオリーブの中心に口付けた。
乳房への愛撫と同じ、あるいはそれ以上に優しく、入口を縁取る赤い花びらを撫で、
全体を潤している蜜をからめ取る。
「はぁ……っ!」
エルフと交わるなどという、本来あり得ないはずのことにオリーブの身体は過剰に
反応し、彼の舌や唇の感触が快感として全身を駆け巡る。
「あ、ああっ……んっ」
いつの間にか包皮を剥かれて露になった、青みがかった肉の真珠を吸われ、
オリーブはエルフの頭を自分の股間に押し付けるように、彼の髪を掴んだ。
「そうか、お前はここがいいのか」
「いい、の……もっと舐めて、いじってぇ……」
彼の舌が敏感な肉芽を撫でるたび内腿が小刻みに震え、肉棒を迎え入れる予感に、
膣と子宮がうごめいた。
「はぁ、ゃあっ……また、出ちゃう」
「お前の蜜は、どの女のものより美味だ」
とろっ、と膣口から流れ出た新たな蜜を舌ですくい取る。オリーブの正体を知らない
男たちも、天界からやってきた娘の格別な味に次々と陥落していった。
「そして強い力を秘めている……これからもこの蜜を振るまってはくれないか」
一旦オリーブの秘所から顔を上げると、真っ赤に充血した乳首を摘みながら
満足げな笑みを浮かべ、潤んだ瞳で見つめている彼女に告げる。オリーブの身体は
人間どころか妖精さえも蕩けさせるほどのものになっていたようだ。
「あ……私でよかったら、いつでも……いいわ」
「ああ、頼むぞ」
エルフは眩い女体の中心に再び顔を埋め、湧き出る戦士の力の蜜を飲み続ける。
「んっ……あ、あっ……」
彼は淫蜜を得るため、容赦なくオリーブを責めたてた。中に舌を入れて内襞を
撫でつつ愛液を掻き出し、肉の真珠を親指と人さし指で弄りながら、熟した野イチゴを
思わせる敏感な胸の突起を指先で弾く。
「はあんっ!」
頭の中を埋めつくした白い靄の粒が弾けた。
反った身体を痙攣させ果てた、オリーブの花芯に唇を密着させたまま、洪水のように
溢れる愛液を喉を鳴らして飲む。
「ふふ……お前の力は澄んでいて私の身体にもよくなじむ」
荒い息をつくオリーブの耳元でそう囁くと、昇りつめたばかりで身体が過敏に
反応してしまうのも構わず、エルフは蜜壷から溢れる蜜を美味しそうに啜る。
「はぁ、はっ……はぁ……う」
ひくひくと収縮する膣奥から流れ出す愛液と同じように、オリーブの意識の中の
白い靄はパチパチと音を立てて弾けても、しばらく晴れることがなかった。
木の葉に溜まった朝露が空へ戻っても、エルフはオリーブの女陰を口と指で
責め続けている。
「あ、あっ、エルフさん……お願い、もう……してぇ」
いくらエルフの肉芽への愛撫が巧みで、幾度となく昇りつめても、すでに男性の
それを挿入される悦びを身体が知っているオリーブには、快感と空虚感がないまぜに
なって身体がどうにかなりそうだった。
「そうだな、今日はこのくらいにしておこう」
「あは……はぁ……」
ようやくエルフの執拗な責めから解放された熟れた花びらの奥からは、まだ淫水が
湧き出している。
肩で大きく息をするオリーブの目の前に、細長い腸詰め肉のようなものが吊るされた。
「私たちの物は、交配の相手と直接触れあわないと使い物にならないのだ」
「え……エルフさんたちは、どうやるの?」
「手で握ったり、口に含む」
「あ、同じだわ……」
何かに操られているように熱っぽく紗の掛かったような瞳でエルフと彼の股間を
見つめ、「三本目の脚」を口にした。根元まで飲み込んでからゆっくりそれを
味わおうとしたが、いくら飲み込んでも付け根に届かない。しまいにはその先端が
オリーブの喉に当たり、軽くえづいてしまった。
「どうした」
「長いから、全部咥えられないの。それに……」
彼を使える状態にまで導くのはそれほど難しくないだろう。問題はその後のことだ。
「私の中に収まらないかも……」
