「…でね?その時おばあちゃんがね、…」
「ははは、なんだそりゃ」
マリーはここ数日……いや、ある日を境に急に明るくなった
理由は言わずもがな、夜科アゲハ。
マリーが幼少期から彼のことを慕っているのはみんな知っている
だからこそアゲハたちが死んだと思われた時には誰よりも涙を流したし、エルモアの予言が出た時には誰よりも身を削って修行に励んだ
そして今、私達は彼と生活を共にしている
マリーはそんな状況を心から喜ばしく思ってるし、彼女の姉のように振る舞ってきたフレデリカにとってもそれは同じことだった
しかし彼女はそんな二人を尻目に一人悶々とソファーに寝そべっていた
同じ体制でいるのに疲れたのか身を捩ってみるが大して変化はない様子
「なんかつまんなぁーい」
口に出す
誰も聞いていない
「……マリー。」
聞こえるか聞こえないかの声で彼女を呼ぶ……が、彼女は愛しの彼との会話に夢中だった
フレデリカは少し大げさにため息をつき、ソファーから立ち上がった
冷蔵庫から中途半端に残った牛乳を取り出し、コップも使わずにグイッと飲み干すと
ダルい体を引きずりながら部屋を後にし、トレーニングルームへ向かった
「……ッつめたっ!!」
「いやお前な…」
フレデリカはトレーニングルームの横の医務室にいた
そして隣にはカイル
なぜかカイルの左手には氷水が詰まった袋があり、フレデリカの右手に当てられている
と言うのも
トレーニングルームで一人自主トレをしていたカイルを発見し、とりあえず奇襲。
しかしいつもにも増してパイロキネシスの制御が効かずに自らの発した炎によって右手首を火傷
というなんともお粗末な過程を経て現代に至るのである
「もう痛くないか?」
「………」
「まぁ水ぶくれにはなってかいから大丈夫だとは思うけど一応まだ冷やしとけよ」
「………うん」
「しっかし急に入ってきたと思ったら自滅ってお前……(笑)」
「ッうるさいわねっ!! 」
「っとと、怒るなよ。でもここのところ制御ミスなんて全く無かったろ、何かあったのか?」
「………あんたには関係ないわ」
「…………そうかよ」
多少の嫌悪感を抱いたのかカイルはトレーニングルームへと戻っていった
医務室にはフレデリカのほかにはドンヨリとした空気しか残らなかった
カイルが置いていった氷嚢をゴミ箱に(全力で)放り投げ、医務室のベッドにうつぶせに倒れ込む
カイルに言われたことを思い出す
自分は一体どうしてしまったのだろう
自分はどうしたいのだろう
ふと、自分の胸に手を当ててみる
普段から「スタイルがいいからだ」と自らを励ましてはいたが、あまり変わることの無い体積を実感する度に気分は重くなる
マリーは女の自分から見ても可愛らしく、色っぽく成長していた
なんだかマリーが手の届かない所へ行ってしまったような、空虚な感情が心を満たす
そんな自分を慰めるように、やんわりと両手を動かし始めた
「……んっ、……」
ふと漏れてしまった声に、我に帰る
医務室と廊下を隔てるものは一枚の薄いドアのみ
トレーニングルームは完全防音であり、そのことで一層このあたりの廊下はいつも静けさに包まれていた
しかし既に火照った小さな膨らみの頂点は静かに自己主張をし始めていて
もう少しだけなら、と自分に言い訳をしながら愛撫を再開した
「…はぁ……ぁ……」
先ほどまでは肌の表面を掬いとるような弱い刺激であったが、
今では下から揉み上げるようにして次第に指先には力が込められていった
(アタシ…どうしちゃったんだろ……)
冷静な思考とは裏腹に両手はどんどん動きを激しいものになっていき、すでにブラジャーは脱ぎ捨て刺激の中心は乳首へと移行していた
