アゲハの部屋、根に来てから与えられたその簡素な部屋の中で、部屋の主であるアゲハとマリーが
互いにキスを交し合っていた。
「んっ、ちゅ……」
「ん……」
どちらからともなく始まったキスは、軽い口づけを何度も行なうものから、次第に長く唇を重ねる
ものに変わっていく。
「ん、む……ぅぅ」
「ん……マリー、なんか今日は積極的じゃないか?」
「ちゅ、ん……そういう事……言っちゃ嫌です……んっ」
ぐい、とアゲハの顔を引き寄せ、強引に舌を絡めていくマリー。口ではああ言ったものの、口内で
絡み合うマリーの舌の動きはいつもより明らかに激しい。
「んぅ……ぁ、は……ちゅ、んむ……!」
「んお!? んぐっ……!」
もたれかかるマリーに押されてベッドにアゲハは倒れこむ。胸板で押し潰される豊かな双房が唇を
押し付けられるたびに形を変え、柔らかい太ももの感触がズボンを挟んで伝わってくる。
「アゲハ、さん……ちゅ、ん……んぅ」
上にのっかったままのマリーに、舌を唇をなぞられ、こじ開けられ、無理矢理蹂躙される。
絡まる舌のざらざらとした感触が与える刺激は優しさと同時に激しさも併せ持っていて、自分の
股間の辺りで欲望が一気にせり上がるのを感じた。
「んっ。れう、くちゅ……ちゅぱ……ぷはっ!」
「はぁ、はぁ……マリー」
数度関係を持った仲ではあるが、やはりこういう時の気恥ずかしさは慣れない。今も自分の上で
馬乗りになってるマリーの蕩けた瞳を見ると尚更だった。
「アゲハさん、固いの………当たってます」
「いや……分かってる」
「どうして……欲しいですか?」
「えっと……」
「私、アゲハさんがしたい事なら…………なんでもしちゃいますよ?」
ハイ、負けた。負けちゃったよ。アゲハさん負けちゃったから。頭の中で鳴り響くゴングに
白旗を挙げ、アゲハは参ったという表情で額に手をやった。
顔を赤らめ、恥ずかしながら、だけど上目づかいで誘ってくるマリーのその仕草。
大人の女性の体つきに昔のままのマリーを思わせる内気さが重なり、イケナイ胸の高鳴りを覚える。
いや、確かに雨宮が好きなのはそうなんだけど、でも、やっぱり夜科アゲハだって男なんです。
悪いとは思っても、でも止まらない、止められない。
「どうして…………ほしいですか?」
「えっと……」
「なんでもして良いんですよ……?」
慈母のような優しい瞳と淫らに蕩けた瞳が重なり合った微笑みがアゲハに向けられ、腕で窮屈
そうに押し潰された胸にアゲハの目はいく。
「じゃ、じゃあ……」
「はい」
「胸で……」
「はい、わかりました……♪」
そういってアゲハの体の上から降りると、マリーは普段着の上着をそのままにインナーだけを器用に
ずらして胸を露出させた。
その瞬間を間近で目撃する訳だが、インナーが双乳から零れ落ちた瞬間まるで別の生き物みたいに
ぷるんぷるんと震えるわけだ。おっぱい好きという訳でなくても、そのご立派なものには否が応でも
目は釘付けになってしまう。
何度かその手に鷲掴みにして揉んだ筈なのだが、改めてその凶悪っぷりを思い知らされる。
「アゲハさん。それじゃ……しますね」
「あ、ああ」
一瞬気を取られたが、マリーの声に現実に引き戻された。誘われるがままなされるがままアゲハは
ベッドに腰掛け、その両足の間にマリーがまろびやかな双乳を両腕で抱えて入ってくる。
「ん……しょ」
そして逸物を、マリーはその豊かな谷間の間に挟み込んだ。
「うおっ……」
滑らかな柔肌の感触と包み込むようにして剛直に絡み付いてくる乳肉の柔らかさは、それだけで
脳天を突くくらいに気持ちいい。しかも先ほどのキスで熱くなっているせいなのか、汗が潤滑剤
がわりになって膣の中に挿入たような感覚さえあって、上下に少し動かしただけでかなり強烈な
刺激が股間を直撃する。
「アゲハさん、それじゃあ動きますね?」
「お、おう」
そういって、マリーは胸でアゲハの逸物を挟みながら上下にゆっくりと動かし始めた。
いったい何処でこんなことを覚えたのだろうと頭の片隅では思いながらも、リアルタイムで股間から
上ってくる快感にアゲハの脳は考えることを放棄し始める。
見下ろせば、顔を上気させながら屹立した愚息をその規格外の胸で擦るマリーの姿。一生懸命に
動くその姿は視覚的に相当やばい代物だった。
「これ……ヤバイな」
「そう、ですか? んぅ……やっぱり、本で勉強した甲斐あったかな……」
「うあっ……ほ、本だって……?」
「んっ……はい。ハルヒコさんの持ってた……んっ、エッチな本なんですけど……。カイル君たち
が隠してたのを見て勉強したんです……」
「そうかっ……」
「アゲハさんとこうして……こうなったらしてあげたいって……ずっと思ってたから……」
――ハルヒコGJ!
