『8年半もじっと待ったよ、この"根"でな』
「…だそうですよ、カイル君」
「…待つしか能がねぇんだろうなあ、ヴァン」
「ちょっと待て!何なんだこれは!!」
「根の警備体制をナメんなよ?監視カメラがあることくらい、シャオも知ってんだろ?」
「それは知ってるが、何で僕が映ってるんだ!!」
「それは勿論シャオ君のストー…、様子を見れるようにしてたんですよ」
「何でだ!」
「ボクの個人的趣味です」
「まあまあ、結果的にオレ達にとっては面白映像が見れてるんだからいいだろ?」
「良くないに決まってるだろ!」
「まあまあ、自分の能力をぺらぺらと喋りながら闘うシーンも収録済ですから」
「そうそう、イケメン(笑)が台無しなシーンとかな」
「ちなみに特典映像として『侵入に気付いたシャオ君が迷いなくマリーさんの元に駆け付けるまで
〜あるストーカーの生き様〜』もあるんですけど、それだけでも観ます?」
「誰が観るかーーー!!!」
「ちなみに、先日マリーさんにも監視カメラの映像確認という名目でこの映像を見て貰ったんですけどね」
「な…ッ!?」
「『シャオ君…、私のために…?』って、喜んでましたよ」
「デレがデレたってなぁ…、オレ達はつまんなかったけどな」
「『闘ってる時のシャオ君、格好良かったんだね…』なんて言ってましたからね」
「それをマリーの前で見せられないから、不憫キャラ呼ばわりされんだぞ」
「余計なお世話だッ!!」
「だから、オレ達がこうやってわざわざマリーに教えてやったんじゃねぇかよ。感謝しろよな?」
「明らかに悪意が混じってるだろう!」
「違いますよ、面白がってるだけです」
「結果は一緒じゃないか!!」
「で、その後こんなおたよりが届いていまして」
「何だよそのハガキは…」
「えー『マリーが口を開けばシャオのことばかり話すから欝陶しいことこの上ない。
なので今すぐシャオを燃やしに行ってもいいだろうか?』根在住のT樹院Fレデリカさん(19)からいただきました☆」
「何だその中途半端な伏せ字は!!」
「視聴者の意見は真摯に受け止めなくちゃなぁ」
「こんな手の込んだ真似をする必要があるのか!!」
「良く見てみろよ。これ、フーの字だろ?」
「本当に書いてきたのか!?」
「…とにかく、シャオのおかげであちこちからクレームが来てるんだからな」
「他にもあるのか…」
「ありますよー?どこかのスレがシャオ君の話題づくしになったり、スレタイが変更されそうになったり
エロパロなのにシャオ君のネタにばかりジャックされてしまって盛り上がってまして」
「シャオの自演説も出てたよなぁ?」
「とある職人からは『不憫過ぎるからたまにはいい思いをさせようとしていたらこんなことになってしまった
シャオにいい思いをさせる展開にする必要はないのではないか。というかこんな誰得展開もう嫌だ
こんなことならパンツなんか穿かせなければ良かったウワァァン!!』
…という涙目なおたよりも来てますからね」
「それは僕のせいじゃないだろう!!?」