「どうしてこんなことになったんだろう・・・?」  
月明かりが射す広い寝室で、オーランド伍長は思った。  
ベッドには彼の上官、アリス少尉が静かに寝ている。  
ここは少尉の実家の屋敷で、少尉の寝室である。  
舞踏会にて少尉は伍長に「いつかと言わず、今守れ」と言った。  
その様子を見ていた少尉の姉、ソリスが「アリスをよろしくね」と言って  
帰りの際、少尉の屋敷で伍長も車から降ろした。  
少尉のもう一人の姉、エリスを一番先に自宅へ降ろして・・・  
まずは少尉を寝室のベッドに寝かせたので一安心である。  
だが一つ問題がある。少尉は伍長のコートを羽織ったまま寝ているのである。  
外は雪が降って、夜も大分更けている。恐らく今の格好で帰れば風邪をひくだろう。  
風邪をひこうものなら少尉から  
「バカモノ!軍人たるもの、自己の体調管理ができないでどうする!」  
と、カミナリが落ちるのは容易に想像できた。  
コートを着て帰ったほうが最善だと見出した彼は、勇気を出して少尉からコートを脱がそうと決意した。  
少尉を起こさないように慎重にコートを脱がそうとするが・・・アレ?  
ボタン、留めてたっけ?  
 
深く考えずに伍長は  
ああ、きっとお姉さんのどちらかが少尉に風邪をひかせないために留めたのだろう、と  
妹に対する姉の優しさだと、伍長は姉妹同士の暖かさを覚えたが、これが罠だった。  
いざボタンを外そうとすると、予想以上に恥ずかしかった。  
「(なんだか俺、まるで今から少尉と・・・ハッ!俺は何を考えてるんだ!?)」  
咄嗟に過ぎった邪な想像を振り払うために自分の頬を叩き、喝を入れた。  
再挑戦を試み、ボタンを外し、脱がせることに全神経を集中させた。  
三つ、四つ、よしラストだ!と外そうとした瞬間、少尉が動いた!  
「(やばいッッ!!)」  
何故か伍長はベッドの下に隠れようとした。  
だが体が挟まって思っていたより奥に隠れられなかった。  
静かになったので少尉の様子を確認したら、寝返りをうっていただけだった。  
安心するのも束の間、状況は明らかに悪化している。  
やっぱりコート着ないで帰ろうか?でも風邪ひくリスクのほうが高い。  
「(凄く恥ずかしいけど、何とかしてみるか・・・)」  
最後のボタンを外し、コートを脱がす段階に到達した。  
 
最大の難所、コート脱がしである。  
袖から脱がそうとしたその瞬間、少尉の手と伍長の手が重なった。  
「あッ・・・」  
時が止まったような気がした。  
起きたのかと思ったが少尉はまだ寝ている様子。寝返りだったようだ。  
慎重に、起こさぬように重なった手をずらした。  
少尉の手をずらしたとき、彼は改めて少尉の小ささを思った。  
確かに自分みたいな巨体の持ち主から見れば全て小さいのだろう。  
だけど、そういうこととは違う。この方には、もっと、違うその何かが・・・  
伍長は舞踏会のときの少尉の姿を想いだした。  
でもこの感情は、この気持ちは少尉に向けてはならない。  
少尉には婚約者がいるんだ。それを俺はこんな間男みたいで卑怯だ・・・  
だけど、だけど・・・違う!俺は少尉を、この方をッッ  
・・・守ってやりたい。この人をずっと、一生かけて守ってやりたいッッ!  
やっぱりコートは諦めよう。走って帰れば体だって暖まるし。  
 
