また、夢を見た。いつものあの夢だ。青白い闇の中、無数の手が水底へいざなう。
殺セ、殺セ、殺セ殺セ…。
全裸の体へ冷たい生命の無い手が絡みつき、生暖かいぬるぬるした血の海へ引き込
まれ……。
『大丈夫だ。いつもなら、ここで少尉が』
闇の中で金髪がふんわりと光った。やっぱり来てくれた。
「オマエナド、モウ助ケニナラナイ」
俺の声だ。ええ?俺、何言ってんだ?
「コノ淫売メ」
俺が、少尉の服を引き裂いた。逃げ惑う裸身を捕らえ、片足を手にかけたまま
担ぎ上げる。そしてそのまま一気に己が股間に突き立ったモノに向かって、
少尉の腰を沈めた。
絶叫。
しかし少尉の悲鳴にもかかわらず、俺は片手で小さな尻を支えたまま、華奢な
裸身を道具のようにぞんざいに、上下に動かした。
『俺、何やってんだ』
少尉が涙をながしている。股間から出入りするたびに、赤黒い肉棒とともに白
濁した汁と赤い血の混ざったものが溢れてくる。ぐったりした体を持ち上げる
と、俺は少尉の豊かな真っ白い乳房に噛み付いた。桃色の乳首のまわりについ
た血のにじむ歯型に舌を這わせる。生臭い鉄の味に、自分の股間がさらに膨れ
上がるのを感じた。
少尉のなめらかな白い腹部が、不自然に盛り上がり、皮膚に俺の性器の形が
はっきり浮き上がって見える。狭くてきつくてはじけそうだ。
金色の髪の毛をわしづかみにすると、もっと激しく上下に動かした。腹の浮き
彫りがそれにつれて浮き上がったりへこんだりする。
片手で腹の表面を、浮き出た形をなぞるように撫でてみた。少尉の中が俺でい
っぱいになって張り裂けそうになっているのを手のひらで確かめる行為に、酷
薄な満足感を覚える。さらに突き動かすうち、やがて何か硬くこりこりしたも
のにあたったが、構わずそれに亀頭がぶち当たるように小さな尻を揺すった。少尉が泣いている。涙をながしている。鮮血が股間からしたたり、俺の傷だらけの腿を伝って落ちた。
『やめろっ……少尉が、壊れる!』
やめろ。やめろって。こんなの拷問だ。なんてひどい。なんて。
「ヒドイダト?……オマエハ俺ダロ?」
瞳に蒼い光りを映しながら、俺が言った。違う!俺はオマエなんかじゃ……
快感が電流のように体に走った。尻が縮こまり、背筋がのけぞる。ああ、少尉
、俺イキそうだ。すごくいい、すごく。……違う、こんなの俺じゃない、違う
、違う。
はじけた。頭の中が真っ白に……。
まぶしい。伍長は目を開けると、あたりを見回した。いつものように猫たちが
にゃーにゃー群がっていくる。ススメのさえずりがかすかに聞こえる、普段ど
おりの橋の下。
寝袋から身を起こすと額に手を当てため息をついた。夢か。まったくなんて夢
だ。
「あん?!……あ、しまった、またやっちまった……」
伍長は顔を赤らめると、もらさない様にそろりと下着ごとズボンをずらす。ま
だ半立ちのそれが白いしずくをたらしながら飛び出した。まわりの黒い縮れ毛
まで白いものでびしょ濡れだ。ズボンを汚さないよう慎重に、拭くものをさが
した。
猫たちが鼻をひくつかせながら、まわりに集まってくる。
「バカ、お前らあっち行けって」
伍長は再びため息をつくと、頭を掻いた。