アタシは「紅蓮の女王」フレデリカ。  
だからいつも、強くて気高くなきゃいけないの。  
胸を張って、堂々として。  
誰かに負けるなんてこと、あっちゃいけないのよ。  
 
 
 
 
「…っはぁ、…あっ…」  
 
粘液を掻き混ぜるような、卑猥な水音が室内に響く。  
フレデリカの身体が上下する度に、ずぷ、ずぷという音を立てていた。  
 
「…っ、く…!」  
「どうした?もう終わりかよ?」  
「…な、訳ッ、無いでしょっ…!!」  
「そーか?」  
「うるっさい、わよ…、カイル…ッ!!」  
 
 
カイルの部屋のベット。  
仰向けに寝ているカイルの上に跨がるフレデリカ。  
互いに裸のまま、フレデリカは腰を上下させている。  
結合部からは、腰の動きに合わせて水音が響いていた。  
 
「…ぁ、…はぁ…っ」  
 
「さっきから全然動いてねぇぜ?」  
「っさいわね…!アンタが大き過ぎんのよ…!」  
「…そう言われてもなぁ」  
 
困ったような表情を浮かべるカイル。  
確かに自分のモノは、標準よりはいくらか大きいのだが。  
標準よりも遥かに華奢なフレデリカとの「サイズ違い」が原因のように思えた。  
 
(最初は痛がって、挿れるのがやっとだったもんな)  
 
 
再び自分の上で腰を振り始めるフレデリカ。  
その身体に手を添えて支えてやりながら、ふと過去のことを思い出していた。  
 
元々は、売り言葉に買い言葉で始まった関係だった。  
どういう経緯で始まったのかは、実は互いに覚えていない。  
 
ただ、最初の時は出来なかったのだ。  
初めてだったフレデリカは、カイルを受け入れきれなかった。  
しかもその時、痛みのあまり泣き叫んでいた。  
この事実がフレデリカのプライドをいたく傷付けたらしく、  
 
「…このまま引き下がってたまるもんですか!」  
 
と、自分が男を受け入れる為の「練習」をカイルに強要していた。  
そして、何度か行為を繰り返す内に慣らされたフレデリカの身体は  
「痛い」から「気持ちいい」という感覚を覚えるようになっていた。  
すると今度は、カイルにばかりあんなことやそんなことをされるのが気に食わないらしく。  
 
「アタシばっかり色々されるなんてズルいわよ!」  
 
と、更なる不服を申し立てたのだった。  
 
「いや、そもそもお前は女でオレは男なんだぞ?」  
「そんなの、関係無いわよ!」  
「あのなぁ…」  
「だってだって、いつもアタシばっかりイカされてるし」  
「いや、オレだってイッてるだろ?」  
「でもアタシがイカせてる訳じゃないし」  
「まあ、そうだな」  
「中はイヤだって言う時に限って中に出すし」  
「いや、それはちょっとミスっただけっつーか…。大体お前、いつもギリギリで言うじゃねーか!」  
「そのくらい察しなさいよ!」  
「出来るかよ!中に出せって言う方が多いだろ!」  
 
 
そんな言い争いの後、結局何が望みなのかと問い掛けると。  
フレデリカは、胸を張ってこう答えたのだった。  
 
「アタシだって、アンタをイカせたいのよ」  
「……………」  
 
所謂「あなたにも気持ち良くなって欲しいの」とは、真逆の理由である。  
それを察しながらも、カイルは敢えてその意図を尋ねた。  
 
「決まってるじゃない。アンタにばかりイカされるのが面白くないからよ」  
「……お前なぁ」  
「だから、どうすればアタシがアンタをイカせられるか教えなさい」  
「………………」  
 
この時ばかりは、頭を抱えずにはいられなかった。  
その後、カイルはフレデリカに「男をイカせる方法」の手ほどきをする羽目になる。  
 
自分で、自分をイカせる方法を何も知らないフレデリカに教えるとあって  
カイルは羞恥心もあいまって、当初は乗り気ではなかった。  
しかし、手で扱かせたりだとか口にくわえさせたりだとかを教えている内に、  
カイルは「こういうのも悪くないな」と思うようになっていた。  
 
戦闘体勢にあるカイル自身を見ると、何故か途端にしおらしくなってしまうフレデリカ。  
ぎこちなく、たどたどしい舌や手の動き。  
恥ずかしがりながらもカイル自身を口にくわえて見せるフレデリカの姿は  
ある種の征服欲を満たすには充分過ぎるものだった。  
 
 
そして、紆余曲折を経て現在は「互いのイカせ合い」に発展していた。  
「先にイッた方が負け」というルールを元に、繰り返されている二人の行為。  
ムキになってイカせようとするフレデリカに、カイルが付き合っているというのが実情だった。  
 
 
「…で、だ」  
「何…よぉ…」  
 
動きを止めたまま、肩で息をしているフレデリカ。  
全身からうっすらと汗が滲み、長い金髪が身体に貼り付いていた。  
 
「もうそろそろ交替しねぇか?」  
「…やだ」  
「ほんっと、強情だなぁ」  
「何とでも…言いなさいよ…!」  
 
跨がって、繋がったままのフレデリカとカイルの身体。  
フレデリカが荒い呼吸を繰り返す度、秘唇はカイル自身を小刻みに締め付けていた。  
 
「けどさ、もう限界だろ?」  
「そんなこと…ないわ」  
「さっきから全然動いてねーじゃん」  
 
カイルの指摘通り、今のフレデリカは殆ど動けない状態にあった。  
いくら慣れたとはいえ、カイル自身を受け入れるだけでも精一杯のフレデリカの身体。  
自ら腰を振ろうとしても、強過ぎる刺激に耐え切れなくなる。  
今のフレデリカには、自分の体重によって奥深く貫かれている事さえ限界を超えていた。  
 
