「ああッおまえ達、なんて愛しいんだッ!!」
「わ」
「ヒャー!!!」
ぐい、と肩を掴まれアゲハに抱き寄せられた。
突然のことに驚いて声を漏らすと、更に大きな甲高い声が響いた。
ぼすっ。
むにゅ。
何かにぶつかる衝撃に続いて、柔らかい何かが自分のお腹に当たる感触。
目の前には、マリーの項があった。
咄嗟に前に突き出していた手は、剥き出しのマリーの肩を掴んでいる。
アゲハの抱擁にマリーがじたばたともがく度、マリーの髪が揺れてシャオの鼻先をくすぐる。
お腹に触れている「何か」もマリーがもがく度に、ぽよんと柔らかい感触を伝えてくる。
(これは、まさか…)
むにゅっ。
(…尻…!!)
ようやくアゲハから開放されたマリーは、真っ赤な顔をしてシャオの方を振り返る。
シャオの顔も赤くなっていることに気付くと、更に慌てふためく様子を見せた。
「あっあっ、シャオ君大丈夫!!?」
「ああ…うん…」
「ごめんね!?」
シャオは、詰め寄るマリーの顔を正視出来ずにいた。
視線を落とした先にある、マリーの胸元に先程触れた肩の感触を思い出す。
「シャオー、まだ顔赤いけど大丈夫かー?」
「だ、大丈夫だよっ」
「そっかぁ??」
「えー!!!また!!?」
「…!!」
フレデリカの大声に、シャオはようやく我に返ったような表情を見せていた。