「心配はいらない。形を変えられるからな」
「そんなことができるの?」
オリーブは後に知るのだが、エルフのそれが異様に長いのは、数年に一度訪れる
彼らの発情期に、相手の胎内に確実に子種を送り込むためだ。そのため自分の意思で
交尾中に先端を細く長く変型させることもあるという。
「ああ。しかし、堅くならんとできんのだ」
「それなら……」
オリーブは霊木の側に転がっていた腰の高さまである岩にエルフを座らせ、自分は
彼の両脚の間に膝立ちになった。そして、枝葉から落ちてきた朝露もろとも彼が吸った
豊かなふたつの膨らみの谷間に彼自身を挟む。
「こういうのは、どう?」
「なるほど。お前の乳房に挟まれて、か……」
オリーブのほんのり紅く色付く、巨大で柔らかな双球に自分の分身が包まれると、
肉の鞘の中とは異なる緩やかな圧迫感が、股間から背筋を駆け上がって快感を伝える。
ぴく、と小さく跳ねた身体がそれを語っていた。
「私もエルフさんの力がたくさん欲しいの」
白く柔らかい肉から覗く長根の先端を、ちろちろと舌を出して舐る。その間も両手で
汗ばんだ乳房を寄せながら、幹全体を圧すことを忘れない。
音を立ててエルフのモノを吸い続ける。
「ほぅ……男を昂らせることも、できるのか……っ」
「よくなってきた?」
胸の谷間に挟んだエルフ自身が勃ちつつあるのは、分かっていた。ただ、相手が
エルフなだけにどれくらい堅くすれば使えるのか見当がつかない。
「ああ、続けてくれ」
オリーブは返事の代わりに、の先端に軽く歯を当てた。
大きく脚を震わせたエルフの顔を潤んだ瞳で見つめると、今度は優しく口づけ、
唾液を垂らしながら舌の先で舐めまわす。
オリーブの身体はこれ以上ないくらい疼いている。エルフの口と手で愛撫され、
イかされ続けていた花芯は、男の逞しい屹立を求めてじんじんと痛いほどだ。
早く彼を使える状態に導こうと、彼女は自分の持てる手管を次々と試した。
「そろそろ良さそうだ……私の力をこのまま口で受けるか? それともその妖しく
美しい花の中で受け止めるか?」
ここまで身体を火照らせ、腰を疼かせながら彼の肉棒をしゃぶったのは何のためか。
オリーブに考える必要などなかった。自らの愛液に濡れて恥丘に貼り付く茂みを
指差した。
「こっちに挿れて。中じゃなきゃ、いや」
「よし」
エルフはオリーブを地面に押し倒し、両脚の膝を立ててから大きく左右に開いた。
彼女が自分の肉棒を求めているのが、言葉以外でもはっきりとわかった。先ほどすべて
ぬぐい取ったはずの蜜が、彼女の秘裂から溢れだし、ふくよかな白い尻を伝って
草むらを湿らせる。
「早く、ちょうだぁい……」
熱い屹立の訪れを待つ肉壁が、喘ぐように蠢くのが見えるような気がして、エルフは
自らのいきりたった物に片手を添え、もう片方の人さし指と親指でオリーブの秘口を
広げた。真っ赤な肉壁を飾るように張られた淫水の糸が途切れるのを見届けてから
狙いを定めると、一気に貫く。
「……んふっ……やっと、入れてくれたぁ」
堅い肉棒が押し込まれると、膣に溜まった淫水が滴る。しかし、何か物足りない。
「すごく長いから、お腹を突き抜けちゃいそう……」
彼の物の長さは十分すぎるのだが、細い。オリーブの膣がいくら彼を締め付けようと
収縮を繰り返しても、ぼこぼこした壁が彼に軽く触れるくらいだった。
「ああ、そうだった。すまない……くっ……」
彼が股間に意識を集中させると、潤った鞘の中のそれは短く太くその姿を変えていく。
「あっ、えっ? なに、なんなの……大きく、なってくみたい……」
自分の中に納まり切らなかった部分が入ってくる。
長さを縮めると、根元までずっぽり熱く濡れた秘肉に埋めることができた。
「どうだ? これくらいがちょうどいいか?」
「は、あ……エルフさん、大きくする、魔法、使った、の……?」
