「さあて、お嬢ちゃんを大人の女に近づけてあげようね」  
 その声と同時に、バナザードの破門槌が娘の菊門に侵入を開始し  
た。肛門周辺の肉を押し広げながら、邪悪な剛直はゆっくりと、し  
かし娘の直腸に押し入ってくる。  
「くっ…」  
 肛門を押し広げられる痛みと、指とは比べ物にならない異物感は  
娘の心と肉体を苛んだが、しかし娘は奥歯を噛み締めて、必死にそ  
れに耐えようとした。悲鳴や、苦痛の声をあげようものなら、この  
男におぞましい快楽を与えるだけだと悟っていたからである。しか  
し耐えようとして下腹部に入った力は、逆に締め付けとなってバナ  
ザードの男性自身に快感を与えてしまった。  
「うほっ、うほっ、いい感じ!」  
 膣とはまた違った感触に悦ぶバナザード。娘の直腸の感触と肛門  
の締め付けを愉しみながら、さらに肉棒を押し込んでいく。バナ  
ザードと娘は、後背位、教会が禁じるところの「獣の姿勢」でつな  
がっていったのである。  
 
 男根を三分の二ほどまで埋め込むと、やおらバナザードは娘の体  
を背中から抱きかかえた。突然の仕打ちにひるむ娘。そして彼は体  
勢をかえると、娘の体を後ろから抱きかかえたまま胡座をかいたの  
である。娘のぷっくりとしたお尻は、彼のふともものうえに据え置  
かれた。  
 もう少し幼かったころ、父は娘をそのようにしてよく抱きかかえ  
てくれた。それは娘にとっては、父という優しく、頼りがいのある  
存在を自分の背中に感じることができる至福の時間であった。  
 
 だが、いま娘を抱きかかえているのは父ではない。バナザードと  
いう醜悪な悪人である。そしてその股間からそそりたつペニスは、  
娘の肛門を刺し貫いている。娘自身の重みで、ペニスはさらに直腸  
の奥深くへとめりこんでいく。娘の両足は大きくひらかされ、いま  
だ無毛の処女地は、娘自身の愛液によって潤いながら、森の陽のな  
かにすべてをさらしていた。  
 
 バナザードの動きが、それまでの緩やかさから一変した。ぐいっ  
と腰をつきあげる。直腸をかきみだすかのように回転させる。だん  
だんと剛直を受け入れることになれてきた娘のアナルは、苦痛だけ  
ではなく快感をむさぼりはじめたのだ。  
 
「ああああああっっっっ」  
 娘は必死でかぶりをふり、自分自身のなかに生まれ始めた快感を  
否定しようとした。だが、ワレメからはじくじくと愛液が滲みだし  
ている。娘が快楽に溺れ始めたことを悟ったバナザードは、さらな  
る責めを加えた。  
 尖った両乳首を同時に強くつまみあげる。耳のあなに下を挿しい  
れ、なめまわし、耳たぶを噛み付く。首筋や背中を丹念になめまわ  
す。秘裂をおしひらき、まだかわいらしい娘の陰核を指で責め立て  
る。  
 これらの淫虐は娘の脳髄をスパークさせた。口の端からはよだれ  
がこぼれ、目はほとんど白目をむいている。肌はあやしく上気し、  
そしてワレメからこぼれる愛液は、どんどんと粘度を増していく。  
 
「えへっっ、そろそろいくぜおじょうちゃ〜〜〜ん」  
 バナザーもまた限界に達しようとしていた。彼はいったんペニス  
を先端近くまで肛門から引き抜くと、とどめの一撃とばかりにそれ  
を一気におしこんだのである。  
「あはあはは……」  
 この一撃に娘の理性は耐えられなかった。つまり、イッたのであ  
る。そしてそれと同時にバナザードの息子の先端もはじけた。それ  
までの数回の射精とは比べ物にならない量の精液が娘の腸内に流し  
込まれたのである。  
「ひひっ、最高だ。よかったぜ〜お嬢ちゃん」  
 満足したバナザードは、娘の体をゆっくりと離した。支えを失っ  
た娘の体は地面にうつぶせにくずれ落ちる。娘の上気した背中が、  
ぴくっ、ぴくっとかすかに動いた。まるでそれは快楽の余韻が娘の  
体内を走り回っているかのように見えた。バナザードもう一度、そ  
の口元に陰惨な満足を浮かべると、ゆっくりとペニスを娘の体から  
引き抜いた。  
 
 娘の純潔はいまだ健在である。だが、その心と体には、処女の身  
にはおよそ耐え難いほどの淫虐が加えられたのだ。男の体液がそそ  
がれた箇所が違うだけに過ぎない。  
 そして、娘の菊門からは、体内におさまりきれなかった白い毒液  
が、ゆっくりと流れ出していた。  
 
 快楽の波はだんだんと引いていった。そしてその代わり娘の心  
は、耐え難い汚辱感に蝕まれていった。お尻の穴とはいえ、男にそ  
れを無理矢理征服され、精液をそそぎこまれたのだ。直腸のなかで  
バナザードのペニスが震え、毒液がはきだされたときの感触は、一  
生消えそうになかった。汚された…その思いは娘の心を引き裂い  
た。  
 
 だがそれと同時に、娘の心にもうひとつ芽生えたものがあった。  
「怒り」である。自分の体を快楽の道具にし、思うがままにしたバ  
ナザードへの怒り。そしてなすがままにされ、快楽すら感じてし  
まった自分自身への怒り…。  
 