伍長は少尉に脱がしかけたコートの上に毛布を掛けた。その時、少尉の白い手が再び伍長の手と重なった。  
先ほどの寝返りとは明らかに違った。伍長の手を握っている。徐々に握る力が増すのを感じられた。  
「バカ・・・」  
「少尉!ぇえっとあの、その起こしてしまって申し訳ご・・・」  
「・・・を貸せ」  
「え!あっはい!ええっとあの・・・」  
「耳を貸せと言っているのだ!」  
上半身を起こし、慌てふためいている伍長の首に少尉は腕を回し抱きしめ、小声で言った。  
「いつまで待たせるのだ?お前は私に恥をかかせる気か?」  
「そっそそそんなぁああ!!そんな俺、少尉の・・・ンンンッッ」  
伍長の唇は少尉の唇によって閉ざされた。長い接吻であった。途中、少尉は舌も絡ませてきた。  
お互いの舌が口内で絡み合う。このまま身を預けて流れるままにしたい。しかし彼の理性がそれを許さなかった。  
伍長はずっと続いた接吻を自ら解いた。  
「ンンッップはァぁあッッ・・・しょ、少尉!いけません!」  
「何故だ?」  
「だっ・・・だって少尉にはその・・・」  
口に出したくない、言いたくない。でも言わなきゃいけない  
 
「だって少尉には婚約者がッッ・・・!!」  
「婚約なら破棄だ」  
「ヘッ?」  
「私はじきにマルヴィン家の継承者でなくなる。だから婚約は破棄したのだ」  
「でも・・・なんで俺に?」  
乾いた心地よい音が寝室に響いた。  
「バカッ!」  
月明かりに照らされた少尉の目からは涙が溢れていた。  
「バカッバカバカッ!」  
少尉は伍長の胸に凭れ掛かり、彼の胸を力なく打ち続け、嗚咽を漏らした。  
涙を目に溜めながら、伍長を睨みつけた。  
「私は・・・お前が・・・私を守るって言ってくれたから・・・ッッ!」  
少尉の言葉が自分の胸に突き刺さったのを伍長は感じた。彼は自分自身の愚鈍さを悔いた。  
自分の胸の中で泣いている、この小さくも凛としている愛しい人を泣かせたのは誰だ?俺自身じゃないか?!  
伍長は少尉を強く抱きしめた。彼の決意の表れであった。  
少尉も強く伍長を抱きしめた。伍長は彼女の頭を撫で、自らキスを求めた。  
 
少尉も伍長に応えた。先ほどのキスよりも長く、愛を確かめるように互いの口内で舌を絡ませた。  
キスをしながら互いの服を脱がせていった。呼吸がどんどん荒くなっていく。  
やがて伍長は口から耳に自らの舌を這わせ、少尉の耳たぶを愛撫した。  
「ンンッツ・・・アッ・・・ハァ・・・フッゥ・・・ウンンン」  
少尉の口からは女の吐息が漏れてくる。少尉は伍長の頭に腕を回し抱きしめた。  
伍長の愛撫が首の付け根から鎖骨に、下着を脱がせて乳房へと進んだ。  
彼は少尉の乳房にむしゃぶりついた。手で揉みしだきつつ、口に含んで舌で乳首を刺激する。  
「アッ!アァアッ!ヒッィヤ・・・ッ」  
少尉から漏れてくる声が更に激しくなっている。  
再度キスを交わし、両手は少尉の背中から腹部、乳房を何度も何度も繰り返し撫で回した。  
伍長は少尉の下の下着を脱がし、ベッドに仰向けに寝かせた。彼女の両股を広げた。  
彼の手が少尉の秘裂に触れた。その秘裂に滴る彼女の愛液は溢れんばかりである。  
少尉は恥ずかしさで顔を手で覆っている。  
伍長はそれに気づき、覆っている手を優しく解いた。赤く紅潮した彼女に彼はキスをした。  
「少尉・・・可愛いです」  
「・・・バカ」  
彼女は伍長の唇を求め、伍長も応えた。  
 