そう心の中で叫ぶしかなかった。マリーが自分のためにパイズリを勉強してくれたという事実だけで
なく、純粋そうなマリーがエロ本を読んだという事実自体が、それだけで欲情を掻き立てる。
「んっ、んっ……あ、はあ。アゲハさん、いいですか? 気持ち……いいですか?」
「あ、ああ。かなりキテる……つか、マジやばい」
「んっ……んふふ♪ じゃあ、もっと頑張りますね? ――――んちゅ、れろっ」
「ぬおおお!?」
その瞬間、股間に電撃が走った。胸で挟んだ剛直の先端、ぱくぱくと先走りが漏れてるそこを
マリーの舌がなめたのだ。まるでアイスを舐めるような舌遣いに、ハンマーで殴られたような衝撃
を覚える。先端へのキスは止む事無く、さらに行為がエスカレートしていく。
「んっ……れろっ、ちゅ……じゅる」
「うあぁ……くっ」
乳と舌の二重の責めに一気に射精感が高まっていく。ビクビクと震える愚息、腰辺りが抜けそうな
感覚に歯を食いしばって必死に耐えてみる。が、それも加速度的に抑えられなくなっていく。
「んっ……んっ、あはっ。アゲハさんの、ビクビクって震えて……ちゅ……あ……でちゃいますか? アゲハさんの……いっぱい……でちゃいそうですか?」
「ま、待てマリー! は、はっ……激しすぎる……ぐぅぅ!」
「んぷっ………あ、はぁ!」
ビュグゥッ! と音を立てる位勢いよく、堰を切って愚息は精液を吐き出した。
今日のためというわけでないが、前回の性交からまったく自慰をしていなかったお陰で、撥ねて
飛んだ精液がマリーの顔と逸物を挟んだ豊満な双乳をどろどろに汚していく。
「ん……っぷぁ……。熱いの、アゲハさんの……すっごい濃いです……」
顔と自分の胸に付いた精液を指で掬い取ってはちゅぱちゅぱと舐めるマリー。愛おしそうに指先に
こびりついた精液を舌で舐め取っていくその姿は途方もなく扇情的で、今、射精たばかりだと
いうのに一瞬で股間の愚息が回復する。
「アゲハさんすごい……」
「あはは……」
その回復の早さに驚いたか、アゲハの股間を見て口を押さえて恥ずかしそうに目を丸くするマリー。だが、その目の色は驚きより悦びに満ち満ちていた。
「えっと……いいか、マリー?」
一応はお伺いをたててみるが、もちろん、結果なんて決まりきっている。
「わ、わかりました……」
顔を赤らめながらベルトを外しホットパンツを床に落とすマリー。そして、そのままベッドへと
やってきて、アゲハの前に立つ。
「あの……最後はアゲハさんが脱がせてください…………」
「へ?」
「最後の一枚は……アゲハさんにして欲しいから……」
顔を真っ赤にしてぼそりと呟き、顔を背けたマリーの一言に、再度アゲハは心の中でハルヒコに
敬礼をした。これも間違いなく本で勉強した事なんだろう、この積極的なマリーのご奉仕といい、
明日からはハルヒコに足を向けて眠れないなとアゲハは思った。
「やぁ……」
ベッドに仰向けに寝かせたマリー。上半身は先ほどのパイズリで胸ははだけたまま、そして、
下半身は準備万端なのが一目で分かる程にぐっしょりと塗れていて、いわゆる半脱ぎで足を内股に
して恥ずかしがるその姿に心臓が爆発するくらい高鳴る。
「じゃあ、脱がすからな……」
「は……い……」
マリーの穿いている薄ピンクのパンティは、流石は見た目に準じているというか年相応のデザイン
のもので、そういえば自分の姉貴もこういうのを穿いていたなぁと思い出す。
パンティの端に手をかけ、ゆっくりと引き下ろしていく。
「マリー、ちょっと腰浮かせてくれ」
「んぅ……は、はい……」
しかし、今まではお互い全部脱いでからしていたが、こうして脱がせるというのは想像以上に