「お前の中に納まるように形を変えただけだ。いくぞ」
合図のように、オリーブの肥大した肉の芽を弾いた。
「ひゃ……はぁっ!」
エルフは繋がったままオリーブの太ももを抱えると、深い角度をつけて熱い肉壁を
突きはじめた。
「あ、ふぅ、あっ……んっ、んんっ……ああ……すごい」
熱く濡れた肉が触れあういやらしい音が聞こえるような気がして、全身がさらに
熱くなる。
「は……いいぞ、お前の中が絡み付いてくる……」
「は、ああ、おっきい……ゆっくり、動いてぇ……」
変型したエルフの逸物は、オリーブにとっても太く大きな代物だった。浅く動かされた
だけでも、肉壁が剥がされそうな錯覚に背筋が震える。しかし、それはすぐに違う
震えに変わった。
「私の精が欲しいのだろう? 淫猥な女戦士。搾り取ってみろ」
「すごいよぉ……あんっ、いいっ……はふっ」
ずん、ずんっ、とエルフが容赦なく秘肉を掘り進むごとに、オリーブの腹の底には
重く熱い物が溜まりだした。
エルフの肉棒の侵入を時には阻むように、あるいはさらに奥へと導くように、
膣壁が波打つ。
「あ、あはっ、んぁっ!」
浅く深く抽送を繰り返すのに合わせて、オリーブの内壁が急激に変化していく。
彼女の鞘からは納まった剛直が前後する度に蜜がこぼれ、二人の肉が擦れることによって
泡立っている。
「はふ……は、あっ、すごい……のぉ……ひっ」
「どうだ? いいのか?」
「はぁ、はぁ……とっても、んぁっっ! ……ああっ、あっ!」
どろどろに溶けそうな蜜壷が容赦なくエルフの堅い肉棒に責められ続け、オリーブは
答えているつもりなのだが、喘ぎになってしまう。
「もっとぉ……なか、かきまわして……ぐちゃぐちゃにしてぇ」
しがみつくようにエルフの背中に回していた手に力が入りすぎ、彼の真っ白な皮膚に
小さな赤い染みがにじむ。
「ふふ……素直な娘には、たくさん力を分けてやりたくなるな……ふっ!」
オリーブの爪で作られたいくつもの傷に、汗がしみ込んでかすかな痛みを感じた。
しかし、それすらもエルフには、白い喉を見せながら豊かな乳房を揺らして喘ぐ
天界の娘と、交わる悦びを増大させるだけだった。
彼女の子宮へ届こうとする勢いでエルフは自らの剛直を深々と突き入れた。大きく
力強い動きに、オリーブの膣壁が引きずられる。
「ひぁっ!! かはっ!」
目の眩むような強烈な快感に、一瞬呼吸をすることさえできない。再び意識が
白い靄に覆われようとしていた。
「は、はっ、くぅ……おくに……あたって、いいっ!」
見かけと裏腹な力強いエルフの容赦ない抽送が自分の子宮口をこじ開けてしまいそうで、いや、子宮まで届きそうな勢いと大きさの剛直に、理性を吹き飛ばれたオリーブは自分も
腰を突き出すように動かして、彼の動きをたすける。
「そうだ、そのまま私を導いてくれ……」
オリーブの膣を蹂躙し続けながらエルフが短く呪文を唱えると、自身の肉棒が脈打つ。
「あふっ、もう、だめ……いかせてぇ……」
エルフの動きに合わせるように、オリーブの全身がびく、びくんっ、と小さく
跳ね上がる。腹どころか胸や喉までも貫かれているような存在感にこらえきれず、
よがり泣きを漏らしていた口から涎も垂れる。
「あ、あふぅ、おかしく、なっちゃうぅ……いくぅ……んん、ふ……んうっ」
「くっ……私も、もうすぐだ……」
激しく悶える女体を押さえ付けながら、熱く蕩ける淫肉のさらに奥へ、エルフは深く
強く剛直を送り込む。
「あ、ぅあ、あは……ぅんっ……んぐっ、んあっ……」
ざらついた鞘の中を平らに均すかのように圧迫するエルフ自身に、ついに頭の中に
掛かった靄の粒が一気に音と火花を立ててはじけた。
「ひぁ、はっ……あっ、はぁぁんっ!!」
釣り上げられた魚のように身体を大きく痙攣させて、オリーブは待ち望んでいた
