僕らは事前にエルモアの予言で自らの末路を知っていたので宣戦の儀には行かなかったが、アゲハさんたちはその犠牲となってしまい、僕らの間にも重たい空気が流れていたことをよく覚えている。  
アゲハを兄のように慕っていたカイルにかつての陽気さは無く、口では強気なことを言っていたフレデリカも影では一人で肩を震わせていたが最も見るに耐えない状況なのはマリーだった。  
食事も喉を通らず、部屋から一歩も出ずにただ嗚咽だけが聞こえ……  
そんなマリーは見たくない。またあの無邪気な笑顔を見せて欲しい  
 
そんな絶望的な状況での、エルモアの予言。  
僕らはその言葉を信じて修行し続けた  
発展途上のPSIを完成に近づけ、ライズを鍛え…  
皆、予言の時に備えて必死だった  
 
しかし自らの能力である「心読」を鍛えているうちに、残酷な現実が突き刺さる  
マリーの『気持ち』  
幼少期から薄々感じていたことだが敢えて目を背けようとしていたその事実は弱まることはなく、日々伝わってくるイメージは鮮明になっていた。  
そしてそのたびに自分の中に醜い感情を抑えるために狂ったように修行に明け暮れていた。  
 
ガッ!!  
ドサッ  
 
鼻頭に痛みが走ったと思ったら後頭部を地面に殴打した  
 
「………え?」  
「カイル!? あんた何やってんのよ!!」  
「いやなんか……入っちゃった…」  
「入っちゃったじゃないわよ!! 寸止めしなさい、寸止め!!」  
「すまない……僕なら大丈夫だ…」  
生暖かい感触を感じ、鼻に手をやる  
……血が出てるのか  
「シャオ、大丈夫か?まさか一発で決まるとは俺のライズも成長したのかな」  
「昨日シャオにボッコボコにされたばかりじゃない、寝言は寝ていいなさい。」  
「シャオくん…なんか最近変だよ?全然休んでないみたいだし…」  
マリーが心配してくれている。  
しかし心の奥底にあるアゲハさんへの想いは一向に揺らがない  
「あぁ……少し部屋で休んでくることにしよう…」  
こんな卑屈な考えしかできない自分に腹が立ち、感情を断ち切るようにマリーに背を向けて修行部屋を後にした  
 
自室に戻るが特にすることもなくティッシュで血を拭き取り、ゴミ箱に投げ捨てた……が、外れた。  
拾い直す気も起きず、ベッドに身を投げる  
その時、ドアをノックする音が聞こえた  
「シャオくん?起きてる?」  
「……起きてる。」  
「入ってもいい?」  
「……」  
沈黙を肯定と捉えたらしく、ドアが開いた  
マリーの手には氷枕と氷嚢  
「とりあえず鼻と頭、冷やさなきゃ」  
そういってベッドの左隣に腰掛けて両手を差し出した。  
「頭は…多分大丈夫だと思う…」  
左手で氷嚢を受け取り、そのまま後頭部にあてた  
「そう、良かった」  
心からの笑顔。  
マリーは本当に優しい  
だが優しいからこそ現実は残酷だ  
「シャオくん…何か悩み事?」  
「いや、そんなことは……」  
「……」  
「……」  
お互いに黙ってしまう  
すると突然マリーが抱きついてきた  
優しく、包み込むような抱擁  
「悩みとか…一人で抱え込まないで」  
どうやら顔に出てしまったらしい  
PSIを極力抑える  
マリーは、そういう気持ちで抱いてくれているわけでは無いのだと気付きたくないから  
「……予言の日のこと?」  
「……」  
「大丈夫、絶対にアゲハさんたちは救える」  
 
今、一番聞きたくない単語を聞いてしまった  
 
マリーの心はこの先揺らぐことはないだろう  
ならば……いっそ…  
「カイルくんもフーちゃんも頑張ってるし…」  
マリーの声で正気に戻る、と同時に罪悪感が心を満たす  
「シャオくんも本当に強くなった」  
マリーは今、友人として自分を心から心配してくれている  
「だから、絶対に成功する」  
このままのマリーでいて欲しいから、現状に満足しなければならないと自分で自分を諌める  
「アゲハさんたちも帰ってくるの……」  
 
何かが 切れた  
 
 
「マリー…」  
「なぁに…んうっ!?…んっ…」  
マリーの髪を撫でながら頭を押さえ、乱暴に唇を合わせる  
そのままゆっくり体を倒していきながら舌を割り入れていく  
ベッドがギシリと音をたてた後、マリーの両手を押さえつけた  
「…シャオ…く…ダメ…」  
激しいキスの合間に必死に止めようとするマリー  
抵抗するので両手を頭の上に持っていき右手で固定する  
余った左手で露出している腹部をなぞり、徐々に上半身に。  
胸当ての内側に手を割り入れ豊満な胸を解いていくと、繋がっている唇が小さく震えた  
「…ん……むぅ…ぅ…」  
唇がずれる時に小さく呼吸し、その度に言葉にならない声が漏れる  
左手を一旦背に回し胸当てを外してはだけさせる  
 
