「やッ、あ、いやぁ…ッ!!」  
 
−ずっ、じゅぷ、ずぷ…っ  
 
「あぅ…、ん、んん…ッ!!」  
 
 
カイルの抽送に合わせて、卑猥な水音が聞こえる。  
何度も突き上げられる内に、小さな水音はいつしか激しい音へと変化していた。  
不安定で逃げ場のない体勢。  
フレデリカに出来ることと言えば、不本意ながらもカイルにしがみついて嬌声を上げることだけだった。  
 
 
−じゅ、ずぷっ、ぐちゅっ…  
 
「はッ、ああ…!やだ、…いやぁ!!」  
 
無理な体勢であることはカイルにとっても同じで。  
完全に引き抜くことは出来ないらしく、半ばまで引いてはまた根元までねじ込む。  
カイルが自身を引くのに合わせて、フレデリカの愛液が胎内から掻き出される。  
溢れ出した愛液が、履いたままの下着を汚す。  
じっとりと貼り付くその感触に、フレデリカは不快感を覚えていた。  
感触だけでなく、行為自体にも強い不快感を抱く。  
 
止まない律動。  
自分の耳元で響く、カイルの荒い呼吸。  
単調な、ただひたすら快楽を貪ろうとしている動き。  
 
抱かれているのでも、かといって犯されているのでもない。  
ただ、自分の身体を「使われて」いる。  
それはフレデリカにとって、余りにも屈辱的な行為だった。  
 
「…っ、…はぁ…」  
「ああッ…、ん、やぁ、…ッ!!」  
 
カイルの動きに合わせ、唇から漏れる自分の嬌声。  
他ならぬカイルの手によって、散々開発されてきた身体。  
フレデリカの意思に反して、身体は貪欲に快楽を求めていた。  
 
互いの吐息が、体温が、流れ落ちる汗が。  
そして繋がっている箇所が、混じり合って互いを狂わせていく。  
部屋には、粘ついた水音と荒い呼吸音が響き渡っていた。  
 
 
(やだ、やだ…。こんなのが、すごく気持ちいい、だなんて…!)  
 
 
カイルの肩に顔を埋め、突き上げられる度に声を漏らすフレデリカ。  
とめどなく溢れる愛液のおかげで、結合部からはぐちゅぐちゅという音が響いていた。  
 
「ふぅ…、んッ、んうぅ…!!」  
 
下着を無理矢理押し広げられた隙間から挿入されたことで、いつもと違う角度から刺激を与えられる。  
おまけに片足を持ち上げられ、宙吊りのままで責め立てられる。  
最初こそ苦痛でしかなかったこの行為は、いつしか強い快感をフレデリカに与えていた。  
 
「…ッ!…ちょっと、カイル…!」  
「…あ?…何だよ」  
 
不意に、ある疑問が生じて声を絞り出すようにしてカイルに問い掛けるフレデリカ。  
カイルは完全に抽送に没頭していたのか、僅かに苛ついた様子を声に滲ませていた。  
 
「…ねぇ、そろそろイキそうなんじゃない?」  
「……あぁ、うん。そーだな」  
 
何度も身体を重ねたからこそ、フレデリカには察知することの出来る感覚。  
自分の内にあるカイル自身や、カイルの様子から絶頂が近いことを感じ取っていた。  
何より、余裕の無いカイルの口調がその事実を如実に物語っていた。  
 
 
「…今日は中はイヤなの」  
「………」  
「外に、出してよ…」  
 
フレデリカの声は、小さく震えている。  
カイルはしばし考え込むかのようにして、律動を止めていた。  
 
 
「ヤだよ」  
 
「え…っ」  
 
驚いた様子のフレデリカには構わず、再び胎内を突き上げるカイル。  
突然の衝撃に、フレデリカの全身がびくりと跳ねた。  
 
「やっ…、やだ!どうしてよ…!」  
「だって、こんなトコで外に出したら後始末が大変だろ?」  
「そんな理由!?」  
「つーか、この体勢ですぐ抜くなんて無理だっつの」  
「じゃ、じゃあ、こんな体勢イヤよ!下ろして!」  
「もっとヤだって」  
「何で!?」  
「ここまで来たら、このまま最後までヤりてぇじゃん」  
「………は?」  
 