(…ぁっ……なんか変な感じ…)
彼女自身こういった行為は初めてではないが、今日は何かおかしい
上半身の衣服を脱ぎ捨て、一度大きく呼吸をする
そして片方の手で頂点を刺激しながら、もう片方の手をスカートの中へと滑り込ませていった
くちゅり
(……濡れてる……こんなに…)
ショーツを押し込むと粘性を含んだ液体が生地に広がっていくのを感じた
「…はぁ……ぁ、ん…」
もはや声を抑えることも忘れ、下着越しに筋を擦るようになぞる
下着に言い訳ができないほど大きな染みが出来ていることに気付き、乱暴に取り去った
直接秘部を指でなぞる
「あっ!!…ぁあ……マリーっ…」
意図せずにマリーの名を呼んでしまう
一度決壊した理性のダムは急激にその原型を無くしていく
「マリぃ…ん…マリー、マリー…っ!!…」
中に突っ込んだ中指の律動に合わせて彼女の名を呼ぶ
初めは呟く程度だった声色も艶を含み、実際に目の前にいるマリーを求めるかのよう
次第に腰も震え始め、限界を感じた彼女は一気に膣の壁を掻き出すように刺激した
「…あッ…マリー!!…マ…あぁぁぁあぁ!!」
結局彼女を思い浮かべたまま達してしまった
肩で息をし、ぐったりと医務室のベッドに倒れ込む
未だかつて経験したことのない自らの恥態に再び体が熱をもっていくのを感じ…
フレデリカの細い指が2度目の刺激を求めて柔肌を巡った
一方そのころ、医務室の前へ繋がる廊下を歩く人影が一つ
「もー、またカイルくんはあんなこと言ってぇ…」
影の正体は他ならぬマリーだった
マリーはつい先ほどアゲハとの会話を終えて自分の部屋に戻る途中カイルに会ったが、えらく不機嫌だったので理由を聞いてみると
「フレデリカに聞けばいーんじゃねぇの」
と一蹴されてしまった
多少不快感を感じつつもその言葉に従いフレデリカの部屋を訪れてみたが、不在。
となるとトレーニングルームかなぁ…?
そういえばカイルくんも汗をかいた後みたいだった!!…と自分一人で納得する
しかしトレーニングルームには誰もおらず、廊下を歩きながら途方に暮れていたところであった
…あァ…マリィ…っ!!…
「…フーちゃん?」
ふい呼ばれた自分の名前に反応する
フレデリカの声色が普段の茶化すようなものとは異なっていたために何か緊急事態ではないかと思い、声のした方向へと走っていった
そして医務室の扉を勢いよく開けた
「…………」
「…………」
時間が止まった
ドアに手をかけたまま固まっているマリーが見たものは
足を大きくM字に開き医務室のベッドに染みを作ったフレデリカであった
「……ぁ// ごめんね?///」
慌てて身を縮めベッドのシーツを巻き付けて熱く濡れた体を隠す
マリーはドアを開き部屋を後にしようとしていた
「あっ……待ちなさ…ぃ…っ」
恥ずかしさで声が語尾に近づくにつれ掠れていく
しかし今回はその小さな声でもマリーにはしっかり届いていた
マリーはおずおずと引き返してきてフレデリカの横に腰をかける
「……」
「……」
気まずい空気が2人を包む
マリーが何か思いついたかのように顔をあげた
「あの、フーちゃ…っん…」
紡がれようとしていた言葉は柔らかな唇によって遮られた
「…ぅ…ん、んっ…」
突然のことに驚いたがフレデリカの手はしっかりとマリーの後頭部に回されており、ただ従うしかなかった
舌は絡めないが熱く深いキス
「…ん……ぷぁっ、…」
いきなりのことに耳まで真っ赤にするマリーだったが、目の前で肩を揺らしているフレデリカの方が自分より火照っているのが見てとれた
「…フーちゃん…?」
「…リーは………」
「……?」