そのまま顔を下げ、頂点に口付けする  
「…ダメッ!!…シャオく…ん…」  
既に控えめに立ち上がったそこを、吸い上げたり舌で転がしたりするたびにマリーが羞恥に浸っているのが見てとれる  
制止を促すマリーの声も気にせずに左手でもう片方の乳房を大きく形を変える  
マリーの柔肌を堪能していると急にある意識が流れ込んできた  
PSIを開く  
「マリー…気持ち良いんだね…?」  
「…やっ…そんな…」  
左手で先端をさっきよりも強めに摘まむ  
マリーが小さく跳ねる  
「…んっ、ぁん…」  
「可愛いよ、マリー」  
「……ちがっ…ぁ…っ!!…」  
うっすらと汗をかくほど興奮しているマリーの意識は駄々漏れで掴むのは容易い  
そして自分の手で感じているマリーを一層愛しく思えた  
下半身に手を伸ばし、ショートパンツのホックを外して下着越しに秘部をなぞる  
「…っあ…ん……やぁっ!!」  
下着の上からでも濡れてるのがわかり、わざと音をたてるように運動させる  
肢体をモジモジとくねらせるマリーを見て、自身も興奮しているのを感じた  
ショートパンツを下着ごとずらし、直接割れ目にそって愛でる  
それだけでマリーの声は一際高くなっていった  
 
「ぉ…願い…もう、やぁ…っ……」  
「……」  
股間を刺激していた手を止めて体を離す  
小刻みに肩で息をし、羞恥のためか顔を赤らめ目をそらしているその顔をじっと見つめて気持ちを集中する  
「……ふぅん、もっと欲しいんだ」  
「……っ!!…」  
制止させていた中指を押し込んで一気に奥に挿入し、鍵状に曲げて敏感な部分を撫でると熱い蜜がドッと溢れてきた  
「こんなにして……マリーは淫乱だったんですね」  
「…あっ…んっ!!……やぁ…んぅ…」  
指の動きに合わせて体が跳ねる  
加えて腰が小刻みに震え出す  
絶頂が近いのを感じたので今までよりもストロークを大きくし一気に膣を掻き出す  
「…ぁ…ぁああ、ああぁあぁっ!!!」  
マリーが達し、中が強く締め上げられる  
脱力し呼吸が深くなっているのを確認した後体をずらしてズボンを脱いだ  
膝の下に手を割り入れ未だに伸縮を繰り返している濡れそぼったソコに自分の物をゆっくりとあてがう  
そのまま腰に力を込める  
「…やだっ、嘘でしょ…?」  
入り口が柔らかく広がって亀頭がだんだんと飲み込まれていく  
「シャオくん……っ止めて…!!」  
膝の下の手を腰に回し一気に引き寄せると何かが破れる感覚と共に膣から鮮血が流れ出た  
 
マリーは苦悶の表情を浮かべ声にならない叫び声を上げた  
湿っていると言うより溢れている中でまだ動かずに顔、首、胸にキスをして赤い花を咲かせていく  
と同時に両手で豊かな乳房を揉みしだくと今まで万力のように締め上がっていた膣が心なしか弛んだ  
 
小刻みに律動を開始する  
「…っ!!…あっ、ぁん…」  
緩やかにスピードを上げて行くと痛みよりも快感の割合が増えていくのを感じ取った  
自分がマリーを悦ばせていることにより興奮し、どんどん緩急を強めていく  
「あっ…ぁ、あん、あっ!!…」  
もはや彼女に拒否するという意識は皆無で迫り来る波にひたすら耐えていた  
腰を掴み小気味良い音を立てながら最奥を突き上げるように責め立てる  
自分の中にも高まるものを感じ、一気にスパートをかける  
「…っ!!…ぁあぁぁあああ!!」  
彼女の中に自らの性を注ぎ込み、そのまま二人とも意識を手離した  
 
 
次の日  
「…マリー……?」  
目を覚ますとマリーはいなかった  
全裸の自分を見て昨日の行為を思い出し、かつてない罪悪感に駆られる  
とりあえず謝らなくてはと思い服を着てドアノブに手をかけ…  
「焼き付くしなさい、パイロ・クイーン」  
「……っ!!」  
 
間一髪だった  
 
なんとかパイロ・クイーンを打ち消しはしたもののそのパワーは凄まじく部屋のあちこちが焦げ、火の手が上がっている  
 
「ごきげんようシャオ、目覚めは如何かしら」  
 
次の攻撃が来る…、が今度は不意打ちで無い分タイミングを合わせることができた  
 
このままフレデリカのPSIを打ち消し続け、カイルが通りかかってくれればとりあえずこの場は収まるだろう……  
 
 
そう考えたのも束の間  
体に激痛が走る  
 
 
「悪いわね、実は私ライズの方が得意なの」  
 
「二撃……だと---」  
 
「わざわざ弱点の玉を二つも着けてるの初めて見たわ」  
 
 
……シャオは散った(男性的な意味で)  
 
 
 
 

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