「殺してやる殺してやる殺してやる…」  
 手足にかけられた「麻痺」の魔法効果は薄れつつあった。バナ  
ザードは陵辱に時間をかけすぎたのだ。それなのに、バナザードは  
娘のアナルを征服したことに満足したのか、あぐらの姿勢のままだ  
らしなく座っている。それまでの用心深さが薄れているのだ。  
 
 しかし、火のように怒りが燃え上がる一方で、娘の心の一部は驚  
くほど冷静だった。手足の自由が戻ったとしても、これまでの暴虐  
によって痛めつけられた体では勝ち目はない。第一、自分はいま丸  
腰だ。いや、魔法力なら多少は残っている…。だが正面からではダ  
メだ。なにか策を…。決心した娘は、自分に言い聞かせるかのよう  
に軽くうなづいた。それにバナザードはまったく気づかなかった。  
 
「うっ…うっっ…」  
 切なそうな声を上げて娘は仰向けに体勢を変えた。豊乳丸によっ  
てわずかに膨らんだ乳房が露になる。荒い息を吐き出しながら、娘  
の口がひらいた。  
「おじさん…まだわたしおかしいのぉ…あそこがじんじんするのぉ  
…」  
 そういいつつ己の秘所に指がのびる。突然の娘の痴態にバナザー  
ドは驚いたが、「妖精の蜜」の効果がまだ残っているのだろうと独  
り合点した。このあたり、彼は平素の狡猾さを失ってしまってい  
る。  
「へへへ…だったらお望み通り、お嬢ちゃんをオンナにしてやる  
ぜぇ」  
 バナザードはあぐらを崩した。さて、どこから責めてやろうか。  
そんなことを考えながら顔を娘の柔肌に近づけた瞬間ーー  
 
 娘の手のひらがバナザードの顔面に突き出され、そしてそこから  
火の玉が飛び出した。攻撃魔法だ。いつもよりも威力は弱めとはい  
え、火の玉はバナザードの見える方の片目を至近距離から直撃し  
た。  
「ぶひっぶひっぐひっっっっ」  
 まさにバナザードは豚のような悲鳴をあげた。両手が血まみれの  
顔面を押さえる。その瞬間をみのがさず、できる限りの素早さで立  
ち上がった娘は、再び火の玉を、今度はバナザードの胸にめがけて  
叩き込んだ。さらに醜い悲鳴をあげながら、バナザードは仰向けに  
倒れた。今度は口からも血を吐き出している。  
 
 娘は近くに放置されていたミスリルの剣に気づいた。疲れきった  
体を引きずるようにしてそこまで歩き、剣を手に取る。さて、これ  
からどうしようか。さっきは「殺してやる」と思ったが、さすがに  
いざとなると、人の命を絶つことにはためらいを感じた。悩む娘  
に、バナザードが苦痛にうめきながら声をかる。  
「頼む…命だけは…さっきのことは誰にも言わないから…」  
 やはりこの男は平素の用心深さを失っていた。娘が彼を殺さなけ  
ればならない理由があることをはっきりと教えてしまったのだか  
ら。全裸の娘は剣を持ち直すと、ゆっくりとバナザードに近づいて  
いった…。  
 
 
 数刻後、主人の命を受けて森に赴いたキューブがみたものは、豚  
のような大男の亡骸と、その近くで月光をあびながら惚けたように  
つったっている全裸の娘だった。口元はかすかに微笑を浮かべた娘  
の柔肌は、血によってあちこち染まっている。股間はバナザードの  
喉を切り裂いた瞬間に溢れ出た愛液でしとどに濡れ、妖しいひかり  
を放っていた。  
「お嬢様…」  
 キューブがそう声をかけた瞬間、娘は地面に崩れ落ちた。気を  
失ったのだ。  
 
 キューブは驚愕したが、その処置自体は迅速だった。彼は裸の娘  
を自分のマントでくるむと、人目につかないよう用心して王都の主  
人の屋敷へ娘を運び込んだ。そしてその後、城の警備隊へは、森に  
大男の死体があることのみを報告した。  
 
 信頼できるかかりつけ医が屋敷に呼ばれた。そしてその老医に  
よって、ショックは大きいものの娘に命の別状はないこと、そして  
その純潔は無事であることがキューブと父に報告された。  
 
 それから三日三晩、娘は悪夢にうなされながら眠り続けた。父は  
公務を休み、つきっきりで看病した。キューブすら娘には近づけな  
かった。大男の死体がバナザードだと判明し、城からは賞金と、王  
からの見舞金を届けに使者がやってきたが、そんなことはこの父娘  
にはあまり関係のないことだった。  
 
 
 娘が目覚めたとき、ベッドの脇に置かれた椅子のうえで、父は居  
眠りをしていた。いつものダンディさとはうってかわって、目には  
隈を浮かべ、頬には無精髭をはやしたその顔をみた瞬間、娘は悟っ  
た。父はずっと自分を見守ってくれていたのだ。娘の目から涙が溢  
れ出た。やはり父は違う。この人だけは自分を最後まで見守ってく  
れる。娘の心をあたたかいものが満たした。  
 
 だが娘は知らない。わずかの間に淫微さを増した娘の体に、父が  
果てしない欲望を感じたことを。汗まみれになった肌着を着替えさ  
せるときや、悩ましげに動くその唇を見つめるときに、父の男性自  
身が猛り狂っていたことなど。そして眠り続ける娘のかたわらで父  
は、娘のショーツに己の肉棒を包み込み、その欲望を吐き出してい  
たことなどーー  
 
 二月後、すっかり体力を取り戻した娘は、父の反対を押し切って  
水郷地帯へ冒険に出かける。そこに更なる淫らな罠が待ち構えてい  
るとも知らずに…。  
 
(バナザード編・完)  
 
 

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