良いものだ。こう、プレゼントの包み紙を開ける気分とでも言うのか、うん、なかなか変態的だ。
「アゲハさぁん…………」
「マリー……」
そして、パンティを片足だけ脱がせると、アゲハはマリーの両足の間に自分の体を差し入れた。
既にギンギンに昂ぶってる逸物は天を向いており臨戦状態だ。
しかし、それはマリーも同じなようで、
「あ、ひゃぁあ!」
サーモンピンクの塗れた粘膜に愚息を擦りつけただけでビクンと体が大きく撥ねた。
「結構、敏感になってるか……?」
「っ、あ……あいぃ……脱がせられてるあいだ……ドキドキしてたからぁ……」
切なそうな声を上げるマリーに背筋がゾクリとする。正直、それだけでほぼイきかけた。
だが、しっかり耐える。
「じゃあ、入れるからなマリー」
「はい…………」
ぐっしょりと塗れたマリーの陰部へ、アゲハは自分のペニスをゆっくりと差し込んでいく。
「……ぁ、あ! はぁぁぁっ……!」
やはり、今日はいつも比べて強烈だ。そう思わざるを得ないほどに媚肉は蕩けてどろどろで、
肉棒に隙間なくまとわりついてくる。
「ぐっ……マリー、やっぱ今日は、なんか違う……!」
「んっ、あ! んぅぅ……だってぇ……好きだからぁ……」
ぐちゅぐちゅになった膣内を一往復するが、それだけで射精したくなるほど気持ちいい。
どうにか射精するほどではないのが救いだった。
「ん、ふぅ……あ、は、ぁあ!」
だが、気持ちいいのはマリーも同じ。自分の体内で脈打つアゲハのそれは火傷しそうなほど熱くて、
そこに入ってるだけで頭の中が痺れてしまうような快感が全身をくまなく伝わっていく。
「っ……っ」
「あん……んっ、んん……アゲハさん……んぅ」
優しく繰り返される腰の動き、ゆっくりとした注挿はもどかしいくらいで、内壁を優しく擦られる
たびに背筋がぞわぞわとしてしまう。だけど、足りない。もっと、してほしい。
もっと、もっとして欲しいと思ってしまう。
「んっ、あはっ、あぁ、くっ……アゲハさぁん、もっとぉ……もっとぉ……!」
「え……? ――うをぉ!?」
次の瞬間、ぐい、とマリーに足を絡められて腰と腰が音を立てて激しくぶつかった。
「――んあああぁぁっ!」
「ぐっ!」
一気に収縮する膣内、肉棒を包む媚肉が二度、三度となく痙攣しマリーがイったのだと確信する。
だが、まだここで終わるわけにはいかない。腰に引き締めて、アゲハはどうにか射精を耐えた。
「あ、はぁ……は、あ……んぁぁ……」
目を虚ろに蕩かせて、口元から涎を垂らすマリー。額と口元とに張り付いた髪の毛が艶かしい。
「アゲハさぁん……もっとぉ……もっと激しくしてぇ……」
そして淫らな誘惑がアゲハを酔わせる。先ほどまでとは打って変わった女の目をするマリーに
アゲハは喉を鳴らした。もう、理性も限界だ。ブツン、と何かが音を立てて切れた。
「わかったマリー……じゃあ、やってやる!」
「アゲハさっ――んぁぁああ!?」
マリーの腕を掴み組み伏せると、アゲハは音を立てて激しく腰をぶつけ始めた。膣に剛直を突き
立てるたびにマリーの膣内から愛液が零れ、ぐちゅぐちゅと卑猥な水音を立てる。
「ふっ……ンッ、んぁああ! ひぁ! あっ! ひゃぁぁぁあ!」
「いいか……? マリー、気持ち……いい、かっ?」
「はい……っ! 気持ちいい……です! アゲハさんの、熱いの……わたしの……なか、でっ!
暴れて! んぁ! 深いのぉ!」
口元から涎をたらしながら喘ぐマリーの声を聞きながら、抉るようにして剛直をマリーに
突き立てるアゲハ。更に快感だけを得ようと、マリーの腕を押さえた手を離し、うつ伏せにさせると
腰を掴んで後ろから自分の腰を叩きつけた。
「んぁぁああ! あ! あぁ! すご、い! アゲハさ……んぅぅ! いいの、いいのぉ!
