なんで個室に入れられたんだろう?
消灯後の病室で、オーランド伍長は心細げな表情で毛布にくるまっていた。
以前病院を脱走して以来、もう二度と個室にはしないと言われてずっと三人部屋だったのに。
なんで今回に限って。
夕食を運んできた看護婦が去り際に残した不穏なまなざしを思い出すと不安で眠れない。
檻の中の獲物をどう料理しようかと値踏みするような冷酷な視線。
その先にあるのは間違いなく伍長の股間だった。
まさか、また……。
静まり返る暗い廊下に耳を澄ます。人の気配はない。
まさかそんな、ね。
考えすぎだよ。しっかり眠って早く怪我を治さないと。
その日の悪夢はいつものものとは違っていた。
廊下の暗闇の奥から瘴気が押し寄せる。
爛々と瞳を輝かせ、押し殺した歓喜の表情で一歩一歩近づいてくる邪悪な存在。
その手に提げるのは、楕円形のシルエットの上に不必要なトゲトゲやゴツい南京錠がつき、
黒光りのする金属で全体の七割を補強された…拷問具。
ハッと目覚めると、即座に声がかかった。
「大丈夫?悪夢を見ていたみたいね。」
「ひゃああああああ!」
悪夢の元凶が枕元に立って顔を覗き込んでいる。
「夜間巡回に来たのよ。身体の調子に異常はありませんか?」
静かな表情、手に提げているのは小型のランプだけだ。
「すみません叫んだりして。大丈夫です、お疲れ様です」ほっとして返事をすると同時に、
ベッドサイドテーブルの上に置かれた、違和感のあるものが目に入った。
ランプの光を受けて揺らめく、金属とガラスの光沢。開口部に鋭い鋲と強力な絞め具がついた…
「三度。」喉の奥から押し出すように看護婦がつぶやく。
「三度よ。三度もの敗北を嘗めさせられるなんて、現代医学の使徒として許されざることだわ。
それを挽回するためには圧倒的な勝利が必要なの!搾り取って枯らしてやるっ!」
ビシイ!と伍長の股間に指を突きつけると看護婦は猛然と襲い掛かった。
喰われる。
伍長の全身を恐怖が捕らえた。
看護婦は一息に伍長の毛布をひっぺがし、パジャマを掻き分け伍長の巨砲を捕らえると
エサをむさぼる肉食獣のような勢いでそれを舐めしゃぶり、手でしごき、
果てはマシュマロのように柔らかい豊かなおっぱいを露出して、
それを使って伍長の下半身と勝手に壮絶な戦いを繰り広げ始めた。
「や、やめ、こんなの…ひどい…うっ。く」
チュバッチュバッピチャックチャックチャッ…
弱弱しく抗議する声をいやらしい音が飲み込んでいく。
女性から剥き出しの性欲をぶつけられたのは初めてのことで、伍長は完全に怯えていた。
されるがままに蹂躙され、好き放題に犯されても何も抵抗できない。
無力感に震えながら彼は嗚咽を押し殺して屈辱の涙を流した。
なのに、なぜかそれに反して股間は硬さを増し、大きさを増し、
好敵手として看護婦の前に立ちふさがる。
「くっ…やるわね。だがしかし!」
彼女はベッドの上に仁王立ちになり、ガン!と伍長の頭上にあるベッドの柵を踏みつけた。
思わずスカートの奥に目が行ってしまい、伍長は真っ赤になって顔を背ける。
見せ付けるようにしながらまずストッキングを、次いで黒い大胆な形の下着を脱ぎ捨て、
静かに伍長の腰を跨ぐと、屹立した豪砲の上にぴたりとポジションを定めた。
俺初めてなのに。こんな風に一方的に奪われてしまっていいのか。恋人同士でもないのに…!
少尉!たすけてください少尉!
少尉………。
看護婦はゆっくりと、しかし確実に伍長の豪砲を飲み込んでいく。
「思っていたとおりだわ。素敵…!」
痛みを上回る恍惚感に満たされ、彼女は至福の表情でゆっくりと腰を使い始めた。
そのスピードはだんだん速くなり、伍長は唇を噛み締めて快感に耐えた。
「ふふ。いい顔ね。せめてもの抵抗に、イクのを我慢してるってわけ。可愛いわ。
…でもどこまで持つかしらね?」
看護婦は嗜虐心もあらわに伍長を攻め立てる。その表情は凄く嬉しそうだ。
常軌を逸した腰の動きに、彼は何度も意識を持っていかれそうになる。
少尉たすけて…!これじゃ、このままじゃほんとに…。
少尉のことを思うと少しだけ正気が戻る。
それにすがって精神を保っていた伍長だったが、もう限界まで追い詰められていた。
「けっこうがんばったわね。でも、そろそろ息の根止めてあげるわ。
味わいなさい、ナースのスゴいテクニック!」
看護婦はそう宣言すると、なんだかすごい大技を繰り出した。
もう…駄目だ。俺、俺、「あ、あ、あああああああああー!」
圧倒的な快感と絶望感に満たされながら伍長は長く強い絶頂に達した。
ほろほろと涙を流し続ける伍長のまぶたの裏に少尉の笑顔が浮かび、そして遠くに消えていった。
看護婦は頬を上気させながらも充実感あふれる表情で伍長が達する様子を見下ろしていた。
「さて」
後始末もそこそこに、看護婦はいそいそと尿瓶を取り上げ、
大量の精液を吐き出してぐったりとなった伍長自身を掴んで開口部に当てた。
射精後の敏感なそこが金属にこすれ、彼は半分意識を失いながらも痛みにうめいた。
「少しは聞きわけが良くなったかと思ったのに、まだまだ生意気なのね。
じゃーそろそろナースの反則技を出しますか。前立腺マッサージ!」
早朝。いっぱいに白濁液を満たした尿瓶を、狩りで獲た獲物のように高く掲げ
ホホホホホホと勝ち誇った高笑いを響かせながら看護婦は廊下を遠ざかっていった。
その日お見舞いに来た少尉は、屍のようになった伍長を目の当たりにし、倒れんばかりに驚いた。
うつろな目をした伍長は最初のうちは何も喋らず、少尉にさんざん追求された末
「少尉……。俺、汚れちゃった」とぽつりと一言だけ漏らしたという。
終わり