絶頂を迎える。
「ひはぁ……あ、あはぁ……」
「いくぞ……っ!」
熱い秘肉の壁に千切られそうなほど強烈に締め付けられ、エルフの限界まで
いきりたった肉棒もそれまでにない力強さで脈打つと、魔力を込めた欲望の奔流を
オリーブの膣奥へと走らせた。
「ああ……う!」
意識が白い靄とはじけ続ける火花に埋めつくされ、途切れてゆく中で、待ち焦がれていた
エルフの熱い白濁に、彼自身を納めた肉の鞘がさらに彼を締め付けて応えた。
「これが私の力だ……一滴残らず受け取れ……」
まだ絶頂の悦びに震えるオリーブの中で果てたエルフは、その柔らかな身体の上へ
倒れこんだ。
オリーブが再び意識を取り戻すと、真上に太陽の眩しさを見つけた。
「もうお昼なの……?」
朝露の残る早朝から、太陽が天頂に差し掛かる真昼まで交わっていたことになる。
異人の男たちとの交わりは濃密だと、オリーブは少女らしからぬ妖艶さの混じる笑みを
浮かべた。
仰向けの自分の身体に掛けられていたのがエルフの外套だと気付き、オリーブは急いで
それを畳んだ。胸と腰を絹の布で覆った名ばかりの鎧を付け直し、外套の主を探す。
持ち主は霊木の側の岩に腰掛けていた。
「――どうだ、何か変わったか?」
「なんとなく……頭がすっきりしてきたわ」
手にした外套を手渡すと、彼の傍らに腰掛ける。
「そうか。どうやら力の交換はうまくいったようだな」
外套をつけると、エルフは立ち上がり、オリーブに手を差し出した。
「そうね」
繊細だが力強いその手を取って立ち上がる。
「助かったぞ。さらば……」
エルフは高くジャンプしたかと思うと、霊木の上に姿を消した……。
「ありがとう」
その後もオリーブは武者修行でバルナの森を訪れる時には、エルフの守る霊木の前へと
足を運んだ。白い裸身を陽の光の下に晒し、彼の白濁した体液を上下の口から
摂取することによって、魔法の力を少しずつ高めていった。
エルフが霊木にとりつく怪物を退治してからも、オリーブが自分の望む身長に
達しても、ふたりは霊木の下で情を交わし続けた。
彼女が成人する頃には、王国内でも名の知れた魔法使いに成長していた。
そして、数年後……。
1年前からこの国で歌声を披露している旅の吟遊詩人がバルナの森を越えて、
王国へやってきた時のこと。
稀に見る立派な姿の巨木に畏怖の念をおぼえた彼は、その木を題材に何か歌を
作れないかと近付くと、木の根元で美しい全裸の男女がまぐわっているのを
目にしてしまった。
薮の隙間から、真昼にも関わらず情熱的に互いを求め合う二人の様に、幾度となく
生唾を飲み込みながら最後まで見届けてしまった。事が終わると男はほどなく姿を消し、
女もその場を立ち去った。
これだけならただの出歯亀と片付けられそうだが、続きがある。
つい先日、ようやく自分の腕が認められた吟遊詩人は王宮に招かれた。王の御前で、
何度もバルナの森へ通ってようやく仕上がった「エルフの霊木」を題材にした歌を
披露した。
その席に並ぶこの国の重鎮の顔ぶれを見て、彼は内心驚きを隠せなかった。王宮の
中枢で国政を補佐し、また王国内の魔法使いを統べる若い女魔法師の顔が、森で
秘め事を繰り広げる男女の片割れと同じだったのだ。――彼の歌に聞き惚れる一同の
中で、その美しい魔法師だけがうっすらと頬を赤らめていたのを、彼は見逃さなかった。
それは酒に酔った男の戯れ言でしかなかったはずなのだが、似たような光景を見たと
言い出す旅人や警備兵が現れた。ただ、吟遊詩人とは異なり、彼らには一糸纏わぬ姿で
身悶えする若い女の姿と、女を抱くように揺らめく人形(ひとがた)の陽炎しか
見えないそうなのだが……。
酔客らの妄想は酒場の片隅でひっそりと、しかしじわじわと広がっていった。
「オリーブ様の相手をつとめられる人の男は、もはやおらぬのか……」