アゲハさんの……っ! ぐりっ、ぐりっ……ってぇ! あっ、気持ち……いいよぉっ!」
「俺も……だ! 気持ち……いっ。マリー……とけ、そうだ」
「わたし……わたしぃ! んぁ! とけ、ちゃう……っとけちゃいますぅ!」
腰を叩きつけるたびに揺れる豊かな双乳と後ろからの突き上げに悶えてあげるマリーの泣き声。
それがアゲハの脳みそをダイレクトに揺さぶる。
更には腰でぶつかり合うたびにする淫らな水音がより一層興奮を高めどんどんと射精へとアゲハを
導いていく。
「う、ぐ……っ。マリー、そろそろ……」
「んぁ! は、い……! くだ、さい! アゲハさんの、熱いの……中にぃ!」
ぐぅっと締まる膣内。先ほどから痙攣しっぱなしの媚肉がここにきて限界にまで達する。もはや
体勢を保てず、上半身をベッドになすりつけてマリーが喘ぐ。
「ら、め……っ! きちゃうぅ……きちゃうのぉ!」
「イき……そうだ!」
「私も、あ、あ、イっちゃう! いっしょ、いっしょ、に、アゲハ、さん……んぁぁ!」
「くっ、つっ! ダメ、だ! もう――!」
「んぁぁあ! アゲハさんのっ! アゲハさんのがいっぱい……おなか、きてるぅ!」
そして、一気にアゲハはマリーの膣奥まで自分の剛直を突き立て――
「ぐぅ!」
「――――ぁぁぁああああああっっっ!」
ビュル、ビュルルルッ! と音を立ててマリーの膣中へ精液が打ち込まれる。勢いよく吐き出された
白濁は更に奥へ、子宮口へと浴びせられるように脈打っていた。
「ぅあ……あ……熱いの……きてる……いっぱいぃ……」
「うっ、く!」
「んぁぁ……まだ、出てる……」
硬直した身体を弛緩させ、マリーはアゲハの子種を奥へと受け入れていく。どろりとした熱が
下腹部に溜まっていく感覚に多幸感を覚えつつ目を閉じる。
「アゲハさんの……いっぱい……」
そして射精を終えて、アゲハは自分の逸物をマリーの中から引き抜くと、そのまま折り重なるように
倒れて、転がったままマリーを後ろから抱きしめた。
髪をすいたりしたまま事後の後戯にふける。
「アゲハさん……」
「マリー……」
そして、お互い顔を見合わせ、どちらから言うまでもなくキスをしようと顔を近づけ――
「アゲハァァァァァァァァアア! うちのマリーに何やっとんじゃあああああああああ!」
ドアを開け放って現れた闖入者フレデリカに妨害された。
「フレデリカ!?」
「フーちゃん、どうしたの……?」
仁王立ちで怒り心頭のフレデリカ、今にも燃やされかねないほどのプレッシャーに全身に冷や水を
浴びせられたような気分になるアゲハ。
「どうしたもこうしたもないわぁ! 特にアゲハ! うちのマリーによっくもこんな……えっと、
その……ふしだらな真似してくれたなぁ!」
情事をしたばかりの二人を見て顔を真っ赤にするフレデリカだが、しかし気づいていなかった。
今のマリーがどういう状態にあるかまったく気づいていなかった。そして、それはアゲハも。
「フーちゃぁん……」
「マリー!?」
マリーが笑顔を浮かべたままフレデリカに近づく。
「ちょ、マリー!? あああ、アンタ、ふふふふ服を着なさいよ! というか下着!」
だが、顔を真っ赤にして慌てるフレデリカをよそ目にマリーはそのまま彼女に抱きついた。
「へっきゃああ! ちょちょちょ! マリー! ななな、何すんのよ!?」
「フーちゃぁん……一緒にしよぉ? アゲハさんとぉ、一緒にエッチしょぉ?」
「へっ!? へっ!? ななな、何言ってんのよ!? ななななんでアタシがアイツと!?」
「んふふふ〜……フーちゃんのいじっぱりぃ。私と一緒でアゲハさん好きなのにぃ……」
そう、多幸感で頭の中がいっぱいのマリーはこう思ったのだ。
『フーちゃんも一緒にアゲハさんとエッチがしたいんだ』と。
既にマリーに抱きつかれたフレデリカに逃げ場はなかった。
「マリー! は、離しなさい! ん……んぁぁぁ! だ、ダメ! そこ、触っちゃ……や、ぁぁん!
や、やめて……だめ、だめぇ……い、いやぁぁぁぁぁぁ!」
アゲハの部屋のドアがマリーのサイコキネシスで音もなく閉まる。
まだ、夜は始まったばかりだった。