身体を起こし、カイルを見据えるフレデリカ。  
カイルの瞳に好色な光が宿っていることに、フレデリカが気付けるはずもなかった。  
 
「大体、フーだってそろそろだろ?」  
「ん…ッ」  
「イクんだろ。さっきからめちゃくちゃ締め付けて来てるぞ」  
「あ…、あぁ…ッ!!」  
 
「一緒にイこうぜ。…な?」  
 
 
フレデリカの腰を掴み直し、ラストスパートと言わんばかりに腰を振るカイル。  
カイルの抽送に合わせて、ぐちゃぐちゃと音を立てながら溢れ出すフレデリカの愛液。  
とうとう下着でも受け止めきれなくなったそれは、垂れ落ちて床に小さな染みを作っていた。  
 
 
「ふああッ!や、アタシッ、もう…駄目ぇぇ…!!」  
「…ッ!オレも…、そろそろ…!」  
「!?…やだッ、中はイヤぁ!!出さないでよぉ!!」  
「…今更無理だって!諦めろよ!」  
「やだ、やだっ、イヤぁぁッ!!」  
 
「…くッ。…おい、出すぞ…!」  
「いや、あ、あああああッッ!!!」  
 
 
 
 
どちらが先にイッたかなんて、そんなことはもうどうでも良かった。  
カイルはフレデリカの胎内に欲望を全て注ぎ込んだし、  
フレデリカの秘唇は吐き出された白濁を欲して、何度もカイル自身を締め付けていた。  
 
 
「…はぁ…。…よっ…と」  
「…ん、…ぁ…ッ」  
 
 
互いに呼吸を乱しながらも、壁に押さえ付けていたフレデリカを開放するカイル。  
自身を引き抜き、力の抜けたフレデリカの身体を抱き抱えるようにして下ろしてやる。  
 
「はぁ…、ん…」  
 
カイルの身体から、ずるずると滑り落ちるフレデリカ。  
自分の身体を支えることも出来ないのか、壁に背を預けるとそのまま床へと崩れ落ちていた。  
 
「…おい、フー?大丈夫か…?」  
「………この、馬鹿…!」  
 
顔を赤く染め、ぜぇぜぇと息を吐きながらも眼前のカイルを睨み付けるフレデリカ。  
下着も着けておらず、はだけて全てを晒け出している胸元。  
じっとりと汗ばんだその肌には、カイルによっていくつもの赤い痕が付けられていた。  
開かれた脚の奥からは、ぐちゃぐちゃになった下着が覗いている。  
溢れた愛液が、太ももまでも汚していた。  
それを気にする余裕もないのか、疲弊しきった瞳がカイルを見上げている。  
 
 
「……………」  
「…何よ、どうしたのよ…!」  
「あ、ああ。何でもねぇよ」  
「…何でニヤニヤしてんのよ」  
「気のせい気のせい」  
 
 
(誘ってる訳じゃ、無いんだよな…?)  
 
上気した頬に乱れた髪。  
色々と隠そうともしていない、あられもない姿。  
 
(…多分、自分の格好分かってねぇな。これは)  
 
余計なことを口にすれば、まず間違いなく蹴り飛ばされる。  
色々と言いたいことはあったが、何を言っても機嫌を損ねてしまいそうで。  
しゃがみ込んだまま、フレデリカの頭を撫でることでその場を誤魔化していた。  
 
「…あっ…!」  
「…どうした?」  
 
頬を染めたまま、身体を小さく震わせるフレデリカ。  
 
「…やだ、中から出てきてる…」  
「さっきの、オレのか?」  
「ったりまえでしょ!?やだぁ、気持ち悪い…ッ」  
「オレ、そんなに出してねぇって。どっちかっつーと、フーに原因があるんじゃねぇ?」  
「何ですって…!?」  
「だってさぁ、ホラ」  
 
 
−…ぐちゅっ  
 
 
「……ッ!!」  
「な。フーがすげえ濡れてんだよ」  
「…ふぁ…ぁ!」  
 
カイルの指が、フレデリカの秘部を撫でる。  
たっぷりと粘液を含んだ下着は、淫らな音を響かせていた。  
 
「オレが中に出したくらいじゃ、こうはなんねーだろ」  
「…んッ、ひぅ…!」  
「今日、いつも以上に濡れてたしな。こういうのがイイのか?」  
「…や、はぁ!…あッ!」  
「意外だよなァ」  
 
 
下着の上から、秘唇を撫で上げる。  
それだけでフレデリカは、身体をびくびくと震わせながら声を上げていた。  
 
更なる刺激を欲しがるかのように、身悶えながら足を広げるフレデリカ。  
膝を立てたその姿は、さながらM字開脚のような格好になっていた。  
 
 
「…何だ。足りねぇの?」  
「…え…?」  
「足、開き過ぎ」  
「…?…やだ…ッ!?」  
「別にいーよ、そのままで」  
 
そう言って身を乗り出すと、フレデリカの膝に手を当てて動きを阻む。  
急に近付いたカイルの顔に、反射的に身を引こうとするフレデリカ。  
どん、という音と共に、背中を壁に打ち付けていた。  
 
