それは、一瞬の出来事だった。
サイレン世界で少しでも油断することは死に繋がると頭の中でわかっていたのに。
一匹の禁人種を倒してライズを止めた瞬間に、違う敵から攻撃をうけた。
ストレングスで強化された数多の触手が雨宮の四肢をきつく締め付けるのに、3秒もかからなかった。
あまりの速さと力強さに雨宮の手中にあった刀が思わず手から離れる。
「くぅぅぁ……ぁ……は……なして……!」
いくらライズで身体を強化しても、万力の力で締め付ける触手から逃れることはできない。
バーストを不得意とする雨宮には敵に攻撃する手段が無いし、こんな状態でPSIを練る事など出来ない。
唯一の希望は仲間の助けだったが、他のみんなは建物の中で戦いで傷ついた身体を癒している。
ただ一人、あまり怪我が無かった雨宮だけで見回りにきたのが裏目に出てしまったのだ。
おまけにこの場所は人目につきにくい隠れた洞窟。
誰かが異変に気付いても、雨宮を見つけるのには相当の時間がかかる。
何とかしてこの場を独力で凌ぐ為に、雨宮は自分を空中に捕まえる相手を観察した。
身体から出すジェル状のぬめった触手で雨宮を捕縛するそれは、身体全体が青で半透明のスライムだった。
核が背中側にあるのでこのままでは手の出しようが無い。
その軟そうな形状と裏腹に強力な力を持ち、自由な形に変われるスライムはライズ主体の雨宮では分が悪い。
恐らく打撃では効果が無いだろうし、斬撃を加えても再生するかもしれない。
その時、雨宮の耳にジュッ、と聞き覚えの無い音が聞こえた。
まるで何かが焦げ付くような――。
「ぅ……え……嘘…………!」
雨宮の制服が溶けている。
スライムの触手に付着していた粘液が原因のようだ。
徐々に服は溶けていき、純白のブラとショーツが姿を現し、それすら溶けていった。
形の整った白い乳房と性器が外気に晒され、その上を触手の粘液が覆っていく。
「ん……っつぁ……」
粘液がじかに触れた所が、熱く火照りだす。
人体までは溶かせないようで安心する雨宮だったが、すぐに身体の異変に気が付いた。。
先ほどまでと違って頭が蕩ける様に熱いし、体はぴくぴくと細かく痙攣し始める。
乳首が途端に勃起し始め、秘所にはあっという間に蜜が溢れていくのを雨宮は感じ取っていた。
脳が上手く機能せず、抵抗力も薄れてきた雨宮の意識は、急に脳まで迸る刺激に呼び起こされた。
「ひゃああっ!」
それは触手が雨宮の乳首に吸い付いた時の刺激だった。
雨宮があまりの快感に目を閉じたとき、もう片方の乳首に触手がしゃぶり付く。
加減を知らない触手の吸引に雨宮の身体は大きくのけぞり、髪の毛を振り乱した。
「んんっ! んぁあ! ゃああ!」
自慰で味わったことの無い感覚に雨宮は思わず悦びの声をあげた。
すぐに我に返り、羞恥で顔を真っ赤にする。
触手から逃れようと最後の力を振り絞って暴れる雨宮。
だが、儚い抵抗も強い締め付けの前にあっさりと屈してしまう。
上下左右に両胸を引っ張りながら吸い上げ、他の触手が胸を揉むように雨宮の身体に絡みつく。
揉むことだけでは飽き足らず、器用に胸の突起を押したりなぞったりして、雨宮という玩具を存分に遊んだ。
「あんっ! あぁっ……ゃ、やあぁ!」
2本の触手が雨宮の両脚を無理やりに抉じ開け、M字に固定させた。
無防備な秘裂に小さなイボのある触手が擦り寄りってくる。
触手は焦らす様に何度も雨宮の蕾を擦るだけで入ってこようとしないように見えた。
「あ……ひぅ! あぁっ……!」
もはや雨宮には抵抗する気力が僅かしか残っていなかった。
その抵抗力も敵の陵辱にじわじわと削り取られていく。
触手はぷっくりと赤いクリトリスを探し当てると、音をたてて啜り始めた。
「んあっん……んひぃっ!」
吸い付かれた雨宮の体がびくびくと前後に震える。
じゅるじゅると啜る音と雨宮の悲鳴だけが洞窟に響き渡った。
「やっ! そんなところぉ……!」
身を捩り、少しでも触手から逃れようとしたが
身体に絡みつく触手は意に介してもいないようで、徐々に進入を始めた。
雨宮は化け物への恐怖感と生暖かいイボのある触手の感触に苛まれる。
人外のモノに感じる自分をとても汚らわしく思った。
「っつあああぁ!ぁああん!うあああっ!」
触手が勢いよく雨宮の処女膜を突き破り、往復を始めた。
最初からスピードを緩めることなく、襲ってくる快感に雨宮は目を見開きながら喘ぐ。
処女膜の痛みなど感じなかった。というよりは、快感が痛みを塗り消したのだ。
粘液が媚薬の類の効果を持っていると気付いた時には、雨宮の身体には髪の毛から
足のつまさきまで隙間無く生暖かい粘液がかかっていた。
ぽたぽたと愛液と共に滴り落ちる鮮血。
辺り一帯に響き渡る濁った水音が雨宮の精神をさらに追い詰めていく。
「ふぐぅ!? んん! んんんっ! んぐぅぅぅ!」
押し寄せる快楽に半開きになっていた口にも、ねばっこい粘液をつけた触手が入る。
口の中に進入した触手は雨宮の前歯を、歯茎の裏側をなめ回す。
ぬるりとした感触が咥内全体に行き渡り、喉を通過していく。
声を出すことさえ出来なくなった雨宮だったが心まで屈していたわけではなかった。
だが身体はこの辱めをあるがままに受け入れ
女として生まれたことに対する歓喜を上下の口から垂れ流していた。
視点は虚空を泳ぎ、足のつま先は伸びきっている。
触手が抜かれたあとの口には粘々した粘液が唇の間に糸を作り
眼鏡にも前が見えなくなるほどの粘液がかかっていた。
「ああっ、こんなぁ……だめだめだめぇ!」
舌を宙で泳がせながら雨宮は自分の限界を感じ取っていたが、同時に意識を取り戻した。
今まで化け物に犯されているという恥辱は最早なく、ただこの行為が終るのを待ち構えていた。
なのにこんなときになって、この禁人種にも子を孕ませる精液があるかもしれないことを考えたのだ。
「あ、あああ、ああっ、ああんっ!!」
あまりの激しさに呼吸すらままならず視界に霧がかかる。
その霧が一度突かれる度に消し飛ばされ、再び元に戻るという現象が繰り返されていた。
「んああっ、あ、はあぁぁん! やぁ! 出さないでぇ! それだけは――!」
その瞬間。雨宮を犯していた触手が膨張し、白濁液を雨宮の子宮にぶちまけた。
「ひゃあああああっ! んんっ! あっ……ぁああぁあっ!!」
生暖かい白濁液が子宮に吐き出されるのと、雨宮が限界を迎えたのは同じ瞬間だった。
今まで以上に身体をのけぞらせ、ビクッ、ビクッ、と痙攣させる。
消え行く意識の中、最後に見たのは他の禁人種たちの姿だけであった――。