「つーか、オレがもう限界なんだけど」  
「え…?」  
「この状態で焦らされたら、イキたくてもイケないっつー話」  
「だから、何よ…!」  
「これでもすっげえ我慢してんだぜ?本当は今すぐ動きたいくらいだし」  
「……ッ!」  
 
カイルの表情は、いつもと変わらない。  
しかしその瞳は、獣のような剣呑とした光を宿していた。  
 
「悪りぃけど、そんな今にもイキそうなヘロヘロの動きじゃ絶対イケねぇ」  
「……く、…ッ」  
「お前だって、無理して動くの辛いだろ?」  
 
「…ふぁ、あ…ッ!!」  
 
おもむろに、フレデリカの胸元へと手を伸ばすカイル。  
その薄い乳房を撫でるようにして手を這わせ、その先端を指で刺激する。  
二本の指で挟むようにして責め立てると、それは固く尖り始めた。  
カイルの指の動きに合わせて、フレデリカはびくびくと身体を震わせる。  
 
 
「…オレが、イカせて楽にしてやるよ」  
「ん、あッ、やぁ…!!」  
 
 
余裕の無さを滲ませる、押し殺したようなカイルの声色。  
それを知ってか知らずか、フレデリカはぶんぶんと首を横に振る。  
 
身体はもう限界で、本当はすぐにでもイカせて欲しい。  
けれど、プライドがそれをどうしても許さない。  
それを知っているからこそ、カイルは困ったような笑みを浮かべた。  
 
「なあ、フレデリカ」  
「…っは、ん、何…よぉ…」  
「今回はもう、オレの負けでいいからさ?頼むからヤらせてくれって」  
「やっ…、そんなの嫌よ…!」  
 
執拗にフレデリカの乳首を責め立てるカイルの指。  
どうにかしてその腕を除けようと、息を乱しながらもカイルの腕に手を伸ばすフレデリカ。  
その懸命な様が、かえって劣情を誘っていた。  
 
「でもこのままじゃオレ、萎えちまうぜ。それも負けなんじゃねぇ?」  
「う…っ」  
「当然、そうなるよな?」  
 
そう言って、ニヤリと笑うカイル。  
対するフレデリカは、図星を指された為に沈黙していた。  
 
「…じゃ、じゃあ!どうすればいいのよ!」  
「そーだなぁ…」  
 
「このままでいいからさ、ちょっとだけオレにもさせてくれよ」  
「…それで?」  
「それでお前がイカずに我慢出来たら、お前の勝ち。思う存分好きにしていいぜ」  
「うん」  
「でもお前がイッたら、オレの勝ち。だから交替な」  
「我慢…すればいいのね?」  
「そーゆーこと」  
「うーん…」  
 
真剣な面持ちで考え始めるフレデリカ。  
実際のところその提案を蹴っても、限界に近い今の自分には何も出来ない。  
自分の中で、脈打つように自己主張を続けるカイル自身。  
この体勢なら、そう激しい事も出来やしないだろう。  
このまま時間だけが過ぎて、萎えさせて負けるよりも前向きな提案だと思った。  
 
 
「…分かったわよ」  
「お?」  
「我慢…すればいいんでしょ。やってやるわよ」  
「そう来なくちゃな」  
「で、何をすればいいの?」  
「何もしなくていいぜ。このままじっとしてくれてれば」  
「…そんなのでいいの?」  
「いいよ」  
 
穏やかともいえるような笑顔を浮かべながら、カイルは結合部へと指を伸ばした。  
繋がった箇所からは、フレデリカの愛液が溢れている。  
ぬめった感触のそれを、丹念に自分の指へと絡めるカイル。  
責め立てようともしない、奇妙な動きをする指にフレデリカは怪訝な表情を浮かべていた。  
 
 
「我慢、出来るんならな」  
「何よそれ。……ッ!!?」  
 
フレデリカを見上げるカイルの瞳は、餓えた獣のそれだった。  
ただ襲い掛かるだけが能ではない、賢い獣。  
牙を剥くのは、獲物が罠に掛かった後で良い−  
 
カイルの指が、フレデリカの蕾へと触れた。  
指に絡めた愛液を、丹念に塗り込めて行く。  
 
「ちょ、ちょっとッ!?」  
 
予想外の感触に、動揺して暴れようとするフレデリカ。  
空いた手でその腰を掴むと、カイルは鋭い視線を向けた。  
 
 
「動くな」  
「な……ッ」  
「さっき言っただろ。『このまま動くな』って」  
 
研ぎ澄まされたような眼光と、押し殺した低く掠れた声。  
豹変したカイルに、フレデリカは本能的な恐怖から身を竦ませた。  
 
「オレが、お前をイカせられない訳が無いだろ?」  
「や…っ、やだぁ…!」  
「焦らされた分、たっぷり遊んでやるよ」  
 
カイルは、氷のように冷たい笑みを浮かべていた。  
 
「覚悟するんだな」  
「………ッ!!!」  
 
蕾に、カイルの指が突き立てられる。  
フレデリカは目を見開き、身体を大きく跳ねさせた。  
 

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