「なぁ、フー」  
「…何よ」  
「指、挿れていいか?」  
「やだ」  
「早ッ!…でもこれだけじゃ、足りねぇだろ?」  
「そんなこと無いわよ。むしろ余計なお世話ってヤツだわ」  
 
「へー、そっか」  
「…ッ!!…んぅ…!?」  
 
カイルの顔が目前に迫る。  
そしてフレデリカが顔を背けようとするよりも早く、カイルは唇を重ねていた。  
 
 
「…ふ、…ぁあ…ッ」  
 
絡み合う舌と、互いの唾液が混ざり合う音が響く。  
貪るようなカイルの舌の動きに、フレデリカは甘い吐息を零していた。  
 
「…ッ!?ん、んんっ…!!」  
 
不意に、ぐちゅりという音が響く。  
カイルの指が、フレデリカの下着の奥へと潜り込んでいた。  
無遠慮にフレデリカの内を掻き分ける指。  
つぷり、という音を立て、秘唇の中へとカイルの指が進入していた。  
 
「む、ぐぅ…!?」  
 
散々犯された秘唇は、無骨なカイルの指すら易々と飲み込む。  
カイルが指で中を掻き回すと、じゅぷじゅぷという音が響く。  
そして指を抜き差しするたびに、奥から新たな愛液が溢れ出していた。  
 
「はァ…、あッ、ああァ…!!」  
 
離された唇の間から、銀糸が伝う。  
カイルの舌がフレデリカの首筋を這い、責め立てる指の動きに合わせてフレデリカは嬌声を上げていた。  
 
「ああッ!…やだ、いや、駄目…ッ!!」  
 
空いた手が、はだけた胸元を撫でる。  
カイルの指がフレデリカの先端に触れ、弄ぶように強く摘み上げた。  
 
「やぁぁ…ッ!!」  
「…ほらな、結局欲しかったんじゃねぇかよ」  
「あッ、ん、やだッ、やだぁ…!!」  
 
身体を小刻みに震わせながら、真っ赤な顔で首を振るフレデリカ。  
その様に、カイルは思わず笑みを浮かべていた。  
 
「…何だ。もしかしてまたイッちまうのか?」  
「…ッ!!!」  
「なぁ、どうなんだ?」  
「…んッ、あ!…も、駄目ぇ…」  
 
「じゃ、止ーめた」  
「…え…」  
 
いきなり指を引き抜き、身体を起こすカイル。  
行為を急に中断され、フレデリカは呆気に取られたような表情を浮かべていた。  
 
「…何で、よぉ…!」  
「だってさ。フーだけイカせるなんて、つまんねぇだろ?」  
「…なッ」  
「よっと」  
 
フレデリカの背中と膝裏に腕を通すと、そのまま身体を抱え上げるカイル。  
予想外のことに、フレデリカは足をばたつかせていた。  
 
「…やだ、ちょっと…!?」  
「こら、暴れんなよ」  
「離してよ!馬鹿ぁッ!!」  
「ほいほい、もうちょい待ってな」  
 
カイルはフレデリカを抱えたまま、部屋の中へと向かう。  
ベットの前まで来ると、抱えていたフレデリカをベットの上へと放り投げていた。  
 
 
−ぼすっ。  
 
 
「きゃあッ!?」  
 
柔らかいベットに、背中から倒れ込むフレデリカ。  
突然のことに崩された体勢を立て直すと、フレデリカはカイルを睨み付ける。  
 
「……………」  
 
目前の光景に浴びせるべき罵声を忘れ、ぽかんとした表情を浮かべていた。  
 
「あんた、何してんの」  
「見て分かんねぇか?」  
「分かるけど、人のこと投げ捨てといて何で服脱いでんの」  
「んー?」  
 
着ていたシャツを脱ぎ、上半身裸になっていたカイル。  
ベットの上に転がるフレデリカを見下ろし、どこか楽しそうな笑みを浮かべていた。  
 
 
「オレもヤりてぇんだよ」  
「……はァ?」  
 
「2回戦と行こうぜ」  
 
 
ぎしり、とベットが軋む。  
いつの間にか、ベットの上に居たカイルがフレデリカを押し倒していた。  
 

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