左手で少尉の頭を抱き、右手で秘部を愛撫した。  
まずは中指と薬指の腹で陰核を刺激し、一本指を秘裂にゆっくり入れ、円を描くように膣内かき回した。  
彼の太い指では一本指だけでも少尉にとっては大きいものだった。やがて解れてきたので二本指で愛撫した。  
「ンーッンンンフゥッッ」  
キスの合間合間に少尉からは吐息が漏れ、体は弓のように跳ね上がった。  
伍長の口が秘部の陰核と秘裂を刺激したとき、少尉は初めて抵抗した。  
「そ・・・そんなッィヤ、そんな恥ずかッンンゥウッ恥ずかしいトコロ舐めないでッ!!ッッア」  
少尉の抵抗も空しく、伍長は更に愛撫を続けた。  
「ぁぁぁあああぁッッダメッヤメテェッいやアアアアアァァアッッッッッ!!」  
彼女は達してしまった。体を痙攣させ、静かに呼吸を荒げて・・・伍長もソレだと理解し、少尉を優しく抱き寄せた。  
体勢をかえ、今度は自分が下になった。少尉の痙攣が治まるまで自分の胸の中で少尉の頭を撫でながら待った。  
少尉も呼吸を整え、落ち着きを取り戻したようだ。  
「伍長・・・その、あ・・・・」  
「・・・はい。」  
「その・・・私だけ満たされるのは・・・あの・・・私だって」  
「はっはい・・・少尉・・・」  
少尉は伍長の下着の下にあるものをまだ見ていない。伍長が下着を脱ぎ、それは現れた。  
 
彼女の顔は恐怖と驚愕で歪んだ。そこには子供の腕くらいの太さと長さがあり、赤黒く聳え立っている。  
しかし、勇気をだして、彼女の持っている知識を展開しようとした。  
でも自分の小さな口では伍長のソレを全て含むことは出来ず、亀頭の部分を口に含めたくらいであった。  
なんとか舌を絡ませたり、しゃぶりついてクチュクチュと音をたてながら動いてみた。  
あまった部分は手でしごいたり、手で包んだりした。。  
ぎこちない愛撫だが伍長にはそれでも十分だった。  
少尉に含まれたソレの割れ目からは、カウパー腺液がどんどん溢れてきた。  
「少尉、足をこちらに」  
と、彼は少尉の股を自分の顔のほうに持ってきた。  
互いの秘部を愛撫し合うかたちになった。伍長は少尉の尻を揉みしだきつつ、口で秘裂の中を舌でかきまわした。  
少尉も負けじと先ほどからの愛撫を続けた。根負けしたのは伍長であった。  
「少尉・・・ッッ!もう、俺ダメです・・・」  
その言葉を聞いたとたん、彼女の愛撫は更に激しさを増した。  
「少尉!いけません!口を御放し下さいッッ!・・・ンンオオオオォォァァッッ」  
少尉の口内に伍長の精液が放出される。何度も鼓動をうつ度に出てくる。  
彼女は途中咳き込みながらも全て受け入れた。何とか飲み込んで少尉は悪戯っぽく笑った。  
「これでアイコだな?」  
伍長も心配の気配が失せ、愛しげに彼女に笑ってみせた。  
少尉は覚悟を決め、伍長に求めた。  
「伍長・・・そろそろ・・・」  
「・・・はい」  
 
「しかし、入りきれるか・・・な?」  
「少尉のも大分濡れて解れてるから大丈夫かと・・・イテッ!」  
「そんなこと声に出さなくともよい!!」  
小突かれた伍長は自分の配慮の無さを悔いた。  
少尉が上となり伍長のソレを自らの秘裂に入れようとしたが、なかなか入らない。  
入りきれないと言った方がいいのか?  
少尉は内心恐怖でいっぱいだった。コレを自分の中に入れたら壊れてしまうのではないか?  
でも、今ならば、このまま壊されてもいい!彼女は徐々に腰を下ろして伍長の肉棒を飲み込んでいった。  
伍長の顔を見たら、心配そうな顔で自分を見ていた。少尉は伍長の頭を抱き寄せ、力いっぱい抱きしめた。  
伍長もそれに応えるように少尉の肩と背中に腕を回して強く抱きしめた。  
安心を覚えた少尉はやがて、伍長の全てを飲み込むことができた。  
苦痛に顔を歪ませ、絶叫したくなるほどの痛みなのにどうしてだろう?怖いという感情がない。  
ああ、私は今、この男に満たされているのだなと少尉は感じた。癒し、安らぎなのか?  
「少尉・・・その・・・」  
「なんだ?」  
「アノ・・その・・・腰を動かしていいですか?」  
恐らく今、動かれでもしたら激痛で叫んでしまうかもしれない。しかし、伍長が私を望むなら・・・  
少尉は伍長の目を見ながら小さく首を縦に振った。  
伍長の腰の動きはゆっくりと円を描くようなものであった。それでも少尉にはまだキツかった。  
しかし、続ければいつか慣れる日がくる。彼女はきっとそうだと自分に言い聞かせた。  
でもそれまでには内臓の位置と骨格が変わるのではないかと不安ではあるが・・・  
 