「マリーはアタシのモノなの!! どこかに行くことなんて許されないんだから…ッ!!」
溜まっていたものが爆発し、フレデリカはマリーの胸を気付く抱き締め小さな嗚咽を漏らした
「フーちゃん……」
「…うっ、ひぐっ…マリぃー…」
自分の胸で泣いているか細い少女のようなフレデリカのいつも見られない弱々しい姿
そんなフレデリカをマリーは優しく抱き締めた
「フーちゃん、私どこにも行かないよ?」
「……」
「私はフーちゃんがいないとダメだから…」
「ほんと?アタシのこと嫌いになってない?」
「うん、大好きだよ」
「マリー…」
フレデリカは色々な人と接する時に高圧的に接し、ある程度の距離を保ちながら生活していたが
親に捨てられたこともあり本当は甘えたかったのだが甘えるのが怖かったのだろう
新たな一面に触れ、マリーの中のフレデリカの存在は大きくなっていた
お互いに目が合う
二人の影がゆっくりと近づいていき…
そして、触れた。
先ほどの衝動的なキスとは違い甘く溶けるような接吻
自然と性的な感情も高まる
やがてお互いに舌を絡ませあうと、どちらともわからない唾液が一筋の線となってベッドに跡を残した
「んっ、……んぅ…」
フレデリカの口から妖艶な声が漏れる
体に力が入らないと感じたと同時に、口付けしたままゆっくりと体が押し倒されていき、身を隠していたシーツがはだけていった
その時フレデリカは確かに自分に覆い被さったマリーが艶かしく微笑むのを見た
ちゅく
「んっ、……ぁ…」
「それでフーちゃんは私のこと考えながらこんなに濡らしちゃったの?」
「……っ//」
くにゅくにゅ、とわざと音が立つようにまだ成熟しきってない秘部を愛でる
先ほどまでの自慰の熱の名残はまだ残っていて体がビクビクと反応してしまう
「フーちゃんのえっちー」
「…ちがっ…んぅ、…あっ!!……ぁあ…」
膣の入口に指の腹を据え、少し力を込めるとフレデリカが小さく跳ねた
ものの数分で軽い絶頂を迎えてしまい、羞恥と色欲で震えている自分を見られるのが嫌で
肩に寄せていた両の手に力を込めて体を反転させる
「……バカマリー。」
「ふふっ、フーちゃんかわいー」
「…ッうるさいうるさい!!」
「でも…」
「うるさっ……?」
「何か悩み事あるなら…言って?」
「……」
言える訳がない
マリーがアゲハのものになるのを恐れたなんて
自分に素直になれない性格だと言うことは自分でも感じるし、周りにもそう認識されていることは理解しているつもりだ。
だから今はその認識に甘えることにした
目の前に大きく張り出している自分には足りない「女性」の部分に掌を置き、服の上から力任せに揉みしだく
……多少の妬みも込めて
(柔らかい…アタシのなんかよりもずっと…)
初めは悪戯心と妬みの方が強かったが次第にマリーも上気し、控え目に声が漏れてきたことにフレデリカも興奮し始めていた
そしてそのことでマリーに対する気持ちも次第に固まっていく
ふいにマリーがフレデリカの背中に手を回して体を抱き寄せて唇を合わせてきた
少し力が抜けたところでそのまま体を起こされた
向かい合って座っているがお互いに相手の顔を見ることはできないが
荒い息や空気を伝わってくる熱から互いの状態はよくわかる
「フーちゃん…」
「な……なに?」
マリーはゆっくりと服の留め具に手をかけ、外した
身を纏うものが音を立てて落ちていく
そんな扇情的な姿にフレデリカが見とれているうちにマリーは一糸纏わぬ姿になっていた
「ね、フーちゃんも…」
「ぅん……」
今二人は生まれたままの姿となり、抱き合いながら互いの熱っぽく濡れた舌を絡ませていた
