灰色の天井。コンクリートが塗り込まれただけの、飾り気の一つも感じられない殺風景な天井。  
 目を覚まして、最初に飛び込んできた見覚えの無いそれに、ヒロは戸惑いを覚えた。  
 「ここは・・・?」  
 身体を起こそうと、伸びていた両腕を降ろそうとする・・・が。  
 ギシッ  
 何かが軋むような擬音が聞こえ、同時に両手首に締め付けられるような感触。両腕は、意に反して全く動かなかった。  
 「あれ?」  
 首を動かし、自分の手首を見る。  
 「え? な・・・何だ、これ?」  
 手首に荒縄が巻かれ、ベッドのヘッドボードに括り付けられていた。右手も、左手も。  
 足を動かしてみるが、同じような感触があるだけで、やはり動かない。  
 ヒロは軽くパニックに陥り、手足を思いっきり引いてみるが、縄の結び方が上手なのか、身体はピクリとも動かなかった。  
 「ダメだ・・・。ここは・・・どこだろう。」  
 抵抗を諦めたヒロは、辛うじて動く首をキョロキョロとさせ、自分の居場所を調べる。  
 仄暗い部屋、天井と同じで飾り気のない灰色の壁、吊り下げられた電灯、そして重々しい鉄扉。  
 ヒロはこの場所に、心当たりがあった。  
 
 「・・・地下室だ。何で、こんな所に?」  
 独り言のように、ヒロは呟く。  
 「教えてほしいか?」  
 すると突然、頭上から声が聞こえた。  
 見上げるとそこに、見覚えのある顔がある。  
 「姫!」  
 「おはようヒロ。主君より目覚めが遅いとは、随分と寝坊助じゃないか。」  
 ヒロの顔をのぞき込む姫。長い髪が垂れ、ヒロの顔をくすぐる。  
 「ひ、姫、これは・・・?」  
 怯えた表情で、姫に問いかけるヒロ。その表情が可笑しかったのか、姫はニヤッと笑ってから顔を上げ、ベッドの横を歩きながら言う。  
 「今日はな・・・お前を、いたぶってやろうと思ってな。」  
 そう言うと、姫は右腕を伸ばし、パジャマの上からヒロの陰茎を鷲掴みにした。  
 「え! ひ、姫?」  
 「ふふっ・・・まだ小さいな。どれ、大きくしてやろうか。」  
 円を描くように右手を動かし、ヒロの陰茎をさする。すると程なく、パジャマの上からでも分かるぐらい、陰茎が屹立してきた。  
 「早いな・・・。」  
 陰茎を掴み、上下に擦る。  
 シュッシュッ・・・と、パジャマのこすれる音が響く。  
 
 「んんっ・・・。」  
 堪えきれず、ヒロの口から声が漏れた。それを聞き、ニヤリと笑う姫。  
 「気持ちいいか、ヒロ。なら次は・・・。」  
 そう言いながら、姫は服の中からカッターナイフを取り出した。右手親指でスライドを押すと、チチチと音を立てながら刃が露出していく。  
 「え? な、何を?」  
 しかし姫の表情はにやつきのまま、カッターナイフをくるんと回転させ逆手に握る。  
 そして、その刃を突き立てた。  
 ビビビビッッッッ!  
   
 刃はヒロのパジャマとパンツを一緒に引き裂いていく。  
 「怯えるな、たかだかカッターナイフで。」  
 姫はカッターナイフの刃を仕舞うと、再び服の中へ戻す。  
 「だが・・・こっちの方は、縮こまらなかったな。」  
 そう言って、露出した陰茎を右手で握った。  
 「あっ!」  
 思わず声を上げるヒロ。  
 その声に満足したのか、姫は再び笑ってから、その手を上下に動かし始めた。  
 
 シュッシュッ・・・シュッシュッ・・・  
 「うう・・・あ・・・ひ・・・姫・・・。」  
 快感と興奮と、後ろめたさと気恥ずかしさを織り交ぜた表情で、姫を見つめるヒロ。それを見て、姫はより一層にやつき、そして右手のスピードを速めていった。  
 「気持ちいいか、ヒロ。答えてみろ。」  
 「ああ・・・うん・・・ひめ・・・きもち・・・いいです。」  
 「そうか・・・。」  
 姫の手の中で、陰茎が一段と増大する。亀頭は真っ赤に膨れあがり、陰茎の血管はこれでもかと肥大して、より一層の血液を海綿体に送ろうと脈打っている。  
 それを掌で感じ取り、そしてヒロに問いかける。  
 「ヒロ・・・そろそろイキそうか。」  
 「う・・・あ・・・はい・・・もう。」  
 「ふふっ・・・そうだ、ヒロ。いいことをさせてやろう。」  
 そう言うと姫は、自分の顔を亀頭の前まで寄せる。  
 そして、ゆっくりと顔を遠ざけ、ヒロの亀頭から50センチぐらいの所で動きを止めた。  
 「ヒロ・・・ここまで飛ばせば、私に顔射出来るぞ。魔界の王女たる私の高貴な顔にぶっかけられるぞ・・・。」  
 そう言いながら、右手の上下を更に激しくさせる。  
 ヒロの声がそれに比例して更に大きくなり・・・。  
 
 
 ドピュ、ドピュッ!  
 「・・・!!」  
 
 
 
 ヒロから放たれた白い精液は、空間を超速で飛び越え・・・その殆どが、姫の顔に、髪に、降り注いだ。  
 
 
 
 「はぁっ・・・あ・・・姫・・・ごめん・・・。」  
 脱力感と快感の中、それでも済まなさそうな表情を浮かべ、姫を見るヒロ。  
 姫の顔に、髪に付着した精液は、重力の影響を受け滑り落ち、ポタポタとベッドに垂れていく。  
 と、その一滴を親指で拭い取り、その赤い舌でペロリと舐め取ってから言った。  
 「美味いな・・・思ったよりやるじゃないか、ヒロ。さてと・・・。」  
 姫は顔を拭こうともせずに立ち上がると、ヒロの頭の横に立つ。  
 そして、黒いフリルスカートの中に両手を入れると、スルスルッと黒いパンティを下げ始めた。  
 パンティが太股に擦れ丸まっていく。  
 そして、膝下まで下ろすと、右足を少しだけ上げてパンティを脱ぐ。  
 ヒロの位置からは、ピンク色の秘部がチラリとだけ見えた。  
 「次は私の番だな。」  
 (続く)  
 

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