「がぁぁぁぁ! 届けッ! この欲望ッ!」  
「あんたは何口走ってるのよ……」  
 
 ここは雨宮の家の中。  
 俺、夜科アゲハはPSIの練習に明け暮れている。  
 練習の内容は『一歩も動かずに雨宮の身体の何処かに触れること』。  
 その内容を聞いた瞬間、俺はこう思ったものだ。  
 
『どうか俺に雨宮の色んな所にタッチできる能力を――!』  
 
 全ての脳細胞を活性化させ、雨宮の色んなところを触る能力を自らの力で発現させようと必死に創造する。  
 俺は雨宮のあの身体に触れられるのなら、今ここで死んでもかまわない。  
 だから、神様。俺に奇跡を――――!  
「うおおおぉぉぉぉぉぉ!」  
 俺の目の前に手が発現し、それが雨宮に襲い掛かる!  
 あと少しだ……!  
 
「がぁぁぁぁ! 届けッ! この欲望ッ!」  
「あんたは何口走ってるのよ……」  
 
 寝そべって本を読んでいた雨宮がこちらを振り向く。  
 で、迫り来る俺の手に気づいた瞬間、少し動いて回避しやがった。  
 俺の作った手が壁に衝突し、消滅してしまったじゃないか。  
「ちょ、雨宮……。それは無いだろう……」  
「別に避けないとは言ってないよ」  
 うぐっ、雨宮のやつめ……。絶対、男心を弄んでるだろ。その笑みは何だよ。  
 これは男のプライドに賭けても負けられない戦いだ。  
 絶対に雨宮の口からギブアップの言葉を言わせてやる……!  
 
 ――数時間後。  
「もう……駄目だ……。ギブアップ……」  
 情けないことに俺から降参。PSIってこんなに扱うの難しいのかよ。  
 あと一歩のところだったんだが……。  
 雨宮には『もう一度頑張ろう』と優しく言われたが、俺は騙されないぜ。  
 絶対に心の中であざ笑っているに違いない。  
 
 そんな雨宮に仕返しをすべく、俺は一旦睡眠を取り、雨宮が寝静まったころに練習を再開する。  
 そしてPSIの扱いに確固たる自信を持ったとき、俺の目が闇の中でキラリと煌く。  
夜中なら避けられまい。さぁ、この手の餌食になるのだ!  
 静かに念じてPSIを発動させ、雨宮に近づける。  
 よし、順調だ……。観念するがいい雨宮……!  
 音もなく忍び寄る俺の分身は、まず雨宮の剥き出しになっている太ももを擦っていく。  
 自分の手で触っているわけではないのに、触っているという実感を持つ奇妙な感覚が俺の興奮を高ぶらせた。  
 雨宮は全く気づいていない様子だ。  
 俺の魔手の行為は徐々にエスカレートしていく。  
 二本目の手を作り出し、両方を駆使して雨宮の制服を脱がしにかかった。  
 慣れない操作で苦心しながらも制服を全て脱がすと、そこには月明かりに照らされ、より扇情的になった  
雨宮の姿が俺の前にあった。白いブラが月明かりに染まり、よく映えている。  
 ――おっと、手が止まっていた。  
 再び手を動かし、今度はブラの上から雨宮の胸を弄んでみる。  
 年相応に実った膨らみは手の動きにあわせて形を変形させていき、俺を大いに楽しませた。  
 
「ん……ぁ…………」  
 本人は全く気付いていないのだろうが、小さく声が漏れている。  
 ブラも取り外し、直に(?)雨宮の胸を触る。  
 雨宮の胸はむにゅむにゅと柔らかく、触っているうちに乳首が徐々に硬く、自己主張をするように強く尖っていった。  
 その先端を押したり、こねくりまわすたびに雨宮の喘ぎが聞こえる。  
「あ……ふぁ……ぁふぅ…………」  
 それがたまらなく楽しくて、雨宮の声が聞きたいがために、俺は手を下の方へと移動させていく。  
 正直言うと、俺はこの拘束を解くことが出来る。  
 解いて、俺自身の手で雨宮をいじくりまわす。  
 こんな遠まわしな方法を使わずとも、直接責めることが出来るのだ。  
   
 だ が 、 そ れ が い い !  
 
 このじれったい思いを楽しみながら雨宮を責めるのがいいのだ。  
 普段なら絶対に有り得ないシチュエーションを、今、俺が実現しているのだと思うと、妙な快感が沸き起こる。  
 このまま雨宮を責め続けることこそが正解なのだ――!  
 