二人とも既に二つの頂点は勃ちあがっており、身を捩るたびに相手のものに擦れて緩く刺激されていた
マリーの背中に回していた手を少し離し、横から包み込むように柔らかい部分を揉み上げる
先ほどのように乱暴なものではなく、愛しむようにじっくりと
「…む……ぅん、…んん…」
フレデリカのか弱く繊細な手つきに、合わせた唇がずれるたびに掠れた声が出てしまう
反撃、とばかりにフレデリカの胸部に手を置き円を描くように揉みながら頂点を中指と人差し指で挟み、刺激する。
「…んっ…ぁふ…ぅ……」
フレデリカの色っぽい声が一層高くなったのを感じ、手を腰に回して体を浮かすように促し
フレデリカはそれに従い軽く足を開きマリーに密着するように大腿の上に腰を下ろした
フレデリカの秘部がマリー茂みの上に乗せられる
そのままマリーが上下に体を揺らすと敏感な所がチクチクと刺激された
「…あっ…ぁ、…すご…ぅ」
今まで感じたことの無い種類の刺激
本人が意図せずとも自然に自らも腰を揺らし、快楽を貪っていき
どちらのものかはわからないが、マリーのソコはじっとりと濡れていた
最早マリーは腰を動かしてはいないが
悦に浸った表情で一生懸命刺激を得ようとするフレデリカの恥態に興奮を覚えずにはいられなかった
「フーちゃん、わ……私も…」
今二人はフレデリカが上となり互い違いに寝そべり、所謂69の体制となっている
(これが……マリーの…)
自分は唯の一度もこの部分を刺激した覚えは無いのにしっかりと濡れそぼち、妖艶な収縮を繰り返していた
秘処に目を奪われていると急に股間に冷たい感触
くすぐったいと思ったのも束の間にズズズッと大きな音が立てられる
(ぁ…アタシ……吸われてる…)
頭では理解しているつもりだが体は想像以上の反応を示し、大きく体を反り返らせる
「…フーひゃんひゃわいい」
「そん、な…と…こで、喋らな、い…でえぇ…」
なんとか体制を立て直し、息も絶え絶えにマリーの恥部にも同じ行為をするが一層強く吸い上げられて中断してしまう
ふいに臀部を掴んでいた片手が離されたかと思うと、軽く膨張していたクリトリスを強く摘みあげられた
「あっ、…ぅ…やあぁぁぁぁ!!!!」
今日一番身体が震えた
と、共に自分の中から何かが弾けるような感触
フレデリカの胎内から溢れだした愛液がマリーを濡らした
「ん……しょっぱい」
「ぅぁ…ごめんなさいマリー」
「大丈夫、フーちゃんが大好きだから」
二人の目が合い軽くはにかむと、再び影が重なっていった
---後日---
「根」では食事の時間はキッチリきまっている
にもかかわらずフレデリカは皆が朝食を終えようとしている時にやっと姿を表した
…と言ってもあまり珍しいことではないのだが
「遅いぞ、フレデリカ」
「また寝坊かよっ」
「……」
シャオとカイルが顔を見合わせて首を傾げる
何時もならここで2、3憎まれ口が返ってくるはずなのだが…
「フーちゃん、おはよう」
マリーに声をかけられ、フレデリカの肩がピクリと揺れる
「お……おはようマリー」
顔をあげることなくビクビクと返事をするフレデリカ
明らかに様子がおかしい
頭の上に?マークを連発するカイルを尻目に、シャオはPSIを使って思念を読もうとする
《うぅ…まさかマリーがあんなに凄いとは思わなかったわ…》
《結局アタシばっかり7回もイカされて…//》
深い意味を含んだ言葉と共に頭の中にイメージが流れ込んでくる
全裸で妖艶な笑みを浮かべているマリーと、マリーから辱しめを受けて厭らしく乱れるフレデリカの姿
ガタッ!!
大きな音に振り返ったカイルが見たものは凄まじい勢いで鼻血を噴射し卒倒するシャオであった……