伍長が体勢を変えようとするが少尉は拒んだ。  
「ずっとこのままくっついていたいんだ・・・だめか?」  
少尉が切ない表情で伍長を見たものだから彼はそれに応えざるを得なかった。  
「もう少し・・・激しくしてもいいぞ」  
「でもそれだと少尉がッッ」  
「私は大丈夫だ。現にお前を受け入れている、それに・・・」  
「?」  
「・・・ッッ!一体何を言わせるのだ!」  
少尉は顔を真っ赤にさせ強がった。  
「お前がやらぬなら私が」  
「少尉」  
伍長は唇で少尉の唇を封じた。  
「言ったじゃないですか。もっと頼ってほしいって」  
「・・・バカ」  
 
お互いに唇を求め合い、絡ませた。伍長の腰の動きは段々と強くなってきた。  
キスをすると何故か安心する。その度に何度も達しそうになる。  
広い寝室に愛液の交わる音が静かに響く。  
そして限界に達しそうになる。  
「少尉、俺もう・・・」  
「・・・いいぞ。そのまま・・・御願い・・・」  
「しかし少尉・・・ンッッ」  
今度は少尉の唇が伍長の唇を封じた。  
少尉の決意を受け取った伍長は更に彼女を強く抱きしめて、ラストスパートをかけた。  
「イキます!少尉ッッ俺・・・ッンン、ァアッッ」  
「ッァアァッァアアアアアァァァァッッッ!!」  
彼女は自分の中で伍長の肉棒が鼓動を打ちながら熱いモノをだしているのを感じた。  
行為を終え、二人は繋がったまま強く抱きしめあい、唇を交わした。  
お互い安堵し、満たされた感情をそのままに、二人は眠りについた。  
 
 
翌朝、少尉は伍長の胸の中で起きた。彼はまだ寝ている。  
昨夜のことを思い出し、照れて真っ赤になった顔を伍長の胸に隠した。  
そのとき彼女は伍長の傷だらけの体を改めて見た。指を傷に沿ってなぞったりした。  
「(こんなに傷だらけになりながらもずっと伍長は・・・)」  
彼女が感傷にふけていると、廊下が何やら騒がしいことに気づいた。メイド達が静止している様子が聞こえた。  
何事か?と思ったそのとき。寝室のドアが開いた。その先に仁王立ちしているのは次女のエリスであった。  
エリスはエリスで寝室の様子を見て激昂しかけたが、頭に血が上り過ぎ、その場で倒れてしまった。  
「あッ姉上ぇぇえッッ!!!!」  
アリスがその場にあった伍長のコートを羽織って直ぐに駆けつけるも、腰に力が入らない。  
何とか這いつくばって姉の下に辿り着いてメイドと共に介抱する。  
目が覚めたエリスは妹の半裸姿を見て再び倒れこんだ。  
騒がしさに伍長が起きた。すると同じくエリスも起き上がり、901ATTのように歩み、伍長の前に立った。  
そして何かに取り付かれたように無言・無表情で左右交互に拳を伍長の頬に叩き込んだ。  
伍長も11発殴られたのを覚えているが、その先の数は覚えていない。少尉が姉を何とか制止し、  
伍長に早く逃げろと指示を出す。伍長は背後に鬼を感じながらも命さながら逃げきることができた。  
どうやら二人の間にはまだまだ障害が多そうである。  
 
ちなみにその日、少尉は入隊して初めての休みをとったとか  
 
 
 
おちまい(?)  
 

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