 すやすや眠る雨宮のよそで勝手な決心をして盛り上がる俺。  
 下の方へと動かしたPSIの手は雨宮のショーツをゆっくりと上下に撫でる。  
 月明かりだけが雨宮を照らしているので暗くてはっきりとは見えないが、雨宮のショーツにシミがあるのは分かる。  
「はぁ……んっ……あっ……あぁ……」  
 雨宮の息遣いも荒くなってきていて、時折寝ているのを疑わせるくらい強く悲鳴を上げたりする。  
 そんな雨宮の痴態で俺の息子は既にガッチガチだ。  
 はちきれんばかりの欲情をその中に宿し、俺のズボンを大きく盛り上げていた。  
 雨宮のショーツを脱がすと、そこには愛液を秘裂から垂らす、淫らな雨宮の姿が――。  
 もう我慢できない! 雨宮には悪いが、ここからリミッターを外させて貰う!  
 俺のPSIのスピードは最初からクライマックスだぜぇぇぇぇ!  
 乱暴に雨宮の秘部に手を突っ込み、激しく掻き混ぜる。  
「あぁ、あぁぁっ、あぁん、あぅぅ……!」  
 俺の手が雨宮のナカを掻き回すたびに、雨宮の上下の口から音が響く。  
 上からは喘ぎ声が、下からはいやらしい水音が同時に音を奏でる。  
 半透明で薄く光るPSIの手が雨宮のソコを責めるとき、目を薄めれば雨宮のナカが見える。  
 責めているのにナカが見えるという普段は有り得ない状況。  
 雨宮のナカはヒクヒクと蠢いていて、俺のPSIを締め出そうとする様子が見て取れる。  
 そして雨宮の下の口から飛び出す涎はベッドに大きなシミを作っていた。   
 その様子に興奮して行為に没頭する俺は気付かなかった。  
 
 ――雨宮が目を覚ましていることに。  
 
 雨宮の身体が前よりも敏感に動いている。そろそろ限界だろうか?  
 それならこの俺が絶頂に導いてやるぜッ!  
 最後のパワーを振り絞り、PSIのスピードを限界まで加速させる。  
 どうせあと少しで俺のPSIは消えてしまうのだ。  
 それならば後悔の無いように(?)雨宮をイかせてあげなければ!  
 
「あぁんっ、アゲハぁ、ああっ、ああっ、あぁあっ――――っああぁぁあぁ!」  
 
 全身を痙攣させ、はしたなく開かれた口から涎が垂れさせる雨宮。どうやらイったらしい。  
 さて。後は雨宮に服を着せていつも通りに寝るだけだ。  
 俺はずっと縛られていたのだから俺にはアリバイがある。いわゆる完全犯罪というやつだな。  
 雨宮に再び服を着せ、俺は深いまどろみに落ちていく中で一つ気付いた。  
 
 あれ? さっき俺の名前呼ばなかった?  
 
 その疑問は睡魔に押さえ込まれ、その日はもうそれきりになったのだった。  
 
 
 翌日。目を覚ますと…………どこ、ここ?  
 
 周りはやたら暗いし、誰かの気配も感じられない。今は、朝の筈なんだが――?  
 混乱する俺の耳にカツーンカツーンと誰かが歩いてくる音が入ってくる。  
 誰だ、と思って目を凝らしてよく見てみるとそれは雨宮だった。  
 その手にはランプと――――鞭?  
 そして雨宮の持つランプで俺の場所が照らされたとき、俺は初めて自分の置かれた状況を理解した。  
 まず俺の手足が頑丈な鎖で拘束されていた。ここは牢屋のような部屋だった。雨宮の顔が恐ろしく歪んでいる。  
「ねぇ夜科ぁ? 今から何か言い残すことはない? 最後だから一言くらい聞いてやるわ」  
 
 思い当たる節など一つしかない。つまり ば れ て る !   
 
 何故か知らないが雨宮には昨日の行為がわかっているらしい。  
 それで、手に持っている鞭とかで今から俺をいたぶろうと言う魂胆ですね、分かります。  
「で、最後の言葉は?」  
 雨宮の顔はにっこり笑っているのが逆に怖い。  
 だが、男としてこれだけは言っておかなければ――!  
「雨宮」  
「なぁに夜科?」  
 
「男はすべからく変態だ!」  
 
次の瞬間飛んできた鞭が痛かったのは言うまでもあるまい――。  
 

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